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2018年 01月 19日

ヤンゴン→バガンの夜行“冷蔵”バス

ミャンマーの長距離バスって、総じて評価がすごく高い。
思った以上に車体は新しく、サービスは良く、シートは快適・・という利用者談が多い。
これは基本的にイ課長も同感で、ヤンゴン→バガン間で利用したElite社の夜行バスは、
ある一点を除けば「日本の夜行バスよりいいんじゃねぇ?」と思うくらい良かった。
ヤンゴン→バガンの夜行“冷蔵”バス_f0189467_13082017.jpg
 
まず強調したいのがシートの間隔だ。
ゆったりしてて、飛行機のエコノミー席より広いのは間違いない。
巨大ロボット・イ課長がなんとか足組むことが可能なんだから、新幹線と同程度のシート間隔は
あるだろう。日本でこんなに前がゆったりした長距離バス、乗った記憶ないぞ?
ヤンゴン→バガンの夜行“冷蔵”バス_f0189467_13082965.jpg
 
おまけに前方シートの背にはエンタテイメントモニター付き。バスなのに。すげー。
もっとも大体の乗客は睡眠を優先するから利用率は低くて、イ課長も結局見なかったが。
ヤンゴン→バガンの夜行“冷蔵”バス_f0189467_13081963.jpg
 
ミャンマーじゃ長距離バスの乗務員は運転手+車掌という2名体制。
ベトナムやカンボジアで乗った国境越えバスもそうだったから、東南アジアではよくある
スタイルなんだろう。このバスの車掌くん、水やらお菓子やら毛布やら配って忙しく働いてる。
車内サービスのレベルも非常に高い(下の写真は配布された夜食お菓子)。
ヤンゴン→バガンの夜行“冷蔵”バス_f0189467_13082069.jpg
 
しかしこのバスに乗ってしばらくすると、乗客にとって水やお菓子のサービスなどは急速に
どうでもいいことになっていき、代わりに、冒頭に「ある一点を除けば」と書いた、その
一点のモンダイが全身を襲う。それは何かというと「異常に寒すぎる冷房」という、
Elite社最恐のサービスなのである。

東南アジアじゃ「冷房は冷やせば冷やすほどサービスになる」という傾向が強いって話は
聞いたことある。バンコクなんかだと確かにそう感じる。暑い外から汗ダクで入った建物が
ヒエヒエに冷房効いてると、最初はすっごく気持ちいいからね。

しかしそれが9時間の夜行バスとなると・・これはもう冗談抜きで、マジ寒い。
東南アジアの長距離バスは冷房キツめというのは経験してたから、用意周到に長ズボンを穿き、
長袖パーカーも着込んでたけど、このバスはその程度じゃ対抗できないくらい寒い。

そうだ。さっき毛布が配られたじゃん。あれを使おう。
体温を最も逃がさない方法を模索しながら毛布を身体に巻く。フと後ろを見ると
全ての乗客が毛布にくるまってる。全員「寒い・・・」と思ってたのは間違いない。

3時間くらい走ったあたりで最初のトイレ休憩。どこかのサービスエリアだ。
冷蔵バスの乗客たちは全員“暖をとる”ために車外に出て、冷えきった身体を暖める。
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夜遅いのにサービスエリアの食堂は大繁盛だ。イ課長はさっきバスターミナルで焼きそば
食ってきたから腹はへってない・・だがあの冷えきった車内には戻りたくないから、何となく
外をウロウロしてた。
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そこでイ課長は恐ろしいものを見てしまったのだ。
うひゃぁぁ!!バスの外側にびっしりツユがついてるよ。モワッと暑い熱帯夜のミャンマーを
冷たいバスが走ると外側はこうなるのか。生まれて初めてみる恐ろしい光景だ。まさに冷蔵バス。
オレたちゃ人間だぞ。缶ビールじゃねぇんだぞ。ああ・・このバスにまた乗るのかよぉ?
ヤンゴン→バガンの夜行“冷蔵”バス_f0189467_13082927.jpg
 
ここから先はもうとにかく寒さとの戦い。シャクルトン状態(笑)。
このバス、前部に車内表示灯があって、日付→時刻→気温って感じで数字を表示し続ける。

外の気温は30度近いレベルだったんだと思う。
しかし車内温度表示は容赦なく20度を切り、さらにどんどん下がり続ける。

これが最低温度、と思って撮った写真がこれ。車内温度16度。しかし実際には
この写真を撮ったあとさらに15度まで下がった。それが最低車内温度だったと思う。
冬眠できたらどんなにラクか・・だがいま寝ると凍死するかも。
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明け方、もうバガンが近づいた頃にまた休憩。
乗客たちはワレ先にと暖を求めてバスの外に(笑)。下の写真、紺色のジャンパーに
茶色のロンジー姿のオッサンが写ってるじゃん?これ、イ課長の隣に座ってた人で、もちろん
地元の人だ。地元民もちゃんとジャンパー用意して乗るんだなぁ。みなさん、Elite社のバスに
Tシャツ+短パン姿で乗ってはいけません。それは自殺行為であり凍死行為です。
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Eliteに乗ったほかの人のブログを読んでも「冷房が寒かった」って書いてあるから、
この冷蔵庫のごとき冷房はElite社のバスにつきものの“サービス”なんだろう。
(ちなみに、後日バガン⇒マンダレーで乗ったOKバスはこんなに寒くなかった)
Eliteのバスに乗る方は必ずはおるもの、それもけっこう厚手のものが必携と思われます。

バガンに着いてバスを降りれば、こんどは蒸し暑い外を歩くことになる。少し歩けばたちまち
汗がでる。でもそうやって再び汗をかき始めた自分を発見した時は正直生き返ったような
気分で「お日様よありがとう!汗って美しい!」と思いましたですよ(笑)。

 


by tohoiwanya | 2018-01-19 00:35 | 2017.08 ミャンマー・タイ旅行 | Comments(2)
Commented by Bきゅう@ショートヘア at 2018-01-19 22:45 x
素朴な疑問です。誰も温度を上げてもらうように言わなかったのですか?
Commented by tohoiwanya at 2018-01-21 12:09
>誰も温度を上げてもらうように言わなかったのですか?

Bきゅうさん:
これねぇ、わかんないんです。
走行中に運転手に話しかける乗客はいなかったけど、地元の人と車掌が
時々何か話してたし、車掌と運転手も時々言葉を交わしてた。
その中で冷房温度のことが話されていた可能性はある。
運転手がそれを無視してして冷やし続けたのか、ある程度冷房弱めても
あのくらい寒いのか、わからない。

しかしショートヘアで後頭部の髪もチャンと自分で切れるんスか?すごい。


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