2017年 09月 13日
順を追ってこんどはバンコクからヤンゴンへのフライトの話を書こうと思ったけど、予定変更。 楽しかるべき旅行記を書く筆もとまってしまうような、最近のミャンマー情勢のヤバさ。 例のロヒンギャ問題ですよ。 イ課長が帰国した直後、8月25日からロヒンギャ武装勢力とミャンマー治安部隊との間で 戦闘が始まったらしくて、そこからはもう状況は悪化の一方。ついに国連安保理が ロヒンギャ問題で緊急会合っつうんだからいまや北朝鮮並みじゃん。 実際見たわけじゃないし、ロヒンギャや人権団体側の言い分と、ミャンマー政府側の言い分と どっちが正しいかは正直わからん。でもねー・・。まぁ素朴な目で見てミャンマー政府の立場は かなりヤバいと思うわけよ。 「過激派が悪いんだ」「いや政府軍が悪いんだ」的な責任のなすりつけ合いって時々あるけど、 こういうのって大体の場合政府側がテロリストのせいにしてることが多い(ような気がする)。 もし政府側がいうようにぜんぶロヒンギャ側がやってることだとしたら、ロヒンギャ過激派が ロヒンギャの村を焼いてることになる。それはいささか信じ難いよ。 ただねぇ、ロヒンギャにイスラム教徒が多く、仏教国のミャンマー政府が軍のイスラム迫害を 容認してる的な、宗教対立的な捉え方もどうかと思うワケ。イスラム諸国による対ミャンマー 抗議にはどうもそういうブブンが感じられるんだけど・・。 ミャンマー国民の圧倒的多数は仏教徒。それは確か。 一方ロヒンギャはどうも「欧州におけるロマ」みたいな位置付けなんじゃないかって気がする。 元々バングラデシュからミャンマーに流れてきた人たち(難民?)という見方もあって、たぶん 正式なミャンマー国籍持ったロヒンギャなんていないんだと想像される。 要するに普通のミャンマー人から見りゃロヒンギャは不法移民だ。 「彼らもミャンマー国民の一員だ」なんて思うミャンマー人も、これまたいないと想像される。 問題は宗教の違いより、ミャンマー国民としての正当性の方だと思うんだよね。 もしミャンマーで圧倒的多数を占める仏教徒がイスラム教徒を排撃してるなら、首都ヤンゴンに あんなにモスクがあるはずないもん。ヤンゴン中心部にはモスクが意外なほどあったんだよ。 イ課長が泊まったホテルのすぐ近くにも複数あった。 ヤンゴンにはインド系住民がけっこう多くて、インド人街もある。イ課長の宿泊ホテルも インド人街の一角だったはずで、歩いてるとモスクでのお祈りも見たし、ヒンズー寺院も見たし キリスト教の教会も見た。ヤンゴンじゃ異なる宗教がフツーに共存してた。 夜になってスーレー・パゴダまでタクシーで戻ってきた時のこと。 ライトアップされたパゴダを見ながら歩いてたら、突然アザーン(皆さんイスラム教のお祈りの 時間ですよーー♪っていう、唄うような呼びかけアナウンス)が聞こえてきてギョッとした。 なんと、スーレー・パゴダのすぐ反対側にモスクがあったんだ。へええ!! 金の仏塔とイスラム教モスクとが道路一つ隔てて共存。けっこう珍しいんじゃないか? イ課長は輝く仏塔を目にし、アザーンを耳にしながらけっこう感動してたよ。ヤンゴンじゃ 異なる宗教がこんなに自然に共存してるんだぁ・・と思った。 (写真左、塔の上に緑の照明の窓があるのがモスク) こういうモスクに集まるイスラム教徒のミャンマー人たちはみんなミャンマー国籍を持ち、 ミャンマーで生活してるミャンマー人たちだろう。だから異なる宗教でも対立なんてない。 ロヒンギャ問題も本質は宗教の違いじゃなく、ミャンマーに住む法的正当性にあると思うんだが。 むろん「不法移民なら迫害していい」わけではない。でも、もし不法移民の中に武装集団がいて 彼らが国内で破壊活動始めたら、そりゃ政府だってそれなりに断固たる措置をとるだろフツー。 それがナニ教徒であったとしても。 「それなら過激派を捜索して逮捕すりゃいい話だ。それを何だって女コドモまで迫害するのだ? 明らかに非人道的だ、やりすぎだ」・・というなら全くその通りだと思う。イ課長も同感だ。 しかし「イスラム迫害だ、異教徒弾圧だ」という捉え方にはどうにも同調できないんだよなぁ。 もしそうならヤンゴンのあんな“異宗教混在”の光景、ミャンマーじゃあり得ねぇはずだろ? ま、これはあくまでイ課長の個人的な私見。異論をお持ちの方もいるでしょう。しかしそんな 一個人の私見なんかとは別の次元でミャンマー政府を見る世界の目は刻々と厳しさを増している。 ただそれが「仏教徒によるイスラム弾圧への抗議」的な性格を帯びてるようで釈然としない。 一人のミャンマー旅行経験者レベルでそう感じるわけですよ、イ課長は。
by tohoiwanya
| 2017-09-13 00:10
| 2017.08 ミャンマー・タイ旅行
|
Comments(2)
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あふろ様
at 2017-09-13 13:33
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そー言えば友達が今ミャンマーにいるわい。
連れて行った猫たんがあちらで亡くなってしまったのだが、火葬してくれるところを探し求めて大変だったもよう。 ミャンマー人は火葬はするがお墓を持つ習慣はないのだとか。 だから人やら動物やら一緒くたに燃やしてどこかに埋めちゃうんだって。 個別にペットを火葬ってなると特別に頼まなくちゃならなくて、しかもタイヤや枝切れと燃やしてくれるそうな。 悩んでいたとき、運転手さんが「どこかのレストランに頼んでオーブンで焼いてもらうのはどうか?」という仰天アイデアが飛び出たらしい。
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tohoiwanya at 2017-09-13 23:41
>動物やら一緒くたに燃やしてどこかに埋めちゃうんだって
あふろ様さん: しかしアンタの知り合いも、よくまぁ世界中にあちこちいるねぇ・・。 もしかするとミャンマーとかインドじゃお墓って習慣はないのかも。 インドも火葬にしたあと、骨をガンジス川に流すとかよく聞くし。 ではタイやラオスには墓があるかと言われると、これもよくわからん。 少なくとも墓地みたいなのは見たことないけどなぁ・・。 タイやラオス在住で猫が死んだ知り合いはいないのか? |
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