2012年 12月 06日

ムンバイを思い出してしまう理由

前回、急にムンバイについて書きたくなったのは理由がある。

週末にレンタルで「スラムドッグ$ミリオネア」という映画を見たからだ。
ご覧になった方もいるだろうけど、あの映画はムンバイのスラム街を舞台にしている。
 


登場人物の一人にスラム育ちの女の子がいるんだけどさ、そういうの見ると
雨の日にムンバイで見たあの女のコの記憶とかが、たちまち蘇っちゃうんだよ。
何せ10月に行ったばっかりじゃん?影響されやすい(笑)。

ムンバイ空港の周辺にはアジアでも有数の巨大スラム地区がある。
映画の主人公たちも確かこの地区で生まれ育ったっていう設定じゃなかったかな?
着陸する直前にその上を飛ぶから、飛行機からもスラム地区はよく見えるし、
車でホテルに向かうときもスラム地区を横に見ながら走ることになる。

以前にムンバイ空港着陸前の写真を載せたことがあるでしょ?
この時、イ課長は「ムンバイには青い屋根の家が多いんだなぁ…」と思った。
だが地上から見ると、あれが「青い屋根」じゃないことがすぐにわかった。
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あれは雨を防ぐための青いビニールシートだったんだよね。
スラムに散らばる鮮やかなブルーの色。これこそがイ課長にとってムンバイという街の
最初のイメージであり、それが実はビニールシートだと知ったことがムンバイという街における
最初の驚きだったといえる。

映画の主人公はイスラム教徒って設定みたいで、ヒンズー教徒の襲撃で家族を失い、
兄弟で孤児になる。悲惨を絵に描いたような幼少時代。

実際、デリーよりムンバイの方がイスラム教徒が多かったような印象はある。
何でわかるかっていうと女性の服装。下の写真みたいに、目以外を全て隠したイスラム女性は
デリーじゃ見かけなかったけど、ムンバイでは時々見かけた。「デリーよりイスラム比率が
高いのかなぁ…」なんて思ったよ(ちなみにインド全体のイスラム教徒率は約13%)。
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雑然として、混沌として、ちょっと薄汚れた世界的大都市ムンバイ。
昭和30年代キッズであるイ課長にとって、ムンバイにはほのかな「昔の東京っぽさ」が感じられた。
周囲に拡大余地の大きいデリーと違って、ムンバイは地形が半島だから土地が狭くて、
必然的に建物は高層化する。そういうのが整然とじゃなく、雑然と乱立してるってあたりに
「昔の東京」っぽさが感じられたんだよねぇ。
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映画の中で、建設中の高層ビルで、主人公が兄と話をするシーンがあった。
昔住んでたスラム地区が再開発されて高層ビルになるっていうのは「発展するムンバイ」の
象徴的光景なんだろう。高層建物が密集したムンバイの風景は、広々したデリーとは印象がガラリと
違ってて、イ課長としてはムンバイのあのゴミゴミした風景に本能的懐かしさを感じる。
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発展するムンバイ。しかし依然としてスラム街が多いのも事実だ。特に川沿いでよく見かけた。
全ての古代文明がそうだったように、街は水のあるところに出来るわけだ。
目印は例の青いビニールシート。それを見れば「ああ、ここもスラムか…」ってわかる。
もっとも、移動の車窓から撮った写真の中で、スラムっぽいものはあんまりないんだけど。
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映画の主人公は、成長してIT企業の「お茶汲み」になる。
字幕は「お茶汲み」になってたけど、映画のセリフを聞いてイ課長はハッとした。

「チャイワラ」って言ってたんだよ。あーーなるほど、そういう言い方をするんだ。
リクシャーのドライバーのことはリクシャワラって言うのを知ってたから、
チャイを運ぶ人のことはチャイワラって言うんだろうとピンときた。

インドのオフィスにはチャイワラが確かにいた。(たぶん)お茶汲み専用従業員。
全員男性だったけど、地位はハタから見ても低そうで、チャイワラには訪問者側も遠慮しない。
ある訪問先で面談が終わり、先方が応接室を出た後、イ課長と同行してた現地インド人スタッフが
訪問先のチャイワラに「おいキミ、チャイを4つ持ってきてくれたまえ」みたいな感じで
命じたんでビックリしたもんだ。他社で働くチャイワラに仕事を命じちゃってイイの?

チャイワラ。あるいはチャイワーラー。
お茶汲みだけの専門職。けっこうトシのいった人もいたけど、たぶん給料は安いんだろう。
「主人公はあの仕事なのか…」と思いながら、自分がインドで、同じようにチャイワラから
チャイをもらって飲んだことを思い出したさ。

インドには行ったことあるけど「スラムドッグ$ミリオネア」は観てないという方。
ぜひ鑑賞をお勧めします。インドにいた時の記憶がウリウリと蘇ることウケアイ。
主人公ジャマールくんがインド風に首ユラユラさせてるのも見られるよ(笑)。
 
 

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by tohoiwanya | 2012-12-06 00:14 | 2012.10 インド出張 | Comments(4)
Commented by Bきゅう at 2012-12-06 08:33 x
その映画知らないし、インドも知らないけど、それ系の国へ行くと考えさせられるというのは同感です。お写真から拝見して、カラチもそんな感じです。イ課長さんは、絶対にまたインドへ行くと思う。はまってしまった方ですね。
Commented by tohoiwanya at 2012-12-06 11:24
>イ課長さんは、絶対にまたインドへ行くと思う

Bきゅうさん:
はははははは…そんな…わかりませんよ(笑ってごまかす)。

カラチはもちろん行ったことないですが、スゴそうですよねぇ~。
ムンバイって、おおまかに言って街の8割が「昔の東京」で、2割が「いまの東京」って
感じだったけど、カラチは「昔の東京率」が98%くらいいってそう。

…カラチにもちょっと行ってみたくなってきた(笑)。
 
Commented by 加代子 at 2012-12-06 22:34 x
インドには行った事がないけど 映画のスラムドッグは見ました。
底辺近くの人の暮らしは 大変そうで・・・・
やっぱりインドは あまり行きたくない国です。
今の仮住まいはイスラムの人が多くって
色々面白いです。
Commented by tohoiwanya at 2012-12-07 12:24
>底辺近くの人の暮らしは 大変そうで・・・・

加代子さん:
現地の駐在スタッフとも話したんですけど、インドは「平均値が意味をなさない国」
なんじゃないかと思う。
12億の人口がいて、その貧富の差も想像を絶して大きい。
「インド国民の平均年収がいくら」と言ってみたところで、意味がなさそうですもんね。

日本人から見ると「キレイな民族衣装」のサリー。
でも、地味なサリーを着て黙々と床のゾウキンがけしてる女性とか見ると
インドの「底辺」もまた想像を絶して深そうに思える…。
 


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