2010年 02月 24日

ブリュッセルのプレメトロ

一昨年のドイツ・ベルギー出張でブリュッセルに行ったとき、あの街の地下鉄には
東京やなんかと同じ普通の「地下鉄」の他に、一風変わった「地下市電」っていうのがあって、
それがやたらに違和感があって面白かった、みたいな話を書いた。

去年の出張で行ったブリュッセルでも1年ぶりに、この「地下を走る市電」に乗った。
何度見ても相変わらずヘンな感じがする。
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だがしかし、人間の知識は常に進化する。イ課長の知識だってこう見えて多少は進化する。
2008年秋には「地下を走る市電って、変わってるなぁ…」と思っただけだったが、
今やイ課長は「地下市電」から説き起こして都市計画のあり方について論じる用意があるのだ(笑)。

この地下市電の名称、一昨年は知らなくて、今回初めて知った。
「プレメトロ」っていうらしい。

プレメトロっていうからには、直訳すれば「地下鉄以前」あるいは「前期地下鉄」…?
確かに、トラムっぽい車両に加えて線路スレスレの低いホーム、これじゃ「メトロ」とはいえないよな。
だが「地下鉄以前」「前期地下鉄」とはどういう意味なんだ?
最初は「ちびメトロ」的な、単なる愛称なのかなぁと思って深くは考えなかった。
だが、通訳さんに教えてもらったことでイ課長の目からバリバリと音をたててウロコがはがれた。


「前期地下鉄」っていうのはまさにその通りだったんだよ。

地下鉄路線を計画し、トンネルを掘り、駅を整備したとする。
しかし「フル地下鉄」を走らせて採算がとれるほど利用者が増えるには年数がかかる場合が多い。
日本でも「開業後●年間程度は赤字」なんて地下鉄路線はいっぱいある(と思う)。

それなら、利用者が増えるまでは「前期地下鉄」で安く運営し、将来利用者が増えたら
「フル規格化」しようっていうのがプレメトロ、すなわち「前期地下鉄」ってわけなんだよ。
なーーーーるほど!!それは考えたねぇ。
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特に感心したのがホームの構造だよ。ほら。
上の写真のホームの奥の方は将来使うであろうフル地下鉄用のホームだから高くなってる。
ここは今は使わずにおき、コートを着たオバサンが立ってる低い部分だけを使う。
プレメトロの車両なんて短いんだから、一部を低くするだけで十分なんだよ。
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これも、ほら。階段の向こうが将来のホーム、手前の低い部分は今使ってるホーム。
将来この低くなってる部分を埋めれ?ば、フル地下鉄ホームに変身ってわけだ。
線路や、ホーム以外の駅施設はフル地下鉄化してもソックリそのまま使える。
なーーんて合理的・効率的なんだろう。

これにはイ課長、大感心したよ。
都市計画が長期ビジョンに基づいていて、将来を見越して交通インフラを整備しつつ、
現状の運営コストは効率的に安く済ませるというのは、いい考えだと思うよ。
こういうのはドイツでも見た記憶がない。ベルギーだけの方法論なのか?

うーむ…ベルギー人って、アタマいいんだなぁ。



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by tohoiwanya | 2010-02-24 17:52 | 2009.11 欧州出張 | Comments(0)


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