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2011年 05月 13日

大したもんだ、ロンドン地下鉄

ロンドン地下鉄のヘボぶりに関しては、すでにこのブログでかなり糾弾した
あれはアレで、一人のガイジン滞在者としての実体験に基づく偽らざる感想だから
ロンドン地下鉄に対する不当な評価とは全然思わない。実際ヘボなんだもん。

しかしだ。イ課長は公平性を重んじるオトコである。
ロンドン地下鉄は確かに運行に関してはヘボだが、優れた部分が皆無ってわけでもなくて、
そういう優れたブブンを正当に評価する用意だってイ課長にはちゃんとあるのだ(笑)。

たとえば座席シート。
ロンドン地下鉄の座席シートはやけにどっしりしてて、ちょっとソファみたい。
背もたれが一人分の幅ごとに区切られてるけど、この幅も日本の地下鉄より広くて、
ゆったり座れてなかなか座り心地がよろしい。
大したもんだ、ロンドン地下鉄_f0189467_0151891.jpg

しかし、座席シート程度なら、優れてるっていっても大した話じゃない。
これだけだならイ課長もわざわざロンドン地下鉄賞賛記事を書いたりはしないよ。
もっと、びっくりするほど優れたモノがあるのだ。

前に、ロンドンで「おおさすが」と言えるものは地下鉄の切符自動販売機だろうって
ちょこっと書いたけど、あれが予告みたいなモンで、本日は詳しく書こう。

ロンドンの地下鉄って、普通に現金で切符を買うと異常に高い。初乗り4ポンドだ。
1ポンド250円だった頃に「ロンドンじゃ地下鉄初乗りが1000円!」っていうのが
ちょっとしたニュースになったから覚えている人もいるかもしれない。
イ課長が行った頃で1ポンド約130円、4ポンドで520円だ。それでも依然としてバカ高い。

これって、実はカード乗車券を使わせるために普通の切符をワザと高くしてるらしい。
たとえば、イ課長が出張中の木・金に使った「ゾーン1~2、終日利用可」のトラベルカードってやつだと
7.2ポンドでこのゾーン内なら乗り放題っつうんだから、そりゃ誰だってカード乗車券の方を買うわな。

トラベルカードは「その日最初に地下鉄に乗る前」に買えばいいわけだから、イ課長は
木曜も金曜も土曜も全てパディントンの地下鉄駅で買った。木・金は窓口で買った。
しかし最後の土曜だけ、モノは試しで自動販売機で買ってみようかなと思ったのだ。
大したもんだ、ロンドン地下鉄_f0189467_016207.jpg

これがその自動販売機。液晶タッチパネル画面。まぁそれは日本も同じだ。
この日、イ課長は郊外のハンプトン・コートに行く予定だったから、欲しいカード乗車券も
昨日までと違って「ゾーン1~6、オフピーク用(土曜だからね)」というヤツだ。
ヨーロッパの切符自販機によくあるように、まず言語を選ぶようだから、英語のままで…

イ課長が心底ビックリしたのはここだ。
欧州の切符自販機の言語選択ボタンって、大体は英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語
くらいの中から選ぶっていうのが多くて、加わるとすればイタリア語、オランダ語あたりか。
たいていそういう言語選択肢は国旗で示されている(ドイツの切符自販機がそうだった)。

驚くべきことに、ロンドン地下鉄の言語選択ボタンは20カ国語くらいの選択肢があったのだ。
いや、チャンと数えなかったけど、もっとあったかもしれないなぁ。
これだけあると国旗ではなく、その言語の名称がその言語の文字で表示されてるから
ほとんど読めない。しかし、日本語で「日本語」と書かれた表示だけは当然読める(笑)。

切符自販機で日本語があるってのもスゴいが、何せ20カ国語くらい用意されてるんだから
日本語があったって驚くにはあたらない。他にも中国語はもちろん、シンガポール出張で見た
タミル語みたいなグニャグニャ文字もいくつもある。ヒンズー語とかベンガル語とか、たぶんそういうモノなんだろう。
もちろんアラビア文字みたいな中近東系らしきグニャグニャ文字も用意されている。

地下鉄のキップ自動販売機でこんなに言語選択範囲の広いモノなんて、イ課長はこれまで
見たこともないよ …って、それ以前に想像したこともなかったよ。

おそらく、この自販機の仕様を検討した際のロンドン市交通局の考え方は
以下のようなものだったんじゃないかって気がする(おなじみ、イ課長の仮説)。

①まずヨーロッパ系の主要言語は網羅しちゃいましょう
 (これだってなかなか出来ることじゃないと思うよ。キリル文字とかもあったと思う)
②東アジア漢字文化圏の中国語や日本語もカバーしましょう
 (スゴいことだよこれは。ハングルもあったんじゃなかったかな)
③かつて英国が統治した国の言語も入れちゃいましょう

イ課長が一番スゴいと思うのは、この③だ。
旧英国植民地系の言語はおそらくかなりカバーされていたんだと思う。だからインド系とか
アフリカ系みたいな、イ課長には判読すら不可能なフシギ文字がいっぱいあったんだろうな。
もっともこれ、イ課長の勝手な推測に基づいた賞賛だから、真偽のほどはわかんないけど(笑)。

残念ながら、この言語選択画面の写真を撮る機会がなかった。
コレを知ったのがロンドン地下鉄の切符を買う最後の機会だったし、この時は写真撮るより
後ろに人がいるからサッサと切符買わないといけなかった。残念なことをしたなぁ。
この時買った「ゾーン1~6、オフピーク用」トラベルカードの写真でがまんして欲しい。
大したもんだ、ロンドン地下鉄_f0189467_0155583.jpg

もしアナタがロンドンで地下鉄に乗る機会があれば、ガンガン自動販売機を使ってみて欲しい。
おそらく、この地球上で「自販機で、日本語で、地下鉄の切符が買える国」なんて、日本と英国しか
ないんじゃないかい?これにはイ課長、つくづく感心したよ。

何せイ課長はパリで「一行も読めない切符自販機」ってのを経験してるからね。
それに比べて何という素晴らしさ。(この点に関してだけは)エラいぞ英国人!フランス人のバカ!




by tohoiwanya | 2011-05-13 00:16 | 2010.11欧州出張 | Comments(0)


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