2009年 03月 11日
プラハのお城の中にはいろんなものがある。 チェコの大統領府がこの城の中にあるし、聖ヴィータ大聖堂も城の敷地内。 観光客にすればいろいろ見るべき場所が多いわけだけど、その中で見落とせないのが 城の一番奥にある「黄金の小道」。 名前の由来は「むかし錬金術師たちが住んだから」「住人に金細工師がいたから」 とかいろいろあるけど、要するに城で働く使用人たちの住居だったらしい。 今は土産物屋とか、本屋なんかになってるけどね。 どの家もすっごく小さい。 何だかおもちゃの家みたいで、イ課長にはとても住めない(笑)。 だが、このチャーミングな黄金の小道は文学ファンにとっては重要な場所でもある。 ある朝、グレゴール・ザムザは目を覚ますと自分が巨大な虫になっているのに気付いた 「変身」で有名な作家フランツ・カフカはプラハの人なのだ。 彼の実家は狭くて、家族も多かったらしい。落ち着いた場所で兄に執筆活動 させてあげたいと思ったカフカの妹が、市内に小さい家を借りてくれた。 それが黄金の小道の中の、No.22と書かれた、この青い家なのだ。 何だってまたこんな城の中の家を借りられたんだろう?と思うけど、20世紀初めの プラハ城なんて、管理もいいかげんだったんだろうなぁ、きっと。 イ課長は特にカフカに傾倒したわけじゃないけど、一応「変身」だけは読んだ。 ほほー、これがカフカの…と思って入ってみた。 カフカがいたのと同じ空間で同じ空気を吸う。 しかしイ課長とカフカを隔てる時間はすごく長い。 別にカフカについての展示品があるわけでもなく、今は本屋さんになってたね。 中はほんとに狭くて、暖房もなくてひんやりとしてた。住むわけじゃなくて、 夜間執筆に使う仕事部屋なんだから狭くてもイイっちゃイイけど、カフカも冬は 寒さに凍えながら執筆したんじゃなかろうか…トイレとか付いてるのかなぁ? 黄金の小道はプラハ城めぐりじゃ欠かせない定番ポイントで観光客も多いけど、 特にこのNo.22の家だけ人だかりが多いってこともない。 ここが「カフカが執筆した家」とは知らない観光客も多いんだろうな、きっと。
by tohoiwanya
| 2009-03-11 09:43
| 2007.10ドイツ・チェコ出張
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