2014年 11月 10日
ここんとこ、やけに語学づいてるイ課長ブログ。 コトのついでだからもうひとつ、外国語にまつわるエピソードを書いておきたい。 タイ語をちゃんと勉強した日本人はあまり多くないと思うけど、話によるとタイ語って文法を覚えるのは そう難しくないのに、いざタイ人相手に話そうとすると通じないことが多いらしい。要するに 「覚えることはできても、実際話すのはすげー難しい」言葉らしいんだな。 その大きな理由は日本語にあまりない「声調」がタイ語においては非常に重要だからということらしい。 タイ語を話すときは声調を正確に使えないと文字通り「話にならない」ようで、なんでも「マー」という 一語だけでも発音のしかたによって3つの異なる意味になるんだと。 「箸を持って橋の端を通る」っていうのとはたぶんまたちょっと違って、たとえば「は」だけ言う場合でも 発音で意味が異なるということだと思う。日本語だと「歯」と「葉」と「刃」の発音は違わないけど、 タイ語だとこれに違いがあるような感じなんだろうな。 チャチュンサオ = จังหวัดฉะเชิงเทรา という地名がある。アルファベットで書くとChacheongsao。 ガイドブックなんかだと「チャチュンサオ」もしくは「チャチューンサオ」って書かれることが多いようで、 Wikipediaは後者。それ以外のネットのタイ情報だと前者の表記が多い。 これ、カタカナだけ見たらアナタはどう発音する? イ課長は何となく「チュン」のところにアクセントを置いて チャ(低) チュン(高) サオ(低)と読んでた。 バンコクのマッサージ屋で例によって施術者とヘボ英会話してたとき、イ課長は「昨日チャチュンサオに行きました」 と施術者に言った・・つもりだった。変テコリンな地名だから多少発音に難があっても相手はすぐに察してくれて、 「あら、チャチュンサオ行ったの?何見てきたの?」と言ってくれるかと思いきや、何とこれが通じない。 「イエスタデイ、アイ ウェントゥ チャチュンサオ」 「ハ?」 「チャチュンサオ」 「ハー?」 「・・チャ チュン サオッ」 「????? アーーー!!チャチュンサーオ!チャチュンサーオ!」 文章だと伝えづらいが(笑)、タイ人の発音だと最後の「サーオ」のところが高くなるみたいなんだよ。 もし外国人が日本で「トウ(低) キョウ(高)」って言っても「トウ(高) キョウ(低)」って言っても、どっちでも 「東京」だと分かってもらえるだろう。でもタイじゃダメ。音の高低が違うと地名ですらなかなか通じない。 実際、道を尋ねるとか、バス乗る時とか、「こんな単純なタイ語も通じないの?」っていう経験がけっこうあった。 「タラート(ตลาด=市場)」っていう短いタイ語すら通じないんだから。タラート!タラート!って繰返すけどダメ。 やっとわかってくれて「アーー!タラート!」って笑いながら言うんだけど、彼らの言う「タラート」と、 イ課長が言って通じなかった「タラート」の違いがイ課長にはよくわからない。確かに話すのは難しいと思う。 ただ、上のチャチュンサオの時は単に「タイ語が通じなかった」という以上に面白いことがあったのだ。 なぜかっていうと、イ課長の言った「チャチュンサオ」が彼女の耳にどう聞こえたかを再現してくれたからだ。 イ課長は「チャチュンサオ」と言ったつもり。でもタイ人の耳にどう聞こえたかっていうと・・ 「チョチョサン」 うっそ?!「蝶々さん」って聞こえたの?マジで?こりゃたまげた。 声調がほぼない日本語に慣れた日本人がチャチュンサオって言うと、タイ人には「蝶々さん」と聞こえる。 イ課長が突然マダム・バタフライの話でも始めたのか?と思えば、そりゃ相手も困惑するわなぁ。 しかしこれは面白い発見だ。日本人がカタコトのタイ語を話すと、タイ人にはすごく平板で、しかも ボソボソ言ってるように聞こえるんだろうなとは思ってたけど、こんな風に聞こえてたとは。 「アナタがチョチョサン、チョチョサンっていうから、何言ってんだろうなー?と思ったけど チャチュンサオって言ってたのねー。チャチュンサーオっていうのよ、チャチュンサーオ」 「チャチュンサーオ」 「そう、チャチュンサーオ」 マッサージしてもらいながら臨時のタイ語教室で発音を矯正されちまったぜ。 もっとも、タイ人の英語の発音だって問題がないわけではない。 同じ施術者さんと「アナタ(つまりイ課長)、日本人にしちゃ背が高いわねー」なんて話から、 日本人の身長について話してたら、彼女が「私はエイシンゲームで背の高い日本人女子を見たわ」 みたいなことを言い出した。 「エイシンゲーム?」 「イエス、エイシンゲーム コリア」 はぁ?・・・??・・韓国製のエイシン・ゲームっていう有名なゲームソフトでもあんの? ゲームなんて全然知らないから話の続けようが・・・・あ?・・あッ!もしかして! アナタは(ちょうど旅行中に始まった)仁川アジア大会(Asian Games)のことを言ってるね? ジャパニングリッシュ的発音だと、多くの人は「エイジアン・ゲーム」と言うだろう。それがタイの発音だと 「エイシン・ゲーム」かよ。こういうのはタイなまり英語、「タイングリッシュ」と呼ぶべきなのだろうか。 いやーむずかしーー。でも何とかわかったから会話が続いてよかったよかった。 「アナタがエイシンゲーム、エイシンゲームっていうから、何言ってんだろうなー?と思ったよ」と 彼女の英語を再現するのは話をややこしくしそうだったのでやめておいた(笑)。
by tohoiwanya
| 2014-11-10 00:01
| 2014.09 東南アジア旅行
|
Comments(8)
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PIKI
at 2014-11-10 08:30
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チョチョ
このことばスペイン語だと、 すごーーーーーく まずい言葉になるんですう。
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tohoiwanya at 2014-11-10 11:59
>まずい言葉になるんですう
ぴきさん: ほんとだ。「スペイン語&チョチョ」で検索するといろいろ出てくる。 だとすると、スペインではオペラ「蝶々夫人」の上演はヤバいのか? あれ、基本はイタリア語オペラですけど、「ばーたふらーい♪」っていう英語歌詞や 「チョチョさーん♪」っていう日本語歌詞が随所に出てくる。 後者は激ヤバということか・・別の言葉に代えてるのかな?
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Bきゅう
at 2014-11-10 19:00
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英語でも、外人になったつもり抑揚つけてしゃべらないと伝わりませんよね。日本語、かわいいけど、不思議な言語ですう。なんせ、ヘボン式ローマ字のヘボンがヘップバーンですから。これを知ったとき、わしの英語が通じなくても不思議はあるまいと思いましたよ。
米語でも、地名の発音って難しいですよ。
りんごと蜂蜜とろーりとろける「バーモント」(説明が長いわ!)だって、 日本式に「バーモント」と言ったら絶対通じない。 「ヴァモント」で、「モ」を高く強く発音するのです。 「メリーランド」もカタカナ表記じゃ無理な音ですし・・・ なんていうか、動詞とかだったら文の前後で推測も出来るけど 固有名詞や名詞はそれが無理なので余計通じないのかなあ? アメリカ人に突然「パン粉」と言われて全くわからなかった私からの意見でございます。 だって・・・pankoだから「ペァンコォゥ」って言うんだもん・・・・
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tohoiwanya at 2014-11-11 10:21
>なんせ、ヘボン式ローマ字のヘボンがヘップバーンですから
Bきゅうさん: そうなんスか?知りませんでした。「ヘボンさん」っていう人が 考案したんだとばっかり・・・。 私の印象だと日本語と韓国語の口語は世界的に見てもかなり「平板・ボソボソ系」の 部類に属すると思う。中国語やタイ語はいうに及ばず、英語と比べても差は大きい。 いわゆる「ジャパニングリッシュ的」な平板な英語を聞くと、私ですら 「うわぁ、なんてヘンな英語だろう」と思うことがある。
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tohoiwanya at 2014-11-11 10:34
>「ヴァモント」で、「モ」を高く強く発音するのです
Mimiさん: それ以前に、バーモントの「バ」はBで始まると思い込んでたけど、 「V」で始まるんですか?あのカレーの悪影響?でBだと思い込んでた。こりゃー絶対通じないワ。 日本語の地名って、そういう意味じゃわりと“寛容”なのかも。 たとえば「あきはばら」っていう地名、日本人だったら「は」にアクセント置くけど ガイジンがアキハバーラって後ろにアクセント置こうが、 アキハヴァラってVで発音しようが、通じる可能性はおそらく高い。 音調が平板な日本語だからこそ、なのかなぁ?
Vermont、で、ございます。
Bの発音だったらもう絶対無理ですね(^^;
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tohoiwanya at 2014-11-12 01:06
>Vermont、で、ございます
Mimiさん: 私くらいの年代だと西城秀樹が「♪ハウスバ~モントカレ~だよ~」って歌ってたのを 子供の頃に刷り込まれてるけど、西城秀樹は絶対にVじゃなくBで歌ってた(笑)。 ハウス食品と西城秀樹が悪いんです!(人のせい) |
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