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2017年 03月 19日

コヴェント・ガーデンでオペラを観る

年度末の地獄・在宅仕事の合間を縫って深夜に更新するイ課長でございます。

しかしオペラネタも久しぶりだよなぁ。
こればかりは東南アジア旅行じゃ書けないネタだからね。

ロイヤル・オペラ、通称コヴェントガーデン・オペラには新婚旅行ン時のホロ苦い思い出がある。
当時はネットもなかったから事前に演目スケジュールなんて確認できない。そこで、ロンドン到着後に
とにかくブッツケで行ってみたわけだ。何かいい演目があれば切符を買うつもりだった。
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すると滞在中に「サムソンとデリラ」をアグネス・バルツァとホセ・カレーラスという当時の
二大スター歌手で見られる日があった。ただ、すごく高い席しか残ってなかったんだよね。

で、結局あきらめたんだよ。今にして思えばあの時ムリしてでも・・と思うが。
何せ貧乏新婚旅行だったからねぇ。その後2度ロンドン出張するたびにコヴェントガーデンの
演目はチェックしたんだけど、なぜかいつもいい演目と日程が合わず、ナショナル・オペラや
ロイヤル・アルバートホールには行ったけどコヴェントガーデンだけは縁がなかった。

だからイ課長とトホ妻にとっては今回のコヴェントガーデンでのオペラ初鑑賞は25年の時を経た
リベンジだったといえる。新婚旅行のアダを銀婚旅行で討つんだから執念深い夫婦だ(笑)。
演目はヴェルディの「ナブッコ」。もちろん今回は日本にいるうちにチケットをネット予約し、
事前にDVD借りて予習もして準備万端で臨んだのである。

行ったのは例のナショナル・ポートレート・ギャラリーの後。コヴェントガーデンまでは歩いていける。
これがロイヤルオペラハウス。一応ギリシャ神殿みたいなネオ・クラシック様式の建物だけど、
外観的にはウィーンやミュンヘンやブリュッセルの方が風格あるんじゃないか?
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中はこんな。一応廊下のジュウタンは赤いけど天井も低いし大したことないねぇ。
欧州の歴史あるオペラハウスならもうちょっとゴージャスな内装を期待したいんですが・・
そりゃ確かに廊下を見に来たわけじゃないけどさ・・。
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まぁいい。客席に入ってみよう。中はこんな感じ。
ふむ、やっと「歴史あるヨーロッパの歌劇場」って感じになってくるね。バルコニー席がぐるーっと
馬蹄形に取り囲む伝統的スタイル。照明も昔のロウソクっぽさを出してムードある。
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天井はこんな感じ。
一応「ソレらしく」作ってはいるけど、印象としては「そんなに古くない建物」って感じがするなぁ。
以前みたロンドン・ナショナルオペラの建物の方がよっぽど歴史と伝統を感じさせた。もしかすると
コヴェント・ガーデンは第二次大戦の空襲で壊れて建て直したのかも。その可能性は十分ある。
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休憩時間にロビーをぶらついたら、昔の舞台の写真が展示されていた。女性歌手のこの衣装を見れば
演目は蝶々夫人だと一目でわかる。過去の有名な蝶々さんソプラノ歌手4人の写真ってことだろうが
欧米人が演じた蝶々夫人の姿って、悪いけど日本人にはコッケイにしか見えない。
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その中で下の写真の左側の歌手、キモノ姿は変だけどちょっと昔の白黒映画のスチール写真風だ。
誰かと思って写真の下の名前を見てトホ妻とイ課長はビックリしたよ。ドイツの大ソプラノ歌手
エリザベート・シュヴァルツコップじゃん。彼女はロンドンで喋々さんを演じたことがあるんだ。
へー・・彼女がムリヤリ日本人に扮するとこういう感じになるのか。
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で、「ナブッコ」はどうだったかっていうと、なかなか良かったよ。
さっき言ったように渡英前にDVDも見て予習もしたしね。しかし知れば知るほど内容はトンデモない。
バビロン捕囚の時代が舞台で、ナブッコって実はネブカドネザルのこと。そのネブカドネザルが
最後は「ユダヤの神様ばんざーい」でハッピーエンドって、めちゃくちゃすぎる。そんなのアリか。
しかしそれまで売れないオペラ作曲家だったヴェルディはこれでアテて、後に大作曲家になった。

そんなオペラもはねてホテルへの帰路。
毎度思うけど、ヨーロッパの大都市でオペラ劇場に行って過ごす夜って、それだけで何となく
うきうきする。オペラがはねた後、駅まで夜の町を歩くのもまた楽しからずやってやつだ。
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ちなみに、この夜のオペラチケットは1枚148ポンド。当時のレートなら2万円を越えてる。
ビンボイ新婚旅行当時はいきなり現地に行ってわずかに残った高額チケットに手が出なかったが
日本にいるうちに演目を確認して切符も予約しておけるなんて隔世の感があるよ。

あれから25年。銀婚夫婦のロンドンオペラ・リベンジはこうして果たされたのでありました。


 

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by tohoiwanya | 2017-03-19 00:53 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(6)
2014年 05月 04日

ロイヤルアルバートホールでカルメン

オペラネタも久しぶりだなぁ。

昨年2月の欧州出張ではブリュッセルとロンドンに行った。どっちも立派なオペラハウスがある。
冬のヨーロッパ出張といやぁ、オペラは重要な夜のお楽しみだ。さっそく滞在中の演目を調べた。

ところがダメなんだワこれが。
いい演目があっても、現地で会食予定のある夜と重なっちゃってたりして日程が合わない。
ブリュッセルのモネ劇場もダメ。ロンドンのコベントガーデンも、ナショナルオペラもダメ。
しまいにはロンドン・フィルの演奏会とかも調べてみたけど、これもダメ。

冬の欧州に1週間いてオペラの楽しみなし?ちぇーーーっ つまんねーーの。

ロンドンの娯楽をあちこち調べてるうちに、ロイヤル・アルバートホールっていうのがあった。
由緒ある、有名なホールだ。でもここは円形劇場で、オペラはやってないんだよな?
まぁ一応演目をチェックしてみっか。


  む?

     カルメン?


         カルメンッ?!



あまたあるオペラの中で最高の人気演目のひとつカルメンをロイヤルアルバートホールで観るなんて
なかなかオツな夜になりそうではないか。
・・と思ったときにはすでにイ課長の指は自動的に動いて予約のところをクリックしていた(笑)。

ロイヤルアルバートホールはいくつかの地下鉄駅から歩いていける。
ということは逆にいうとどの駅からもやや遠いということで、イ課長はHigh Street Kensington駅から
歩くというルートを採用した。それでも10分くらい歩く。

名前だけは知ってたケンジントン通り。ロンドンは3回目だけど初めて来た。賑やかなところだ。
なぜ駅名が「ハイストリート(高い道)ケンジントン」なのか、もちろんイ課長はその理由は知らないけど、
コジャレたショッピング街として知られてるところ・・・らしい(← 要するによく知らない)。
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にぎやかな店が連なる通りを早足で歩き、やがてその賑やかさがだんだん薄れて、道路の反対側に
真っ暗な(夜だからね)ハイドパークが見えてくると、ホールがどーーーんとその姿を見せる。
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うーむ、これがロイヤルアルバートホールか。ライトアップされた姿はなかなか美しい。
待ってろよ、これからイ課長がオマエを征服してやるからな。
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内部もなかなか立派だ。19世紀に作られたホールには見えんなぁ。
もっとも、作られた当時のままってことはないだろうが。
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ちなみに、よくわからずに取ったイ課長のチケットは個室のテラス席。ふふん。
イ課長だって今やプラハを皮切りにウィーンブリュッセルでも赤絨緞のボックス席なんざ経験済み。
もういちいち「ボックス席だキャーー!!」なんて騒がないんだよ。ははは(ボックス席だキャーー!!)
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個室に入って、初めて客席全体を眺める。うおおおーーーこりゃーー豪華な円形劇場だ。
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望遠レンズで向こう側の客席を眺めるのも楽しい。
高い席はこんな具合に客席のすぐ後ろがバーになってるみたいだ。すっげーー。
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中央の舞台はこんな風にしつらえてある。赤い舞台。
ここでカルメンやドン・ホセやエスカミーリョによる愛憎激が繰り広げられるというわけだ。
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ホールの話ばっかりになっちゃったけど、オペラ自体の出来もなかなか良かったよ。
歌手も合唱もレベルが高くて楽しめる。英語上演のカルメンって初めてじゃないかな。

カルメンとかドン・ホセとか、主要な役どころの歌手たちはおそらくマイクを使ってた。
円形劇場だから、どこを向いても必ず「背中側の観客」がいるわけで、マイクなしだと
背中側になる観客によく聞こえないからっていう措置なんだと思う。

ただね、合唱の人たちはおそらくマイク使ってないはずなんだよ。
「マイクを使ったソロ歌手」と「マイクを使わない合唱」とが混じって歌う場面になると
なーんかこう・・・溶け合ってないというか、微妙にズレてるというか、ちょっと違和感がある。
ま、これはしょうがないんだろうが。でも全体としてはなかなかいい舞台だったよ。

カーテンコール(カーテンないけど)まで見て、サッと帰った。
オペラの余韻を味わいつつ、夜のロンドン散策でもしたかったところだが、そうもいかん。
翌朝はチョー早起きしてキングス・クロス駅から列車に乗り、ハルという街に行かなならん。
夜更かししてるわけにはいかないのだ。
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「明日も早起きして仕事かぁ・・・やだなぁ・・」と思いながらロイヤルアルバートホールを後にした
イ課長なのである。苦役の間のわずかな楽しみ。しかしその後にはまた苦役が待っている。
ま、しょせんこんなもんですよ、海外出張なんて。
 

 
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by tohoiwanya | 2014-05-04 00:04 | 2013.02 欧州出張 | Comments(6)
2012年 11月 07日

3つのルサルカ その2

さて、三つめの「ルサルカ」。

それはルフトハンザ機内で「売春ルサルカ」を見たわずか二日後の話。
仕事でブリュッセルに滞在したイ課長は、ブリュッセルが誇るオペラ劇場として名高い
モネ劇場でまたまた「ルサルカ」を観たのである。

これはブリュッセル滞在中のオペラ上演日程を調べて、日本にいる間に予約した。
だから、ルフトハンザで観た二つめのルサルカが“たまたま”だったのに対して
モネ劇場で観た三つめのルサルカは出発前から計画されたものだったのである。
料金は44ユーロ。4400~4500円ってとこか。日本に比べりゃすごく安いワ。
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外国のオペラ劇場にオペラを観に行く時って、ワクワクする。
モネ劇場に入るのは生まれて初めてだから尚更だ。中の様子を見たいから少し早めに劇場へ。
ギリシャ神殿みたいな、典型的な新古典様式の建物で、いかにも歴史を感じさせる。
ちなみに「モネ劇場」の「モネ」って、英語のマネーのことみたいで、元々ここには
造幣局があったからそういう名前がついたらしい。

うひょーーー。中はさすがに豪華だ。
豪華絢爛な赤絨毯に豪華絢爛なシャンデリア。さすがはブリュッセル随一のオペラハウス。
ヨーロッパ来てオペラ観るなら、こういう空間で観たいよねぇ。
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おまけによくわからずに取ったイ課長の席はボックス席だ。ボックス席でオペラ鑑賞なんて
日本じゃできない経験だから嬉しくなる。そういや、2007年にプラハで「ルサルカ」観たときも
ボックス席だったっけなぁ。
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さて、この豪華なモネ劇場のボックス席で観た三つめの「ルサルカ」。
プラハの演出は極めてオーソドックス、ルフトの機内で観た演出は極めて斬新。
モネ劇場はその中間くらいかなぁ?と漠然と予想していたのだが…。

なんのなんの。モネ劇場の「ルサルカ」もまた極めて斬新な演出だった。
舞台設定は明らかに現代のブリュッセルで、湖のニンフたちはボディコンを着て
バーのカウンターで歌いまくり、肝心のルサルカもシルバーの衣装で広告塔の上で
「月に寄せる歌」を歌うっていうんだから恐れ入る。

しかしまぁ、こういうのは舞台設定を目新しいものに変えたっていうだけのことで、
それはそれでいい。モネ劇場の「ルサルカ」の問題は、例の「とんでもマクベス」と一緒で
演出家が思いつくことを次々と盛り込んだ結果、舞台の上ではいろいろ派手なことが
行われるあまり、観客が歌や演奏に集中できないということだ。

たしかに派手さという点では見事に派手な演出で、道具立てもいろんな趣向満載。
第2幕の最後じゃ劇場中がキラキラの紙吹雪に包まれてタマゲた。歌謡ショーか?これは(笑)。
ボックス席も平土間も、そこらじゅうにもキンキラ紙ふぶきがまき散らされたまま
第3幕に突入だ。モネ劇場の掃除スタッフは明日大変だろうなぁ~。
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第3幕の最後ではとうとう湖のヌシ役が王子様役を殺した罪?で逮捕されるというスゴい展開。
観てるガワも「何がどうなった?」って感じで登場人物の動きや関係性を追うのに忙しいよ。
ブリュッセルのルサルカもかなーり「ぶっとびバージョン」だったと言えるだろう。

こうして、三つめの「ルサルカ」鑑賞経験はぶっとびながらも無事終わったのである。
モネ劇場にかかる月を観ながら家路…じゃなく、ホテル路についたというわけだ。
仕事的にはともかく、オペラ的にはなかなか充実した出張だったよな(笑)。
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それにしても、プラハで観た「ルサルカ」を皮切りに、数年後にルフト機内でも「ルサルカ」、
そしてさらに二日後にはブリュッセルでまたもや「ルサルカ」。
「カルメン」や「椿姫」みたいにポピュラーじゃない「ルサルカ」を3つの異なるプロダクションで、
しかもそのうち二つは海外の実演で観た日本人って少ないんじゃないかなぁ。

しかも、3つのルサルカのうちオーソドックスだったのはプラハのやつだけで、
ルフトの機内とモネ劇場のルサルカはどっちも相当「とんでもビックリ系」だからねぇ。
そういう意味ではさらに珍しい経験といえるだろう。

このように、今年3月の欧州出張でイ課長は「ルサルカ」のビックリ演出を続けざまに見た。
いわば「強いクスリ」を続けざまに服用しちゃったようなもんで、今後どこかで
オーソドックスな「ルサルカ」を見ても「演出にもっと刺激が欲しいぜ、けっ」なんて
思うようになっちゃうんじゃないかと、ちょいとばかり自分が怖いのである(笑)。

 
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by tohoiwanya | 2012-11-07 00:14 | 2012.03 欧州出張 | Comments(6)
2012年 11月 05日

3つのルサルカ

映画ヲタクネタと並んで、イ課長の個人的趣味が炸裂するオペラネタ。
オペラに興味のない方には全くつまらなくて申し訳ないけど、作者が好きなんだから
しょうがないのだ。我慢してお付き合い願いたい。ゲーズツの秋なんだし(笑)。

2007年、イ課長が初めて欧州に出張したときプラハで見たオペラは「ルサルカ」だった。

ドボルザークが作曲したオペラ「ルサルカ」。
湖に住む美しき水の精・ルサルカは人間になって、人間の男と恋をしたいと切に願う。
しかし水の精が人間になると、代償として声を奪われる。喋れなくなるわけだ。
それでもいいから、どうしてもと魔法使いにおねだりして、ルサルカは人間になり、
その美しさに一目惚れした王子様と結婚することに。

しかし何しろ喋れないじゃん?王子様はアッという間にルサルカに飽きる(笑)。
で、他の国の王女様と浮気しちゃう。ルサルカはショックを受けて城を出て湖に戻る。
王子様はルサルカを探しに来て自分の犯した罪の大きさを知り、悔恨と反省の中で死に、
水の精・ルサルカの悲恋は幕を閉じる…と、まぁこんな感じの話だ。

まぁ典型的なメルヘンというか、ファンタジー。
お気づきの方もいると思うけど、これは水の精オンディーヌの話と基本的には同じで、
ヨーロッパ各地にある水の精×人間の男の悲恋伝説をオペラにしたわけだ。

チェコ出身の作曲家ドボルザークがチェコ人のためにチェコ語で作ったオペラ「ルサルカ」。
甘美な旋律のアリア「月に寄せる歌」が有名なこのオペラをチェコの、プラハ国立歌劇場で
仕事が終わった金曜の夜に観に行った時の感激は今でも忘れられない。
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この時は歌唱や演出に感動するっていうより、とにかく「オレはいまプラハでルサルカを
見てるんだよ!」っていうその状況に感激してたね(笑)。もちろん歌手陣やオケは
手堅い出来だったし、演出は非常にストレートなものだった。

舞台背景には深い森が広がり、ルサルカも水の精らしく白い衣装で、王子様も王子様らしく
王子様ルックで登場。「水の精と王子様の悲恋」っていう言葉から観客が想像するイメージを
忠実に再現したような演出で、見る側も安心して鑑賞させていただいた。
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これが2007年欧州出張のときの話。これが一つめの「ルサルカ」(笑)。

さて。
2012年3月の欧州出張。イ課長はルフトハンザに乗ってフランクフルトに向かっていた。
ほぼ12時間乗るから、その間イ課長はビデオサービスで映画を見るのを常としている。
だが、この時のルフトハンザのビデオサービスには映画に加えてオペラがあった。
しかも演目が「ルサルカ」ときた。おやまぁ。5年前に見たルサルカかね。これはいい。
長くて退屈なフライト。のんびり「ルサルカ」でも鑑賞させていただこうじゃねぇか。

ところが、ルフト機内で見たこの「ルサルカ」に引き込まれたんだよ、イ課長は。

第一幕。舞台は深い森の奥の湖…のはずだが、なんだ?コレは。
時代設定を現代風にしてるのはわかるとしても、ルサルカもニンフたちも地下に幽閉?されて
下着姿だし、湖のヌシであるバスの役もダラシなくガウンを羽織ってタバコ吸ってじゃん。
おいおい…ドウいう設定なんだよ?

欧州のオペラでは時としてすごく斬新な演出がある。
イ課長が2008年欧州出張で観たバイエルン歌劇場の「マクベス」はその最たるものだが(笑)
この「ルサルカ」もかなり斬新な演出のようだぞ。これじゃまるで…

     
    ・・・まるで?


         え? あ、ひょっとして、これって、マジで売春窟って設定か??

                    きっとソウだよ。あーーーそう思って見るとこりゃ間違いないワ。


こいつぁ驚いた。「ルサルカ」をまさかこういう演出で処理するとは。
ルサルカとニンフたちは地下に監禁された売春婦なんだよ。タマゲたね。
「水の精が人間に恋する」んじゃなく、「監禁された売春婦がカタギの男に恋する」わけだ
まぁそれでも一応コレはコレで話が成り立つからスゴい。
(下はバイエルン歌劇場HPで見つけた舞台写真)
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第一幕の最後、本来なら「人間になったルサルカの美しさに王子様が一目惚れ」するシーンが
「お嬢様ルックになった売春婦・ルサルカの美しさにカタギの男が一目惚れ」してる。
第二幕もけっこうヤバい演出が目立って、第三幕に至っては、ルサルカは森の湖に戻るはずが、
この演出だと何と精神病院らしき施設に収容されてる!ひーーーー。
(下の写真も同上。金魚のいる水槽にジャブンと入らされるんだから歌手も大変だ)
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後で調べたら、これはミュンヘンのバイエルン国立歌劇場の公演を録画したものらしい。ほぉ。
思い返せば、あの「とんでもマクベス」で目が点になったのもバイエルン国立歌劇場だったよなぁ・・・。


・・・・待てよ?

ここまで書いたところで、イ課長は「ひょっとして…」と思ってネットで調べまくってみたら、
何と!やっぱりあの「とんでもマクベス」と、この「売春ルサルカ」は同じ演出家だ!
マルティン・クシェイっていう人で、いつも作品は賛否両論巻き起こす鬼才らしい。

確かに2008年にミュンヘンで観た「とんでもマクベス」にはイ課長も呆れ果てたよ。
立ち見席で疲れてたってこともあって、途中で出てきちゃったくらいだからね。
しかし、アレに比べればこの「売春ルサルカ」はまだしも着想の妙が感じられたかな。

というわけで、2007年にプラハ国立歌劇場で見た「まともなルサルカ」。これが一つめ。
2012年、ルフトハンザ機内で見た「売春ルサルカ」。これが二つめ。

そしてブリュッセルで観た三つめの「ルサルカ」の話に続くわけだが、長くなったから続きは次回。
まさかこのネタが続き物になるとは思わなかったが、これもイ課長ブログ特有の
「意表をつく演出」だと思って勘弁してほしいのである(笑)。

 
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by tohoiwanya | 2012-11-05 00:36 | 2012.03 欧州出張 | Comments(0)
2012年 02月 22日

ウィーンでメリー・ウィドウを観よう

ウィーン国立歌劇場で「サロメ」を観たのは2011年6月6日月曜日。
その二日後、6月8日水曜日にイ課長とトホ妻は、こんどはウィーン・フォルクスオパーに
オペレッタを観にいった。演目は「メリー・ウィドウ」だ。
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オペラとオペレッタの厳密な定義の違いはイ課長もよくは知らない。
確かなことは、オペラが多くの場合「悲恋」「死」「運命」「悲劇」…等々の重厚な物語を
題材にしているのに対し、オペレッタは「喜歌劇」という日本語訳からもわかるように、
お話はめっぽうお軽いノリの恋愛喜劇と相場が決まってる。他愛のない恋愛喜劇に
歌と踊りが満載のエンタテイメント性が徹底してて、これが楽しいんだワさ。

25年前くらいになるかなぁ?まだ結婚前、フォルクスオパー来日公演で、NHKホールの
「メリー・ウィドウ」を初めて観た時の、あの楽しさは生涯忘れられるもんじゃない。
あの時は、第三幕のフレンチ・カンカンの場面があまりに楽しくて、観客が何度も何度も
アンコールをおねだりしたんだよ。

何度もカンカンを踊ってくたびれたヴァランシエンヌ役のメラニー・ホリデーが笑いながら
「もう勘弁してよ〜」って哀願する。
しかしダニロ役のセラフィンは無慈悲に「もういっぺんアンコールだー!それ!」って観客を煽動。
喜んだ観客がますます手拍子を鳴らしてアンコールをおねだりすると、何と指揮者が
踊りの準備も出来てないのに前奏を鳴らし始めるから、舞台上のダンサーたちは右往左往。
それを見た舞台の歌手たちも観客も大笑い…てな状態で、あの時はあまりに楽しすぎて
いつまでたってもフレンチ・カンカンから先に話が進まなかった(笑)。

おかげで本来のストーリーとは全然関係ない舞台になっちゃったように見えて、実はその状況こそ
まさに舞台設定どおり、「パリ・マキシムでの陽気なバカ騒ぎ」に見事になってるじゃん!
しかもそのバカ騒ぎには歌手やオケだけじゃなく、観客までもが参加してる!

あんな経験、後にも先にもあの時だけで、若きイ課長は本当に心底感動した。
オペラとは別種の、オペレッタならではの感動ってあるんだよ、しかもものすごく(笑)。

そのメリー・ウィドウだよ。しかも本場ウィーンのフォルクスオパー劇場で、だよ。
これ観ずしてどうする!…というわけで「サロメ」同様、チケットは何ヶ月も前に日本で
ネット予約し、ウィーン到着早々に実券と引き換えておいたのだ。
万難を排して準備したから当日の夜は余裕ブッこきってもんだぜ。ふふん♪
(上がサロメのチケット、下がメリー・ウィドウのチケットね)
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ところが、この日は以前に書いた、午後にドシャ降りの夕立があった日だったんだよ。
雨はやんだけど、いざイ課長&トホ妻がフォルクスオパーに向かおうとして、市電の
ショッテントーア駅に着いた頃には、ふたたびヤバげな空模様になってきた。
うう…ちょっと待って雨。我々が劇場の中に入るまで降りだすのは待ってくれアメ。
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これがフォルクスオパー劇場の前。市電や地下鉄(高架)がガンガン走ってる近くに建ってて、
劇場の中にいても気をつけてると電車の通る音が聞こえたりする(笑)。
なんとか雨が降らずにいてくれたのは幸いだった(この後、土砂降りになった)。
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このメリー・ウィドウ。期待の新演出だそうで、旅行中にポスターを何度も見かけた。
メリー・ウィドウって、ドイツ語ではDie Lustige Witweっていうんだな。
発音が難しい。「ディー ルスティゲ ヴィットヴェ」。陽気な未亡人って意味だ。
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劇場の中はこんな感じ。実はここには20年前の新婚旅行の時にも来てるはずで、
「微笑みの国」を見たはずなんだけど、ハッキリ言ってあの時は疲労困憊してて、
休憩中+上演中の90%は爆睡してた(笑)。ほとんど「初めて来た」に等しいよね。
ちなみに席は赤絨緞の個室だよコシツ!プラハ以来じゃないかな?個室って。
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オペラ座に比べると小ぶりで、その分「ひとつの空間をみんなで共有してる」感じが強まる。
おそらく今日来ている観客の半分以上は我々と同様「メリー・ウィドウは何度も見て、
内容も曲もよく知ってる」っていう人じゃないかと思う。まぁ歌舞伎なんかでもそうだけど、
イイ作品は何度見てもいいのだ。しかも新演出。期待は高まる。

実は今年の5月にフォルクスオパーはまた来日するみたいで、イ課長たちがウィーンで見た
新演出のメリー・ウィドウも演目として持ってくるらしい。
その来日公演の招聘元サイトにあった写真で舞台を想像していただきたい。
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今回の新演出。曲の順番を入れ替えたり、幕の切れ目を通常とは別のところに置いたりして、
超定番演目メリー・ウィドウに新しい試みをいろいろ取り込んでる。
有名な「女・女・女の歌」を幕の切れ目に持ってきて、次の幕は、ついさっきまで
「女・女・女の歌」を歌ってたヤロウどもが超泥酔状態で全員舞台にブッ倒れてるところから
始めるなんていう趣向はけっこう笑えた。

召使いであるニエグシュの登場シーンも大ウケだったなぁ。
舞台に自転車に乗って出てくるんだけど、何と雨ガッパを着て自転車コイでたんだよ。
土砂降りがあり、雨に濡れて来た客もたくさんいる日の公演だからフザケたわけだろうけど、
こういう意外なおフザケが満ちてるところがオペレッタならではの楽しみ。
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公演が終わったのは9時半くらいだったかなぁ?幸いにして雨はやんでくれていた。
劇場から出てきた観客はみんな「あーーー楽しかった」って幸せそうな顔をしてる。
もちろんイ課長とトホ妻の顔もそうだったと思うよ。あー楽しかったなぁ。



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by tohoiwanya | 2012-02-22 00:15 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)
2011年 10月 28日

ヨカナーンの首が欲しゅうございます

さてサロメだ。

幕があがると、舞台は…何と言ったらいいか…谷底みたいな感じのセットになってる。
そのセットにはまるでクリムトみたいなウィーン世紀末絵画風の模様が描かれてて、
すでに妖しいムードいっぱいだ。

何せ天下のウィーン国立歌劇場。しかもドイツ語オペラの「サロメ」。
主役のサロメも、ヘロデ(サロメの義父)も、ヘロディアス(サロメの実母)も
ヨカナーンも、歌手陣は文句のつけようもない見事さだ。

え?どの歌手が誰を演じたかって?忘れちゃったよそんなの(笑)。
サロメ役のソプラノが…えーと…だめ、やっぱ忘れた。
そんなに太ったオバハンなんかじゃなくて、7つのヴェールの踊りを踊っても
視覚的なムリはなさそうなソプラノ歌手だ。

後半、ヘロデ王がサロメの舞を所望して「サロメ!頼むからわしのために踊ってくれ、
踊ってくれたらお前の欲しいものを何でもやる。たとえわしの王国の半分でも!
」と
有名なセリフを吐く。
ここでサロメが鋭い目つきでヘロデ王をハタとにらんで「その言葉に偽りはありませんね?
神に誓えますね?
」と念を押すのは妖女サロメの見せ場の一つだ。ぞくぞく…。

そしていよいよ7つのヴェールの踊り。
サロメは一度舞台から引っ込んで身支度をする。「用意ができたわ」と舞台のソデから
声をかけていよいよ激しい踊りの音楽が始まるわけだが・・・

踊りの衣装を着て出てきたサロメを見て「うわぁ」と思ったよ。
エロだから?いやいやとんでもない。その逆。すごく重ね着してるからだ(笑)。

これって要するに設定通り律儀に7枚のヴェールを順々に脱いでいくってことなんだろうけど
薄いヴェールでも7枚も重ねると重くて暑苦しそうだよ。歌手も大変だなぁ…。

踊りが盛り上がるにつれ、お約束通り一枚ずつヴェールを投げ捨てていく。
最後の一枚を脱いで、確かに肌は多めに露出していたようだったけど、
全然エロって感じではなかった・・つうか、そもそもよく見えなかったし(笑)。

まぁね、別にエロは最初から期待していなかった。
この夜、イ課長が一番カンドウしたのは実はオーケストラなんだよ。
ウィーン国立歌劇場管弦楽団、まぁ要するにウィーン・フィルだ。

オケはスゴかったねーーー。
サロメがヨカナーンの実物を見たがって、ねだって地下牢から出す場面がある。
ここはヨカナーンの最初の登場シーンで、オケは「ヨカナーンのテーマ」を
ここぞとばかり、鳴らしに鳴らすだろうと思っていたら・・・

おや、意外に抑制されてるじゃん。「鳴らしまくる」って感じは全然ない。
「さすが、きちっとコントロールされてるなぁ」と、その時は感心したんだけど、
それは最初の方だけ(笑)。

いよいよ最後の見せ場。サロメがヨカナーンの生首を手に抱えて
ああ、私はついにお前の唇に接吻できるのだわ、ヨカナ〜ン♥」と官能的旋律を
これでもかとばかりに高らかに歌う。

ところが、それを上回るかのようにオケがもう鳴らす鳴らす。びっくりしたよ。
CDじゃ気がつかなかったような音もいっぱい聞こえてくる。
「ココんとこで、こんな楽器つかってたんだ」って箇所がいくつもあって、
その熱っぽい演奏には圧倒された。

それだけ鳴らしまくってももちろん音楽は一糸乱れることなく、ウムを言わせず
聴衆を背徳と官能の絶頂へといざなう。うおおおお。すごすぎます。

…と、写真もなく一人で興奮してるけど、まぁ舞台の写真は撮れないわけだから
ご容赦いただくしかない。実は来年のウィーン国利歌劇場の来日引越し公演では
イ課長たちが見た、このプロダクションで「サロメ」を持ってくるんだよね。
その来日公演の宣伝サイトから写真をお借りした。
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いやぁ~・・・嬉しかったなぁ。
休憩中やカーテンコールの時、イ課長は何度も客席の天井を見上げた。
そこには20年前の新婚旅行で見たときと同じシャンデリアがある。
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あの時「死ぬまでにこのシャンデリアをもう一度見ることはないだろう」と
切ない気持になったって前に書いたけど、今こうして年老いて、また来られたなんて。
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あーーー嬉しかった。ここに来られてよかった。
いつまでも幸福感に浸った2011年6月6日、ウィーンの夜なのでありました。




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by tohoiwanya | 2011-10-28 00:29 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(2)
2011年 10月 25日

ウィーンでオペラを観る

ウィーンネタをこれまでだいぶ書いてきたけど、ようやく音楽の都・ウィーンらしく
オペラの話題をご紹介できることは、オペラファンのイ課長にとって大きな喜びです。

ドナウ川観光したり、フンデルトヴァッサーの清掃工場を見たあの日の夜、
お待ちかね、ウィーン国立歌劇場におけるオペラ鑑賞が待っていたのである。

思えば、この夜のチケットを日本でネット予約したのは、東日本大震災前だったわけで
ゲキドウの何ヶ月かをくぐり抜けて、いまこうして着飾った人たちに混じって自分たちが
ウィーン国立歌劇場にオペラを観にきてることが夢のようだったなぁ。
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中に入ってみよう。
パリのオペラ座ほどキンキラキンじゃないけど、中は非常に豪華だ。
新婚旅行の時も来たんだけど、あの時はテッペンの安い席のチケットだったから、
いきなり長い階段を登らされて、こうして中の様子をじっくり観察する余裕がなかったんだよね。
今回は少し早めに入って、劇場の中をたっぷり拝見させていただくことにした。
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こっちでは紳士・淑女たちが開演前のお飲物だ。
ちなみに、国立歌劇場にご来場のウィーン市民および観光客の服装だけど、
男はダークカラーのスーツ、御婦人はちょっとおしゃれなワンピースってあたりが
平均的なところで、何もタキシードやイブニングドレス着る必要なんてないのだ。
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もっとも、海外旅行に「ごく普通のフォーマルウエア」を持ってくのもけっこう面倒臭い。
今回、我々は1週間の滞在中にこの日を含めて3回オペラ・音楽会に行く予定だったから、
イ課長は黒のスタンドカラーシャツとジャケット、チノパンを「音楽会用セット」として持っていき、
昼間の観光ではそれを着ず、逆に夜の音楽会は3回ともそれを着た(笑)。

お?こっちではグスタフ・マーラーに関する展示をやってる。
2011年はマーラーの没後100年にあたるし、何てったって彼はかつてウィーン国立歌劇場の
音楽監督だった人だから、特別展ってことなんだろう。
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マーラーって作曲家っていうイメージが強いけど、この劇場の音楽監督だった頃は
非常に有能・辣腕で鳴らした人だったと言われてる。

昔は国立歌劇場も「社交界の延長上」的なところがあって、周囲の注目を集めるために
「わざと遅れてきて、開演後に客席に入る」なんてアホウな客がけっこういたらしいんだけど、
マーラーは周囲の反対を押し切って開演後の客の入場を禁止する措置をとったりして、
ウィーン・オペラの近代化にずいぶん貢献したらしい。
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客席に入ってみる。まだ早いから客も少ないね。
写真を見てわかる通り、イ課長たちの席は舞台に向かって右の、かなり上の方の席だけど、
最前列なのが値打ち。ちなみに、料金は74ユーロ。ユーロ安の今なら8000円くらいだけど
予約した頃はもうちょっと高かったはず。
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びっくりしたのはこんな風に目の前に小さな字幕ボードが設置されてることだ。
(後ろの席の人は、おそらく前の座席の背にコレがあるんだと思う)。
おそらく英語とドイツ語の字幕が出るんだろうけど、我々は全く見なかった。
今日の演目はよく知ってるから、字幕見なくても大体わかっているのだ。
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え?この夜の演目は何だったかって?


うふふ…


それはね…


リヒャルト・シュトラウス作曲のね…




「サロメ」だったのである。

「サロメ」と聞くと、イ課長が大昔に作っていたHPの読者は「え、アレ?」と思うかも。
あのおバカサイトにリンクを貼るのは恥ずかしいんだけど、「サロメ」がどんな
オペラであり、どこが特に見ものであるか、そして我々夫婦が「サロメ」に関して
過去どんな経験をしているか、ここを読んでいただくのが早い。
アダルトチェックは気にしないでいいからね(笑)。

オスカー・ワイルドが書いた有名な戯曲を元に作曲されたオペラ「サロメ」。
踊りの褒美に、サロメがヨカナーンの生首を所望し、その唇に接吻するという
19世紀文学中でも最も背徳的でスキャンダラスな題材を描いたオペラ「サロメ」。

パリで見たギュスターブ・モローもそうだけど、サロメという題材に魅せられた
芸術家はものすごく多くて、作曲家リヒャルト・シュトラウスもその一人だったわけだ。
「サロメ」は彼の作ったオペラの中でも最高傑作の一つに数えられる。

中でも劇中でサロメが踊る「7つのヴェールの踊り」は、曲の盛り上がりにつれて
サロメが1枚、2枚とヴェールを脱いでいき、最後は全裸になる…少なくとも設定上は
そういうことになっていて、このオペラのクライマックスだ。
上のリンク先でイ課長(いわんや)とトホ妻が言ってるように、舞台の上でソプラノ歌手が
本当に裸になっちゃうなんていうヤバい演出もコンニチではアリなんだよね。

まぁ天下のウィーン国立歌劇場の舞台で歌手が裸になるとは考えづらいけど、
しかし官能美を感じさせないサロメなんて、サロメじゃないのもまた事実。
今夜の「サロメ」はどんなんだろうなぁ?楽しみだなぁ。
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さて、いよいよ開演間近。客席も埋まってきたぞ。わくわく。
というわけで、この夜のサロメについては次回、詳細にご報告します。



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by tohoiwanya | 2011-10-25 00:15 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)
2011年 02月 07日

イングリッシュ・ナショナル・オペラ

欧米の大都市に出張した時の、イ課長の重要なオタノシミといえばオペラだ。
過去にプラハフランクフルトミュンヘンワシントンDCで、出張ついでにオペラを観た。
仕事の準備より、現地劇場の演目チェックやチケット購入といった準備活動の方に
ずっと真剣に取り組んでいるんじゃないかというご批判があるかもしれないけど、
その批判はまったく当たっている(笑)。

昨年の欧州出張ではフランクフルトとロンドンでオペラを観る物理的チャンスがあった。
しかし欧州に到着早々、まだ出張の先も長いフランクフルトでオペラ鑑賞っていうのは
気分的にはあまりステキじゃない。やっぱこういう娯楽は出張最後の夜とかその前日とか、
とにかく出張終盤に設定して「最後にオペラがあるから、それまで出張を頑張ろう」という
モチベーション高揚につなげたいところだ。
(ほらね?一応シゴトのこともチャンと考えてるでしょ?)
というわけで、フランクフルトでのオペラ鑑賞は見送り、ロンドンに賭けた。

ロンドンのオペラといえば、一番有名なのは言わずと知れたロイヤル(王立)オペラハウス。
コヴェント・ガーデン・オペラの名でも有名な、世界でも指折りのオペラハウスだ。
でもイ課長滞在中の演目がイマイチ魅力的じゃなかったんだよねぇ。
(たしか、「アドリアナ・ルクブルール」か何かだった)

ロンドンにはもう一つオペラがある。イングリッシュ・ナショナル・オペラだ。
ここはロイヤルオペラほど有名スター歌手が出るわけじゃないけど、チケット料金は安くて、
要するにまぁ庶民の味方のオペラハウスとでもいうか…。原曲が何語であろうと、
必ず英語で上演するのが原則になっているらしい。

イ課長滞在中のナショナルオペラの演目を調べたら…お!「ラ・ボエーム」やん!
おおこれはイイ。ラ・ボエームといやぁプッチーニの超名作オペラ。
しかもオペラ演出家としてけっこう名の知れたジョナサン・ミラーの演出。

ボエームならイ課長も何度も観たことあるから、話のスジを追うことにキュウキュウとせず
舞台をゆったり楽しめるじゃん。これはいい。断然コレだ。
というわけで、そのままネットでチケットを予約。
業務に関わる出張手配は面倒だの煩雑だの言うくせに、こういうコトは素早い(笑)。

イギリス国内ならチケット郵送っていう方法が可能みたいだけど、外国じゃそうもいかん。
そういう人たちのための、イングリッシュ・ナショナル・オペラのシステムはこうなってる。

①欲しいチケットをクレジットカードで予約し、決済する
②上演当日早めに行き、①でネット決済した時のカードを劇場玄関のチケットマシンに
 入れるとスルスルとチケットが出てくる…

…というようなことが英語で説明されていた。へぇ〜。
ワシントンDCだと予約番号みたいなのを窓口で示し、パスポートを提示した上で
予約したチケットをオバチャンが渡してくれたけど、ココは機械化されてるわけだ。
チケット引き換えは重要だから、何時までにやらなきゃダメかとか、真剣に確認しておきましょう。

ちなみに、買ったのは3階席のサイド。料金は58£(約8,000円弱くらい)だった。
何かのトラブルでチケットが手に入らないと8,000円がパー。真剣にもなるわな。
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さて、オペラの当日だ。2010年11月18日の夜だ。ここはロンドンだ。
ナショナル・オペラの本拠地、ロンドン・コロシアムはトラファルガー広場に近い繁華街にある。
ビッグ・ベンまで歩いたあの夜、とりあえず先にチケットだけ確保しとこうと思って、
上演の1時間以上前に劇場の中に入ってみた。
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はは〜…確かに正面ロビーのわきに機械が2台ある。これがチケットマシンか。
さっそくチケットを予約した時のクレジットカードを入れてみよう。

入れると画面になにか英語が出た。よく意味がわからなくて一瞬パニクったけど、
ほどなくスルスルとチケットが印刷されてきたではないか。よかったよかった。
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実際にはまだ上演までだいぶ時間があったから、ピカデリーサーカスまで散歩したり、
オペラ鑑賞前の腹ごしらえをしたりしたわけだけど、まぁその辺は後日の更新で書くとして
本日のところはさっそく劇場の中に入ろうではないか。

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おおおーーーーーーー…

うーむ…想像していたより劇場の内部はずっと豪華だ。歴史と伝統を誇る劇場なんだろう。
プラハの時もそうだったけど、やっぱせっかくヨーロッパの劇場でオペラ観るなら、
近代的なホールじゃなく、こういう、19世紀的香りの残る空間で観るのがキブンだよね。
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オペラ自体も非常によかったよ。
歌手陣もオーケストラも、誰かが突出して目立つってことなくバランスがとれてて
クォリティは非常によくまとまっている。イタリア語上演なら全然わかんないけど、
英語上演だから「こんな風に英訳するんだ〜」ってのがところどころわかったりするのも楽しい。

イングリッシュ・ナショナル・オペラの「ラ・ボエーム」。
非常に楽しませていただきました。途中で眠くなることも全然なかった(笑)。

最初の方で書いたように、ロンドンのオペラといえばロイヤル・オペラが有名。
(ちなみに、ロイヤル・オペラは2011年に来日公演もやる)
しかし、ロンドンのもう一つのオペラハウス、イングリッシュ・ナショナル・オペラも
なかなか良うござますよ。ロンドンご訪問の際のナイト・アミューズメントとして
イ課長、お勧めいたしますですよ?



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by tohoiwanya | 2011-02-07 00:19 | 2010.11 欧州出張 | Comments(2)
2009年 09月 02日

パリ・オペラ座というところ

パリ・オペラ座は内部の絢爛たる装飾だけでも観る価値十分だけど、
奥にある図書館…というのか、資料展示室といえばいいのか、とにかくココがまた
オペラ・ファンにとってはなかなか興味深かった。

こんな風に、ギッッッシリと(おそらく)オペラやバレエ関係の資料・書籍が集められてる。
フランス舞台芸術の歴史なんかを調べてるヒト(なおかつフランス語が読める人)には
これ以上ないくらい貴重なところなんだろうと思う。もっとも、蔵書は勝手に手にとって
読むことはできないようだったけどね。
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フランス語文盲であるイ課長にとっては本はいくらあってもしょうがないんだけど、
有名なオペラの舞台デザインのミニチュア展示は面白かった。
下は…なんだろう?ちょっとオリエント風の建物があったり、港っぽい風景があるから
モーツァルトの「後宮からの誘拐」の舞台かな?
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これなんかは見た瞬間に「あ、もしかして…」と思ったらやっぱり、
「トリスタンとイゾルデ」の第一幕、船上のセットだ。
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トリスタンはイゾルデをこの船に乗せ、自分の主君であるマルケ王の花嫁として 送り届ける
使命を帯びているんだが、二人はここで媚薬を飲んじまってイッキに異常な恋のトリコになる。

そして第二幕。
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狂乱の恋のトリコとなったトリスタンとイゾルデは世間の目を盗んで深〜い森の奥で密会する。
何しろ媚薬飲んでイッちゃってるから、二人は出会うやイナや、もうたちまちお互いの名を
呼び合い、あとは身も世もない愛欲と陶酔の淵に落ちて行くわけだ。クスリはいけませんね〜(笑)。

そして最後の第三幕。
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密会がマルケ王にバレた挙げ句、重傷を負ったトリスタンは海が見えるココで
「イゾルデの船はまだ見えないか?」とか、散々ウワゴトを言ったあげくに死ぬ。
そこに駆けつけたイゾルデもまたトリスタンの後を追うように死ぬ と。

うーむ…パリ・オペラ座舞台セットのミニチュア展示で長大な「トリスタンとイゾルデ」を
1分間で鑑賞させていただきました(笑)。ありがとうございます。

「ベルサイユ風豪華絢爛大広間」の向こうはベランダになっている。
ここからパリの市街を眺めると、見事に左右対称の街づくりが目に飛び込んでくる。
ベランダ中央に立つとちょうどまっすぐ伸びた大通りの中心線に視線を据える形になって
道の突き当たりにある立派な建物がルーブル美術館だ。
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オペラ座前の広場でたくさんの観光客がコッチ、つまりオペラ座に向かって
写真を撮っているのが見える。この日は天気もすごく良くて、二階建て観光バスに乗った
観光客も嬉しそうにしてる。イ課長の心も弾んでくるってもんだ。そう、ここはパリなんだもん。
自分は今、パリ・オペラ座に、まさにパリのド真ん中にいるんだよ。
魅惑と誘惑に満ちたこの街のド真ん中にさ。何だか知らないけど嬉しかったなぁ…。

パリにはやられたな。

パリ・オペラ座のベランダで、イ課長はまたまたそう思った。


 

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by tohoiwanya | 2009-09-02 00:16 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(6)
2009年 03月 19日

一応、フランクフルトのことも…

イ課長ブログでは出張で滞在・訪問したいろんな街について書いた。
半日程度しか滞在してないリューベックやアウクスブルクのことも書いた。
仕事で訪問した、旧東独地区のヤバい街のことも書いた。
だが滞在日数は多いはずのフランクフルトの記事はほとんどない。明らかな冷遇。
記事も写真もふんだんに多いプラハと比べてなんという違いだ。

だって、街としてつまんないんだもーーーーーん、フランクフルトって。
見るべきものっつうても特にないしなぁ…えー?レーマー広場ぁ?行ったけどさ、
寒くて、しかも雨で閑散としてたよ。また行きたいかって?別にぃ…(笑)。
 
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しかしこの扱いの差は他の街と比べてあまりに不公平だ。
さすがにフランクフルトに対して少し申し訳ないという気になってきた(笑)。
2007年10月14日にフランクフルトで見たオペラのことでも書くとするか。

演目はモーツァルトの歌劇「後宮からの誘拐」。場所は市立歌劇場。

当日券が残ってるかどうかわかんなかったから早めに行ったんだけど、
結果的には残席は山ほどあった。公演前日に前売り券を買いに行ったら、すでに
全席売り切れだったハンブルク歌劇場と比べてなんという違い。

この日は市立劇場でオペラの他に演劇とか、いくつか催しモノがあったみたいで、
チケット売場では自分の買いたいモノが何かをちゃんと伝える必要があった。
しかし「後宮からの誘拐」ってドイツ語は難しい。オタオタしてたら窓口オバチャンが
「モゥツァールト?」って聞いてきたから「ヤー」。すんなりチケット買えた。
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中はこんな感じ。ミュンヘンやハンブルクみたいに州立歌劇場じゃなくて
市立のせいか、豪華じゃないけど、近代的・機能的な客席って感じだったね。

オペラはなかなか良かった。
本来は18世紀頃の物語を、おそらく第一次大戦の頃に置き換えて演出してる。
トルコの太守がトルコ軍の軍服着て登場するけど、意外とこれが違和感ない。

ドイツはオペラとか演劇で「時代設定を思い切り変えた斬新な演出」みたいのが
得意で、そういう意味じゃいかにもドイツっぽい舞台だったといえる。
スター歌手は出てないけど歌手陣のレベルもみんな高い。
けっこうな公演、けっこうな夜でした。
一応、フランクフルトのことも少しほめるイ課長なのである。


…もっとも、その5日後に美しきプラハ国立歌劇場で「ルサルカ」を観た、
あの素晴らしい夜と比べちゃうと…ねぇ? (笑)
 
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by tohoiwanya | 2009-03-19 00:58 | 2007.10 ドイツ・チェコ出張 | Comments(0)