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2011年 09月 21日

ドナウ川・船の旅 -その2-

ヴァッハウ渓谷。
「渓谷」っつうくらいだから、川の両側は平野ではなく山が迫ってて、驚くべきことに
このヴァッハウ渓谷っていうのは世界遺産に指定されているんだよね。
世界遺産に指定された渓谷を我々はいま遊覧船に乗って下っているわけだ。
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一説によると、ドナウ川で遊覧船に乗る価値のあるほどの眺望が楽しめるところって、
このヴァッハウ渓谷くらいしかないらしい。

川の両側には古城とか、田舎町の教会の尖塔とか、次々と現れてくる。
むかし、ドイツのネッカー川の遊覧船に乗ったことがあるけど、あれと同じような感じで
船上からの眺望はたしかに美しい。
ドナウ川・船の旅 -その2-_f0189467_133983.jpg

ちなみにこの遊覧船、観光ポイントになると解説をアナウンスしてくれる。
アナウンス言語はドイツ語、英語、そして日本語なのである。
昔、ドイツ古城街道の遊覧バスに乗ったときも日本語のアナウンスがあって驚いたっけ。
ドイツ・オーストリア(に限らないんだろうが)って日本人観光客が多いんだねぇ。
ドナウ川・船の旅 -その2-_f0189467_141173.jpg

やがて船はヴィレンドルフという場所に差しかかる。
「ヴィレンドルフ」と聞いて「え?もしかして…」と思った方は考古学ファンかも。
あの有名な先史時代の遺物「ヴィレンドルフのヴィーナス」が発掘されたのはココなのだ。

多産と豊穣を象徴する、巨乳・巨尻・巨腹が強調されすぎた女性像。
考古学的価値はよくわかんないけど、ものすごく有名なのは確かだ。
「ヴィレンドルフのヴィーナス」っていう上手いあだ名が効いた、とも考えられるね。
(下の写真はWikipediaから拝借したヴィレンドルフのヴィーナス像)
ドナウ川・船の旅 -その2-_f0189467_122367.jpg

ふーむ…考古学史上にその名を残すアレは、ここで取れたのかぁ。
何の変哲もない田舎町にしか見えないが、元々ココには古代遺跡があったらしいね。

せっかくだからズームをうんと効かせてヴィレンドルフの村を撮ってみる。
クリーム色の建物にWillendorfって書いてあるのはいいとして、棒の先に国旗をつけた
この長〜〜い飾りは何だろう?同じものをいくつか見かけたよ。
まさか鯉のぼりってこともないだろうし(笑)。
ドナウ川・船の旅 -その2-_f0189467_151583.jpg

船の上は相変わらずオーストリアガキ軍団で騒がしい。
しかししばらく観察してると、彼らの中にも真性オチャラケからちょっとネクラまで
だんだんキャラクターの差がわかってきて面白い。

たとえばこの左端の男のコ。
他の連中がひっきりなしにワイワイしゃべってるのに、このコだけは無口で、おそらく
学級委員タイプの、頭はイイけど仲間にはとけ込めないタイプらしいとトホ妻と推測した。
ドナウ川・船の旅 -その2-_f0189467_153654.jpg

やがて、我々はこの男のコに「ユリスモール」というあだ名をつけた。
(萩尾望都の古典的名作漫画をご存知の方でなければわかってもらえないのだが)
他の男子たちがみんな丸首Tシャツ姿なのに、ユリスモールだけ前ボタンのついたシャツを
着てるというあたりが、また実にソレらしい。
ドナウ川・船の旅 -その2-_f0189467_16028.jpg

結局、このユリスモールたちはSPITZというところでゾロゾロと下船していった。
急に船が静かになった(笑)。

SPITZの次が、イ課長&トホ妻たちの降りるデュルンシュタインの船着き場。
メルクを出てから1時間強のドナウ川の船の旅。いやー気持ちよかった。
ほどなくデュルンシュタインのシンボル(なのかな?)の水色の尖塔が見えてきた。
そろそろイ課長たちも降りる準備をしようか。
ドナウ川・船の旅 -その2-_f0189467_164913.jpg

ここからドナウ河畔の田舎町、デュルンシュタイン観光が始まるのである。
続きはまだまだあるのである(笑)。





by tohoiwanya | 2011-09-21 01:07 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(4)
Commented by sca at 2011-09-24 11:38 x
ああ、憂いを含んだ瞳、確かにユリスモール!

改めて その1 の写真を見るとやはり一人陰のある背をむけてるし・・・(笑)
Commented by hanatomo31 at 2011-09-24 22:34
お二人でかなりじっくり生徒さん達を観察されていたのですね。
何気に楽しんでいらっしゃる!
大騒ぎされたら、否応なしにそうなっちゃうとは思いますが。:)
川向うにあった長い棒はMaibaumと呼ばれるものだと思います。
旅行されたのは6月ですよね。5月1日に夏の訪れを祝う為に立てたものが残っていたのだと思います。
スウェーデン他のドイツの影響のある国で多少時期が前後するけれど、祝うんですよ。
Commented by tohoiwanya at 2011-09-26 18:21
>憂いを含んだ瞳、確かにユリスモール!

scaさん:
レスが遅くなってすみません。名古屋から戻ってきました。

彼、ユリスモールっぽいでしょう?(笑)
みんなと一緒にふざけたり大声で話すなんてことはマッタクなくて、
常に行儀よくもの静か。そして憂いを含んだ瞳(笑)。

ウィーンに行くとこういう少年に会えるかもしれませんよ?
もっとも、騒々しいガキの中からそういう少年を発見するのは大変ですが…。
 
Commented by tohoiwanya at 2011-09-26 18:28
>長い棒はMaibaumと呼ばれるものだと思います

hanatomoさん:
レスが遅くなってすみません。そのうえまた一つ教えていただいた。
マイバウムっていうと…たぶん「5月の木」っていう意味…ですよね?
そんな風習があるとは全然知りませんでした。

考えてみたらこれまでドイツやオーストリアに行ったのって、旅行にせよ出張にせよ
3月とか、9月とか、11月とか、夏の訪れを祝うというには季節はずれの時期ばっかりで
まったく初めて見ました。

ウィーンの近郊でもあんまり見なかったですが、なぜかヴァッハウ渓谷周辺の村々では
何本か見かけた。いつ頃まで出しておくかは地域によって若干違いが
あるのかもしれませんね。
 


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