2015年 12月 26日
もう一つ国内出張の話を続けよう。 最初にひとつテストをしてみたいと思う。 問1.下の写真は何か、その名称を答えよ(写真はWikipediaから) 「仁徳天皇陵」と答えた人はバッテン。 「大仙古墳」と答えるのが現在は正しいようで、最近の教科書にも「大仙古墳」「大仙陵古墳」などと 書かれているらしい。「伝仁徳天皇陵」なんていう書き方もあるんだと。でもこの名称変更はわりと最近 あったみたいだから、大体の人は仁徳天皇陵って覚えてるよねぇ?もちろんイ課長もその一人だ。 ここに葬られた天皇が仁徳天皇であるという考古学的根拠が近年アヤシくなったっていうのが 名称変更の理由らしいけど、ガキの頃に「これが世界最大のお墓である仁徳天皇陵」として習った イ課長としては戸惑うばかりでごんす。だからこの記事においては書き手がかつて覚え込んだとおり 「仁徳天皇陵」と書かせていただくでごんす。 さてだ。 この仁徳天皇陵がどの都道府県の、ナニ市にあるか知ってる人いる? 実はイ課長も「奈良とか大阪とか、そっちの方」ってくらいで、正確には知らなかった。 仁徳天皇陵、実は大阪府堺市に存在している。 昨年11月に行った姫路⇒泉南出張では大阪市内にホテルが見つからず、やっとこさ堺市にあるホテルを 確保したって前に書いた。正確には南海電鉄高野線の堺東駅近くのホテル。 しかし翌日、泉南市の目的地に行くにはJR阪和線というのに乗る必要があった。だから 阪和線のどこかの駅に歩いていけるホテルが望ましい(そんなゼイタク言える状態じゃなかったが)。 たまたま空きホテルがあった堺東という駅からなら阪和線の三国ヶ丘駅まで歩いて行けそうだ。 しかも地図を見ると、三国ヶ丘まで行く途中に何やら巨大な・・・ 国道310号線にほぼ接しているこの巨大墳墓。 これぞ世界最大の墓所・仁徳天皇陵ではないか。へーー、こんなところにあったんだ、これ。 ホテルをチェックアウトしてからアポまではけっこう時間があったから、ちょっと寄り道してみた。 ホテルから仁徳天皇陵までは徒歩で15分もかからない近さ。 堺東の方から地図上の黄色い道を歩いてくると、前方後円墳の「後円」のところに出る。 ってことは、このカーブした水路が写真の北(上)の方にあるマルっこいあたり・・と考えるのは 早計なのである。実際にはこの辺は堀が二重三重になってるから、一番外側の堀が見えてるだけで、 内側の広い堀はもちろん、墳墓本体は見えないのである。 近くにこんなものが建ってた。 ははぁ、仁徳天皇陵は一周すると2,850m、3km弱あるんですねぇ。すたすた歩いて30分ってとこか。 まぁ時間はあるから短い右のルートで正面まで行ってみることにしよう。 陵のまわりは基本的にグルッと一周できるようになってるけど、古墳そのものは見えないわけだから “考古学散歩”っていう感じじゃない。初冬の枯葉舞い散るただの遊歩道散歩。途中に万葉歌碑があったけど そのイワレ因縁故事来歴を書いた看板自体がよく読めないから、サッパリわからない(笑)。 はい。ようやく前方後円墳の「前方」のカドッコのところまで来ました。地図でいうと左下カド。 ここを曲がっていくと、「前方」の真ん中のところが正面ということになるらしい。 これが正面。へぇーーーーー。こんなンなってたんだ。 鳥居もあって神社みたいだ。ちゃんと白砂利にはスジがついてるし、キレイに整備されている。 しかし肝心の古墳は単に小高い山にしか見えない。 この辺には観光客も来るようで、どこかのジイさんバアさん集団が来てた。漏れ聞こえてきた 彼らの話によると、仁徳天皇陵を世界遺産に登録しようって動きもあるんだとか。へぇ~~。 さて、反対側をぐるっと周って阪和線の駅の方に行くとするか。 これがさっきと反対側の(地図でいうと右下の)カドッコから見た堀。水鳥がいっぱいいるね。 ・・などとノンビリ写真を撮りながら歩いてたら、ぎゃぁ!ななな何ということか!! ブレザーとパンツにびーーーっしりと何かの植物のタネ?(実?)がくっついてる。これがまた異常に 粘着力が強くて、手で払ったくらいじゃ全然落ちない。結局この場所に10分くらいたたずんで、 このナゾの実(タネ?)を丹念につまみとるというブザマな作業を強いられたのである。 このつまみとり作業の時間を除けば、やっぱ一周するのに30分くらいだったかな。 イ課長一人だから、かなり早足ではあったが。 三国ヶ丘駅には一応展望台というのがある。ちょっと登ってみた。 しかし結局どうがんばっても小高い山にしか見えない仁徳天皇陵なのである。 (面積的には)世界最大のお墓である仁徳天皇陵がエジプトのピラミッドに比べ、知名度という点じゃ 比較にならない原因も結局この「見えない」ということに尽きるね。飛行機やヘリコプターから 見ない限り、何度もいうけど「ただの小山」。仁徳天皇陵を見に行っても全然見えないんだから。 世界遺産としてのアピール力にも欠けるよなぁ。もうちょっとどうにかならんのかね? まぁ飛行機とかヘリコプターはムリでも、近くに軽気球施設でも作って、気球の上から古墳観光なんて ことが実現すれば観光客ワンサと来ると思うけどなぁ。もっとも、この仁徳天皇陵は国有ではなくて 皇室のモチモノだから、現在の所有形態のままだと世界遺産登録は難しいらしい。 まぁそれでも(少なくともイ課長がガキの頃の)歴史の教科書でおなじみだった仁徳天皇陵だから、 実際に来るとそれなりに「これがそうか」という感慨もあるにはあった。見えないけどね(笑)。 出張の空いた時間、堺でちょいと観光(ってほどじゃないが)してみたイ課長なのでありました。
by tohoiwanya
| 2015-12-26 13:42
| 国内出張・旅行
|
Comments(4)
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PIKI
at 2015-12-27 13:44
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こんにちは、 学んだことはすべて忘れたけど、小学校で習った前円後園墳(漢字?)っていいう
言葉が出てきました。 遠い昔のことを記憶してるのは、認知症の始まりって本当でしょうか? 小学校のころ、お婆ちゃんの家の近くに、こんな世界最大のものがあるって、信じられなかったけど、 誰も、反応せず、気にせず、実際に訪れたひとの話も、今回で初めてです。 個人的に、世界遺産に反応しないわたしなんですが(どうでもいいと思う)、 血眼になって、世界遺産に登録するその価値ってすごいんでしょうねえ。 経済効果っていうか。。 1年間、楽しいブログを有難うございました。
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tohoiwanya at 2015-12-27 18:27
>小学校のころ、お婆ちゃんの家の近くに、こんな世界最大のものがあるって
ぴきさん: 何と、ぴきさんの祖母上様は堺市にお住まいでしたか。 とにかく「世界一だけど見えないお墓」だから、観光客も少なかったし、 地元もそれほど観光客誘致に一生懸命って感じじゃなかったですねぇ。 古墳が住宅街に静かに溶け込んでた。どうせ見えないんだからムリに 世界遺産にしなくてもいいんじゃないかと思いますけどねぇ。 こちらこそ、こんなアホブログお読み頂きありがとうございました。 来年もよろしくお願いいたします。
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有明月夜
at 2016-02-06 17:51
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それは、ヌスビトハギ の種ですな
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tohoiwanya at 2016-02-07 01:19
>ヌスビトハギ の種ですな
有明月夜さん: つ、月夜さん、久しぶりにいきなり、しかもそんな植物学的な知識をぼそっと つぶやいていかないで(笑)。 ヌスビトハギで検索すると、確かにコレっぽい。ガキ時代を通じて、東京じゃ こんなモノにとりつかれた記憶ないんだけど、西日本に多い植物なんだろうか? |
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