2009年 06月 26日

ドニさんの話

聖ジェルマンに続けて聖人つながり、今日はドニさんの話。 

1998年のワールドカップ・フランス大会で、決勝戦が行われたスタジアムは
サンドニっていうところにあった。

パリに着いた日、シャルル・ドゴール空港からバスでパリ市内まで移動する途中、
そのスタジアムの前を通った。要するにパリ郊外にあるわけだサン・ドニって街は。
サン・ドニっていうのは聖ドニっていう聖人の名前であり、「ドニ」は
英語表記だとDenis=デニス、ローマ名だとディオニシウスなんだと。へー。

しかし、聖ドニがどんなヒトかとなると、知らない人が多いんじゃない?
ちなみにイ課長はマーーーッタク、全然、ヒトカケラも知らなかった。

ドニさんは大昔のフランスでキリスト教の布教に尽力した人だそうで、
今じゃフランスの守護聖人だっつうんだから、スゴいヒトなんだよ。
だがイ課長が思うに、この人が一番スゴかったのは、その死にザマだ(笑)。

ドニさん、セッセと布教活動したあげく最後は異教徒によって殺される。つまり殉教者。
殉教して、後に聖人に列せられるってのは、まぁよくある話だよな。
殺され方は斬首刑。これも殉教物語ではよくある話だ(本人にとっちゃ大災難だが)。
首をチョン切られた場所は、現在のモンマルトルの丘の上らしい。

だがドニさんのスゴいのはここからだ。
彼は何と、チョン切られた自分の首を手に持って歩きだしたっていうんだな。
ひーー。何たるスプラッター。何たるホラー。
斬首された直後、首なしオジサンになった聖ドニが自分の首を持ち上げようとしてる
あり得ない状況を描いた宗教画(かなぁ?)がこの絵
(注:わりとリアルで不気味な絵だから、カクゴの上でクリックしましょう)

首なし死体が自分の生首を持ってトコトコ歩く…
フツーの人がそんな光景を見たら、宗教的奇跡だとかナンとかいう以前に、
恐怖のあまり失神すると思うんだが…。

さて、自分の首を手に持って歩き始めたドニさん。
しばらく歩いたところでさすがに力尽き、ある地点でバッタリ倒れた。その倒れた場所に
後にサン・ドニ聖堂が建てられ、そこがサン・ドニという街になり…って

…おいおいおい。モンマルトルの丘からサン・ドニまで何kmあると思ってんだヨ!
サン・ドニスタジアムからパリまで、バスで少なくとも20分はかかったぞ。
もちろん、そのくらいの距離を歩くのは可能だが、そりゃ五体満足な場合だろ。
チョン切られた自分の首持ってモンマルトルからサン・ドニまでって…ドニさんコワすぎ。

モンマルトルからサン・ドニまでの間、ドニさんのスーパー・ホラーな“行進”を目撃した人は
みんな恐怖の限界を越え、バタバタと失神するやら失禁するやら発狂するやら…
とにかく阿鼻叫喚の地獄絵図だったに違いない。それが聖人のすることかッ?!

しかし超絶ホラーな死にザマだったとはいえ、今はフランスの守護聖人。
だからドニさんはフランスの教会では当たり前のように登場する有名人なのだ。
ランスの大聖堂にはこんなドニさんが。
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…な…なんかこう…これはあんまりコワくないかも(笑)。
ナンセンス漫画の立体版って感じだ。首の切断面の上、本来顔のある場所についてる
カザリ?みたいなモノはなんだろう?なんだかよくわからない。
右隣の女性(マリア様か?)が怒ったような顔してる理由もよくわからない。

ランスにはこんなのもあった。斬首直後のドニさん…だと思われる。
切られた首が穏やかな顔で浮いてるっていう、そのセンスがまたよくわからない。
 
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こっちはアミアン大聖堂の入口にいた聖ドニ…って、え?ちょい待ち。
手に生首持ってるヒトが二人いるよねぇ?どっちがドニさんなんだよ?
これまたよくわからない石像だなー。
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どっちかがドニさんだろうから、必然的にどっちかはドニさんじゃないはずだ。
ドニさんじゃない方の、首なしオジサンは一体ダレなのさ?
ドニさん以外にも有名な「首なし聖人」がいるのか?
そんなに首なしが好きなのか?フランス人!


こんな想像をした。

もし将来、フランス語の堪能な落語家が出現し、フランス人相手にフランス語の落語を
演じるとしたら(英語ではすでにそういう例がある)、演目は「首提灯」にすれば
大ウケ間違いなしじゃないかと思うんだが… 



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by tohoiwanya | 2009-06-26 00:21 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(0)


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