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2012年 04月 13日

フランツ・リスト記念館

ハンガリー出身の作曲家・演奏家はたくさんいる。
東欧って弦楽器奏者の産地ってイメージが強いけど(ヨーゼフ・シゲティとかね)
ピアニストも多い(アンドラーシュ・シフとかね)。でもハンガリーが生んだ史上最高の
ピアニストといえば、やっぱフランツ・リストってことになるんだろう。

作曲家としては「そこそこ」だったかもしれないけど(ヲイヲイ)、ピアニストとしては
とにかくスゴすぎる人だったらしい。リストの死後120年以上たっても演奏技術という点で
彼に比肩し得るピアニストはいないといわれてる。常軌を逸して「上手すぎる」人だったんだよ。

どんな難曲でも初見で完璧に弾き、2回目以降からは勝手に装飾音とか付け加え、さらに
難度をあげて弾いたっつうんだから、こうなると「あまり上手すぎるのもいかがなものか」
って感じになってくる(笑)。

まぁいい。別にリストの人生について語りたいわけではない。
ブダペストにあるリスト記念館に行ったという話を書きたいんだよ、今日は。

前に書いた、ブダペストの銀座線が下を走っているアンドラーシ通り。
駅一つ分離れた距離にコダーイ記念館とリスト記念館という二つの建物があった。
コダーイって、リストほど有名じゃないけどハンガリーのエラい作曲家なんだよ。
どちらも、作曲家がかつて住んだ屋敷を今は記念館にしているらしい。

イ課長はどっちでも良かったが、トホ妻はコダーイの方に行きたいと主張した。
そこでコダーイ記念館に行ってみたはいいが、どうも改装・閉館中みたいだったんだよね。
仕方ないから世界遺産アンドラーシ通りを地下鉄ひと駅分歩き、リストの方に行ってみた。

建物に入って、暗い廊下の途中みたいなところに受付がある。
そこでヘンなものを渡された。何かっていうと、靴を覆う特製の布袋みたいなもの。
入場者は全員コレを装着しないといけないのだ。土足厳禁。
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入口のチケットもぎりネエちゃんに「中で写真撮っていいの?」って聞いてみたら
別に写真代というのが必要なんだと。しかも(いくらだか忘れたけど)その写真代は
入場料より高かった。えええーーー??それってちょっとアコギな商売じゃないか?

自慢じゃないが、こちとら貧乏性が骨の髄までしみついたオジサンだ。
いいよいいよ、写真なんて撮らないよ。というわけでリスト記念館内部の写真はない。
展示室から降りる時に撮ったこの階段の写真だけでご容赦いただきたい。
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ただ、入口にいたこのネエちゃん、気さくというかナレナレしいというか、いきなり
イ課長に「アナタのそのTシャツ、いいわね…」なんて英語で話しかけてきた。
イ課長をナンパしたきゃ、「アナタだけタダで写真撮らせてあげるわ」くらいのこと言えって(笑)。

展示物はリストが使ってた何台かのピアノ、リストの手のブロンズ像…。
まぁそんなに画期的・必見のモノがあるわけじゃないけど、それなりの展示内容だ。
展示物より、リストが住んでた家そのものの方が見ものかもしれない。

豪華だったねー。
ハイリゲンシュタットで見たベートーヴェンの質素な家とは雲泥の差。
欧州最高の人気ピアニストだけあって、おカネ持ちだったんだねぇ、リストって。

記念館の中にはリストの肖像画や胸像なんかもいっぱいある。
若い頃はイケメン天才ピアニストとして鳴らし、追っかけグルーピーもいたくらいで
女性関係の方もハデな人だったらしい。(以下の肖像画は全てネットからの拾い物)。
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こういった肖像画を何枚も見てるうちにトホ妻がボソリとつぶやく。
「リストってさぁ、肖像画描かせる時も『こういう感じでこの角度から描け』とか
 注文出してたよねきっと…」
リストの見た目&生きザマはトホ妻の好みには合わなかったものと推測される(笑)。

このリスト記念館で一番印象深かったのは、音楽が流れてたことなんだよ。
最初は館内BGMとしてリストのピアノ曲をかけてるんだろうと、何となく思ってた。
んーー??しかし待て…今度はバイオリン曲がかかり始めたぞ。しかもこの曲は
チゴイネルワイゼンじゃねぇのか?リストちゃうやん。

扉の向こうで見えなかったけど、明らかに隣室でレッスンやってたようだ。
BGMじゃなかったんだね。記念館を出る時に見たら、廊下には「レッスン順番待ち」の
少年少女たちがいた。大体中学生くらい。ココはリスト音楽院と何か関係あるのかな?

でもこの建物でピアノやバイオリンを習うってスゴいよねぇ。
何しろリストが住んでた家なんだから。そんじょそこらの音楽教室とは違うぜ?
ピカソの住んでた家にある絵画教室、千利休が住んでた家の中の茶道教室に通うようなもんだ。

展示内容にはあまり感銘をうけなかったけど、このリスト記念館に古い展示物だけじゃなく
「生きた音楽」が息づいてることにはけっこう感動した。
ここは「かつて有名音楽家が住んだ史跡」じゃないのだ。名も知らぬ音楽少年&少女たちの、
音楽的な喜びや悩みが現在進行形でいまも充満してるんだよ。

あの少年少女たちの中から、いずれ新たな「ハンガリー出身の名演奏家」が出るのかなぁ…
などと妄想しながら、リスト記念館を後にした我々なのでありました。




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by tohoiwanya | 2012-04-13 14:54 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)