2014年 07月 07日
バンコクって近代的大都会だけど、「東南アジアっぽい怪しげなブブン」もふんだんに持ち合わせてて、 いうなれば清濁混在した街ともいえる。まぁ大都会なんて大体どこもそうだが。 イ課長が1996年に初めてバンコクに出張した時は、今よりだいぶ若くて純真だったから(笑) そういう「怪しげなブブン」に対する免疫度も低かった。だもんで清濁合わさったバンコクの、 “濁”の方に関しちゃいささかゲンナリっていうのが正直なところだった。 しかし久しぶりに行ってみるとバンコクのダークサイドもけっこう様変わりしてたね。 本日は、そんなバンコクのダークサイド特集。 ところでダークサイドって何なのか?まぁなんというか、要するに「観光資源として外国人に PRされることのない部分」とでも言えばいいか・・。読んでるうちにわかるよ(←テキトー)。 とりあえず最初は比較的穏当なところからいこう。 【トゥクトゥク】 「初バンコク」のときは、道を歩いてるとひっきりなしに「トゥクトゥク?」「ヘイ、トゥクトゥクぅ?」って ドライバーから声がかかった。その頻度たるやホントにスゴくて、しょっちゅう声をかけられる。 最初のうちは「ノウ、ノーサンキュ」なんてマジメに断ってたけど、だんだん面倒になって 「ノウ」と一言で拒絶するようになり、最後にはそれすら面倒になって完全無視。あれだけ多いと そりゃウンザリもするって。 それがどうよ。今やバンコクじゃ四輪タクシーばっかでトゥクトゥクもいるにはいたけど、目撃頻度は 昔よりだいぶ減った。当然ドライバーの客引きもない。ウザい客引きがなくなったのは結構だけど バンコク名物トゥクトゥクがこのまま絶滅危惧種になっちゃうとしたら、ちょっと寂しいなぁ。 【ポン引き】 これも1996年に比べて劇的に減ってた、というか事実上消滅してた。これには本当に驚いたよ。 あの当時は夜の繁華街を歩くと「一人で歩く距離」より「ポン引きにつきまとわれながら歩く距離」の方が 長いのではないかと言いたくなるくらいの多さで、あんなポン引き密度は後にも先にも経験したことがない。 それが全くいなくなってたっていうのは、頬をツネりたくなるような、信じ難い思いだったよ。 現在でもごく狭いエリア(パッポン通りの中だけとか)で客引きも多少いるにはいた。でも 黙って店の紹介カード?を見せる程度の、蚊トンボほどのパワーも感じられないヤワな客引きで、 昔の「シャチョサ~ン波状攻撃」を体験してる身にすりゃ、ユルすぎて気が抜けちゃうくらいだ。 「へ~イ、シャチョサ~ン」というあの声が絶滅危惧種になるのが寂しいかって?いやもう全然。 いなくなってセイセイしたぜ。96年はそりゃもう、つくづく、ホトホト、ウンザリしたんだから。 当時あれだけいたのが今や全然いないっていうことは、もしかすると路上での客引き行為に関して 何か規制が出来たのかもしれない。でも、だからってバンコクが健全でマジメな街になったかというと、 そういうわけでもないようで・・・ 【夜のお姉さま】 こちらは去年6月に行ったときけっこう見た。昔は「本人が直接」って見かけなかったんだけどなぁ? ポン引きという仲介サービスがなくなって、本人による「直売方式」が増えたということなのだろうか。 夜のスクンビット通りを歩いてると、そういう感じのお姉さまたちが立ってて、時々その中の一人が 「オニーサン・・」って日本語で話しかけてくる。残念ながら彼女たちはイ課長を日本人と見抜くようで、 ヒンズー語やアラビア語で話しかけてくれるご婦人は一人もいなかった(笑)。 一度、あるお姉さまが「ちょっとお話ししない?話すだけ・・」とやけに流暢な日本語で声かけてきた時は ちょっと驚いた。イントネーションがほんとに自然で、すごく上手な日本語だ。ひょっとすると子供の頃に 日本から送られてきた絵本を読み、それからずっと日本語を勉強したとか?・・なーんて妄想が広がって、 思わず「出身どこ?年齢は?」って聞いてみたくなったけど、もちろんやめておいた。 実は6月に泊まったホテルってのがさぁ、こともあろうにバンコクの「援交カフェ」としてその方面じゃ 有名な店の近くだったみたいなんだよ。街角のお姉さまがたをよく見かけたのはそういう立地的要因が 影響してるっぽい。要するに援交カフェ近くをウロつくオッサンなら女目当てが多いだろうから そういうオッサン目当てのお姉さま方もまた集まってきたってことじゃないかと思われる。 その証拠に、12月のバンコク旅行で同じスクンビット沿いでも別のホテルに泊まったときは 見かけなかったからね。援交カフェ周辺に局地的に多かったんだと思う(下の写真は全然違う場所でごんす)。 【物乞い】 これはバンコクにはけっこういる。昔もいたし、今もいる。 しかもその物乞いスタイルが明るくないんだよ。暗いの。見ててツラくなる。なぜかというと 身体的障害を前面に押し出した人が多いんだよね。コドモの頃に見た傷痍軍人を連想しちゃう。 重い障害で、足では歩けない(と思われる)少年が、繁華街の歩道をグネグネ這いながら移動してる。 もしかすると知的障害もあるのかもしれない。身につけてるのは短パン1枚だけ、上半身はハダカ、足はハダシ。 そんな少年が片手にコップ持って地面を這ってるの見たら誰だって驚く。 バンコク滞在の最後の日の晩に歩道橋をわたっていたら、そこに小さな女の子の物乞いがいた。 もうどうせバーツの小銭はいらないから、残った小銭はこの子にあげちゃおう。でもその前に 一枚写真を撮ろうかな、と欲を出したのがマズかった。 デジカメでよくあるけど、暗い場所だと測距のために赤い光をピッと投げかけることがあるでしょ? この時もその光が出ちゃって、女の子がこっちに気づいて反射的に逃げようとした。 あわてて後を追い、お詫びの意味もこめて残った小銭をぜんぶ缶に入れてあげた。おどかしてごめんよ。 障害者の物乞いが多いだけに、コドモとはいえ普通の物乞いを見ると少しホッとする。 年末にバンコク行ったときも帰国前に残った小銭は最後に路上の物乞いオバサンにあげた。 彼女は明らかに視覚障害者なんだけど、手にはコップと一緒にハンディカラオケみたいなものを持って、 ずーーっと何か歌を唄ってる。そういう意味では物乞いと街頭パフォーマーの中間的存在というべきか。 というわけで、トゥクトゥクから始まって、ポン引き、売春、乞食と、だんだんヤバくなったね。 PRされることのない部分=ダークサイドという言葉に込めた意図をおわかりいただけたでしょうか。 さっきも書いたように、初めてバンコクに来たときはこういうダークサイドにかなりヘキエキした。 でも今回はわりと寛容というか、「こういうのも含めてバンコクなんだよなぁ」という気持になったね。 イ課長がトシとって、ダークサイドに対する免疫が多少高まったというのも理由の一つだろうけど 他にも理由はあると思う。 今回は初訪問じゃなく、17年前と比較しながら見られたっていうのは気持の余裕という点で かなり大きかったのは確かだ。さらに10年前の絵本プロジェクトの影響も大きいし、個人的には 前年の10月にインドに行ったことの影響もかなりあるって気がするんだよなぁ。 しかし最大の理由は「うるさいポン引きがいなくて落ち着いて町を歩けたから」かも(笑)。
by tohoiwanya
| 2014-07-07 00:18
| 2013.06 東南アジア旅行
|
Comments(6)
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シトリン
at 2014-07-07 06:43
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夜関係の件はわからなかったんですが
物乞いには本当にびっくりしました 通る時、それまで話してた同行者達と思わず無言になってしまいました やはり一番のショックな場面だったかな~
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tohoiwanya at 2014-07-08 10:42
>物乞いには本当にびっくりしました
シトリンさん: そのびっくりした物乞い、スクンビット通りのアソーク駅周辺で見たんだとしたら 私と同じ物乞いを見たのかもしれなけど、しかしまぁ同じような感じの 物乞いさんたち、けっこういるんでしょうな、あのへん繁華街でガイジンも多いし。 昔、北京に行ったときは地下道に布団しいて(!)、包帯巻いた足を誇示してる 物乞いがいたけど、あれも17年前。今はさすがに中国はああいうのは いなくなったかなぁ?
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yuki
at 2014-07-09 16:52
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はじめまして。
この記事内容のコメントでなくてすみません。 この度オーストリア旅行に行き、イ課長様のブログ内容を参考にさせていただきました! 特にハイリゲンシュタットの体験談はとても参考になりました。 今日無事に帰国したので、お礼をしたく、この場をお借りしました。 どうもありがとうございました!
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tohoiwanya at 2014-07-10 12:12
>特にハイリゲンシュタットの体験談はとても参考になりました
yukiさん: 初めまして。コメントありがとうございます。 いやーもう我々のハイリゲンシュタット観光は「だめだめ」と書いたくらい ホントにミスだらけで、しかもバカみたいに歩いて、ひたすら疲れました(笑)。 あんな経験がお役に立てば書いたかいがあります。 昨日帰国されたということは、7月初めのウィーンを楽しまれたわけですね。 ちょうど夏の始まりで気候もよかったでしょうねぇ。いいなぁ。
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ぴき
at 2014-07-11 12:45
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tohoiwanya at 2014-07-12 00:06
>何がまってるいでしょうか?
ぴきさん: 何が待ってるんでしょうねぇ〜? 「お話の相手するの、1分間で10バーツよ」とか言われる・・ことはないでしょうな(笑)。 まぁおそらく「ねぇあたしと遊ばない?」ってことになるんだろうけど、ドコに行くのかなぁ? イ課長のホテルについてくるってことなんだろうか? |
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