2011年 03月 28日

ハンプトン・コートに行く -序章-

さて、烏來に続いて、こんどはハンプトン・コートの話をしたい。
(ようやく、普通のイ課長ブログを書く気になったらしい)
これも1回では終わらない。まず、イ課長がなぜハンプトン・コートに行こうと思ったか、
その背景を説明しておく必要がある。まぁいうなれば“序章”とでもいうか…。

【背景その1:ヘンリー8世と6人の妻】
ハンプトン・コートに住んだ王様として有名なのはヘンリー8世という人だ。
このヘンリー8世、有名な理由はいろいろあるけど、何と言っても「6人のお妃様と結婚した
とんでもないエロ王」というのが最大の理由であることは間違いない。
ご存知の人も多いだろうけど、ザッとおさらいしてみよう。

お妃1号:(キャサリン・オブ・アラゴン)
若死にした自分の兄の嫁サンだった女と結婚。女の子しか産まれず(後のメアリ1世)、ヘンリーが
他の女と交尾したくなったんで強引に離婚され、幽閉同然の生活を強いられたあげくに寂しく死ぬ。

お妃2号:(アン・ブーリン)
どうしてもこの女と交尾したくて1号を離婚したのに、前妻同様、女の子しか産まず(後の
エリザベス1世)、待望の男の子を産んだと思ったらこんどは死産。夫ヘンリーはまた他の女と
交尾したくなり、邪魔になった2号は姦通のヌレギヌを着せたあげくにロンドン塔で斬首刑。

お妃3号:(ジェーン・シーモア)
2号の斬首直後に結婚。というか、その前からとっくにデキてた。待望の男の子を産むも、
難産で本人は死亡したっつうんだから、3号は事実上、使い捨ての男子出産マシン。

お妃4号:(アン・オブ・クレーブズ)
ドイツの貴族の娘と結婚。肖像画を見て美人だと思い込んでたヘンリーだけど、実物を見て
あまりの落差に初対面で離婚を決意(笑)。1〜3号の末路を知ってた4号は素直に離婚を承諾し、
ぶじに天寿を全うした。

お妃5号:(キャサリン・ハワード)
4号の侍女だった、年の離れたコギャルと結婚。性的にだらしないパプー女で、男スキャンダルが
噴出し、大騒ぎになったあげく2号と同様に姦通の罪で斬首刑。

お妃6号:(キャサリン・パー)
この人の場合、幸いにもヘンリーの方が先に死んでくれた。良かったねぇ。

…という、スサマジい結婚遍歴。エリザベス・テーラーどころじゃないのだ。

このヘンリー8世っていう人、6人中2人の妻を斬首刑にしたっていうだけでも相当なもんだけど、
他にも、お妃1号との身勝手な離婚を法的に認めなかった人格高潔な大法官トマス・モアを斬首刑。
醜女のお妃4号を世話した腹心の部下も腹立ちまぎれに斬首刑。
もちろん、2号の姦通の相手にデッチあげられた5人の男(5人?!)も当然、全員斬首刑。
やることがもうメチャクチャなのだ。

そもそも、このハンプトン・コート宮殿も元はウルジー卿っていう重臣の家だったのを
横取りしちゃったんだよね。その身勝手さにかけては英国王室史の中でも傑出した王様といえる。
(下がトマス・ウルジー卿の肖像画。子供の身体に大人の頭みたいで気持ちワルイ絵だ)
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【背景その2:ゴースト伝説】
英国では幽霊、つまりゴースト伝説がものすごく多い。いや、多いというよりも
ゴースト伝説が“珍重される”と言った方がいいのかもしれない。

何しろ、「この屋敷には●●のゴーストが出るという伝説がある」っていうと、そのお屋敷の
不動産価格がグッとはね上がるっていうんだからスゴい。
古い建物で、今は女子校として使われてるなんていうところがあるんだけど、その女子校の
パンフレットにはちゃんと「我が校には○○のゴーストが出るという伝説がある」って
書かれてるらしい(笑)。日本で「ウチの学校には幽霊が出ます」なんて書いたら、生徒は
一人も集まらないだろうけど、イギリスにおいては「ソコにゴーストが出る」ということは
その場所の「歴史あるイワクインネン」を表す付加価値みたいに捉えられてるんだね。

f0189467_015414.jpg

(上の写真はヘンリー8世とお妃3号と男の子。男の子の顔がこれまたキモチ悪い)


さてだ。
上に書いたように、ヘンリー8世の妻たちは夫の身勝手で大体ひどい目に遭わされた。
特に首をチョン切られた2号・5号なんかは現世に残した恨みもさぞや深かったはずだ。
英国人のゴースト好きと考え合わせれば、ハンプトン・コートに彼女たちのゴースト伝説の
2つや3つあっても全然おかしくないと思うでしょ?

で、実際のところどうかというと…
ハンプトン・コートにはゴーストが出る。少なくとも出るとされている。

おそらく英国のあらゆるゴースト伝説の中でもハンプトン・コートのソレは最も由緒正しい?
ロイヤル・ゴースト伝説と言えるだろう。

中でも、現在絵画展示ギャラリーになっている長い廊下に出る幽霊は有名だ。
ここは「髪をふりみだしたキャサリン・ハワード(お妃5号ね)が自分の無実を王に嘆願しようと
叫びながら走っていく幽霊が出る」というスバラしい場所なんだよね。
その廊下には「ホーンテッド・ギャラリー」という名称までついているんだから恐れ入る。


さぁ、これで大体おわかりになりましたね?
なぜイ課長が土曜の半日観光にイソイソとハンプトン・コートに行こうと思ったか。
ゴースト好きな英国、その中でも最も有名なゴースト・スポットだよ?
アン・ブーリンやキャサリン・ハワードのゴーストにぜひお目にかかりたいではないか。
さぁいざ行かん、ハンプトン・コート宮殿へ。

…と言いたいけど長くなったから続きは次回。本日は序章だけで終わっちまった(笑)。




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by tohoiwanya | 2011-03-28 00:03 | 2010.11欧州出張 | Comments(2)
Commented by hanatomo31 at 2011-03-29 10:52
続きをとっても楽しみにしております。:)
Commented by tohoiwanya at 2011-03-30 10:31
>楽しみにしております

hanatomoさん:
土曜の半日観光、ロンドンでどこ行こうかなぁと思ってアチコチ行き先候補を
考えたんだけど、ハンプトン・コートがロンドンからごく近いと知って、
「ヘンリー8世と6人の妻+ゴースト」と考えたとたんに迷いは消えました(笑)。

しかし英国人はホント幽霊好きですねー。ハンプトンコートにはこんな幽霊が出るっていう
公式パンフレットみたいなモノまであるらしい。


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