2011年 12月 13日
まだ生温かい今回の出張ネタは当然いっぱいある。 しかし、今日もまた6月のウィーン旅行ネタを消化を優先しようではないか。 何しろいーーっぱい残ってるんだから(笑)。 本日はウィーン世紀末建築ネタ。 今回の旅行では特にオットー・ワーグナーの作品を見てまわったんだけど、 その中からご紹介しよう。 その名もマジョリカ・ハウス。 オットー・ワーグナーが設計した集合住宅で、世紀末時代のマンションといったところか。 調べてみたら、これが作られたのは1898年つうから、今から110年以上前。しかし現在でも ちゃんと現役の集合住宅として使われてて、まぁウィーンに限らずヨーロッパの石造建築なら 100年くらい前のものを使い続けることなんて、さして珍しくもないのだ。 ここは正確にはオーットー・ワーグナー設計の集合住宅が2軒並んでて、 一つは「マジョリカ・ハウス」、一つは「メダイヨン・ハウス」と呼ばれてる。 どちらもそのファサードのデザインからとったあだ名で、 特に色鮮やかなマジョリカ陶板(っていうのがあるらしい)を一面に敷き詰めた マジョリカ・ハウスが有名だから、2軒まとめてこう呼ばれることもある。 これがマジョリカ・ハウスの正面。ここもホテルから近かったんだよねー。 例の「さようならミシクス」を買ったスーパーの、もうちょっと先にある。 これはねー、写真で知ってはいたけど実物を見るとやっぱりすごい。 遠景もすごいけど、近くから見ると建物の隅々まで凝った意匠がギュッと詰まってて その凝りっぷりに驚くね。 こういう模様見てると、「まるでミュシャの絵の背景みたいだなー」と思っちゃう。 ウィーン世紀末美術はパリのアール・ヌーボーの影響をハゲしくうけてるから 当然ちゃ当然なんだが、改めてこの二つの美術潮流の共通性に感心する。 曇り空だったからわかりづらいかもしれないけど、建物のヒサシの裏までビッシリ 鮮やかな色のタイルで飾られている。テラスの手すりの凝った装飾もすごいよね。 その隣にあるのがメダイヨン・ハウス。 一見するとマジョリカ・ハウスにくらべて装飾が少ないかな?と思えるけど、 こちらもまた細部をよく見ると尋常ではない凝り方だ。 この葉っぱとかすごい。この建物だけのために特注で作ったのは明らかで、 すごいお金がかかってそうだ。施主はよくオッケーしたなぁ。 これだけリッチな建物をポンと有名建築家に注文建築で発注しちゃうくらい、 当時のウィーンは経済的に豊かだったということなのかもしれない。 オットー・ワーグナー設計のカールスプラッツ駅舎を眺め、 オルブリッヒ設計の分離派館を眺め、 そこからぶらぶらとナッシュマルクトの美味しそうなレストランや食材店を眺めながら 歩いてると、やがて右手にこのマジョリカ・ハウスがドンと現れる。 マジョリカ・ハウスを写真に撮って、くるりと振り返るとそこには ケッテンブリュッケンガッセの地下鉄駅。この駅舎もまたオットーワーグナーの作品だ。 さっきのカールス・プラッツ駅からちょうど地下鉄一駅分だけ歩いたことになる。 ウィーン世紀末建築散策であれば、これはお勧めしたいコースだ(←エラそうに)。 パリの建築のそこかしこにアール・ヌーボーが残っているように、 ウィーンを歩けばあちこちで世紀末建築にぶつかる。 この魅力ある二つの街に今年両方行くことが出来たのは、こうして振り返ると、 けっこう嬉しい出来事だったといえるかもしれない。 片方はクソ寒い時期の、しかも仕事で行った出張だったとはいえ。
by tohoiwanya
| 2011-12-13 22:29
| 2011.06 ウィーン旅行
|
Comments(4)
うわぁ、どんどん近くなる。
近所過ぎて、これって、絶対スレ違っていそうです〜 メダイヨン・ハウス 夫は、どの女の子の顔がいいかな〜って 眺めながら歩いているそうです。 私なんか、こんな上の方についている顔を 意識的に眺めたことなんかありませんでした。 いい事教わりましたから、この次、暇な時に よく吟味しようっと。
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夏
at 2011-12-14 11:06
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tohoiwanya at 2011-12-14 11:07
>うわぁ、どんどん近くなる。
マダムKenwanさん: スーパーマーケットBELLAからまた一段とKenwan家に近づきました(笑)。 しかしご主人スゴいですね!あんな上の方の装飾の女の子の顔が 比較できちゃうんですか?私なんか望遠レンズでもなきゃどれも同じに見える。 すごく視力がいいんでしょうねぇ~。お描きになった絵を拝見すれば 非凡な眼の持ち主であることは容易に想像できますが…すごいなぁ。
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tohoiwanya at 2011-12-14 13:18
>タイルなんだ。
夏さん: おっと、タッチの差でコメント書いてはる。 欧州はねぇ、やっぱ一度行ってみるとイイよ~? イ課長も最初に(新婚旅行のとき)ヨーロッパの地を踏んだときの カンゲキは忘れられないものがある。 コドモたちが大きくなって手を離れればいけるよ。 しかし、その前に足を治せ足を。 |
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