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2012年 04月 25日

ウィーン美術史美術館① 「マルガリータ・リベンジ」

今年6月の旅行までに、昨年6月のウィーン旅行ネタをどこまで消化できるか。
厳しい戦いだがとにかく書くぞ。二日連続更新だぞ、頑張るのだイ課長。
仕事が一区切りついたのをいいことに、会社で書きまくれ(笑)。

さて、ウィーン美術史美術館。
ここはフランスのルーブル、スペインのプラド、イタリアのウフィッツィ、英国の
ナショナル・ギャラリー等々と並んで、欧州屈指の美術館と断言できる。
1991年に新婚旅行で来たときも当然たっぷり見た。

だがしかし…だ。
このブログで1年近く前に書いた、こんな記事をご記憶の方はいるだろうか?

いやもう、あの時のショックと落胆は本当にヒドかった。トラウマになったといっていい。
ジンセイで一度あるかないかのウィーン訪問。その千載一遇のチャンスに合わせたように
よりによって一番見たいスペイン絵画展示室だけ閉鎖という、不運のピンポイント爆撃。
悪意に満ちた運命の女神に弄ばれたイ課長の切歯扼腕・悲憤慷慨ぶりを想像してくれ。

あれ以来「もしまたウィーンに行くことがあったら…」と想像するたびに、
マルガリータ3部作のことを思い浮かべたもんだ。口惜しさが強かった分、思いも募る。
プッチーニのオペラ「トスカ」の名悪役、スカルピア風に言うならこんな感じか。
「あの時、私は誓ったのだ。マルガリータ、いつか必ずお前を私のものにすると」

あれから20年。イ課長はこうして再びウィーンの地を踏むことが出来た。
ウィーン美術史美術館の再訪、そして「マルガリータ・リベンジ」を完遂することは
今回のウィーン旅行における極めて重要なミッションの一つだった。さぁ今日こそ行くぞ。

美術史美術館はホテル・ベートーヴェンからぶらぶら歩いて…10分ってとこかな?
すごく近いのだ。真ん中の広場をはさんでこっちが美術史美術館。
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こっちが自然史博物館。え?区別がつかない?イ課長にもつかない(笑)。
建物の見た目ではなく「ドッチ側にあるか」で区別するしかないのである。
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両方のミュージアムの間にある広場の真ん中にはマリア・テレジアの巨大な銅像がある。
ハプスブルグ王家絶頂期の女帝であり、「アマデウス」に出てきたヨーゼフ2世や
マリー・アントワネット等々、16人(!)の子を産んだスーパー・マザーでもある。
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考えてみたら、マルガリータはスペインからハプスブルグ家にヨメに来たわけで、
両者の間にはつながりがあるわけだが・・・まぁいい、とにかく今は絵だ、絵。
マルガリータ3部作を求めて美術館内を早足で探し回る。

こういう時のイ課長は例によってまことにセッカチ極まりない。
実際のところはセッカチというより、早く実物を見て「もし見れなかったら…」という
不安から解放されたいわけだが…え?それがまさにセッカチ?さいざんすか。
この時は単独行動で、トホ妻が一緒じゃなかったのは幸いというべきで、もし一緒だったら
イ課長のセッカチぶりに絶対腹を立てたに違いない(ヤツはやけにゆっくり観るのだ)。
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ソコかしこにある名画に「後でまたゆっくり観に来るからさ」と無言でお詫びしつつ、
とにかくまずはスペイン絵画のある部屋を目指す。20年ごしのリベンジなるか…?

やった!あった・・・ハァハァ ついにお前を見ることが出来たよマルガリータ。
これまた「トスカ」のスカルピア風に言うなら
「マルガリータ!フィナルメンテ ミア!(マルガリータ!とうとうお前は私のものだ)」
と言いたいところだ。嬉しかった…というより、ホッとしたよ…見られて。
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この3つの肖像画は巨匠ベラスケスが描いた、いわば「見合い写真」としてスペインから
ハプスブルグ家に送られたもので、彼女が3歳・5歳・8歳の時の肖像画とされている。

実は一番右の8歳の肖像画だけ、日本に来た時に見たことがあるんだよ。近くで見ると
濃紺のドレスの金のフチどり部分なんかホントに無造作な筆でササッと描いてるんだけど
ちょっと離れて見ると金のフチどり以外のナニモノにも見えない。後の印象派にも影響を
与えたといわれる、ベラスケスの絵画技法の到達点だ。

「8歳」にくらべて「3歳」と「5歳」の方はマルガリータが小さかった分、ベラスケスも
若かったわけだから、作画技法も「まだ成熟途上」って感じが残ってるのかな?と興味があった。
画集で見るとほとんど差が感じられないけど、実物を近くで見ると違いがあるんだろうか?

結論から言えば、少なくともシロウト目に差はないね。
要するに「3歳」を描いた時点でベラスケスの技術はすでに完成の域にあったんだよ。
なるほどねぇ。考えてみたらマルガリータがやはり5歳頃に傑作中の傑作「ラス・メニーナス」が
描かれてたわけで、この頃のベラスケスは完全に円熟の巨匠だったわけだ。
(ご参考。下がラス・メニーナス。真ん中にいる少女がマルガリータ。プラド美術館にある)
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ああやっぱり実物を近くからジックリ見られるって、素晴らしいことだなぁ…。
ウィーン美術史美術館は観光客がいっぱい押し寄せる美術館ではあるけど、
そんなにメチャ混んでるってほどじゃなく、絵をじっくり観察できるのが嬉しい。

さてだ。「マルガリータ・リベンジ」も果たし、20年ごしの溜飲も下がったところで、
さっき「後でまた来るから」と言い捨てて通り過ぎた名画たちをジックリ拝見しましょうかね。
(②につづく)



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by tohoiwanya | 2012-04-25 15:32 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(10)