2010年 08月 11日

欧州・盲腸線紀行

イ課長に仕事を頼んできた某機関のエラいおじいさんから、2007年の春に
「ドイツとチェコに行ってきてほしい」と言われたって話を前に書いた。
彼は2年くらい前に引退し、その後は悠々自適の引退生活を送っている(はずだ)。

彼が引退直前に、引退後のライフプランについて聞いたことがある。
実はこのおじいさん大変な鉄道マニアで、日本国中あちこち鉄道で行ってる。
そして、彼の引退後の念願は日本中の“盲腸線”を踏破するということだと聞いて、
世の中には「鉄っちゃん」って多いんだなぁと改めて感心した。

あのおじいさんはイ課長の近年の海外出張ラッシュの、言わば火ブタを切った人といえる。
彼が最初に「アイツに行かせよう」と思わなければ、その後こんなに何度も海外出張に
行ったとは思えないんだよね。

本日はそんな彼への若干の恨みと、若干の感謝を込めて欧州盲腸線紀行。
イ課長の数少ない海外渡航経験の中でも何度か盲腸線の端っこまで行ってる。

あ、一応説明しとくと盲腸線って、要するに「そこでドン詰まり」って駅のこと。
要するに「接続路線のない、行き止まり終点駅を持つ」路線のことなんだけど、普通はさらに
「田舎の、最果ての、ローカル線の、ひなびた終点駅を持つ路線」のことを言うよね。
たとえば大都市の地下鉄の終点駅がいくら行き止まり折り返しドンつまりの駅だからっていっても、
そういうのは盲腸線とは言わない(はずだ)。

盲腸線って、終点が「海岸沿いの街」になることが多くなるはずで、イ課長が過去に行った
盲腸線の終点もぜんぶ海沿いの街だった。

2009年11月出張で行ったオーステンデがまず挙げられるかな。
もっとも、オーステンデくらいの大きさの街になると「ローカル線のひなびた終点駅」っていう
ショボさはあんまりない。そういう意味じゃ盲腸線と言えるかどうか、やや微妙だけどね。
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この時、オーステンデは雨だった上にイ課長は風邪。
オーステンデ観光どころの騒ぎじゃなくて、ヨロヨロになってこの列車に乗って
ブリュッセルに帰ったわけだ。ああもっとユックリしたかった…。

去年のパリ旅行で行ったドゥーヴィルも海沿いの、ドン詰まり終点駅だった。
ここは主要路線から20分くらいの短い「ドゥーヴィルに行くための路線」みたいなのが
出てて、そういう意味では盲腸線的な風情がタップリだったね。
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これがドゥーヴィル駅のドン詰まり。
駅舎もこのあたりの家と同様、木組みの高い設計になってて、けっこう立派だった。
駅舎の中にはこんな丸い時計があるんだけど、実はこの時計、映画「男と女」にも
登場してるんだよね。途中で新しいのに交代してるのかもしれないけど、形は全く同じだ。
この時もう夜の8時だったけど、フランスの5月は夜になっても明るかった。
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欧州盲腸線紀行の最後は…はい、当然シェルブールです。
個人的な印象ではこのシェルブールが一番「ひなびた田舎のドン詰まり駅」的雰囲気が強くて、
「ああ、イチバン端っこまで来ちゃったなぁ」って気分になったもんだった。
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シェルブールについては過去にイヤってほど書いたから(笑)、あまり繰り返さないけど、
駅に関して言えば、やっぱ正面にある新駅舎よりも、ホームに沿って建てられた旧駅舎、
つまり「シェルブールの雨傘」の別れの場面に出てきた駅舎に深い思い入れがある。
ここをカトリーヌ・ドヌーヴが歩いたんだよなぁ…。今はやけにトイレが目立つが(笑)。
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ヨーロッパでは、たとえばフランクフルト中央駅みたいな「行き止まり構造」の駅自体は
全然珍しくない。北駅やサン・ラザール駅はじめ、パリの主要ターミナル駅もほとんど行き止まり式だ。
だから上の写真みたいに「行き止まりホームに止まる電車」を目にすることは多い。

しかし、実際にローカルな盲腸線の終点駅に立つと、それなりに「最果ての地の旅情」的なモノがある。
いまごろ日本国内の盲腸線踏破の旅をしてるはずの、あのエラいおじいさんもきっと
そんな旅情を楽しんでるんだろう。どうぞお元気で。
 
というわけで、今日はイ課長が経験した数少ない「欧州・盲腸線紀行」でした。
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by tohoiwanya | 2010-08-11 14:52 | 出張・旅行あれこれ | Comments(0)


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