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2016年 10月 30日

ルアンパバーンで托鉢を見る その2

前々回書いたように、ルアンパバーンで迎えた最初の朝、イ課長はさっそく
早起きして托鉢の様子を見学した。それに安心して翌朝はしっかり寝坊した(笑)。

さて三泊目の朝。ルアンパバーンで迎える最後の朝ということになる。
この日は他の理由もあって早起きしたから、とりあえずまた托鉢を見よう。
前回はワット・マイの前で見たから、この時は托鉢見学スポットとして
推奨されてる小学校の前まで行ってみた。明け方で、まだ夜のように暗い。
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おおお、何やら托鉢用の“席”と思われるものがズラッと並んでいる。
向こうに座ってる人たちの様子から考えて、これはおそらく「托鉢体験ツアー」に
参加する外国人観光客用に設けられた席なんだと思われる。
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こっちもギッシリ観光客が並んでる。当然、彼らが持っているゴハンやなんかも
ツアー会社側で用意したものってことだよな。
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てなこと言ってるうちに早くも托鉢スタート。体験ツアーに参加した観光客は
写真撮ったりしてて、しょせん観光気分。何だかなぁ・・。
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このあたり、確かに托鉢のお坊さんたちはたくさん通る。そういう意味では見学場所として
いいのかもしれないけど、欧米人観光客のみなさん、どうもゴハンをあげるのが下手で、
スムーズな托鉢とは言い難い。

二日前の見た地元の人たちは、托鉢の時みんな手づかみでゴハンをあげてた。
日本人でもオニギリ作るとか、お稲荷さんにゴハン詰めるとか、手づかみでゴハンを
扱うことに多少は慣れてる。おそらくアジア人の多くはそうだろう。

ところが体験ツアー参加者たちは全員シャモジでやるんだよ。用意された「托鉢グッズ」が
そうなってるってことなんだろうけど、欧米人たちはどうもゴハンの扱いがうまくなくて
お坊さんが渋滞したりする。いやー確かに小学校前、お坊さんの数はすごく多いワ。
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ちなみに、托鉢であげるものは必ずゴハンと決まってるわけではないようで、お菓子っていう
こともあるようだ。これが体験ツアー参加者用の「お菓子セット」だと思われる。これなら
確かに手で渡しやすいが、ゴハンに混ぜてコレをもらったお坊さん、どうするんだ?
商品名の感じじゃ中国製かタイ製が多いようだね。
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小学校前は托鉢体験ツアーの観光客が多いから、ズラッと並んだ観光客からひととおり
ゴハンやお菓子をもらうとお坊さんが持ってる鉢の中はそういうもんでけっこう一杯になる。

すると、列の最後に「それを捨てるところ」があって、みんな次々と捨ててくではないか。
何となくこの光景だけ見るともらった端から廃棄物として捨ててるようにしか思えないけど
モチ米はあとでオカユか何かにして食う・・という話も読んだ。そうであってほしい。
お菓子の行く末は不明。
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こういった一連の光景を見てるうちに、何となくガイジン向け托鉢ショーを見学してるような
気分になって、何だかなぁ・・って思っちゃったんだよね。二日前にワット・マイで
真摯なカドッコへの祈りを見てるだけに、よけいそういう気分になるのかもしれない。
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そこで小学校前は早々にヤメて、他の場所に移動することにした。
このあたりがいいんじゃないか?地元のオバさんやおばあちゃんなら信頼できそうだし、
とにかくこのヒッソリとした感じが好ましい。
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さすが慣れた地元の人。手づかみでサッ サッと鉢に入れてってスムーズだし
観光体験ツアーと違って托鉢で功徳を積むといった宗教的意義がちゃんと感じられる。
やっぱこうでなくちゃ。後ろの黒ワンコもいい感じだ。
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というわけで、小学校前は通るお坊さんの行列は長くて数も多いけど、外人観光客が多くて
その分、托鉢が本来持つ宗教的意義というのはどうしても薄れる。「ワット・マイの前で
見た時の方がよかったなぁ」と思うのは致し方ないところだ。

もし、これをお読みの日本人が托鉢体験ツアーに参加すれば、おそらく小学校前に“配置”され、
欧米人と一緒に托鉢グッズを渡されるんじゃないかと思う。その時は同じアジアの民として、
とりあえずシャモジでなく手を使ってゴハンをあげることをご提案したいのである。


 

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by tohoiwanya | 2016-10-30 00:01 | 2015.09 東南アジア旅行 | Comments(6)
2016年 10月 27日

神はカドッコに宿る国・ラオス

「神は細部に宿る」という有名な言葉がある。

見過ごしがちなディテール(細部)こそ重要、あるいは真に重要なものは目につきづらい
という意味でよく使われる。昔から伝わる有名な言葉かと思ったら、実は20世紀の建築家、
ミース・ファン・デル・ローエが言ったとされている。へーそうだったの。

ルアンパバーンの托鉢の続きを書くはずの記事の冒頭にこんな話を書いたのは理由がある。
あの托鉢の後、観光客が誰も注目しないワット・マイで見た感動的な光景のことを書くための、
これはいわば前フリなのだ。あのコトについては托鉢記事の一部にせず、独立した記事にしたかった。

ワット・マイの前で托鉢が終わったのは、まだ6時半にもならない時間だったはずだ。
ワラワラとオバさんたちが解散するから「終わったんだな」ってことがわかる。
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さて・・さっき準備してた朝市がもう始まってるはずだから、それ見るか。
そう思いながら、何となく早朝のワット・マイの境内にふらふらと入っていった。

お?さっき托鉢してたオバさんたちがワット・マイでお祈りしてる。托鉢が終わったあと、
さらにこうやってお寺でジックリとお祈りするんだねぇ。托鉢は世界中の観光客がカメラを構えて
集まるけど、托鉢が済んだあと、静かなお寺の中でこうしてお祈りする人たちに注目する観光客は
誰もいない。地元の人たちだけの真摯かつ素朴な祈りの時間。
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不思議なことに彼女たちはご本尊の金ピカ大仏のいる本堂ではなく、境内に設置された
仏塔に対してお祈りしてる。ふーーむ・・なんとなくイイ感じではないか。絵になるねー。
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おおお?このおばあさん、仏塔のカドッコに水をあげながらお祈りしてる。
なんでカドッコに水を?
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イ課長の驚きはだんだん大きくなってきた。
このおばあさんだけじゃない。ほら、下の写真の手前のオバさんもやっぱり仏塔の土台のカドッコに
水をあげてる。ラオスでは地面にある何かのカドッコが祈る対象なのか?
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カドッコになぁ・・と思いながらワット・マイから歩道に出ると・・・おおお!
ここでは別のオバさんが歩道の並木が植わってるところにお線香立ててお祈りしてる!
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このオバさんもやはりカドッコに水をあげてるぞ。
お寺の施設でも仏塔でもない。もう一度言うが単に歩道の並木が植わった土のカドッコだよ?
不思議だけど、同時に感動的な光景だった。その理由や背景はわからないけど、地面にある
何かのカドこそが重要なのだ。そこが祈りの“的”であり、彼女たちにとってたぶん仏はそこにいる。
神はカドッコに宿ってるんだよ。
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この後行ったバンコクのマッサージ屋さんで、ある施術者のお姉さんとヘボ英語で話をしてたら
彼女がラオスのビエンチャンから来て働いてるということを知った。そこでイ課長はさっそく
デジカメを取り出し、上の写真を見せて「ラオスではコーナーに向かって祈るのですか?」と
質問してみた。この質問をされた時の彼女の表情がまた印象的だったねぇ。

その理由や背景を彼女の英語力(イ課長と同じくらい)で説明するのは難しかったんだろう。
口頭による説明はなかった(まぁ宗教的背景を流暢な英語で説明されてもわからなかっただろうが)。
でもその笑顔からは「そうよ?ラオスじゃあったり前なのよ~?」「よく気がついたわねアンタ」みたいな
ちょっとお国自慢的というか、ちょっと鼻高々の気持ちが伝わってきた。たぶん同じ仏教国でも
ラオス独特、タイにはない習慣なんじゃないかなぁ。

この旅行を通じてラオスやタイでいろんなお寺を見たり、参拝や托鉢の様子を見たりしたけど
ルアンパバーンのオバさんたちが地面にあるカドッコに向かって無心にお祈りしている姿は
イ課長が最も感動した宗教的光景だったと言っていい。

という理由もあって、イ課長としてはルアンパバーンで托鉢を見るならワット・マイの近くを
推奨したいのである。あそこで托鉢の一部始終、さらにそれが終わったあとの「カドッコへの祈り」の
様子を見れば、ラオスの人々の素朴で無心な祈りの思いを感じられるんじゃないかと思うのだ。
もちろん、見る時は祈りのジャマにならないように、静かにソッとご覧ください。

逆に、托鉢鑑賞スポットとしてガイドブック等が勧める小学校前は個人的にはお勧めしない。
なぜお勧めできないかは次回更新で書きたいと思う。


 
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by tohoiwanya | 2016-10-27 00:07 | 2015.09 東南アジア旅行 | Comments(4)
2016年 10月 25日

ルアンパバーンで托鉢を見る その1

ロンドンの話からまた東南アジアの話に。書くネタが潤沢にあるってすばらしいなぁ。

世界遺産の町・ルアンパバーンで見るべきものは多いけど、やはり何てったって
早朝の托鉢だけは見なきゃこの町に来た甲斐がない。まだ薄暗い早朝、ダイダイ色の
僧衣をまとった修行僧たちが列をつくって托鉢する様子はこの町で必見の風物詩と言っていい。
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イ課長だってその辺はわかってるから、ルアンパバーン到着翌日の朝は5時起床。
5時半にはカメラを持ってホテルを出た。托鉢のルートはいろいろあるんだろうけど、
とりあえずメインストリートのシーサワンウォン通りを“張って”れば間違いないはずだ。

ホテルからシーサワンウォン通りに出る狭い路地はおカミさんたちですごい混雑。
これは托鉢する人たちではなく、朝市の出店準備に励むおカミさんたちなのである。
早朝の朝市すらまだ開いていない時間。空も薄暗いね。
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通りに出ると、おお、もう準備はすっかり出来てるじゃん。あとはお坊さんが来るだけ。
このオバさんたちはおそらくすごく早起きしてモチ米を炊き(もっとも、湯気がたって
ホカホカには見えなかったからひょっとすると昨日の残りか?)、托鉢用の鉢に詰め、
毎朝こうやって準備してるんだろう。エラいなぁ。
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暑い東南アジアもこれだけ朝早いと涼しくてさわやか。しかし有名なだけあって
托鉢を撮ろうっていう外人観光客の数はすでに托鉢のオバさんよりも多く待機してる。

朝の静けさの中でぼんやり待ってると・・おおおっと、お坊さん登場。
いよいよ托鉢の開始です。カメラを構えた外人観光客もより良い撮影ポジションに
散っていきます。イ課長もはりきって撮影開始です。
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観光客には珍しくても、当事者たちにとっては毎朝の行事。
托鉢する方もされる方も慣れたもんで、ひょい、ひょい、モチ米を受け取っては
はい次の人、次の人、っていう感じでスムーズに流れていく。
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手前から二人目の、白髪まじりのおばあさん。カカトを立てて正座し、スッと背筋を伸ばして
托鉢する姿が実にサマになってる。特にこのおばあさん中心に写真を撮ろう(笑)。
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托鉢するオバさんたちはある程度固まって並んでる。そこを通過すると、お坊さんたちは
また次のオバさんたちがいる地点までスタスタと歩いていくわけだ。
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お、また別のお坊さん集団が来た。また黙々と托鉢が続く。何回くらいやるんだろうなぁ?
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お坊さんの集団はおそらく、それぞれ所属するお寺が違うんだと思う。
この時イ課長が托鉢を見たのはワット・マイの前だったんだけど、あるお坊さん集団は
こんな感じでワット・マイの方に向かってご挨拶?してる。みんなまだコドモの僧だね。
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ラオスの田舎町・ルアンパバーンの早朝の静かな托鉢。
うん、もしこの町に来たら、やはりこれは見ておくべきだと思う。
しかし見る場所は選んだ方がいいな。ガイドブックなんかだと小学校前あたりがお勧めと
書かれてるようだけど、イ課長としてはワット・マイの前でご覧になることをお勧めしたいんだよ。

なぜかって?
実はこの托鉢のあと、ワット・マイでたいへん感動的な光景が見られるのだ。
しかし長くなったから続きは次回に。


 
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by tohoiwanya | 2016-10-25 00:13 | 2015.09 東南アジア旅行 | Comments(4)
2016年 10月 23日

ロンドン地下鉄からの物体X

せっかくだからロンドン地下鉄ネタを続けよう。
前回記事じゃロンドン地下鉄のことをアバズレと書いたけど、本日の記事を読めば
「それでも乗りたいロンドン地下鉄」と思っていただけるかもしれない(笑)。ただし本日の記事は
数あるロンドン旅行ネタの中でも特にバカバカしい話だということをご了承いただきたい。

標題に「ロンドン地下鉄からの物体X」って書いたけど、イ課長が経験した範囲では物体Xが
出現するのはセントラル線のみ。ベイカールー線やセントラル線、ディストリクト線等には
出現しないはずなのである。

なぜセントラル線だけ物体Xが出現するかというと、理由はイチにもニにも車両の窓構造にある。
たぶんロンドン地下鉄で一番多い車体は下の写真のタイプのはずで、天井がカマボコドーム状に
湾曲してるけど、窓ガラスは垂直平面というもの。カマボコ天井ドームがけっこう低いという
特徴を除けば、日本の地下鉄と劇的な違いはない。
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ところが(イ課長が乗った範囲では)セントラル線だけは窓ガラスそのものも湾曲して
上の方まで続いてるんだよ。つまり他の路線と違ってセントラル線では窓一枚の面積が大きく、
それが曲がった形で天井ドームの一部を構成している。この「窓が曲がってる」ということが重要なのだ。

ご存知のように地下鉄走行中、トンネル内は暗いから窓ガラスには明るい車内の様子が映る。
これが平らな窓ガラスなら問題ないんだけど、ぐぃーんと湾曲したガラスに物体が映ると、
原理的には凹面鏡にモノを映すのと同じことでヘンな映り方をする。どうなるかって?

こういう感じになるのだ。
立った状態で窓を見ると、自分の足のヒザのあたりでつながった、もう一本のサカサマ足がある。
足と足がつながった足。いくら凹面鏡のせいとわかっててもその異様な光景に目が釘付けだ。
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セントラル線では立った状態でガラスに映る自分の顔を見ることは難しい。
特にイ課長みたいに背が大きくて視線が上の方にある人間だと、角度的にどうしても「足しか見えない」
ということになる。周囲の人も足しか映らないから、結果的に「足だけが林立する地下鉄」という
異様な光景が窓ガラスに現出する。
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座席後ろの窓の場合、さらに異様だ。座ってる人はみんな頭部がびよーーーーんとつながった状態で
逆さまにもう一人同じ人が乗っかってるわけだからね。この現象に気付いてからというもの、もう
セントラル線に乗るたびにこの「びよーーーん」が気になって気になって・・・(笑)。
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何度かセントラル線に乗り、この「物体X」にすっかり魅了?されたある日、たまたま我々は
空いた車両に座る機会があった。前には誰もいないから向こうのガラスに自分の顔が映る。セントラル線で
初めて窓に映る自分の顔を見たことになる。しかしそれもまた凹面鏡の原理からは逃れられないわけで・・・
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オデコでつながる謎の物体X。出来の悪いヒョウタンみたいではないか。
セントラル線に乗れば誰でもこうやって「自分の物体X」を撮ることができるはずだけど、
こんな落花生みたいな物体Xを出現させられるのは、例によって散髪直後で坊主刈りに近かった
イ課長じゃなきゃムリだぜ、はっはっは(⇦バカ)。

英国人はこれ見て違和感ないのかね?まぁすっかり慣れちゃったってことなんだろうけどさ。
しかし物体Xをここまで面白がって写真撮るガイジンもあまりいないだろうなぁ。
 
こういう湾曲した窓ガラスを持った車両がロンドン地下鉄でどの程度使われてるのかわからない。
しかしセントラル線なら確実にある。ロンドンでセントラル線(路線図では赤)に乗る機会があったら、
ぜひアナタも「自分自身の物体X」の写真を撮って楽しんで頂きたいと思うのである(笑)。


 
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by tohoiwanya | 2016-10-23 00:11 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(2)
2016年 10月 20日

やっぱりダメだな、ロンドン地下鉄

東南アジアネタの間に時々はさむロンドン小ネタ。
今回はロンドンの地下鉄のダメさ加減について書こう。

ロンドンの地下鉄運行がいかにダメであるかについては2010年出張の時にたっぷり書いた
ところがその後、2013年出張の時に乗ったらけっこうマトモに走ってて、これは2012年の
オリンピックに合わせて大修復した効果が持続してるのではないか?みたいなことも書いた

さて2016年、リオ・オリンピックの年に乗ったロンドン地下鉄はどうだったか?
結論から言えば「4年前のオリンピック効果はすっかり失われ、元のアバズレ地下鉄に戻った」と
言わざるを得ない。ベーカーストリート駅にホームズの絵なんて描いてもダメダメなのである(笑)。
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今回、宿泊ホテルはパディントン駅とベイズウォーター駅、両方から徒歩圏というところにした。
パディントン駅はヒースロー空港との往復で必ず使うわけで、そこまで徒歩で行ける方が便利だし、
パディントン駅周辺は過去の出張でも泊まってるから多少は土地カンがある。

パディントンって位置づけ的には東京の池袋みたいな感じなんじゃないかと個人的には思う。
街の北西にある大ターミナル駅で、中心部に出る時は環状線(東京なら山手線、ロンドンならサークル線)で
グルッと周っていくこともできるし、ナナメに突っ切っていく(東京なら有楽町線や丸の内線、
ロンドンならベイカールー線とか)こともできる。とにかく交通の便はイイところで、そのことは
過去の出張滞在でも十分わかってた。

ところがだよ・・・。
ロンドンに着いてまず何に驚いたって、4月から8月まで肝心のベイカールー線パディントン駅が
ずーーっと閉鎖していると知ったことだ。
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上のタトエで言えば、池袋にホテルをとったけど、いざ行ってみたら有楽町線の池袋駅は当分閉鎖ですと
言われたのと同じ。ベイカールー線は駅の入口からも近くて、一番使いやすい路線なのに・・・
あまりと言えばあまりの仕打ち。ロンドン地下鉄・・やっぱりお前はそういう地下鉄だったんだな。
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ナナメ路線が使えないとなると、都心部に出るには主に環状線を使うしかない。
ところが、この頼りの環状線がまた怪しい。これまたちょうど我々が滞在する20日~26日にかけて
サークル線は「計画的閉鎖」ときやがった。実際、駅に行ってみたら動いてないとか、行きは動いてたのに
帰り停まってるなんてことがけっこうあって、ホトホト泣かされたぜ。
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到着翌日の日曜の早朝、そのサークル線に乗ろうとした時は別の意味で驚かされた。
だって駅が閉まってんだもん。ところがこれは「計画的閉鎖」のせいではない。西行きの始発電車が
7時09分!!そんな遅いの?!そりゃ確かに日曜はお休みだけど、始発電車が7時09分って・・・
日曜に早朝勤務のある人とか、一体どうしてるんだ?
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この時はビクトリア駅に行く必要があった。「地下鉄、何があるかわかんないから早めに出よう」ってんで
安全策をとって早起きしてホテルを出たのに、結局7時過ぎまで駅で呆然と待つハメに。
ビクトリア駅に着いた時には朝メシを食う時間も残ってなかった。まったくもう・・
(ま、途中で我々が乗り換えを一度間違えたせいもあるのだが(笑))
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ビクトリア駅以外にも、滞在中はウォータールー駅だのキングス・クロス駅だの、日帰り旅行出発駅まで
朝早く地下鉄に乗ることが毎日のように続いたけど、肝心の地下鉄がこんな状態だからホントに困った。
旅の2/3を消化する頃までは朝といい夜といい、常に「地下鉄ストレス」で苦しめられたと言っていい。
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ところが、ある日画期的な解決策が見つかった。
確か木曜日だったと思う。ベイズウィーター駅から地下鉄に乗ろうとしたらサークル線とディストリクト線
両方とも動いてねぇときた。2本の地下鉄が通ってる駅から地下鉄に乗れないサイアクの事態に。
途方に暮れてたら駅員が「アッチの駅に行け」みたいなことを言う。

あっちに駅なんてあんの?と思って歩いたら、案外近い所にもう一つ地下鉄の駅があることがわかった。
これはセントラル線のQueenswayという駅で、あとで確認したらホテルからの距離はベイズウォーター駅と
変わらないくらいの近さ。ひええ。ホテル最寄駅はパディントンかベイズウォーターの2駅だけだと
思い込んでたが(ホテルでもそう言われた)、もうひと駅あったの?事前によく調べとかんとダメやのー。
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しかもこのセントラル線、他のアバズレ路線と違ってやけにマジメに運行してるんだコレが。
遅れや運休なんて一度もなし。駅に行けば電車が来るという当たり前のことが当たり前に実行されてる。
それを知って以降、サークルやディストリクトなんていう不良路線どもとはスッパリ手を切り、
まじめなセントラル線のQueensway駅をひたすら利用することにしたのである。

2014年の記事では「いずれ元のアバズレ女に戻るんじゃねぇか?」みたいなことを書いたけど、
その懸念は当たった。2016年のロンドン地下鉄は見事なほど超アバズレ女に戻っていた。
ま、ロンドン地下鉄が東京みたいに連日全路線フツーに運行なんてことになったら、それはそれで
ちょいとばかり「ロンドン旅情」が失われたかなぁって気もするけどね(笑)。


 
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by tohoiwanya | 2016-10-20 00:10 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(10)
2016年 10月 18日

ルアンパバーンのホトケ様たち その2

さて、ルアンパバーンで見てきたホトケ様の話の続きだ。
いかにも東南アジア的というか、日本人にはどうも違和感アリアリのラオスのホトケ様たち。
もうちょっと見てみようではないか。


【プーシーの丘の上のお堂】
プーシーの丘は眺望を楽しむところであって、あんまり仏様に参拝って感じの場所じゃないんだけど
それでもてっぺんには小さなお堂があった。

たぶん真ん中にいる一番デカい仏様が一番エラいご本尊なんだろう。
しかし堂内がちょっと暗く、お顔も目が細すぎて人相がよくわからない(笑)。真ん中の
大型ホトケ様を囲んで金銀飛車角って感じで4人の中型仏様が周囲を固めこれもまた人相が
よくわからない方々が多い。右手前の仏様の顔が一番ハッキリしてるか。明るいし。
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ちなみに、プーシーの丘ってどのくらい高いのかというと、望遠で撮るとこんな感じ。
山のてっぺんの、金のトンガリ屋根がお堂で、この中に上の仏様がいるのである。
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【ワット・ビスンナラート】
寺の名前なんていちいち覚えられないよ、という方でもここに関しては心配はいらない。
上の赤字で書いた寺の名前は今すぐ忘れていい(笑)。

この寺の場合、「すいか寺」という別名で知られてる。その理由はこの寺にある仏塔が
ちょっと変わった形で、すいかみたいに見えるからに他ならない。ほらね。
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この時はルアンパバーンでの炎天下死の行軍の途中で、汗ダクダク状態だったんだけど、
ここは観光客も少なくて(中心部からはほんのちょっと離れてる)、静かで、なかなか
居心地のいい寺だった。こっちに小さいお堂があって、また金色仏様がいるみたいだが・・・

うっぐわ・・・これには驚いた。タレ目の仏様はワット・シェントーンあたりでもすでに見たけど、
これはあまりに極端なタレ目。しかも黒目がまた異様なほどロンパリで、人間のカオとしてもはや異常。
ルアンパバーンで見たホトケ様の中では前回載せた「ビョーキのホトケ様」と並んで衝撃度が高かった。
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本堂のご本尊様はどうだ?と思って入ると・・うーむ、こちらも相当のタレ目ではあるが、
さっき見た、タレ目・ロンパリの顔面崩壊に近い仏様に比べればまだしも人間らしいような気が・・・。
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このすいか寺でイ課長が気に入ったのはタレ目大仏ではなく、周囲にワンサとある立像の方だ。
こちらの方は日本人の仏教美術観でも受け入れやすいような気がする。
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外は暑いけど本堂の中は暗くて、ソコハカとなく涼しいような気分になる。
ま、この程度の「気分的な涼しさ」では効果がないくらい、この時は汗ダクダクだったのだが。
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以上、イ課長がルアンパバーンで見てきたホトケ様たちでした。

前にも書いたように、ルアンパバーンの町内を昼間観光しようとすれば、お寺を見るというのは
まずはずせない・・というか、町内で他にそんなに観光メニューはない(笑)。
アナタもルアンパバーンに行けば必ず二つや三つ、お寺を見ることになるだろう。

建物(特に屋根)や外壁装飾にはラオス的特徴が感じられると思う。
もちろん仏様も立派だよ。相貌という点じゃかなり「う・・・」という感じのホトケ様たちだったけど、
東南アジアに行って、日本と全く同じような仏像見てもあんまり面白くないのもまた確かなわけで、
そういう意味じゃラオスのホトケ様たちはけっこう違和感キョーレツで面白かったよ。


 
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by tohoiwanya | 2016-10-18 00:12 | 2015.09 東南アジア旅行 | Comments(2)
2016年 10月 16日

国王がいなくなったタイ

ルアンパバーンのホトケ様の話を続ける予定だったけど、別の話。

プミポン国王がとうとう亡くなってしまったからねぇ・・・。
そのせいで2年前に書いたこんな記事にアクセス激増だよ。あの時「そう遠くない
将来起きる」と書いたことがついに2年後にそうなったわけだ。
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13日の夜(つまり国王が亡くなった晩)にバンコク到着、さぁ週末はバンコクで
遊びまくろうと思ってたツーリストだっていっぱいいるのは間違いない。
自分の旅行の時によりによってこんな事態に・・とみんな思ってるに違いない。
あの記事でも書いたように、街はお通夜状態で学校も会社も店もぜーんぶ休み・・・

・・・でもないみたいなんだよね。意外にも。
ニュースの写真を見るとバンコクの人たちは国王が亡くなった翌日もいつものように
通勤・通学してる様子がうかがえる(みんな黒い服を着てたらしいが)。役所や学校は
普段通りやってるのかもしれない。これは意外。

これはサービス業でも同様で、銀行なんかも普段通り営業してるみたいだし、デパートも
店内音楽のボリュームを下げつつ、営業してるってニュースを見た。これまた意外。
何日も店を閉めることになるんだろうと思っていたが。

バンコクの繁華街の場合、大きなデパートが営業してても、両側の歩道をびっしりと埋める
Tシャツ屋だのニセ腕時計屋だのの露店がないと、かなり閑散とした印象になるだろうけど
考えてみりゃ彼らだってそんなに裕福な暮らしじゃないだろうし、何週間も喪に服して
商売休めないはずだ。そう考えれば露店もけっこう営業してると推測される。
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名君・プミポン国王に対するタイ国民の崇敬の念は、もうホントに絶大なものがあったから、
「もし国王が死んだらタイ国民の悲嘆は想像を絶することに・・」と、思った人は多いはずで、
イ課長もその一人だったと言っていい。

しかしニュースで読む限り、タイ全土がマックラお通夜状態というわけでもなく、
行政やビジネスはもちろん、サービス業もそこそこは機能しているみたいだから、
観光客も何とかなってるんじゃないか?レストランやマッサージ屋さんもこの分なら
(全部ではないにせよ)開いてる店はありそうだ。

まぁさすがにカラオケやゴーゴーバーは閉まってるだろうけど、それだっていつまでも
休んじゃいられないという点じゃ同じだ。「そうはいっても現実の生活もしなきゃ」って
ところはあるだろうし、なんといっても在位70年。「国王逝去」を経験したタイ人なんて
ほとんどいないわけで、「こういう時どうするもんなの?」っていう戸惑いもあるんだろうなぁ。
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とにかく(今のところは、だが)大きな混乱もなく事態が推移してる様子だ。
平穏なまま、新しい王様が即位し、生活が日常に戻り、現在の軍政から民政に移管が進めば
いいんだけど、そうなってくれるかなぁ?タイにはFacebookの友人もけっこういるし、
また行きたいと思う国だけに、いろいろ気になるのである。

大学生の時だったと思うけど、現職総理大臣である大平正芳が急死した。
イ課長にとって、現職総理大臣が死ぬなんて初めての経験で「うわーどんなことになるんだろ」と
思ったもんだったけど、翌日も何てことなく普通に大学に行き、普通にバイトに行った。
あの時は「混乱って意外とないんだなぁ」と思ったけど、そんな昔の記憶がよみがえったよ。

というわけで、国王逝去の報に接したイ課長の雑感という、つまらない記事でした。
最後になりますが、タイ国民の皆様にお悔やみ申し上げます。


 

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by tohoiwanya | 2016-10-16 00:09 | 出張・旅行あれこれ | Comments(4)
2016年 10月 13日

ルアンパバーンのホトケ様たち その1

ルアンパバーンに来た観光客がクアンシーの滝みたいな“遠足”ではなく、ルアンパバーンの“町内”を
観光するとなると、やっぱメインはお寺の参拝、あとは王宮博物館見学、プーシーの丘に登って
絶景を楽しむといったあたりがオーソドックスなところで、イ課長もこれらは一通りやった。
まずはそのうちからお寺をご紹介していこう。ワット・プラケオに続いて東南アジア寺社シリーズ。

まずルアンパバーン到着初日。ホテルにチェックインし、部屋でひと休みし、とりあえずこの日は
ひたすら徒歩で“町内”の主要なところを見て回ろうと思ってた。となれば、まずホテルから最も近い
ワット・マイから観光をスタートするのがスジってもんだよな。

【ワット・マイ】
ワット・マイはイ課長が泊まったホテルから激しく近かった。ホテルの玄関から40秒くらい歩けば
もうそこはワット・マイの塀。何て近いんだ。

ルアンパバーンのお寺の多くは幾層も重なった様式の屋根を持ってて、それぞれ特徴がある。
ワット・マイの場合はあまり反りのない屋根が大小重なってて、わりと直線的なデザイン。
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ワット・マイの最大の見物は黄金のレリーフなのである。
門から庭までは無料で入れるワット・マイだが、このレリーフを近くから見ようと思って寺の中に
入ろうとすると階段のところで入場料徴収がある。1万キープ。約150円。

これがその黄金のレリーフ。カンボジアのアンコール・ワットやタイのワット・プラケオでも
おなじみのラーマーヤナ叙事詩の場面を描いてるらしい。ラオスもまた「ラーマーヤナ文化圏」
だったわけやな。恐るべしラーマーヤナ。
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タイもそうだけど、ラオスの仏様のお顔も日本人が見慣れた「ホトケさまのお顔」とはだいぶ違う。
それでもこのワット・マイの仏様は違和感が少ない方だと、今となっては思う(笑)。
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このお寺の仏様、後ろから見るとさらに面白い。
わかる?仏様の背中に鼻をつけるくらい近くにもう一つ小柄な仏様がくっついてて、その後ろに
さらにまた背中合わせでもう一体の立像が。どういう理由でこういう置き方になったのか?
単に仏様の数に対してお堂の面積が狭いからこういうホトケ密度になったのだろうか?
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かと思うとトツゼンこんなキンキラ仏もいるから戸惑う。顔は完全にインド風だ。
うーむ、ルアンパバーンのホトケ様ってひなびた感じかと思ってたけど、こうやって見てみると
いかにも東南アジア的ハデ路線ブッダなのかも。
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【王宮博物館のワキにあるお寺】
名前を忘れた。しかもここは外から見ただけで、ホトケ様の顔も見てこなかった。
外観で特徴的なのはやはり屋根で、上で見たワット・マイの直線的屋根に比べるとグッと反りがあって、
華やかな印象。
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【ワット・シェントーン】
ルアンパバーンの中心部からワット・マイ⇒王宮博物館と見ながら、さらにずんずん歩き続けると
川の分岐点、つまり町のどん詰まりに近いあたりでワット・シェントーンに行きあたる。
このワット・シェントーン、ラオス国内で最も美しい寺との呼び声も高い。16世紀に建てられたそうで
参拝者にグウとも言わせない歴史と格式を誇る寺でもあるのだ。

ここでもまず見るべきはやはり屋根なのである。ワット・シェントーンと言えばその特徴的な屋根で有名。
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うーむ確かにこの屋根の形は印象深い。建物はそんなに大きくないところに、このグッと反りのある屋根が
深くかぶさってるから、壁は屋根に隠れちゃってるといっていい。

日本の寺社建築と比較すると興味深いね。
日本もラオスも雨が多い。だから雨が降りこまないように屋根を大きく張り出させて建物を隠すように
してるという点で基本的な寺社設計思想は共通してる(んじゃないかなぁ?)。

ただ、そうは言っても冬寒い日本では日差しも多少は欲しい。だから屋根の影がいくぶん小さくなるように
屋根の端にいくほど反りを強くしてるけど、暑い国ラオスじゃそんなことするより、とにかくガバーッと
深く屋根を建物にかぶせて直射日光を防いでる(・・・んじゃないかなぁ?)。
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本堂に入るにはやはり入場料をとられる。20,000キープ。約300円。さっき見たワット・マイの倍。
ま、何せ物価は安くないラオス。そのラオスで最も美しい寺とあっちゃ、しょうがあんめぇ。
とりあえずホトケ様だよ。ここの寺のホトケ様はどんな顔だ?

う・・かなりのタレ目。しかもマブタがやけに腫れぼったくて、どうも日本人にはシックリこない
お顔だよなー。ま、ラオスの人からみれば金箔ハゲハゲの日本の仏様なんて「修復前のものが置いてある」
ようにしか見えないんだろうなきっと。
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隣りのお堂にいたこの仏様なんて、見た瞬間思わず「うわぁ病気のホトケ様だ」と思っちまった。
とにかく表情に生気がなくて全然健康的に見えぬ。養命酒でも飲んだ方がいいんじゃないか?
顔色も悪いよねぇ。金箔貼られた仏像に対して「顔色」の良し悪しを言うのもヘンだけどさ。
やけにゲッソリしたその表情にイ課長も動揺したせいか、写真もややピンぼけ(笑)。
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まぁホトケ様のお顔は置いといてだね、ワット・シェントーンは壁画にも一見の価値があるのだ。
これは「生命の樹」という、有名な壁画モザイク。ま、有名っつうても大したことはないが(笑)。
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こっちのお堂の壁画は変わってるねぇ。切り貼りモザイクとでもいうか。人物描写も単純化されて
ちょっと漫画調。こういうのは素朴派絵画みたいでちょっと面白い。
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同じ仏教でもそこは東南アジア。ルアンパバーンの仏教美術、特にホトケ様のお顔は(日本人には)かなり
変わってて異国情緒タップリだ。写真はいっぱいあるのでこのネタは次回もう一度続けたいと思う。


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by tohoiwanya | 2016-10-13 00:08 | 2015.09 東南アジア旅行 | Comments(0)
2016年 10月 10日

ワット・プラケオのラーマキエン壁画

数年前、イ課長はある本でワット・プラケオにある壁画が紹介されたのを読んだことがある。
「ウワ何というかコレはまた・・」というような壁画なんだけど(笑)、ちょっと見たくなった。
それはインド発祥の壮大なる叙事詩ラーマーヤナを題材にした壁画なのである。

ラーマーヤナといえば、まず思い浮かぶのはアンコール・ワットの第一回廊だ。
ランカー島の戦いを描いたあの第一回廊のレリーフの素晴らしさは未だに強く記憶に残る。

ワット・プラケオにある壁画はラーマーヤナのタイ版・ラーマキエン叙事詩を題材にしてる。
基本的ストーリーはほぼ同じで、主人公ラーマ王子がサル将軍ハヌマーン率いるサル軍団に
加勢してもらいながらシータ王女を奪還するという「魔笛」みたいな、あるいはスターウォーズの
第1作めみたいな話が軸になってる。これを見たかったんだよ。

壁画ってどの辺にあるんだろうなぁ?と思ってたけど、いざワット・プラケオに行ってみれば
そんな心配は無用であることがわかる。寺をグルッと取り囲む回廊全てに壁画があるんだから。
これ、一体全部で何mあるんだろう?すさまじい長さだよ?

どこまでも続く長い壁画、どこが開始地点なのかもわからない(笑)。
適当なところからエイヤと見始めるしかない。どうせラーマーヤナのストーリーなんて
ロクに知らないんだから、どこから見たって内容がよくわからないのは同じこと。

うぉっと、何だかいきなりスゴい場面です。
巨大化した誰かの上をみんながゾロゾロ登ってます。この巨大化した容貌魁偉なイキモノが
サル将軍・ハヌマーンじゃないかと思うんだけど、違うかな?
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うぉっと、こっちじゃシッポを橋がわりにしておサルさんたちを渡らせてます。
やっぱこれがハヌマーン将軍だと思われます。大活躍です。しかし上の写真とはいささか
お顔が違います。おそらく異なる画家が描いたんだと思われます。
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お?これもハヌマーン将軍でしょうか?ここでは美女の人魚に言い寄っているではありませんか。
人魚のオッパイに手を回したりして、実にけしからん振る舞いに及んでいます。
この場面だけ見ると勇敢なサル将軍どころか、単なるエロザルです(笑)。
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おっとーーー!!出ました。これです!この絵が見たかったんです。
数年前に読んだ本でこの場面が写真で紹介されてて、あまりの異様さにイ課長は呆れた(笑)。
サル将軍・ハヌマーンが自分の大口の中に主人公たちを安全に避難させてる場面・・らしい。
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アップで見るとこれがすごい細密描写だ。口の中にかくまわれた人間たちの金のヨロイの
細かい模様まできちーんと描かれてる。いやーすげぇ。
長〜〜〜い壁画のどの辺のこの絵があるのか全然わかんなくて、ずいぶんグルグル歩いたけど
しっかり見られて余は満足ぢゃ。
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このラーマキエン壁画、とにかくサル将軍はそこらじゅうに出てくる。これもそうだよな。
こっちじゃ巨大な敵と勇敢に戦ってて、さっきのエロザルと同一サルとは思えません(笑)。
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とにかく原作のラーマーヤナは波乱万丈&見せ場タップリの一大叙事詩。壁画のどこを見ても
「何だかわからんが何やらスゴい」って感じの場面ばっかりだ。これ、畑を耕してたら
ツボの中から子供が出てきたっていうのは、ひょっとするとシータ姫誕生の場面かなぁ?
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さっきも言ったけど絵の細密描写がとにかくすごくて、下の敵味方入り乱れた戦いの様子も
大変なもんだ。これはアンコール・ワットにもあった「ランカー島の戦い」の場面だと思われる。
ちなみに、ランカー島って現在のスリランカ島であるっていうのがラーマーヤナ解釈においては
定説になってるようだ。
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とにかく見れば見るほど細密な描きぶりには驚く。「写真のようにリアル」っていうのとは
全然違って、極めて様式的ではあるんだけど、ものすごく丁寧に時間をかけて描いてる。
たとえば下の絵、真ん中のお堂の中に黒い顔の人がいて、前に身を乗り出してるよね?
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その身を乗りだした人をアップで見るとこの細かさだからね。金の装飾模様がすごい。
「画家の芸術性」なんてものは最初から意識せず「職人の緻密さ」のみを追求して描いた
壁画って感じだ。ストーリーがわかんなくてもなかなか見応えある。
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しかしラーマーヤナの影響力には改めて驚かされるね。
元々インドで出来た叙事詩だろ?それがこうしてタイでも、カンボジアのアンコール・ワットでも、
ラオスのワット・マイでも描かれ、果ては海を渡ってインドネシアのバリ島にまで伝わって
あのケチャになったんだから。西南~東南アジアはラーマーヤナ共通文化圏と言っていいんだろう。
(ケチャの『チャッチャッチャッ!!』って掛け声はハヌマーン将軍率いるサル軍団を表してるらしい)。

いやいや楽しませていただきました。ラーマキエン壁画。
詳しいストーリーを知らず、ハヌマーンの大口だけ見て喜んでるようなイ課長だから
さらーっと見て済んだけど、ラーマーヤナに詳しい研究者がジックリ観察しながら見たら
一日かけてもとても足りないだろ。そのくらい長大な壁画なんだよ。
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実はだね、イ課長は最近になってラーマーヤナのあらすじくらいは勉強し始めたのである。
終盤のランカー島の戦いはまさに全編のクライマックスで、いろんな見せ場について知ると
「この場面、ワット・プラケオの壁画ではどう描かれてたっけかなぁ?」と思うことも多い。

ちょびっととは言え、せっかく勉強したんだから、次回バンコクに行くことがあればもう一度
ラーマキエン壁画をジックリ見たい気もするが、そのためには500バーツの高額入場料が必要。
壁画見るだけのためにもう一度500バーツ・・・うーむ・・微妙だ。


 
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by tohoiwanya | 2016-10-10 00:14 | 2015.09 東南アジア旅行 | Comments(2)
2016年 10月 07日

ワット・プラケオというところ

カンボジアパンツのおかげで見事入場に成功したワット・プラケオ。

このワット・プラケオ、実は正式名称ではないということを先日初めて知った。
「ワット」は寺。それは知ってる。「プラケオ」っていうのはこの寺の超スーパーご神体「エメラルド仏」を
指すらしい。だから「ワット・プラケオ」の意味はむしろ俗称である「エメラルド寺院」に近いようだ。

じゃ、正式名称はなんていうのかって?ふふふ・・・聞いて腰を抜かすなよ?
ワット・シーラッタナーサーサダーラーム っていうのだ。意味?もちろん存じません。
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安心されたし。以後文中ではすべて「ワット・プラケオ」の方を使うから(笑)。ガイドブック等でも
こんな長大な正式名称使ってる例はないはずだよ。まったくもう、タイ語ってやつぁ・・・。

さて、ワット・プラケオはバンコクで一番というか、たぶんタイで一番格式高く、かつ有名なお寺さまで
観光客がイトミミズのように集まってくる有名スポット。だからバンコクの写真っつうとよく使われる。
最もよく使われるショットはこんな感じのが多いんじゃないか?
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うーむ・・5度目の訪問にしてついにイ課長もこの「バンコク代表的ショット」を自らのカメラで
撮ることができたか。トホ妻なんかはこういう写真見ただけで「アタシ、こういうのダメだワ」と言って
タイに行こうなんて了見には全くならない。まぁ一番の原因は「暑いから」なのだが。

イ課長の寺社鑑賞趣味的にもこういう金ピカ系は決して得意ではないから(笑)、ウィーンあたりで
散々見た金ピカバロック教会なんかと同じように「スゴイねぇ~・・」「よくこんなもの作ったねぇ~・・」と
ただただ感心しながら見ることになる。感動っていうんじゃなく、感心(笑)。
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しかしまぁ装飾の凝り方はホントすごい。ワット・プラケオって現在のチャクリー王朝が川のアッチ岸から
コッチ岸に遷都した時に作られたようで、出来たのは18世紀末なんだと。日本で言えば江戸時代後期。
そうバカ古くないせいか、どこを見てもほんとにピカピカだよ。補修・修復もキチンとしてるんだろう。
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これが本堂内の最も重要な祭壇で、そのテッペンにあるのがスーパーご本尊エメラルド仏なのである。
堂内は写真撮影禁止なので外から望遠で撮った。エメラルド仏っつうけど実際にはヒスイ製らしい。
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このエメラルド仏、有難い仏サマだけあって過去の所有履歴がすごい。早い話、そこらじゅうの国で
奪い合ってるんだよ。ワット・プラケオが出来るまでは川の対岸、トンブリーにあったけど、元々は
ラオスのヴィエンチャンにあったのを、タイが攻め込んで略奪してきたっつうんだからヒドい話じゃねぇか。

ヴエンチャンの前はルアンパバーンにあり、その前はタイのチェンマイにあり、その前はチェンライだとか
アユタヤにも置かれ、さらにあのアンコール・トムに安置されてた時代もあるってんだからもうワケわからん。
あらゆる国が争って欲しがる至宝。ニーベルングの指輪みたいなもんか(違うと思う)。

てなこと考えて境内をうろうろしてると、おお何と、アンコール・ワットのミニチュアがあるではないか。
なぜバンコクの寺の中にクメール遺跡のミニチュアがあるのか?
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アンコール・ワットのあるシェムリアップ周辺はカンボジアの中では西部で、タイに近いエリアだ。
歴史的にはあのあたりがタイの領土だった期間もけっこうあるわけで、「アンコール・ワットはだなぁ、
実はオレらタイのものなんでぃ!」っていう意地を見せるため?にここにミニチュアが置かれたらしい。

そうは言ったって、そもそもここにあるエメラルド仏がラオスから略奪してきたモノだしねぇ・・(笑)
とにかく長い歴史を持つ隣国同士。侵略したのされたのっていう歴史にはコト欠かないようだ。

この日は天気が良くてすごく暑かった上に中国人団体観光客がいくつも来てて、すごい人手だった。
バンコクで最も観光客の集まる場所、バンコク三大観光スポットでも随一の格式高さを誇る
ワット・プラケオとはこういうところなのでありました。
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実はイ課長には「ワット・プラケオに行ったら見たいな」と思っていたものがあった。
それは金ピカ仏塔でも、キラキラ本堂でも、エメラルド仏でもなく、壁画なんだけどね。
しかし長くなったから、ソレについては次回ご紹介しよう。


 
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by tohoiwanya | 2016-10-07 00:12 | 2015.09 東南アジア旅行 | Comments(4)