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2017年 03月 06日

カンタベリー大聖堂 その③

さて、ゴシック大聖堂は内部だけじゃなく、外もいろいろ観察すべき点が多い。
カンタベリー大聖堂の外側もしっかり見てくれようじゃないの。

まず大きな特徴はゴシック教会建築につきもののフライングバットレスがないってことだ。
ええ?ないの?あれはゴシック建築をゴシック建築たらしめる決定的重要要素なんじゃ・・?
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しかし実際ないんだよ。その後調べたところではこういうことらしい。

木と違って石材は梁として水平にわたすことが出来ない(仮にすご~く細長い石材を使っても
自重で真ん中で折れやすい)。だから天井をアーチ型に組む。しかしアーチ型って
「左右に広がろうとする力」があるから、それを外側から支える必要がある。

そういう壁を外から、しかも高い位置で支えるためにフライングバットレスという
画期的&曲芸的な建築アイディアが生まれ、天井の高いゴシック大聖堂の建築を可能にした
・・と、そういうことだった(はずだ)。

「その①」でも書いたようにカンタベリーは天井に凝り、それをよく見せたい目的もあって
天井高はホドホドでとどめた。だから壁を支えるのも高めの控え壁で何とかなるらしい。
フライングバットレス(飛び梁)なんてアクロバティックな技法を使わなくても良かったんだと。
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なーるほど。つまり「華麗な天井装飾を見てもらいたい」⇒「それゆえに天井高はほどほどに抑える」
⇒「それゆえにフライングバットレスなしでもOK」ってことか。デコラティブな天井があることと
フライングバットレスがないことはちゃんと関係してるわけだ。勉強になるのぅ。

もう一つゴシック聖堂につきものといえばガーゴイル様。
これはちゃんとカンタベリーにもあった。そう多くはなかったけどね。
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こちらにも、猛烈にすり減ったガーゴイル様が。これなんておそらくこの大聖堂が出来た
当初からまったく取り替えられずに残ってるんじゃないかと想像される。すごい磨滅ぶり。
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お?こんな低い位置にもガー・・・・ゴイル・・・じゃないよな、これは。
単に柱を頭で支える人面の飾りということらしい。
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しかしこれまたひどい役目だこと。
むかーし書いた女人柱もかなりひどいが、これは首の力だけで柱を支えてるんだからその苦痛は
察するに余りある。首が痛い。背筋疲れる。こういう彫像のモデルにはなりたくない(笑)。
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外側の少し高いところにはもう少し格調高く作られた聖人の像がずらり。
まぁこういうのはどこの教会でもよくあるよね。
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中に混じって、まだ真新しい白い石で作られた聖人がいらっしゃった。当然目立つ。
あれぇーーーーッ?!ここここれってもしかして・・・。
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間違いない。これは現女王エリザベスと夫君のエジンバラ公フィリップ殿下だ。
こりゃたまげた。エリザベス女王って聖人だったのかよ(笑)。よくバチカンがそんな
こと許可・・・なんて得なくてもいいんだ。いまカンタベリー大聖堂は英国国教会が所轄
するわけだから、国教会の長たる女王陛下を聖人に並べるくらいは朝飯前か。
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こちらがエジンバラ公フィリップ殿下。こっちの方が実物に似てるかな。
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このフィリップ殿下、若い頃は異常なほどの二枚目だったことで有名。
若きエリザベスがその異常なイケメンぶりにポーッとなって結婚に至ったのは間違いない(笑)。
しかし仲睦まじいままお二人ともご長寿であらせられるのはめでたいことだ。
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いやー最後の「聖エリザベス&聖フィリップ」にはちょっと驚いたぜ。
存命の女王夫妻もしっかり聖人の列に並ぶカンタベリー大聖堂というわけでした。

というわけで、「イ課長、初めて英国ゴシック大聖堂を見る」の一席、
これにて書き納めといたします。お長くなりました。

 
 

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by tohoiwanya | 2017-03-06 00:05 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(2)
2017年 03月 03日

カンタベリー大聖堂 その②

さてだ。
前回は天井特集になっちまったが、別に天井だけがカンタベリー大聖堂の見どころじゃない。
他のところもちゃんとご紹介せんとな(・・と言いつつ、また天井の写真)。
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ここを舞台にした史実ではなんといっても「カンタベリー大司教トマス・ベケット殺害」が有名。
王様であるヘンリー2世と、大司教であるトマス・ベケットが激しく対立し、王の部下たちが
この大聖堂でトマス・ベケットをブッ殺してしまった。いわば王権による聖職者殺害テロ。
それも大聖堂の中でっていうんだから、こりゃもう英国史に残る大事件ですよ。

ここがそのトマス・ベケット殺害現場。
壁に飾られた剣の切っ先が集まったところでグサッとやられたってことなんだろうな。
何となく薄暗くてソレらしい演出になってる。こういう血なまぐさい歴史もここにはあるのだ。
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このトマス・ベケット殺害に怒ったローマ法王はわざとベケットを列聖。ベケットは聖トマスになった。
カンタベリー大聖堂は聖トマスのありがたい聖地として巡礼者が押しかけるようになるわけだが
そうなると殺害させたガワであるヘンリー2世は身の置き所がない。要するにベケットの列聖は
ローマ法王による巧妙ないやがらせだったんだな。で、ヘンリー2世は後にトマス・ベケットの墓に
ひざまづき許しを乞うハメになった・・らしい。ホントかどうかわからんが。

非業の死を遂げたトマス・ベケット、ゴースト好きのイギリス人となれば、この大聖堂にはトマス・ベケットの
ゴーストが出るという言い伝えもあるかもしれない、つうか、絶対あるに違いないはずだが、そこまでは
事前調査しなかった。出発前は切符トラブル処理でゴーストどころじゃなかったの(笑)。

カンタベリー大聖堂はステンドグラスもなかなか見事だった。
やはり建物同様、作られた時期はけっこう違いがあるようで、絵の感じを見るとその差が歴然。

たとえば下の写真なんかは最も古い時期に作られたものではないかと推定される。
人間の顔の描き方なんかが素朴でいかにも古そうだ。
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こっちは参事会会議室にあったステンドグラス。
これになると人物描写にもやや「モデルの個性」みたいなものが描写されてる感じがするよね。
上よりも新しいものではないかと推定される。
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こんなのもある。作成時期としては最も新しそうなステンドグラス。
色もたいへん鮮やかでハデだけど、とにかく注目すべきは人物の顔、特に目なんかの描き方だ。
右側の女性の表情がやけに漫画チックというか、アニメ画風。
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これもアニメ調ステンドグラス。カンタベリー大聖堂のステンドグラスがこんな
アニメ調キャラで埋まっていたとはなぁ。
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アップで見てみようか?ほら。上を見上げている女性の顔とか目の描き方がまるっきり
ディズニーアニメやん。「美女と野獣」かよって感じで、これには驚いた。
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大聖堂の内陣にはこんな感じの彫像もある。
これはおそらく「お墓」だと思われる。仏教では「お寺のお堂の中に死者の墓をつくる」って
ことはしないけど、キリスト教、特にカトリック聖堂にはけっこうある。
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イ課長推測では、後ろでお祈りしてるのが亡くなったご本人、前のお坊さんはその当時の
カンタベリー大司教をモデルにしてるんじゃないかと思うけど、違うかな?

ここにもお墓。大陸ヨーロッパもそうだけど、カトリック大聖堂はある意味死に満ちている。
横たわっているのは間違いなく亡くなったご本人だろう。
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てな具合に内部をいろいろ見て、さて、ヨーロッパの教会を見学した時のお約束行為。
ロウソク寄付をいたしましょうかね。たまる一方で財布を重くしていた少額コインたちを
こういう時に使ってしまおう。一番左寄りがイ課長ロウソクなのである。おなじみの光景だのう。
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カンタベリー大聖堂はこれで終わりだろうって?なんのなんの。
大聖堂外部についても書くべきことはあるのだ。フランスの時もそうだったけど、ゴシック大聖堂に
関しちゃ、イ課長は遠慮なしに書くのである(普段だって別に遠慮してないが)。
 

 

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by tohoiwanya | 2017-03-03 00:13 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(2)
2017年 03月 01日

カンタベリー大聖堂 その①

何しろ「その①」だからね。続き物になることは約束されている。覚悟してお読みいただきたい(笑)。

久しぶりに入る欧州ゴシック大聖堂。うーんワクワクするぜ。
こういう大聖堂って入口は西向きで、上から見た場合十字架の根元の方から入る形になる。もっとも
カンタベリー大聖堂の場合、増築を繰り返したせいか、上から見てもキチンとした十字架型には
なってない。下の平面図でいうと右端が入り口ね。
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巨大聖堂に入ったら、誰もが最初にやるのは「うわー・・・」とのけぞって天井を見上げることだ。
もちろんイ課長たちもまず上を見上げて、背中と首をそらせるエクササイズ(笑)。
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うーーむ・・・この天井が英国ゴシック大聖堂の非常に大きな特徴の一つなのだ。
とにかく装飾的なんだよ。一つの柱から9本ものアーチが分岐して天井で複雑にからまりあい、
さらに細かい模様がくっついてる。
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下の写真は2009年に行ったフランスのアミアン大聖堂の天井。横断アーチと交差アーチを
交互に組み合わせたリブ・ヴォールト。デコラティブなカンタベリー大聖堂の天井に比べると
シンプルで、その分力強い感じがする。
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実はカンタベリー大聖堂のこの天井なんてマシな方で、英国にはもっともっと装飾過剰な
扇形ヴォールトの大聖堂がワンサカある。明らかに英国独特、ミョーな方向に異常発達を遂げた
建築技法といえるだろう(下はハリー・ポッターの映画ロケにも使われたグロスター大聖堂
回廊の天井。写真はWikipediaから拝借)。
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この「異様にデコラティブな天井」は英国ゴシックにもう一つの特徴を与えている。
それは天井高がフランスのものほど高くないってこと。フランスで見たアミアンランスなんかは
あからさまに身廊の天井高を競い合ってたけど、英国は「せっかくキレイに天井を飾ったんだから、
高すぎて見えないんじゃもったいない」ってんで、天井高もやや抑え気味なんだと。
こういう建築思想の違いって興味深くて面白いねぇ。
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ううむ、天井の話だけで長くなってしまった。先に進もう。
カンタベリー大聖堂、とにかくバカでかいから、身廊と交差廊との“交差点”に行くまで
けっこう歩く。とりあえずその“交差点”まで行ってみよう。いわば大聖堂のヘソ。

そこまで来て再び背中と首のエクササイズ(笑)。うっひゃーーー!こりゃすげぇ。
まさに扇形ヴォールトがひしめきあう華麗すぎる装飾。
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すごいねこりゃ・・。ちょうどここが大聖堂の真ん中にあたる部分で、この華麗な装飾天井の上に
一番高い塔がそびえたってるんだと。いやぁ英国ゴシック、すごいっすね。
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交差廊を越えると十字架のアタマの部分にあたる内陣。これがまた長いんだ。
興味深いのは、こっちの天井はさっき見た外陣よりシンプルで、フランス・ゴシック風の
横断リブ+交差リブ型に近い。なんで?
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思うに、建築年代の差によるんじゃないか?今いる交差廊よりコッチ側が先に建てられて、
後からアッチ側が建てられたと。大体こういうのは後に作られた方がより装飾に凝るはず。
そうじゃないかと思うんだがなぁ。
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いやー久しぶりのゴシック大聖堂。この時は正直言ってイ課長は軽く興奮してたよ。
このカンタベリー大聖堂、中庭に面した外の回廊の天井がまたスゴいんだよ。ほら。
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一本の柱から何本のリブが枝分かれしてるか数える気にもなれない(笑)。
この回廊みたいに、天井が低くてよく見える所ほど凝りに凝った装飾をほどこすというところが
英国ゴシックらしいと言うべきだろう。
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聖堂とくっついてる参事会会議場の天井がまたすさまじい。ほら。
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同じドーム型天井でもこれまで見たリブ・ヴォールトとは違う構造、しかしスゴい装飾は共通。
それにしてもこうやって室内で高い天井をズームで撮っても全く手ブレしないカシオのデジカメの
手ブレ補正機能にも感心しましたですよ。
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あああ・・・結局本日の記事は「天井特集」になっちまった(笑)。
まぁいいのだ。カンタベリー大聖堂の写真はまだいっぱいあるし、書くべきことも残ってる。
フランスの時は「ひとつの大聖堂で3記事」くらい書いてたけど、今回もそのくらいの勢いで
次回に続くのである。


 

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by tohoiwanya | 2017-03-01 00:14 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(2)
2017年 02月 27日

カンタベリーに行ってみよう

だんだん英国ネタの出現頻度が高まってきた。タイのネタがあと少し残ってるけど、
それが終わればあとは全部英国ネタになるから、そろそろ英国の長編ネタに取りかかろう。
というわけで、カンタベリーの話なのである。

カンタベリー。地名だけはご存知の方が多いはずだ。まず有名な大聖堂がある。
英国国教会で一番格の高い、いわば総本山で、そこの一番エラい人がカンタベリー大司教。
有名な中世文学「カンタベリー物語」なんていうのもあった。

・・と、イ課長がカンタベリーについて知ってることといえばこの程度(笑)。とにかく中世から
大聖堂を中心に栄えたいわば門前町で、今も中世の面影を残す町らしい。一応「マイルドな
ゴシック建築オタク」のイ課長だから、何はともあれカンタベリー大聖堂は見たかった。
カンタベリー訪問はトホ妻も異論なしだったから二人で行ったのである。

元々ゴシック教会建築って、極めて特化した目的のために発達した一種の“異常建築”だけど
写真なんかで見ると英国ゴシックってその“異常度”がフランスなんかより一段と高そうなんだよね。
中世の香り残す町・カンタベリーで英国随一と言われる大聖堂を拝ませてもらおうじゃないの。

というわけで、イ課長&トホ妻はビクトリア駅から8:34発のカンタベリー行き列車に乗った。
カンタベリー西駅着予定は10:19だから、ロンドンから1時間45分の英国・鉄道の旅。
切符予約ではホトホト苦労したけど乗ってる分には快適(笑)。
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で、着きました西駅。カンタベリーには東駅と西駅とがあって、どっちも町の中心から少し離れてる。
ロンドンからカンタベリーに行く列車は東西どっちの駅に行くのも同じくらい本数があり、
ロンドンに戻る列車もやはり同じくらい本数がある。要するにどっちでもいいのだ。
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西駅を出てしばらく歩くと、おおおっ、早くも中世ムードたっぷりの門が旅行者を迎えてくれる。
門の中は現在は道路になってるけど、この狭さだから1車線分しか幅がなくて、反対車線は門を
ウネッと迂回してる。昔は人間と、せいぜい馬車くらいしか通らなかった門だろうからねぇ。
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町の中心、すなわち大聖堂がある方向に歩くにつれ、人通りも増えて賑やかになる。
観光客だらけというわけではなく、地元の人たちもくり出すショッピング街って感じだ。
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うおーーいい感じの風景。
フランスのノルマンディー地方なんかと同じく、英国南部にもこういう木組みの家が多いんだね。
窓からシェイクスピアがひょいと顔をのぞかせてもおかしくない中世ムード。
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これは1575年からある家みたいで(小さくて読みづらいが)エリザベスさんのGUEST CHAMBERSって
書いてあるから、当時はおそらく巡礼者用の旅籠だったに違いない。こういう旅籠に同宿した巡礼者が
お互いに持ち寄った話を集めたものって設定で「カンタベリー物語」は書かれてる(読んでないが)。
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おっとー見えてきました。路地の向こうに見えるツンツン尖り建造物。
あれこそ名高きカンタベリー大聖堂に違いない。ホントに町の中心にあるんだね。
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うーーーむ・・・何ともご立派かつ壮大なお姿。
ここに来るまでは古い木組みの家が並ぶ狭い道で、いかにも中世風の面影があったけど、
この大聖堂の周りはかなり広い敷地が整備されているようだ。
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さて、それではいよいよカンタベリー大聖堂の中に入ってみましょうかね。
ここんとこ東南アジア旅行が続いたから、久しぶりの欧州ゴシック大聖堂見学だ。
というわけで、当然のごとく次回につづくのである。

 
 

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by tohoiwanya | 2017-02-27 00:02 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(4)
2014年 01月 05日

生神女就寝大聖堂の少女漫画風壁画

さて、ヘルシンキネタ消化に戻ろう。
それにしても今日の標題は漢字が多いなぁ~(笑)。

生神女就寝大聖堂。読み方もよくわからなかったんだけど、さっきWikipediaで確認した。
「しょうしんじょしゅうしんだいせいどう」と読むらしい。

生きた女神が就寝している大聖堂・・・?なんだソレ?と思う人もいるはずで、イ課長もそう思った。
想像したのはタイやビルマの「寝釈迦」みたいに、女神様がゴロリと寝てる巨大像があって、
それが信仰を集めている大聖堂なのだろうということだ。他にどんな解釈が可能だというのだ?

ヘルシンキについては事前の研究もズサンだったんだけど、とりあえずガイドブックだけは持ってった。
その中にこの生神女就寝大聖堂というのがあったんだよ。
例の4ブラザースに挨拶し終わったイ課長、さてどこに行こうかと考えて、ここのことを思い出した。
寝釈迦ならぬ、寝女神の像があるのかなぁ?と思って、トラムに乗って行ってみることにしたのである。
中央駅からの距離はそんなに遠くない。

これが外観。なかなか立派な建物だ。
「寝女神さま」はこの建物の中にあるんだろうから、さっそく中に入ってみようじゃねぇか。
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これが内部。これまたなかなか立派だ。
しかし、「寝女神さま」はいないみたいだねぇ・・・。
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結論から言うと、この聖堂で寝ている女神様はいなかった。
「眠れるヴィーナス」みたいなセクシーな巨大女性大理石像でも見られるかと期待してたんだが(笑)。

ちょっと調べたところでは、ここってロシア正教会とかギリシャ正教とか、とにかく「正教系」の聖堂らしい。
カトリックやプロテスタントとはちょっと流派が違うようで、ここでいう「生神女」はマリア様、「就寝」は「永眠」を
表すらしいんだよね。カトリックなら「聖母被昇天大聖堂」っていう訳語になるらしいんだけど、「正教系」だと
それがどうして「生女神就寝大聖堂」になるのかはわからない(もっと調べろってば)。

この聖堂で「ありがたい」とされているのは、むしろこの祭壇のようで、確かに豪華絢爛なものだった。
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ただ、イ課長がこの大聖堂で一番面白かったのは壁画に出てくる聖人たちのお姿だ。
やけに目がパチッと大きくて、早い話、少女マンガ的なジイさんたちにみえてしょうがない。
たとえば、ほら、これとか。
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これも。やたら「美ジジイ」な聖人だよね(笑)。
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これなんかもそう。同じ画家が描いているのは明らかで、ヒゲや頭髪の形、服装以外はどれも同じ顔じゃん。
要するにこの画家は人間を描くときは、基本的にこういう顔にしか描けないという“画風”のようだ。
「宗教壁画界のキャプテン翼」というべきか。
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これも同じ画家の、同じ画風による聖人。横顔にもかかわらず、目だけは正面から見たような感じで描かれてる。
「横顔でも目は正面」って、古代エジプト壁画なんかと同じ画法だ。すげぇ。
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巨大な「横たわる女神」はいなかった生神女就寝大聖堂。
そこで一番印象に残ったものは、結局この少女漫画風聖人さんたちの壁画だったのである(笑)。

聖堂を出ると、駐車場の観光バスの向こうに船が見える。港が近いんだよな。
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ちなみにこの観光バス、「イ」の字が抜けてるけど、「バイザイ号」という名称らしい。
日本人ツアー客専用のバスなのであろうか?さすが東アジアからの観光客誘致に注力するフィンランド。
日本語の名前がついたバスなんてポーランドじゃ想像もできんかったが、ヘルシンキにはあるんだ。
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さて、少女漫画風壁画も撮ったし、バンザイ号も撮ったし(いいのか、そんなんで?)、天気はいいし、
ぶらぶらと港の方に歩いて行ってみようかね。

イ課長のお気楽なヘルシンキ観光はまだまだ続くのである。
 
 

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by tohoiwanya | 2014-01-05 22:22 | 2012.06 東欧・北欧旅行 | Comments(8)
2013年 09月 24日

クラクフ・聖マリア教会

どうも体調イマイチだなぁと思ってたら、ジンマシンが出てきたイ課長です。なんてこったい。
こんなひどいジンマシンは中学生の時以来で、明日になっても治らなきゃ皮膚科行くしかない。

やれやれだね・・。

さて、だいぶ間があいちゃったけど、雨のクラクフに戻るとするか。
ポーランドネタはまだまだいっぱい残ってるのだ。

プワショフ強制収容所跡地から、市電に乗ってクラクフ旧市街に戻ってきたときのイ課長は
一言でいえば「ぼろぼろ」だった。ジンマシンは出なかったけどね(笑)。靴も靴下もビッショリ濡れ、
皮がむけた足は痛み、疲れて、空腹で、寒かった。

「とにかくいったんホテル戻って、靴と靴下を脱いで、足を乾かしたい・・」
「で、少し寝て休息しようぜ・・」」

と、まぁ、そんなことばっかり考えてたわけよよ。
翌日の午前中にはクラクフからワルシャワに戻る。結局クラクフ滞在中はダークなものしか
見ないで終わっちまいそうだ。でも、もうイ課長もトシだし、疲れたし、しょうがないじゃん・・・
こういう時、思考はすべて後ろ向きなってしまうのである(笑)。
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しかしプワショフからの市電はホテル近くまでまっすぐは行ってくれない。
乗り換える必要があるんだけど、路線番号が複雑でよくわかんないから、旧市街近くの
停留所で降りて、あとは歩くことにした。どうせ歩き疲れてるんだし、さらに歩く距離が
多少増えても同じようなもんだ。

お?これって街で一番デカい教会かな?
ダークスポットばかり歩いてたから、こういう健全な観光施設のことは何も知らなかったんだよね。
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まぁコトのついでだ。この教会でも見学してみっか。
「ダーク疲れ」した心身を癒すには、教会でもボンヤリ見学するのがいいと思ったんだよ。

切符を買った。3ズロチくらいだったかな?
ところが、入口のところで別の係員が「写真を撮るなら5ズロチ」って言ってきた。
いいよ、写真なんて撮らない。とにかく休みたいだけだから。「No」と言って内部に入る。

うっわーーーーーー。
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こ、こりゃすごい。内部はまたエラく美しいではないか。これは写真に撮って残しておかねば。
スゴスゴとさっきの係員のところに戻って、5ズロチ払いましたよ。カッコわりー。

せっかく5ズロチ(当時のレートで約130円ってところか)払ったんだから、はりきって写真を撮った。
高い天井、ステンドグラス、尖頭アーチ・・・様式としてはゴシック聖堂と言っていいんだろう。
しかし、とにかくこの青と金を基調にした装飾がユニークで、他では見たことないなぁ。
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正面祭壇のあたりはステンドグラスの金の装飾で絢爛豪華だ。
といってもバロック教会ほどの過剰装飾じゃないところがイ課長の好みに合う。
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こういう壁面のこまかい装飾も美しいねぇ。
フランスあたりのゴシック教会とはちょっと違って、むしろ2011年に見たブダペストの
マーチャーシュ教会なんかを思い出させる。東欧テイストと言うべきなんだろうか?
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しかし何と言っても素晴らしいのはやはり天井の青と金の装飾だと思うよ。
暗くなってからロウソクのぼんやりした光でこの天井を眺めたら、星空みたいに見えるんじゃないだろうか。
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この教会にはもう一つの名物があって、それはラッパの音なんだよ。
昔、フン族がポーランドに侵入した際、一人のラッパ兵が教会の塔の上からラッパを吹いて急を知らせた。
しかし敵の矢があたって、このラッパ兵は吹いてる最中に死んでしまった・・といわれている。

その故事にちなみ、この教会では今でも毎時00分になると尖塔の上からラッパが吹き鳴らされる。
吹奏中に死んだラッパ兵を偲んで、その演奏は途中でプツッと途切れる。
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雨に濡れるクラクフ、聖マリア教会。
その物寂しいラッパの音を聞き、イ課長は痛む足をひきずりながら再びホテルを目指した。
とにかくさ、靴脱いで、足乾かして、一休みしないと・・依然として思考は後ろ向きだったのである。

 

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by tohoiwanya | 2013-09-24 00:32 | 2012.06 東欧・北欧旅行 | Comments(6)
2013年 04月 26日

アントワープ決めゼリフ

なんと二日連続更新ときた。素晴らしいではないか。
続きものだとね、続編プレッシャーかけてくるヤカラもいてね、なかなか大変なのヨ(笑)。

さて、とにかく前回の続きだ。アントワープに来て「絶対にすべきこと」をする。するったらする。
アントワープを訪れた日本人なら必ず成し遂げなければならない、神聖なるミッション。
「あの教会」の「あの絵」の前で、「あのセリフ」を言わねば(・・・あ、もうバレバレ(笑))。

まず「あの教会」。それはアントワープにあるノートルダム大聖堂(聖母大聖堂)に他ならない。
市の中心部にあって、高い塔があるから、これは初めての旅行者でも見つけやすい。
ブラボー像のある市庁舎前広場からだとすぐ近くだよ。
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次に「あの絵」。「あの絵」とは、ノートルダム大聖堂が所蔵する、ルーベンス作「十字架降架」だ。
さっそく大聖堂の中に入って探す。どこだ?おそらく祭壇に近い奥の方だと思うんだが・・・

ぎく!おお、あれは「十字架昇架」だ。
この大聖堂にはルーベンスの「十字架昇架」と「十字架降架」がセットで置かれているのである。
ドキッとするじゃねぇか。
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うーむ、しかしこの「十字架昇架」もなかなか見事な絵だよなぁ。
ルーブルじゃ相当ひどいこと言ったけど、この「昇架」「降架」の2枚セットはルーベンスらしい
ドラマティックな構図がうまくハマッてて、彼の作品の中では傑作の部類だと思うんだよ。
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だがとりあえず、いまは「昇架」じゃなく、「降架」の方を探さねば。どこだ?
見学者の少ない大聖堂の中をうろうろ歩きまわるイ課長。

うおおおおお。あったありました十字架降架。ついにこの目で見られたか。
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よし。では「あのセリフ」を言う態勢を整えよう。
絵を前にして・・・この辺りに座って・・・位置的にこんなもんかな。少し見上げる感じで・・
それではみなさん、「イ課長」のところをご自分の名前にして、一緒に「あの決めゼリフ」をご唱和ください。









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今さらご説明するまでもないが、「フランダースの犬」のラスト、ネロ少年が息をひきとるのは
ここ、ノートルダム大聖堂に飾られた、ルーベンスの「十字架降架」の絵の前なのである。
ひとえに「フランダースの犬」のせいで、ここに来る日本人観光客はものすごく多い。

え?そんなバカなことするのはイ課長くらいだって?ふふふ、そんなこと言っちゃっていいのかな?
少なくとも、このノートルダム大聖堂に来る観光客の中で日本人比率が異常に高いことをイ課長は
容易に証明できるのだ。ほら、この主要国語別パンフレットの量を見てみ?
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地元のオランダ語版ですら3列だよ?フランス語版なんてたった2列しかない。ところがドウよ、
日本語版だけ4列も置かれてる!これにはイ課長もブッたまげた。日本人、よ~っぽど多いとみえる。

「フランダースの犬」の原作は地元じゃほとんど知られてないらしいけど、日本では局所的に人気が高い。
特に「カルピスまんが劇場」で放映されたアニメ版が、その悲しいエンディングによって当時の少年少女に
深刻な悲劇体験の記憶を植えつけたのは有名な話だ。
ちなみに、上のセリフ。アニメ版最終回のセリフとしてあまりにも有名だけど、正確には
「もう疲れたよ」っていうのとはちょっと違うらしい。ま、どうでもいい話だが(笑)。

あの最終回に涙した当時の小学生くらいの少年少女が、今や40・50のオジサン・オバサンになり、
遠い日本から続々とこのアントワープの大聖堂に押し寄せ、この絵の前で、あのアニメを思い出して、
目をウルウルさせてるのは間違いないんだよ。あのパンフレットの量が雄弁にそれを物語っておる。

アニメ放映当時、イ課長はもう中学か高校生くらいだったはずで、カルピスまんが劇場を見るトシではなかった。
そのイ課長でもアントワープに行ったら、ぜひルーベンスの絵の前で「パトラッシュ・・・」と言わなくちゃ、って気に
なるくらいだから、日本のアニメ史上最も有名なセリフの一つといってもいいんだろうな。

しかし、ここに来てアニメの話ばかりするのもまた日本人だけに違いない(笑)。
一応、絵のことにも触れよう。さっきも言ったように、この絵はルーベンスの作品では傑作の部類だと思う。
祭壇をはさんで左側に「昇架」、右側に「降架」が置かれてるんだけど、昇架では光の当たったキリストの体が
右下→左上に、降架では右上→左下というナナメ構図に置かれてて、祭壇をはさむと「逆ハの字」を構成する。
さすが巨匠ルーベンス。この辺の視覚効果をしっかり計算しているのだ。
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もし、この絵が修復中か何かで、「ネロとパトラッシュごっこ」が出来なければ大変な失望を味わっただろうが、
ちゃんと見られてよかったよかった。お礼がわりに、毎度おなじみ、寄付ロウソクをともすことにしよう。
(一番奥の、高くなってる列の右端がイ課長ロウソク)。
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「アントワープで絶対にすべき」ミッションは無事終了した。
いやぁ〜、心が洗われたようにすがすがしい気分だ(笑)。
さて、まだ時間はあるし、もうちょっとアントワープという街をのんびり探検してみっか。
(アントワープネタ、まだ続くようだ)

 

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by tohoiwanya | 2013-04-26 00:08 | 2012.03 欧州出張 | Comments(12)
2013年 04月 21日

ドゥオモの屋根にのぼってみよう

さて、ドゥオモ様の屋根だ。登ってくれようじゃねぇか。

まぁね、イ課長だってバカではない(バカだけど)。自分に高所恐怖症のケがあることはよーく知ってるし、
それがどういう条件で発症しやすいかも経験上わかっている。一番コワいのは、手すりが低くて通路も狭い
塔の上とかなんだよね。身を乗り出しただけで落ちそうな恐怖がある。イ課長は背が大きいから
他の人より手すりが相対的に低くなるわけで、よけい落ちそうな気がしてコワい。

しかしドゥオモの場合、登る先は塔じゃない。屋根だ。屋根っつうからには、かなり広いんだろ?
広々した屋根の上なら、キワじゃなく真ん中辺を歩いてりゃ大丈夫じゃん・・・・・と思ってたわけヨ。

ドゥオモ様、内部の見学は無料だが、屋根に登るにはカネをとられる。
いま調べたらエレベーターが10ユーロ、階段が5ユーロっていう記事を見た。イ課長の時もそのくらいだったはず。
もちろん、イ課長は階段を選ぶ。エレベーター代に1000円も払えっかい!今のレートなら1300円だぜ?
「バカ」「高所恐怖症」等々、様々な欠陥を持つイ課長だが、幸い足腰は丈夫なのだ。階段に決まってんだろ。
階段用チケットを買い、テクテクと上り始めた。
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このブログに書いただけでも、プラハの聖ヴィータ大聖堂の塔や、パリ郊外シャルトル大聖堂の塔、もっと昔は
コルドバのメスキータの塔とか、あちこちの塔をこの2本足だけで征服してきたお兄ぃさんだ。
屋根なら、塔より低いことになるわけだし、どれほどのことがあろうか。

はい着きましたー。ドゥオモ様の屋根でーーす。ふっ、楽勝だね。
いやしかしスゴいね。ツンツンと尖ったピナクルが林立するこの光景こそ、ミラノ大聖堂ならではだ。
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ご覧になるとわかるように、全てのピナクルのテッペンには聖人が立っている。
あんな高い、しかもあんな細い柱の上にジッと立つなんてことはイ課長には到底不可能だが、
イタリアの聖人たるもの、高所恐怖なんて感じないとみえる(笑)。
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イ課長としては、ピナクルももちろんだけど、この華麗な装飾を施されたフライング・バットレスが
どこまでも続いているあたりにちょいと興奮する。うーむ、真横から見るとこんな風なのか。
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屋根の上にはこんな感じで“歩行者用通路”みたいなものが作られている。
この聖堂を建築した時、当時の石工たちもここを通ったのかと思うと、感慨深いものがあるねぇ。
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なかなか気分爽快だ。高所恐怖症も感じないし、たっぷりミラノの眺望を楽しもうではないか。
あの辺の高層ビルがあるあたりが、ミラノの新市街なのかな?
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通路をずっと歩いて行くと、本当に教会の屋根の上に出る。予想通り、けっこう広い。
ふーむ、さっき下から見上げたあの高いアーチ型の天井が、今や足の下にあるわけか・・・・・
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・・・・このあたりから急激にイ課長は怖くなりだした(笑)。高所恐怖症が発症したのだ。
なぜここで急になったかって?だってさ、この石造りの屋根、揺れるんだよ。

あ、キミはいま笑ったね?人が歩いたくらいで天井が揺れるわけがない、そんなのは
高所恐怖にとりつかれたイ課長の幻想だと思ったね?違うんだって!ホントに(たぶん)揺れるの!!

すごく高い建築物の上にいて、それが揺れるという恐怖。
ちょっとブダペストのくさり橋の時のような感じになってきたぞ。

あ・・・ダメ。もうダメ、怖い。たちまちイ課長の手の平は恐怖による発汗作用でジトーッと湿り気を帯びる。
なんでみんな平気なのだ?屋根が(たぶん)揺れてんだぜ?昨日までは大丈夫だったかもしれないけど、
今日がまさにミラノ大聖堂の屋根が崩落して、観光客が何十人も死ぬ、その日かもしれないのだぞ?

一応、必死にヤセ我慢して大聖堂前の広場の写真を撮る。
しかしもうダメ。すでにイ課長の恐怖心は「早く地上に降りろ」と命じている。も、も、戻ろうか・・・。
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帰り際に、なおも頑張って写真を撮る。
とにかく、フライング・バットレスの華麗な装飾と、林立する尖塔がもたらす視覚上の効果は大したもんだ。
大したもんだけど、と、とにかく降りよう、もう降りよう、早く降りよう。
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長い階段を降りる足の疲れなんて、まったく感じない。つうか、コッチはそれどころじゃないの。
とにかく、いつ崩れるかわからない、この揺れる屋根から早く地上に降りたいという、その一心。
みなさん、高所恐怖症を抱える者の切実な恐怖というものが少しはおわかりになりましたか?(笑)

ようやく地上に降りてきた。はぁはぁはぁ。
いやいや。ドゥオモの屋根の上、非常に良かったです。ミラノの眺望も、屋根から見るゴシック建築の意匠も
十分堪能させていただきました。でも、イ課長はもうあんな揺れる屋根に登りたくはありません。
ホントに揺れてたんだってば!ウソじゃないの!誰かイ課長を信じろ!


  
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by tohoiwanya | 2013-04-21 00:10 | 2012.03 欧州出張 | Comments(8)
2013年 04月 19日

ミラノのドゥオモに入ってみよう

2012年3月出張については、最後に行ったミラノネタが先行してしまっているけど、
前回からの成り行き上、本日もまたミラノの話になる。

床屋の近くの駅からトラムに乗ることにした、と、そこまで書いた。
イタリアばあちゃんたちに混じってしばらく待ってたら、向こうからミカン色のトラムがやってきた。
切符はすでに一日乗車券を持っているから、この辺は気楽なのである。
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ミラノのトラムの中ってこんな感じ。他の街のトラムに比べると細い・・・つまり車幅が狭いような
気がするけど、同じようなもんかな?
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ミラノ市内ってトラムの路線が多くて、路線図を見ただけじゃガイジンにはさっぱりわかんないけど、
とにかく極めて多くの路線が街の中心部、すなわちドゥオモを終点にするか、通過するかしてる。
いま乗ってるこの路線もドゥオモの近くを通る。だから、初めてミラノの市電に乗ったイ課長も
「ドゥオモが見えたら降りりゃいいよな」って感じで、この辺も意外と気楽だったのだ。
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教会は見えなかったけど、ミラノ中心街とおぼしきあたりの停留所で、みんながドッと降りたから
イ課長も一緒に降りてみた。もうドゥオモ近くであることは間違いない。

ちょいと歩いたらすぐにどーーーんとミラノ大聖堂・ドゥオモ様登場。
写真では何度も見たことがあるが、実物を見るのはもちろん初めてだ。
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イタリアのゴシック教会建築としては最も有名なドゥオモ様
でも、外見的にはゴシック教会の典型的ないし正統なスタイルとはちょっと違ってて、
むしろ“ゴシック派生型”ないし“発展型”と言っていいんじゃないかと個人的には思う。

とにかくミラノのドゥオモの最大の特徴は、三角ケーキの断面みたいな、白い正面ファサードと、
尖ったピナクル(尖塔)の林だ。まるで鉛筆立てみたいに林立してる。
パリのノートルダム大聖堂みたいに、西側入口に高い2本の塔があるのが「正統ゴシック」だと考えれば、ずいぶん
変わった形だと思うでしょ?これに似た教会っていうのも他に思い浮かばない。非常に特徴的だ。

どれ、さっそく中に入ってみようではないか。ドゥオモ様って、中を見学するのは無料(だったと思う)。

あっらーーー、これは意外。
西側ファサードが「正統ゴシック教会建築」とはかなり違ったスタイルだから、内部もそんな感じかと思ってたら、
中は比較的オーソドックスなゴシック・カテドラルだ。へぇ〜、そうだったんスか。
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ステンドグラスもなかなか凝ってる。
窓全体に何かの構図が広がってるっていうんじゃなく、それぞれの窓格子ごとにひとつの絵になってるね。
タロットカードか何かを並べたみたいに見える。ちょっと変わってるねぇ。
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バチカンのサン・ピエトロ大聖堂を除外して考えれば、大カトリック国・イタリアを代表する巨大教会建築。
さぞかし中は豪華絢爛キンキラキンかと思ったら、意外に暗くて、それなりに宗教的神秘も感じさせてくれる。
この暗さが「意外に普通のゴシックに近いな」と思わせた理由のひとつだろうな。
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これが教会の一番どん詰まり。祭壇からその向こうの周歩廊を望むアングル。
さっき「タロットカードを並べたようだ」って言ったステンドグラスが奥のセンターに置かれているのがわかる。
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ふーむ、ドゥオモ様、内部は悪くないじゃん。しかし中を見ただけで満足してはいけない。
ココ、実は屋根の上に登れることで有名なのだ。屋根にのぼらなきゃ、ドゥオモ様を征服したとは言えねぇぜ。
せっかくミラノまで来て、ドゥオモ様を観光するとなりゃぁ、屋根に登らずにオメオメ日本に帰れようか。

だがご存知のように、イ課長にはマイルドな高所恐怖症のケがある(笑)。
高所恐怖症のくせに高いところに登りたがるという、大バカのみがなし得る愚行が、ここミラノでもまた
繰り返されようとしているわけだが、その愚行のテンマツは次回にまわす(笑)。
 
  
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by tohoiwanya | 2013-04-19 00:16 | 2012.03 欧州出張 | Comments(2)
2012年 12月 19日

アーヘン大聖堂というところ

昨年11月の欧州出張について粛々と書き続けるイ課長。
パリネタが続いたけど、本日はドイツネタ、場所はアーヘンなのである。
去年の出張の、せめてドイツネタくらいは年内に消化しておこうと思うわけヨ。

あの出張の前半、ドイツでは連日 ①夜到着→②メシ&ビール→③寝る→④翌日朝から仕事
→⑤終わるとすぐ次の街に移動→①に戻る っていうパターンを繰り返すばっかりで
ロクに街を見る余裕もなかった。

それでもアーヘンは一人でX'masマーケットに行ったり、大聖堂を見学したりして、
多少は「アレを見てきた」という記憶がある街なんだよ。

X'masマーケットは到着した夜に見に行ったけど、大聖堂は翌日の明け方に行った。
まだ真っ暗でクソ寒い冬のアーヘン早朝散歩。相変わらずモノ好きなイ課長よのう。
向こうに見えるトンガリ屋根はたぶん大聖堂だろうな。暗いから写真が見事に手ブレておる。
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2007年の初の欧州出張以来、ごくマイルドな教会建築マニアになったイ課長。
アーヘン大聖堂も以前に何かの本で写真を見た記憶があるんだけど、記憶はオボロ。
少なくともゴシック様式の建築っていうのとは違ってたって気がするが…記憶はオボロ(笑)。
まぁせっかく早朝散歩に出たんだし、他に行くとこもないから行ってみよう。
(それに、寒いからとにかくどこか、室内に入りたかったし…)

早朝は閉まってるかな?と思ってたら、意外なことにアーヘン大聖堂の扉は開いてた。
中には照明もついてて、一応「入ってもいいですよ状態」ではあるようだ。

中に入って仰天したね、イ課長は。

うっわーーーーーーー。スゴい。こりゃスゴいモザイク装飾だ。
アーヘン大聖堂の中ってこんなんだったんだ!知らなかったよ。素晴しいじゃん。
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建物としては確かに見慣れたゴシック建築とはだいぶ違ってる。
交差リブ・ヴォールトで天井を支える形みたいだけど、ゴシック建築お得意の、あの
見る者の視線を上に誘うような構造じゃない。天井は低く、壁は厚く、柱もずんぐりしてる。
しかしロマネスクって感じともまた違うように思えるが…?

しかしここの場合、天井が低いことが嬉しい。天井モザイク装飾がよく見えるからね。
それを計算して天井低くしたのか?いやぁ、とにかくこのモザイクは見事すぎる。
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こういう華麗な装飾を見てると、自分がイスラム寺院の中にいるような気分になってくる。
縞模様のアーチ構造もスペインのコルドバで見たメスキータを思い出させる。ここが
キリスト教の大聖堂だってことを忘れちまうぜ。すごいトコだったんだな、アーヘン大聖堂って。
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この明け方の訪問が非常に感動的だったので、仕事先からアーヘンの駅に戻る途中で、
通訳さんと一緒に再度この大聖堂に入ってみた。暗い明け方の神秘的な大聖堂も良かったが、
明るい日中の光だとどうなんだ?

確かにドームの中は朝見たときより少し明るくなってる。
このドームの感じは何となくビザンチン建築っぽい。パリのサクレ・クール寺院も
ドーム内側に大きなキリストの絵が描かれてたよなぁ。
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ただ、その周りにある天井の低い周歩廊(といっていいのかな?)は相変わらず
薄暗く、神秘的なムードを漂わせている。
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ドイツ在住の通訳さんもアーヘン大聖堂には初めて入ったらしいけど、
このモザイク装飾の美しさにはイ課長と同じようにビックリしてたよ。

こういう、いかにもゴシック教会らしいタテ長のステンドグラスもあるけど、
この大聖堂にはむしろこんなステンドグラスはいらないんじゃないかと感じちゃう。
というより、この部分は明らかに後に増築したものっぽいね。
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ドイツでキリスト教の教会を見ているんじゃなく、グラナダでアルハンブラ宮殿か何かを
見てるような気分に、ちょいとばかりさせてくれるアーヘン大聖堂。好事家?の間では
有名なんだろうけど、イ課長はこんなに美しいモザイク装飾で埋め尽くされた教会とは
全然知らずに行ったから、やたらに驚き、やたらに感動してた(笑)。
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アーヘンって街はドイツ観光スポットとしては比較的ジミなところといえるだろうけど、
この大聖堂は一見の価値がある。もしアーヘンの近くまで行く機会があるなら、
これを見逃す手はありませんぜ?オクサン。

ちなみに、このアーヘン大聖堂、もちろん世界遺産ですぜ?ダンナ。


 
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by tohoiwanya | 2012-12-19 10:36 | 2011.11欧州出張 | Comments(2)