2013年 04月 05日
のどかな焼き野菜から、話はいきなり窃盗団に移る。 前回、イタリアに着いたときに「スリやカッパライだらけの国に来たってイメージがある」と書いた。 「それがイメージでないことを翌朝知らされた」とも書いた。 その翌朝のことを書こう。大変不愉快な話だが。 その日はミラノで午前中にアポがあった。おそらく地下鉄だのトラムだの何度か乗るだろから、 早めに市内一日乗車券を買っとこうと思った。ミラノ中央駅にはメトロが通ってるから、そこに行って買おうとした。 メトロの表示のある階段を下りると地下鉄の駅があり、人がいっぱい歩き、切符の自販機が何台も並んでる。 中には所在なげに自販機によっかかってボーッとしてるヤツらもいるけど、まぁそんなことはどうでもいい。 この切符の自販機で一日乗車券も買えるはずだよな? 一日乗車券のことは「ウン・ジョルノ」っていうらしい。 いま調べたら2011年7月時点で4.5ユーロ。イ課長が買った2012年3月もそのくらいの金額だったはずだ。 さて、買ってみようか。まず英語を選択して・・・・一日乗車券はこれか?次に10ユーロ札を入れて・・・ すると、「所在なげに自販機に寄っかかってた」若いブス女が愛想笑い浮かべながら急に近づいてきた。 「ねぇアナタ切符を買いたいの?どの切符ぅ〜?切符買う時はね、ココ、ココ押すのよ〜?」 ああ、来やがった、と思ったよ。 コッチが聞いてもいねぇのに親切ごかしに教えるフリして、お釣りをチップとしてねだろうってわけだな? ったくもう・・・初めてのミラノ、最初の朝、いきなりこんなブス女がたかってくるとは、素敵な国だなイタリア。 ブスタカリはほぼ無視して切符購入作業を続けた。釣り銭がチャラン、チャランと音をたてて・・・ いや、実際のところは「チャ」の音がしたくらいで、電光石火、ブス女の手が伸びて釣り銭をサラッていくではないか。 おいッ! たまげて思わず日本語が出た。 タカリじゃない。完全なカッパライじゃん。これはもう立派な犯罪だ。 ブス女は握りしめた釣り銭を一枚ずつ、イ課長の出した手のひらに戻し始めた。 「代わりに釣り銭を取り出してあげただけじゃない」ってな顔してやがる。ふざけんな、クソブスッ!! もちろん全部戻すわけがない。「ワンユーロ、プリーズ」なんて言って、こんどはオネダリかよバカヤロウ。 相当怒った顔で「NO」と言うと、もう1枚硬貨を返したけど、まだこのクソブスの手に釣り銭が残ってるのは どんな阿呆でもわかる。 手首をひっつかんでモギ取ろうかと思った。 メトロの駅で、周囲には人がたくさんいる。こういう状況なら、むしろ騒ぎを大きくした方がいいかもしれん。 そこでハッと気付いた。 さっき「自販機によっかかってるヤツらもいる」と書いたでしょ?そう、どの自販機の列のそばにも 皮ジャンとか着た、所在なげな若い男、もしくは女が一人か二人、ジーッと立ってんだよ。 単独犯じゃない。こいつらチーム体制だ。ミラノ地下鉄駅に巣食う、釣り銭窃盗団。 全ての切符自販機に窃盗団の団員が“配置”されてる。アッチにもコッチにもこのクソブスの仲間がいる。 今ここでイ課長がこのクソブスと格闘を演じれば、真っ先に仲間が駆けつけてくるに違いない。 イ課長にブルース・リーくらいの戦闘力があれば(古すぎる)、窃盗団相手に大立ち回りを演じるけど それは無理だ。しかもこっちは出張中の身。このあと午前中にアポがある。こんなクソブスに釣り銭を 盗られたままあきらめなきゃならねぇのかよ。ちっっっくしょう・・・ クソブスはニヤニヤ笑いながら離れていった。後ろから飛び蹴りでも食らわせてやりたかったが・・・ この事件のあと、面談したミラノ在住の日本人はメトロでスリにやられた経験があると話してた。 日本から来た出張者ん中にはパスポート盗られた人もいたって。おいイタリア、いいかげんにしろ。 イタリアには「スリやカッパライだらけの国ってイメージがある」・・・ああイ課長は確かにそう書いたよ。 しかしそれは取り消すよ。イメージどころじゃねぇ!実際そのとおりじゃねぇかッ!!盗賊ども! この時盗られたのはたぶん2ユーロ硬貨だと思う。当時のレートで約200円か。 あとでトホ妻から「2ユーロで済んでよかったじゃない」と言われたけど、貧乏根性がしみついたイ課長は 金額の多寡にかかわらず、こういうことはものすごく腹が立ち、根にもつ。 はぁはぁ・・・(←思い出して、改めてムカついている)。とにかくだね、読者の方にこれだけは言っておきたい。 ミラノ中央駅の地下、メトロの切符自販機は使ってはいけない。窃盗団は今日も自販機でガイジンから 釣り銭をカスメ取っているに違いない。使っちゃダメ。切符を買うときは有人窓口で買いましょう。 夕方、メトロに乗って中央駅に戻ってきたら、相変わらず自販機のそばには窃盗団が立っていた。 よっぽどスキマから写真を撮って、このブログでさらしてやろうと思ったけど、愚かなるイ課長はこの時、 デジカメのバッテリーを切らしてしまっていたのだ。あーなんて間抜けなんだイ課長。 上はバッテリーが切れる前にミラノ中央駅のメトロ駅を撮った写真。 この日はちょうど女性に花を贈る日?だかナンだかで、やたら花売り、それも男の花売りが多かった。 ついでにいうと、ミラノのメトロってこんな感じ。デジカメが死んでたから、これは携帯で撮った。 時刻は16時頃だったか・・けっこう混んでるよね。さぞかしスリは居心地がいいだろう。 とにかくミラノの地下鉄にはくれぐれも気をつけてほしい。 切符の自動販売機には窃盗団が貼り付き、車内にはスリがうようよ・・・なんつう地下鉄だまったく。 ミラノのメトロなんて豚に食われろ!ついでにミラノの街もイタリアごと地中海に沈んじまえ。 ったくもう。イ課長は根にもつぞ!プンスカッ!!
by tohoiwanya
| 2013-04-05 00:07
| 2012.03 欧州出張
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Comments(10)
旅先で こんな事があると不愉快で
その国の印象も悪くなりますよね・・・ で、そのブス女性が 若い美人だったら イ課長さんの反応は?? って若い美人はそんな事しないですよね(笑) 今は どの欧州の街でも出稼ぎ泥棒?が多くて ジュネーヴでも友人はスリ・置き引き5度ほど経験したそうです。 オスロ中央駅では物騒無いので カードで切符を買わないよう 言われましたし・・・
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tohoiwanya at 2013-04-06 12:25
>そのブス女性が 若い美人だったらイ課長さんの反応は??
加代子さん: あははははは。でも実際、ブリュッセルでそれに近い状況があった。 私がワッフルを道端で立ち食いしてたら(見るからに外人観光客っぽい) 金髪の美女がニッコリとさわやかな笑顔で話しかけてきた。もちろん目的は 私をナンパすることじゃなく、タカリです。 「日本語で主旨を説明されなければ金は出しません」と日本語で撃退するという いつもの方式で撃退しました。貧乏根性は美貌に勝るようです(笑)。
私達は、25年前にローマに着いた翌朝
両替えしたばかりのところを狙われ ジプシーの女の子達に6〜7万円むしり取られた経験があります。 思いっきり不愉快な経験で イ課長さんのお気持ちよく分かります。 ウィーンでも,特に旧市街での切符の自動販売機や現金の引き出しには 十分周りに注意せよ、と言われます。
↑昔、昔のローマのジプシー集団、怖かったですよねー。一方、ミラノあたりはよかった覚えがあります。でも、こういう記事を拝見すると、例のジプシー集団が、たんに全国にまんべんなく散らばっただけという気もしてきまひた。気をつけますう。
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tohoiwanya at 2013-04-07 23:25
>ジプシーの女の子達に6〜7万円むしり取られた経験があります
マダムKenwanさん: ろ、6〜7万円?!それひどすぎ。25年前だと、今ほど「何でもクレジットカード」ってわけに いかなかったはずで、大災難ですよね。いやーー何て国なんだイタリア。 ウィーンでも旧市街の切符自販機とか、意外と危ないんですか? ウィーンじゃ釣り銭ひったくりはおろか、「タバコくれない?」っていうタバコたかりすら 遭遇しなかったはずで、イタリアとかスペインとか、ジプシー軍団の多い国に比べると 天国みたいに治安がいいなぁと思ったけど、油断しちゃダメですな。
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tohoiwanya at 2013-04-07 23:32
>昔のローマのジプシー集団、怖かったですよねー
Bきゅうさん: 私ね、ローマって行ったことないんですよ。悪いウワサはいろいろ聞きますが…。 パリもかなりひどいって聞くけど、私はなぜかパリの市内ではジプシーのたぐいに 何かされそうになったって経験がない。それだけにミラノの窃盗団にはたまげたっすよ。 スペインはジプシーが多かったですね。今まで行った国では一番多かったと思う。 新聞紙で手をかくして寄って来るコドモのスリとかいて、サッとよけた拍子に 信号か何かに頭をしたたかぶつけて、気絶しそうになった。
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みゅげ
at 2013-04-11 09:31
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危なかった~という経験はあっても、実際の被害にあったことがありません。
でも、これって単なるラッキー!ということだったのかもしれませんね・・・。 イタリアは、ローマで一日フリーでしたが、テルミニ駅では気を付けろと言われながら全くコワイ思いはしませんでした。 なんか・・・私達って恐ろしいおばさんオーラでも出してるのかしら・・・・と、本気で考えたことがあります(笑)
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tohoiwanya at 2013-04-11 17:26
>実際の被害にあったことがありません
みゅげさん: 私にしても、タカられることは多いけど、こんなはっきりした被害にあったのは 極めて珍しい。 おそらく、ナンだカンだいって「気をつけながら歩いてる」からだと思いますよ。 パリの通訳さんに聞いたんですが、日本から来たある出張者は 通訳さんの目から見てもスキだらけで、「アタシでも盗めますよ、気をつけて」って 言ったんだけど、一人歩きさせたらたちまちパスポートやらなにやら 盗まれたらしい。性格?がスキだらけの人は、気をつけても盗られるのかも(笑)。
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apple
at 2015-03-17 09:19
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2015.3.14 に全く同じ場所(ミラノセントラル駅の地下メトロ切符売場)で同じような窃盗団に会いました。。
私の場合は自販機にお札を入れた瞬間にたかり役のおじさんが話しかけ、その隙にコワモテの黒人仲間が自販機からお札を抜き取るというものでした。。(返してと言いに言ったら凄いキレられて結局泣き寝入りです。。泣) どの自販機にもたかり役のおじさんが配置され、抜き取る役割の人たちがウロウロしてました。。 改札内からは遠巻きで見てる監視役のボスみたいな人もいたり、合計10人くらいのチームだったような気がします。 自分は被害額は20ユーロ程度でしたが、被害に遭う前にこのblogにたどり着いていたらなぁと思いました。。なので、とても有益な情報だなと思い、少しでもこういった被害が少なくなればなぁと思いましたので随分前のblogでしたがコメントさせてもらいました。 今更なコメントでしたが、今でも酷い状況のままでしたよというご報告でした。。 あ、ちなみにイ課長さんと同じく凄くムカついたので自分は写真撮りました。凄い剣幕で写真を消せとは言われましたが。。w こんなおじさん達がわらわら自販機前にいますのでこの人たちにも周りにもお気をつけください。。 http://gyazo.com/88473224eb815a3f5ef46134a815cb9e
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tohoiwanya at 2015-03-17 11:52
>同じような窃盗団に会いました。。
appleさん: コメントありがとうございます。いやーー災難でしたね。 しかし私が被害に遭ってから3年たってもまだ同じ場所にいるってことは、もう ミラノ中央駅地下は恒常的にクソ窃盗団の巣窟と思って間違いないですな。 お写真も拝見しました。 これ見るとあの時にイヤな記憶がマザマザとよみがえってくるし 思い出すとムカつきます。とにかくミラノ行く人には知っといてほしいですよね。 「ミラノ中央駅の地下では絶対切符自販機は使うな、盗賊に遭うぞ」って イタリア大使館の壁にスプレー書きしてやりたいくらい(笑)。 |
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