2016年 07月 29日

ラオス経済について考える その1

以前に書いたことと重なる部分もあるけど、このテーマについては詳しく考察してみたかったので
ちょっと掘り下げて書こうと思うのだ。

アナタがこれまで行った国の中で、経済的に最も貧しかった国ってドコ?と聞かれたらドコと答える?
イ課長は「たぶんラオスじゃないかなぁ?」と答えると思う。

他にもインド、カンボジア、あたりが“候補”になるけど、その中で最も・・となると
やっぱラオスじゃないかなぁと思うのだ。印象として。
f0189467_13533195.jpg
 
この3か国、一人当たりGDPで比べると、きわどい差ではあるけど実はラオスが一番高くて
最貧はカンボジア。ラオスの一人当たりGDPはカンボジアの約1.5倍あるのだ(出典はIMF)。

 ラオス  1,778.71$ (142位)
 インド  1,617.31$ (143位)
 カンボジア 1,168.04$ (156位)


数字的には「ラオスの方がマシ」のはずなのに、イ課長には貧しい国という印象が強い。
それはなぜなのか?正解はわかんないけど、仮説ならいくつか思いつくことはできる。


仮説①:とにかく人口が少ないから経済活動の総量が小さすぎる
これはアリだと思うんだよ。前にも書いたようにラオスの人口ってカンボジアの半分以下だからね。

一人当たりGDPがちょびっと高くても人口がスカスカじゃ、国トータルでの経済活動量は
結局大したことない。上記3カ国のGDP総額(名目)を比べるとこうだもん。まぁここに
人口大国インドを並べるのはちょっとムリがあるのだが。

 インド  2,0907.1億$(7位)
 カンボジア 181.6億$ (110位)
 ラオス   125億$ (123位)


やっぱ人口って“国力”の重要な要素であることは間違いなくて、ラオスみたいに人口が少ないと
「一人当たりホニャララ」の数字が多少高くても、結局は貧弱な経済力ってことになる。
f0189467_13533186.jpg
 

仮説②:これといった産業がない
労働人口に占める農業従事者の比率。これ、ラオスはすごく高いと思うんだよねぇ。
要するに工業やサービス業の発達度が低く、主たる産業は農業しかないってことなわけで、
産業化が遅れた国の農業従事者比率は高い。

ILOの2010年データだとカンボジアが54.2%で91か国中2位、インドが51.1%で同4位と、
やっぱり非常に高い。ただ残念ながらILOデータにはラオスが入ってないんだよね。
イ課長のカンカク的推測ではラオスの農業従事者比率って6割くらいイッてそうだけどなぁ。

産業といえば農業、大きな製造業はなく、輸出できる産品もない・・となれば豊かなわけがない。
しかもアンコール遺跡みたいな「世界に名だたる有名観光地」もあんまりないしねぇ・・・。

実はラオス唯一といえる輸出産業って電力なんだよね。メコン川等を利用した水力発電で作った電力を
隣国タイに大量に売電してる。ラオス国内の水力発電設備量はすでにラオス国内電力需要量を
大きく上回ってるらしい。もっとも、乾季になると逆に電力足りなくなってタイから輸入することも
あるんだとか・・・何だかなぁ・・・。


仮説③:港がない
内陸国ラオスは海に面しておらず、港がない。
これって海外との貿易活動においても、外資系製造業誘致においても大きなマイナスだ。
その点じゃ、国の一部が海に面し、港もあるカンボジアの方がずっと有利。

結局、ラオスの貿易ってタイとか中国みたいな陸続きの国と細々やらざるを得ないし、
その状況は今後も変わらないと思うんだよねぇ。しかも道路網は貧弱だし・・。
f0189467_13533131.jpg
 
・・てな具合に、経済的には夢も希望もあまりなさそうなラオス。
こんなに貧しいラオスなのに、その物価はけっこう高い。タクシー代なんてタイよりもずっと高い。

それは上の仮説②や③と密接に関連している。
要するに農水産物以外の「国産品」ってほとんどないんだよ。車や電気製品みたいな耐久消費財から
日用雑貨、お菓子やカップ麺に至るまでタイや中国などからの輸入が中心。そりゃ値段高くなるわな。
イ課長は最近の旅行でモノの値段をメモしてるから比較が可能だ。たとえば・・

 カンボジアの国産煙草   50セント=約55円
 ラオスの輸入煙草(韓国製)10,000キープ=約150円

 アンコール・ビア(350ml)60セント=約66円
 ビア・ラオ(500ml)10,000キープ=約150円

 タイのマッサージ1時間  250バーツ=約760円
 ラオスのマッサージ1時間 40,000キープ=約600円

ビア・ラオはラオス唯一の大規模製造業といわれてるけど、アンコール・ビアに比べるとやっぱ高い。
煙草なんて国産と輸入の違いがあるからかなりの価格差だ。でもマッサージみたいな「労力の値段」だと
タイより少し安いんだねぇ(マッサージは店によって料金差があるから厳密な比較じゃないが)。
f0189467_13554143.jpg
  
そう考えると前に書いたタクシー代の高さも何となくわかってくる。
ラオスで車を保有するってことは高い外国製輸入車を買うってことだから、すごい巨額投資だ。
その巨額初期投資を回収しようとすれば、高くなるんだろうなぁ。これは車に限った話じゃない。
なにせほとんどの物資が(ビアラオ以外、かな?)輸入品なんだから。

国が貧しい上に物資は輸入依存、従って物価が周辺国よりも高い・・と、これじゃラオス国民
たまったもんじゃない・・と考えたくなる。ところがラオスの人たちの様子を見てると、
貧しさと物価高に苦しんでるようにはあまり見えないんだよね。
(ま、もちろん豊かにも見えないわけだけどさ)

貧しく、物価も高いという二重苦。なのに、なぜラオスの人々には経済的苦しさにあえぐ様子がないのか?
その辺をさらに掘り下げたいが、すでに十分長くなったから続きは次回だ。


 
[PR]

by tohoiwanya | 2016-07-29 00:02 | 2015.09 東南アジア旅行 | Comments(0)


<< ラオス経済について考える その2      ラオス・フルーツスムージー生活 >>