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2017年 03月 08日

聖オーガスティン修道院の廃墟

カンタベリーといやぁ大聖堂がとにかく有名で、もちろん世界遺産に指定されている。

しかしこの町には大聖堂といわば“抱き合わせ”で世界遺産になってる所がある。その一つが
聖オーガスティン修道院っていうところで、どうやら“廃墟系”らしい。トホ妻が好きそうだ。
場所は大聖堂から歩いてせいぜい5~6分ってところかな。近い。

行くとまずビジター・センターみたいな建物があり、そこを出ると修道院の廃墟がある。位置的には
下の写真を参照してほしい。アナタはいまMUSEUMと書かれたビジターセンターを出たところだ。
これを見ると修道院が元は「上から見て十字架」の形状だったことがよくわかる。さぁ行ってみよう。
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いざ行ってみると、これが想像以上に風化・崩壊してて、今見ているものがかつて修道院の
ドコだったのかなんて全然わかんない。英国中の修道院を解体したヘンリー8世の頃、つまり
16世紀頃まではチャンと建ってたはずなのに、古代ローマ遺跡より古そうに見える。
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ここはいろいろヘンリー8世に縁のある場所みたいで、例の「初対面で離婚を決意」したお妃4号を
迎えた時は宮殿に改造されたらしい。それも当然16世紀の話だ。それが今やこんな廃墟。
調べたところでは18世紀に大嵐で激しく損壊し、そのままこんな廃墟になっちまったんだとか。

しかしここはイイよ。草原の中にひっそり残る石造建造物の残骸。これぞまさに廃墟って感じだ。
廃墟の極北。ザ・廃墟。廃墟マニアのトホ妻は恍惚としてあたりをさまよってた(笑)。
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一応世界遺産ではあるけど、カンタベリー大聖堂と違って観光客からもほとんど無視されてる。
だもんで、人が全然いなくてロマンチックだったねぇ。こういう廃墟を観光する時は人がワンサカいたり
猿がワンサカいたりすると(笑)ムードが出ない。その点、ここは静かで良かったよ~。
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気候の悪いイギリスだけど、それでもやがて廃墟はこうして植物たちのものになっていく。
もっとも、ここは遺跡として公的に管理されてるから、草ボウボウになることはないんだろうけど、
だんだん植物の中に埋もれていく廃墟というのは気分出るねぇ。
このピンクの花をあちこちで見かけた。なんだろうか?(←植物には信じられないくらい無知)
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あっちの方には廃墟じゃない、マトモな建物がある。あれは現在でも使われてるっぽい。
何に使われてるんだろ?学校に見えるけどなぁ・・中には入れないようだ。
まぁ廃墟さえ見れば我々は・・特にトホ妻は満足なわけだが(笑)。
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訪れる人も少ない聖オーガスティン修道院の遺跡・・というか廃墟。
大聖堂から近いし、何せ人が少なくて静かだし、カンタベリー観光するなら行くなら大聖堂から
ちょっと足を伸ばしてみることをお勧めしたいのである。廃墟系物件がお好きな人は特に。

 

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by tohoiwanya | 2017-03-08 00:24 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(2)
2017年 03月 06日

カンタベリー大聖堂 その③

さて、ゴシック大聖堂は内部だけじゃなく、外もいろいろ観察すべき点が多い。
カンタベリー大聖堂の外側もしっかり見てくれようじゃないの。

まず大きな特徴はゴシック教会建築につきもののフライングバットレスがないってことだ。
ええ?ないの?あれはゴシック建築をゴシック建築たらしめる決定的重要要素なんじゃ・・?
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しかし実際ないんだよ。その後調べたところではこういうことらしい。

木と違って石材は梁として水平にわたすことが出来ない(仮にすご~く細長い石材を使っても
自重で真ん中で折れやすい)。だから天井をアーチ型に組む。しかしアーチ型って
「左右に広がろうとする力」があるから、それを外側から支える必要がある。

そういう壁を外から、しかも高い位置で支えるためにフライングバットレスという
画期的&曲芸的な建築アイディアが生まれ、天井の高いゴシック大聖堂の建築を可能にした
・・と、そういうことだった(はずだ)。

「その①」でも書いたようにカンタベリーは天井に凝り、それをよく見せたい目的もあって
天井高はホドホドでとどめた。だから壁を支えるのも高めの控え壁で何とかなるらしい。
フライングバットレス(飛び梁)なんてアクロバティックな技法を使わなくても良かったんだと。
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なーるほど。つまり「華麗な天井装飾を見てもらいたい」⇒「それゆえに天井高はほどほどに抑える」
⇒「それゆえにフライングバットレスなしでもOK」ってことか。デコラティブな天井があることと
フライングバットレスがないことはちゃんと関係してるわけだ。勉強になるのぅ。

もう一つゴシック聖堂につきものといえばガーゴイル様。
これはちゃんとカンタベリーにもあった。そう多くはなかったけどね。
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こちらにも、猛烈にすり減ったガーゴイル様が。これなんておそらくこの大聖堂が出来た
当初からまったく取り替えられずに残ってるんじゃないかと想像される。すごい磨滅ぶり。
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お?こんな低い位置にもガー・・・・ゴイル・・・じゃないよな、これは。
単に柱を頭で支える人面の飾りということらしい。
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しかしこれまたひどい役目だこと。
むかーし書いた女人柱もかなりひどいが、これは首の力だけで柱を支えてるんだからその苦痛は
察するに余りある。首が痛い。背筋疲れる。こういう彫像のモデルにはなりたくない(笑)。
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外側の少し高いところにはもう少し格調高く作られた聖人の像がずらり。
まぁこういうのはどこの教会でもよくあるよね。
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中に混じって、まだ真新しい白い石で作られた聖人がいらっしゃった。当然目立つ。
あれぇーーーーッ?!ここここれってもしかして・・・。
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間違いない。これは現女王エリザベスと夫君のエジンバラ公フィリップ殿下だ。
こりゃたまげた。エリザベス女王って聖人だったのかよ(笑)。よくバチカンがそんな
こと許可・・・なんて得なくてもいいんだ。いまカンタベリー大聖堂は英国国教会が所轄
するわけだから、国教会の長たる女王陛下を聖人に並べるくらいは朝飯前か。
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こちらがエジンバラ公フィリップ殿下。こっちの方が実物に似てるかな。
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このフィリップ殿下、若い頃は異常なほどの二枚目だったことで有名。
若きエリザベスがその異常なイケメンぶりにポーッとなって結婚に至ったのは間違いない(笑)。
しかし仲睦まじいままお二人ともご長寿であらせられるのはめでたいことだ。
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いやー最後の「聖エリザベス&聖フィリップ」にはちょっと驚いたぜ。
存命の女王夫妻もしっかり聖人の列に並ぶカンタベリー大聖堂というわけでした。

というわけで、「イ課長、初めて英国ゴシック大聖堂を見る」の一席、
これにて書き納めといたします。お長くなりました。

 
 

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by tohoiwanya | 2017-03-06 00:05 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(2)
2017年 03月 03日

カンタベリー大聖堂 その②

さてだ。
前回は天井特集になっちまったが、別に天井だけがカンタベリー大聖堂の見どころじゃない。
他のところもちゃんとご紹介せんとな(・・と言いつつ、また天井の写真)。
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ここを舞台にした史実ではなんといっても「カンタベリー大司教トマス・ベケット殺害」が有名。
王様であるヘンリー2世と、大司教であるトマス・ベケットが激しく対立し、王の部下たちが
この大聖堂でトマス・ベケットをブッ殺してしまった。いわば王権による聖職者殺害テロ。
それも大聖堂の中でっていうんだから、こりゃもう英国史に残る大事件ですよ。

ここがそのトマス・ベケット殺害現場。
壁に飾られた剣の切っ先が集まったところでグサッとやられたってことなんだろうな。
何となく薄暗くてソレらしい演出になってる。こういう血なまぐさい歴史もここにはあるのだ。
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このトマス・ベケット殺害に怒ったローマ法王はわざとベケットを列聖。ベケットは聖トマスになった。
カンタベリー大聖堂は聖トマスのありがたい聖地として巡礼者が押しかけるようになるわけだが
そうなると殺害させたガワであるヘンリー2世は身の置き所がない。要するにベケットの列聖は
ローマ法王による巧妙ないやがらせだったんだな。で、ヘンリー2世は後にトマス・ベケットの墓に
ひざまづき許しを乞うハメになった・・らしい。ホントかどうかわからんが。

非業の死を遂げたトマス・ベケット、ゴースト好きのイギリス人となれば、この大聖堂にはトマス・ベケットの
ゴーストが出るという言い伝えもあるかもしれない、つうか、絶対あるに違いないはずだが、そこまでは
事前調査しなかった。出発前は切符トラブル処理でゴーストどころじゃなかったの(笑)。

カンタベリー大聖堂はステンドグラスもなかなか見事だった。
やはり建物同様、作られた時期はけっこう違いがあるようで、絵の感じを見るとその差が歴然。

たとえば下の写真なんかは最も古い時期に作られたものではないかと推定される。
人間の顔の描き方なんかが素朴でいかにも古そうだ。
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こっちは参事会会議室にあったステンドグラス。
これになると人物描写にもやや「モデルの個性」みたいなものが描写されてる感じがするよね。
上よりも新しいものではないかと推定される。
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こんなのもある。作成時期としては最も新しそうなステンドグラス。
色もたいへん鮮やかでハデだけど、とにかく注目すべきは人物の顔、特に目なんかの描き方だ。
右側の女性の表情がやけに漫画チックというか、アニメ画風。
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これもアニメ調ステンドグラス。カンタベリー大聖堂のステンドグラスがこんな
アニメ調キャラで埋まっていたとはなぁ。
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アップで見てみようか?ほら。上を見上げている女性の顔とか目の描き方がまるっきり
ディズニーアニメやん。「美女と野獣」かよって感じで、これには驚いた。
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大聖堂の内陣にはこんな感じの彫像もある。
これはおそらく「お墓」だと思われる。仏教では「お寺のお堂の中に死者の墓をつくる」って
ことはしないけど、キリスト教、特にカトリック聖堂にはけっこうある。
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イ課長推測では、後ろでお祈りしてるのが亡くなったご本人、前のお坊さんはその当時の
カンタベリー大司教をモデルにしてるんじゃないかと思うけど、違うかな?

ここにもお墓。大陸ヨーロッパもそうだけど、カトリック大聖堂はある意味死に満ちている。
横たわっているのは間違いなく亡くなったご本人だろう。
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てな具合に内部をいろいろ見て、さて、ヨーロッパの教会を見学した時のお約束行為。
ロウソク寄付をいたしましょうかね。たまる一方で財布を重くしていた少額コインたちを
こういう時に使ってしまおう。一番左寄りがイ課長ロウソクなのである。おなじみの光景だのう。
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カンタベリー大聖堂はこれで終わりだろうって?なんのなんの。
大聖堂外部についても書くべきことはあるのだ。フランスの時もそうだったけど、ゴシック大聖堂に
関しちゃ、イ課長は遠慮なしに書くのである(普段だって別に遠慮してないが)。
 

 

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by tohoiwanya | 2017-03-03 00:13 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(2)
2017年 03月 01日

カンタベリー大聖堂 その①

何しろ「その①」だからね。続き物になることは約束されている。覚悟してお読みいただきたい(笑)。

久しぶりに入る欧州ゴシック大聖堂。うーんワクワクするぜ。
こういう大聖堂って入口は西向きで、上から見た場合十字架の根元の方から入る形になる。もっとも
カンタベリー大聖堂の場合、増築を繰り返したせいか、上から見てもキチンとした十字架型には
なってない。下の平面図でいうと右端が入り口ね。
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巨大聖堂に入ったら、誰もが最初にやるのは「うわー・・・」とのけぞって天井を見上げることだ。
もちろんイ課長たちもまず上を見上げて、背中と首をそらせるエクササイズ(笑)。
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うーーむ・・・この天井が英国ゴシック大聖堂の非常に大きな特徴の一つなのだ。
とにかく装飾的なんだよ。一つの柱から9本ものアーチが分岐して天井で複雑にからまりあい、
さらに細かい模様がくっついてる。
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下の写真は2009年に行ったフランスのアミアン大聖堂の天井。横断アーチと交差アーチを
交互に組み合わせたリブ・ヴォールト。デコラティブなカンタベリー大聖堂の天井に比べると
シンプルで、その分力強い感じがする。
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実はカンタベリー大聖堂のこの天井なんてマシな方で、英国にはもっともっと装飾過剰な
扇形ヴォールトの大聖堂がワンサカある。明らかに英国独特、ミョーな方向に異常発達を遂げた
建築技法といえるだろう(下はハリー・ポッターの映画ロケにも使われたグロスター大聖堂
回廊の天井。写真はWikipediaから拝借)。
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この「異様にデコラティブな天井」は英国ゴシックにもう一つの特徴を与えている。
それは天井高がフランスのものほど高くないってこと。フランスで見たアミアンランスなんかは
あからさまに身廊の天井高を競い合ってたけど、英国は「せっかくキレイに天井を飾ったんだから、
高すぎて見えないんじゃもったいない」ってんで、天井高もやや抑え気味なんだと。
こういう建築思想の違いって興味深くて面白いねぇ。
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ううむ、天井の話だけで長くなってしまった。先に進もう。
カンタベリー大聖堂、とにかくバカでかいから、身廊と交差廊との“交差点”に行くまで
けっこう歩く。とりあえずその“交差点”まで行ってみよう。いわば大聖堂のヘソ。

そこまで来て再び背中と首のエクササイズ(笑)。うっひゃーーー!こりゃすげぇ。
まさに扇形ヴォールトがひしめきあう華麗すぎる装飾。
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すごいねこりゃ・・。ちょうどここが大聖堂の真ん中にあたる部分で、この華麗な装飾天井の上に
一番高い塔がそびえたってるんだと。いやぁ英国ゴシック、すごいっすね。
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交差廊を越えると十字架のアタマの部分にあたる内陣。これがまた長いんだ。
興味深いのは、こっちの天井はさっき見た外陣よりシンプルで、フランス・ゴシック風の
横断リブ+交差リブ型に近い。なんで?
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思うに、建築年代の差によるんじゃないか?今いる交差廊よりコッチ側が先に建てられて、
後からアッチ側が建てられたと。大体こういうのは後に作られた方がより装飾に凝るはず。
そうじゃないかと思うんだがなぁ。
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いやー久しぶりのゴシック大聖堂。この時は正直言ってイ課長は軽く興奮してたよ。
このカンタベリー大聖堂、中庭に面した外の回廊の天井がまたスゴいんだよ。ほら。
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一本の柱から何本のリブが枝分かれしてるか数える気にもなれない(笑)。
この回廊みたいに、天井が低くてよく見える所ほど凝りに凝った装飾をほどこすというところが
英国ゴシックらしいと言うべきだろう。
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聖堂とくっついてる参事会会議場の天井がまたすさまじい。ほら。
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同じドーム型天井でもこれまで見たリブ・ヴォールトとは違う構造、しかしスゴい装飾は共通。
それにしてもこうやって室内で高い天井をズームで撮っても全く手ブレしないカシオのデジカメの
手ブレ補正機能にも感心しましたですよ。
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あああ・・・結局本日の記事は「天井特集」になっちまった(笑)。
まぁいいのだ。カンタベリー大聖堂の写真はまだいっぱいあるし、書くべきことも残ってる。
フランスの時は「ひとつの大聖堂で3記事」くらい書いてたけど、今回もそのくらいの勢いで
次回に続くのである。


 

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by tohoiwanya | 2017-03-01 00:14 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(2)
2016年 08月 05日

ルアンパバーンという町

今さらだけど、イ課長はこのブログにおいてこの町のことをずっと「ルアンパバーン」と表記してきた。
しかし「バ」と「ン」の間の伸ばしを入れずに「ルアンパバン」と書く人もけっこう多い。

しかも「ルアンプラバーン」「ルアンプラバン」って書き方も、これまたかなり多いんだよね。
Wikipediaは「ルアンパバーン」、地球の歩き方は「ルアンプラバン」を採用しているようだ。
アルファベットで書く時は必ず LUANG PRABANG と書くはずなんだよ。
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ある記述によると、ラオスやイーサーン(タイ東北部)では「PRA=プラ」の発音がほとんど「パ」になるらしい。
LUANG PRABANG と書いてあっても、PRAの部分を「パ」と発音すればルアンパバーンになる。

要するに、ドッチが正しく、どっちが間違ってるということではない。
パバーンでもプラバーンでも、伸ばしを入れても入れなくてもいいみたいだけど、このブログでは
前から「ルアンパバーン」と書いてたはずだから、今後もその表記で統一させていただきます。

さてだ、ルアンパバーンですよ。
19世紀くらいまでルアンパバーン王国の首都として栄えた古都ルアンパバーン。
そして、今やラオスに二つしかない世界遺産のうちの一つルアンパバーン。前にも書いたように、
観光地としてルアンパバーンの人気の高さはとにかく絶大で、世界中から旅行者がワンワン押しかけてる。
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町のメインストリートを歩けばすれ違うのは地元の住人より旅行者の方が圧倒的に多い。
そういうところはアンコール遺跡観光の町・シェムリアップと似た感じがあるけど、ルアンパバーンが
特徴的なのは、そこが「世界遺産を観光するための拠点の町」じゃなく「町そのものが世界遺産である」
という、まさにその点にあると思う。
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ここを訪れた者は世界遺産で目をさまし、世界遺産を散歩し、世界遺産でメシ食って世界遺産で寝るという
生活を送ることになる(笑)。ここを拠点にどこかに行くっていうより、この小さな田舎町に滞在すること
ソレ自体がすでにゼイタクな観光体験になってる。ホントにいい感じの町なんだよ。

シェムリアップで遺跡観光せずに毎日ゴロゴロしてたらバカと言われるだろうけど、ルアンパバーンでは
どこにも遠出せず、町の中を散歩するくらいで、あとはネコみたいに過ごすというのは悪くないと思うなぁ。
今回、イ課長はクアンシーの滝ツアーに参加したり、それなりに観光客らしいこともやったけど、
次回ルアンパバーンに行くチャンスがあれば「ネコ生活」もちょっとしてみたい(笑)。
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まさに他をもって代え難い、この町の独特の雰囲気を味わいたくて観光客は世界中からヒキも切らず来る。
町の中には次々とホテルやゲストハウスが作られるけど、それでも需要に追い付かないくらい来る。
小規模ゲストハウスが多いんだけど、これだけ魅力ある町だから大手観光資本も目をつける。

で、大手による豪華ホテルも建てられるわけだ。
もっとも世界遺産の町だから、勝手に高層ビル建てて景観を壊すわけにはいかない。既存の建物を
強引に高級ホテルに改装しちゃう。たとえば・・・

HOTEL DE LA PAIX: 元刑務所を改装した超高級ホテル

HOTEL AMANTAKA: 元州立病院を改装した超高級ホテル

超高級リゾートチェーンとして有名なアマンリゾートもルアンパバーンに進出してたんだよ。
実はイ課長は昔、この超高級リゾート・アマンにバリ島で泊まったことがあるのだ。すげぇだろ。

だもんで、ルアンパバーン滞在3日め、炎天下死の行軍中に(またかよ)アマンを見た時は
びっくり仰天した。この時までルアンパバーンにアマンがあるなんて知らなかったからね。
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思わずしみじみと外から眺めちゃったよ。
確かに言われてみれば元病院っていう感じの低層建物だ。お金かけて改装したんだろうなぁ・・。
「アマンが進出した」となると、いよいよルアンパバーンも世界的リゾート地だよなぁ・・。
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というくらい、今やタイヘンなところなんですよ、ルアンパバーンは。
もっとも、そうは言っても、何せ人口が少ないラオスの小さな古都だからのんびりしてるけどね。
人の少ないヴィエンチャンの居心地もよかったけど、ヴィエンチャンよりずーっと田舎なルアンパバーンの
居心地はまたタイヘンよろしい。この町に来て「桃源郷」という言葉を思い出す人も少なくないらしい。

ヴィエンチャンネタもまだけっこう残ってるけど、これからルアンパバーンネタもおいおい
ご紹介しようと思うのである。


 
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by tohoiwanya | 2016-08-05 00:16 | 2015.09 東南アジア旅行 | Comments(2)
2016年 01月 30日

アンコール・トムを見る【その3】

口元にクメール・スマイルをたたえた巨大観世音菩薩に見守られながら、バイヨンをグルグルと歩き回る・・
あれは素晴らしい体験だった。タ・プロムですでに十分度肝を抜かれてたけど、アンコール・トムに来て
ますます驚きは増した。アンコール遺跡ってこんなにスゴいものだったのか。ちょっとシャレた表現を使えば
イ課長は「アンコール遺跡という石の密林に初めて足を踏み入れ、そして酔いしれた」という感じか。

しかし巨大岩山のようなバイヨンから地上に降りると、そこにまた素晴らしい見ものがある。
それは何かっていうと、レリーフなんだよ。

すでにアンコール・ワット第一回廊の記事を読んだ方は「またレリーフぅ?」と思うだろう。
確かにあそこでもイ課長は大いに感動した。しかしバイヨンの近くのレリーフを見たときは
別の意味でまた深く感動したのだ。

位置的にどこ、と詳細に説明できなくて申し訳ないんだけど、とにかくバイヨンから降りてきた我々を
ガイド氏は華麗な浮彫りレリーフが彫られた大きな壁が連なる場所に案内してくれた。
アンコール・ワットの第一回廊みたいに屋根がある場所じゃなく、屋外にあるレリーフなのである。

屋外にあるせいか、こんな感じで(おそらく)水の浸み込みのせいで変色しちゃった箇所もあるけど、
保存状態はなかなか良くて、細かい部分の細工までよく見える。アンコール・ワット第一回廊と同様に
すごく稠密な構図のレリーフになってる。これは何かの出陣風景っぽい。
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こっちも左から右に行進する人や動物がミッシリと描かれてるけど、こんな風に二階建て構図に
なってるから、アンコール・ワット第一回廊と同様にすごいボリューム感。
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見学の順番は実際にはアンコール・トム⇒アンコール・ワットだったけど、実際に建設された順序でいうと
アンコール・ワット⇒アンコール・トムの順番になる。同じ12世紀で、時期的にさほど離れてないけど
様式としては先に作ったものより後に作ったものの方がより洗練されたものになるのが普通だ。

そう考えながら見ると、レリーフの動物、特にウシやゾウの描き方が力感あふれて見事だ。この辺から
例によってイ課長はまずレリーフの出来に感心し始めた。
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こういう壁が次から次と現れるんだからすごいボリューム感だ。この辺の感じはアンコール・ワットに
通じるものがあって、その迫力とボリューム感にイ課長はだんだん興奮し始めた。
 
しかし、イ課長が最終的に感動するに至ったのはガイドさんが説明してくれた小さな部分を見た時だ。
たとえばこれ。みんなが左から右に向かってゾロゾロ歩いている中で、二人の男が地面にしゃがみこんで
何かしてる。どうもこれって要するに「サボッてる」らしいんだな。酒だか何かを飲んでるトコらしい。
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アンコール・トムって、早い話がジャヤヴァルマン7世当時のクメール王国の首都の、その王宮なわけで
バイヨンっつうたら王宮の中心にある寺院だ。王様が建設を命じた、その国で一番立派な寺院の壁にだよ?
わざわざおサボリ野郎を彫るか?

下の写真のシーンにはさらに驚いた。
後ろにいる亀(スッポンみたいなもんかな?)が前にいる男の尻に噛みついてる図だもん(笑)。
噛まれた方は「痛ぇなヲイ!!」って思わずケツを手で押さえて後ろのオバさんに文句言ってる。
こういうおフザケというか、遊び心というか、「本来の趣旨と関係ないシーン」がいくつか
まぎれ込んでるんだよ。何度も言うが首都の中心にある最もエラい寺院の壁に、だよ。
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この説明をガイド氏から聞いてイ課長は感動した。
他の遺跡、たとえば古代エジプトでもギリシャでもローマでも何でもいいけど、首都中心の神殿の壁に
「男がスッポンに尻を噛まれてる図」なんておフザケを描く(もしくは彫る)ことがあり得るだろうか?
(どれも実際に見たことないから知らないけどさ)

アンコール・ワットの第一回廊にだって、乳海撹拌にしろラーマヤナにしろ全体が非常にドラマチックな
構図で統一されてて、こんな幕間茶番みたいなひとコマが入り込む余地はなかったと思う。そう考えると
アンコール・トムの「おサボリ飲酒」とか「スッポン尻噛み」のおフザケってスゴいことだと思うんだよ。
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とにかく、とても自由に楽しく作ってる感じなんだよね。このレリーフ。
ちょっとフザケたシーンを紛れ込ませた方が面白いじゃん。バレたって死刑やムチ打ちになるわけじゃ
ねぇんだし、彫っちゃえ彫っちゃえ!みたいな石工たちの楽しい作業ぶりを想像しちゃうんだよ。

もちろん、実際にはどういう経緯でこういうおアソビが彫られたのかはわからないんだけどさ。
しかし中央寺院の壁に彫られた壮大かつシリアスなレリーフの中に「バカバカしい日常」をちょびっと
だけ混ぜちゃうという、その“創作スタンス”にイ課長はひどく感心したのである。
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もちろんおフザケはごく一部まぎれ込んでるだけで、一見すればそれはもう壮麗なレリーフだよ。
こんなアプサラ(天女)も描かれてる。カンボジアの伝統舞踊を「アプサラ・ダンス」っていうけど、
あれはまさに天女の舞を地上で人間が再現してるってことなんだろうな。ただしレリーフに描かれた
アプサラたちの踊りっぷりは足をガバッと広げて、舞踊っつうより新体操の選手みたい(笑)。
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この後イ課長たちは車で昼食に向かった。だから広大なアンコール・トムの中にいくつもある
見どころのうち、バイヨンを含む一部しか見てこられなかったわけだ。しかし、それでも素晴らしかった。

こうして(書いた順序はバラバラだが)、タ・プロム⇒アンコール・トム⇒昼食⇒アンコール・ワット
⇒プノン・バケンで夕日 という一日ツアーは終わったことになる。
いやーー・・・ホントに、見れば見るほどもっと見たくなる、そんなトコだよ、アンコール遺跡群って。
こうやってあの時のことを思い返しながら書いてるだけで、もう一度行きたいという気分がモーレツに
強くなって、ちょっと困ってるんですが、イ課長は(笑)。

 

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by tohoiwanya | 2016-01-30 00:27 | 2014.09 東南アジア旅行 | Comments(2)
2016年 01月 27日

アンコール・トムを見る【その2】

アンコール・トムの中心にあるバイヨンは仏教寺院として、須弥山を模して作られたといわれている。
須弥山(しゅみせん)についちゃイ課長もよく知らないけど、要するにここは物理的にアンコール・トムの
中心である同時に、哲学的には世界の中心ということになる(んだろうと思う)。
 
そのバイヨンに足を踏み入れる。須弥山に登るわけだ。中は例によって石を彫ったいろんなレリーフやら
装飾やらであふれてて素晴らしい。見てよこの細部の意匠。柱一本でもこんな感じなんだからスゴい。
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例によってデバターさんたちもたくさんいる。
こちらのデバターさん、冠の装飾も見事だけどちょっと伏し目がちに見える表情も美しい。
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こっちにもいる。このデバターさんも美しいのに、左の乳房が(もしかすると右もか?)欠けてるではないか。
可哀想に。修復できないのかなぁ?
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しかしだね、バイヨンにおいては柱の装飾やデバターはあくまで序奏。
バイヨン観光の主役といえる存在は、アナタがいよいよ岩山の上部に登ったところで対面することになる。
それは何かというと・・・

 

 
  どーーーーーーーん
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     どかーーーーーーーーん
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この巨大顔面。遺跡観光ツアーの案内でも散々見た。
アンコール・ワットと並んで、この巨大顔面はアンコール遺跡につきものなんだなぁと思ってたんだけど、
バイヨンにあるモノだったんだ、コレ。
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何がスゴいって、バイヨンの上部に登ると、そこらじゅうあらゆるデッパリの四方の面にこの巨大顔面が
ドスンと彫られてる。だからどの方向を眺めても必ずこの顔が目る入る。そりゃもう圧倒的迫力&重量感で、
自分はいまトンでもなくスゴい場所を歩いてるんだということを実感する。
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前に書いたようにバイヨンは仏教寺院である。ではこの巨大顔面は何なのか?
実はこれ、観世音菩薩らしいんだよね(違うという説もあるようだが)。
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そこらじゅうにいるから観世音菩薩の大顔面はものすごい数にのぼる。
デバターさんと同様、まったく同じ顔ってのはないそうで、そう言われると確かにちょっとずつ違う。
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ガイド氏が「これは、にほんの、ふうふでやってるまんざいしに にてるそうです」と紹介したこの菩薩。
見てすぐわかった。鳳啓介&京唄子の唄子に似てるんだな。ワシもそう思う(笑)。
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このバイヨン上部で観世音菩薩の巨大顔面に囲まれた時は興奮したねー。
結局、同じようなアングルの写真にしかならないとわかっていても、ソコに巨大菩薩顔面があると、
「うおお、ここにも、うわ、あそこにも」って感じで、つい写真を撮ってしまう。
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いやぁ、例によってロクに予習せずここに来たイ課長だが、バイヨンには興奮かつ感動しちまったぜ。
こんなに重厚かつ圧倒的な造形に出会えるトコだったんだなぁ。下の写真、イ課長と菩薩顔面の距離があるから
こういう比率で見えるけど、顔面の真ん前に立てば当然もっとずっとデカい(菩薩の方が、だぞ)。
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世界の中心・須弥山=バイヨンの通路でイ課長は熱にうかされたように写真を撮り続けた。
そのせいもあってアンコール・ワットでデジカメバッテリー切れという地獄に落ちるわけだ。くそ。
みなさん、アンコール遺跡観光の時はデジカメの予備バッテリーをお忘れなく。

アンコール・トム、次回もう一回続けさせちくり。
何せ素晴らしかったからね、ココは。

 
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by tohoiwanya | 2016-01-27 00:35 | 2014.09 東南アジア旅行 | Comments(4)
2016年 01月 25日

アンコール・トムを見る【その1】

アンコール・ワットで4、プノン・バケンで1、タ・プロムで3。
それぞれの場所に行った時のことを書き散らかした記事の数である。すでに8記事。

これから始まるアンコール・トムも続きものになるだろうから、1日の遺跡観光ツアーで周った
場所の話だけでフタケタの記事ってことだ。毎度遅い展開ですむまそん。

さて昼メシも済んだから(笑)、いよいよアンコール・トム遺跡。
アンコール・ワットほどじゃないけど、有名だから名前は聞いたことある人が多いと思う。イ課長も
名称は知ってたけど、逆に言えば名称以外に関しちゃヒトかけらも知らなかったと言っていい。

最初は遺跡っつう以上、前に見たタ・プロムみたいに石造りの建物がある場所なんだろうと
思ってたんだけど、車を降りて歩いてみると目につくのは広大な草原と密林ばっかりで、
それらの中に石の構築物がところどころ点在してるような感じに思える。
ほら、あっちには何やらイワクありげな廃墟が見えるじゃん。うーむ、廃墟っていいよなぁ。
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いや待て。向こうにもイワクありげな遺跡が見えるぞ。人も座ってる。あれがアンコール・トム?  
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いやいや待て。こっちには異様な巨大岩山があるぞ。こっちの方がスゴそうだぞ。これがアンコール・トム?
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目の前にあるものは象のテラスというところらしい。象のテラスってガイドブックに載ってたな。
うーん、象のテラスも見たいが、さっきの廃墟も近くで見たい。さっきの巨大岩山はもっと見たい。
こんなダダッ広いところに、こんなにいろいろあるなんて・・・。
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このあたりから愚鈍なイ課長もだんだん気づき始めた。どうやらアンコール・トムってところは前に見た
タ・プロムなんかよりずーっとずーーっと広大で、その中に見どころがいくつも存在してるようだ。

参考までに、アンコール・トムとアンコール・ワットの規模の違いを地図でご覧いただこう。
二つの遺跡は近接してるけど、敷地面積という点じゃアンコール・トムの方が圧倒的に広いのだ。
アンコール・ワットを「寺院の遺跡」とするなら、アンコール・トムは「寺院等々を含む都市の遺跡」と
言っていいんだと思う(下はGoogle mapの拡大図)。
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しかしこの時のイ課長はほとんど予習してないから、ナニがドコにあるのかもさっぱりわからない。
ここはガイドさんが頼りだ。彼はアンコール・トムを見学するにあたって、まず地面に図を書いて
全体の大まかな構造を我々に説明してくれた(下の写真はサカサマ側から見てる)。
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四角いアンコール・トムには東西南北それぞれに出入口と門がある。西大門、北大門、南大門と
名称がついてるんだけど東側だけは門が二つあって「勝利の門」と「死者の門」という名称になってる。
前者が凱旋帰還とかのお祝いゴト用、後者が戦死者搬入とかの忌みゴト用に使われたらしい。
祝儀・不祝儀で通る門が違うあたり、何となく深く納得できてしまう。

まずは目の前の象のテラスを詳細に眺めよう。ここは重要な見どころの一つだ
このテラス、自国の軍隊を王様が閲兵するときなんかに使った場所なんだって。今イ課長たちが
立ってるあたりに、当時のクメール王国の兵士たちがズラッと並んでたわけか。
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手前にびよーんと伸びたのが象の鼻を象徴してるってことなんだろうけど、イ課長としては
少し離れたところにある、横から見た象のレリーフの方にさらに感心した。見事なもんだ。
ところどころ小さな穴が開いてるけど、あれってカンボジア内戦の銃弾の痕なんだろうか?
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ガイドさんは象のテラスから歩いて、さっき書いた巨大な岩山の方に我々を引率する。
ふうむ、これに登るの?なんかスゴそう・・・てな感じで、この時のイ課長はあまりにも無知だった。
だがしかし今はこの巨大岩山が何か、十分知っている。
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この岩山こそ、アンコール・トムの中心にある巨大仏教寺院バイヨンであり、このバイヨンこそが
アンコール・トム観光の白眉に他ならないのだよ諸君。

写真もたっぷり撮ってるから次回の更新でご紹介しようではないか。みっっちりと(笑)。

  
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by tohoiwanya | 2016-01-25 00:20 | 2014.09 東南アジア旅行 | Comments(6)
2016年 01月 15日

タ・プロム遺跡を見る その3

初めて行ったカンボジアで最初に参加した遺跡見学ツアー。
その最初の訪問場所だったタ・プロム遺跡は、アンコール遺跡群の中でイ課長が生まれて初めて見た
遺跡だったことになる。事前に多少は予習したとはいえ、見るものすべて物珍しく、驚きに満ちてた。

本日はそんなタ・プロム遺跡を例にとって、アンコール遺跡全体に通じる小テーマについて書こう。
「アンコール遺跡といえばチョメチョメ」という、そのチョメチョメの部分がいろいろあるわけで、
たとえば・・・


【遺跡の崩壊】
アンコール遺跡といえば、その崩壊が常に問題になる。要するにどんどん崩れてるんだよ。
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アンコール・ワットやアンコール・トムはそれでもかなりチャンと残ってる方で、タ・プロムだと
かなりあちこち崩壊してる。傷んでるとかヒビ割れてるっていうレベルじゃなく、完全にガラガラと
建物自体が崩れちまってるところが少なくないのだ。
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いずれご紹介するベンメリア遺跡なんて、もう塀や建物がほとんど崩壊して崩れた石だらけ。
遺跡というより廃墟といった方がいい(それがまた素晴らしくイイんだが)。

崩壊の原因は材質上の劣化、外部要因、人為的なもの等々いろいろあるらしい。
たとえば昼間と夜の温度差のせいで石の強度が弱くなったり剥離したりもするみたいだし、
風雨の影響(特に水がしみ込むのは石にとってマズいらしい)も大きい。そうなると
根本的には防ぎようがないともいえる。
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動物の影響ってのも多いんだよね。コウモリのフンで石が劣化したとか、遺跡にサルが登って飾りを
落っことしたなんて例もある。実際、アンコール・ワットにけっこうサルいたもんね。
(下の写真がアンコール・ワットで見かけたサル氏)
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さらにタ・プロムで顕著なように「植物による破壊」というのも深刻。
ただ、イ課長個人としては前にも買いたようにタ・プロムだけはあの木の根っこのあり得べからざる奇観を
残してもらいたいという気がするのだが・・・。


【デバター】
アンコール遺跡といえばデバター、つまり女神像が必ずあちこちに彫られてる。
アンコール・ワットの時にもちょこっとご紹介したけど、タ・プロムにもデバターはたくさんいた。
どれも服装や装飾、表情やポーズが少しずつ違ってて、見てて飽きない。
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下の写真のデバターなんて保存状態もいいし、表情もいいし、ホントに見事だ。
マニアになると「私はあの遺跡のアソコにある、あのデバターが一番好き」なんてことにもなるようだ。
イ課長としてはこの写真のデバターさんは好みだけど、タ・プロムのどこにあったか全く覚えてない(笑)。
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前にも書いたけど、デバターさんはどなたもボン・キュッ・ボンのグラマーな肢体をお持ちで
たいへん肉感的でいらっしゃる。タ・プロム遺跡のデバターさんたちは片手で胸が隠れてるポーズが
多いようで、その分多少はセクシーさが緩和?されてるけどアンドレ・マルローがかつて盗掘したっていう
バンテアイ・スレイ遺跡のデバターなんて、写真で見るとすげー巨乳のグラマー美人なんだよね。
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バンテアイ・スレイ遺跡の有名なデバターは「東洋のモナリザ」という異名があるくらい美しい。
だがイ課長は写真でしか見たことはない。もしまたカンボジアに行く機会があればぜひ
バンテアイ・スレイに行きたいもんだぜ。


【苔】
アンコール遺跡群を観光する季節はいつ頃がいいのか?

いつ行ったって暑いという点では大した差がないから、気温的にはいつでもいいようなもんだろうけど
雨季か乾季かという点は重要だ。屋外観光だから雨が降らない方がいいのは確かで、そういう点じゃ
乾季の方がお勧めということになるんだろうと思う。
 
たまたまイ課長が行ったのは9月半ばの雨季まっさかり。しかし雨季の遺跡観光もまたイイんだよ。
雨季のメリットとしては湖や池の水位が上がるから、たとえばアンコール・ワット前の池も大きくなる。
「水面に映る逆さアンコール・ワット」を撮るなんて時には嬉しい(ああどうせオレは撮れなかったよクソ)。
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イ課長が雨季に遺跡観光して良かったなぁと強く思ったのは、むしろコケだな。
乾季だと苔もさほど目立たなくなるらしいんだけど、雨季に、鮮やかさを増したコケがびっしりと石に
くっついてると、それだけで廃墟っぽい神秘的ムードが高まって美しい。
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同じことはツアーに参加したほかのメンバーも思ったようで、「コケきれいねー」なんて言いながら
コケに覆われた巨石の写真を撮ったりしてたら、ある女性参加者がフと言った。

なんだか抹茶チョコレートみたいだわ

これは実に卓越したタトエというべきだ。崩壊した遺跡の残骸も緑のコケに覆われたせいで、グッと
ソフトでロマンチックな光景に見えてくる。コケなしだったらこんな雰囲気は生まれないだろう。
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雨季にアンコール遺跡群を観光すれば、そこココで緑鮮やかな抹茶チョコレートを見ることになる。
イ課長としては、アンコール遺跡群観光に適した季節として「乾季は知らない、でも雨季はいいぜ~」と
お勧めしたい気持ちがちょびっとあるんだよね、実は。

 
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by tohoiwanya | 2016-01-15 00:45 | 2014.09 東南アジア旅行 | Comments(4)
2016年 01月 12日

タ・プロム遺跡を見る その2

密林に食われた遺跡、タ・プロム。
密林のガワに立って言えばまったくアッパレな食いっぷりで、至るところで榕樹が遺跡にからみつき、
のしかかり、かぶさってる。

うわあああ。もうここなんて完全に榕樹の根っこがかぶさって、遺跡が見えぬ。
その根っこのわずかな隙間から見学者は出入りするのである。
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うーーーーわああああ。な、何スかこれは。
もうこうなると地球の植物っていうより、エイリアン的な異星植物がこの遺跡で繁殖してンのかと
思っちゃうじゃねぇか。遊星からの物体X状態。
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木がタ・プロム遺跡を食ってるその食いっぷりがあまりにスゴいので「この遺跡を今後どうするか」という
点についちゃ学者の間で論争があるらしい。

一つは遺跡を食ってる木を除去しないとイカンという考え方だ。
このままどんどん木が成長を続ければ、いずれ木の圧力で遺跡は崩れる。そうなる前に木を取り除いて
修復すべきであるというもの。
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もう一つは木をどかさない方がいいという考え方。
ここまでスゴいことになっちゃうと、今や「木が遺跡を支えている」というべきで、この木がなくなったら
遺跡はガラガラと崩壊しちゃうに違いないからこのままにしとこうというもの。
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こんな風に木に食われまくった遺跡を修復した経験なんて誰もないはずだから「過去の経験」に照らして
こうした方がいいと判断できる学者もたぶんいないんだろう。結局どうしたらいいのか誰もわからない(笑)。

イ課長の個人的意見としては「このままの方がいい」と思うんだよねぇ。
今となってはタ・プロムって場所は歴史あるクメール遺跡と、「それを食ってる植物」とが
セットになって見る者をして驚嘆せしむる奇観を現出してるわけで、この異様な榕樹の根が
なくなっちゃったらちょっと淋しいなぁ・・。とにかくこんな光景を自分が目にするなんてことは
空前にして絶後であろうと、見る者全てが感じるような場所だもん。
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遺跡の一部にはこんな具合に鉄パイプで補強した部分もある。崩壊の危険性という点でいえばかなり
アブナい遺跡なんだと思う。うーーむ・・木を残すべきか、取り除くべきか・・個人的には残してほしいが。
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ぐあっ・・これはまた・・もうどう表現すればいいのやら。
前回書いた「巨大タコがしがみついたような」という子供っぽい形容しか浮かんでこないのである。
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この木から横にびろーーーーんと伸びた根がこんな風に遺跡を這って、ひょいと地面に達している。
こういう異様すぎる造形が完成するまでどのくらいかかったんだろう?暑い国で雨も多くて、
植物の成長も早いだろうから、意外に数十年くらいあればこんな状況になっちゃうんだろうか?
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このタ・プロム遺跡、アンジェリーナ・ジョリーが出た「トゥームレイダー」という映画のロケに
使われたんだって。これだけ異様な奇観にあふれた場所なら冒険活劇の舞台にはもってこいだよなぁ。

うわーここもまた、さっきと同じように遺跡の入り口に木の根が覆いかぶさってる。
とにかくタ・プロム遺跡はこんな光景がそこらじゅうにあるんだけど、ここを見てたとき、イ課長は
木の根のスキマを見てハッとした。
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おおおお何と。木の根のスキマから人の顔のレリーフがちらりと見える。デバターかな?
2013年に見たタイのアユタヤ遺跡の、木の根に抱かれた仏様の首を思い出しちゃったぜ。
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とにかくタ・プロム遺跡というのはこういう所なのである。
「歴史的背景なんて知らなくていいから、とにかく見て驚けばよい」とイ課長が書いた理由が
なんとなくわかったでしょ?この遺跡に来てカンボジアの「密林のチカラ」を目の当たりにすれば
ただもう驚くばかりで、どんなに詳細な説明を聞いても耳を素通りしちゃうよ。
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しかしまぁタ・プロム遺跡には木の根っこ以外にも書くべきことはたくさんあるわけで、
次回はそういう部分もご紹介しよう。何しろ写真はたくさんあるからね。はっはっは。

 
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by tohoiwanya | 2016-01-12 00:16 | 2014.09 東南アジア旅行 | Comments(2)