2010年 11月 07日
先週はもう仕事のしすぎでヌケガラ、モエツキ状態のイ課長ですこんにちは。 こんなんで14日から海外出張なんて、行けるんだろうか。 さてだ。本日は日本における城郭建築の復元について考えてみたい。 たまにはこういうおカタいテーマについて書くことだってあるのだ(笑)。 20代の頃、名古屋出張で少し時間が余ったから、名古屋城に行ってみたことがある。 行って、城を見て、なんだこりゃぁ?と思ったよ。 どう見たってコンクリート製だし、横にはエスカレーターなんてモノまでくっついてる。 これじゃ、名古屋城の形に似せて作ったラブホテルみたいじゃん、と思った。 1945年の空襲で丸焼けになったのを、まだ日本が貧しかった1959年に早くも復元したって いうんだから、当時としては精一杯のことをしたんだろう。それはわかる。 しかし、城そのものを復元したかったというより、名古屋ご自慢の「金のシャチホコ」を 載せる天守閣が欲しかったからとにかく急いで作ったんですって感じがしちゃう。 あれ以来、名古屋城はイ課長の中で「城郭建築復元の悪しき例」として光り輝いている(笑)。 ちなみに、焼失前の名古屋城を見ると、風格があって驚くほど美しい。下の写真がそうだ。 天守閣ももちろんだが、手前の本丸御殿の波打つような瓦屋根の連なりがまた素晴らしい。 もしコレが残っていれば、大変な観光資源だっただろうに… さてだ。ここまでは前置きね。 話は突然、こないだの金沢出張に飛ぶのである。 二日目の午前中は空いてたんで、兼六園にでも行くかっていうんでバスに乗って行った。 兼六園には昔も来たことがあったから何となくオボロな記憶があった。 確か、昔の城跡の隣にあったんじゃなかったっけ? 地図を見ると、確かに兼六園の隣に金沢城公園というのがある。 金沢城公園って見たことないな。兼六園を見る前に行ってみるか。 石川門というところから公園に入ろうとすると…白壁の城の建物がある。 へーーーー…金沢城って、城の建物の一部が残ってたんだ。 中に入ると…およよよ、これは意外。けっこう立派な城郭建築が残ってるよ。 下の写真なんて、向こうから暴れん坊将軍が白馬に乗って走ってきそうじゃん?(笑) 昔来たときは公園の方には入らなかったから、こんなのがあったの知らなかったよ。 すごくキレイに保存されてるから、戦後復元されたものなんだろうけど、 名古屋城と違って、何となく本格的復元っぽいよなぁ…。 …そんなことを考えながら歩いてた。 ところがギッチョン。ヨソモノの無知というのは恐ろしいねー。 実は、金沢城公園って元々は金沢大学があった場所なんだってさ。 確かにそういわれると、むかし来た時はこんな公園、なかった気がする。 福井城跡に福井県庁があるように、金沢城跡には金沢大学があった。 普通に考えれば、どっちも城の復元なんてとてもじゃないけど無理なはずだ。 ところが、金沢大学は95年に郊外に移転した。これが全ての始まりらしい。 石川県は跡地を国から取得し、公園として整備するとともに城の復元を始めたんだと。 全然知らんかったよ。つまり、イ課長が見た金沢城公園の眺めはここ15年くらいの間に 出来上がったものだということだ。 市のド真ん中にある大学を移転させ、跡地に昔の城を復元しようという壮大な計画。 どこまで復元するのか知らないけど、これが完成すれば金沢の観光都市としての魅力は さらにアップし、兼六園とセットで見に来る観光客が増えるのは絶対に間違いない。 まぁ昭和30年代と平成になってからじゃ、時代はあまりにも違う。 名古屋城と金沢城の復元事業を単純に比較しちゃ、名古屋に気の毒なのはわかる。 しかし、金沢市(というか、石川県?)の英断はすごいと思うよ、やっぱ。 実際、初めて金沢城公園に行ったイ課長はけっこう感心したのだ。 なにしろ名古屋城と違って、チャンとした木造・漆喰による本格的復元らしいからね。 やっぱ復元する以上、極力昔と同じ工法で復元すべきだよ。コンクリートなんて論外。 石川県のお隣、福井の城跡は?つうと、これがまたガッカリなんだワ。 なまじお堀や石垣が立派なだけに、その上に県庁があるという今の姿は情けない。 「今は県庁が福井県で一番エラいんだぞ」って無言で示してるみたいでさぁ…。 金沢に刺激されたのか?福井城趾でもこんな橋だけ復元してたけど、 金沢城と比べちゃうと、その復元スケールの小ささは如何ともし難い。 県庁なんかどっかに移転しちまって、福井もかつての立派な城を復元してはどうか? 金沢城と福井城の相乗効果で北陸全体の観光魅力度も大幅アップすると思うがなぁ。 冒頭に挙げた、城郭復元の悪しき例・名古屋城。 実は名古屋城を木造で本格的に復元しようっていうアイディアもあるんだってね。 今あるコンクリート製のアレを見れば、誰でもそう考えたくなると思うなぁ…。
by tohoiwanya
| 2010-11-07 00:27
| 国内出張・旅行
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