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2009年 07月 13日

映画ヲタクの旅  -男と女1-

「男と女」という映画は、「シベールの日曜日」よりは有名なはずだ。
映画も名作だけど、音楽がまた超名作&超有名。♪ダバダバダ ダバダバダ…
でも、映画館で「男と女」を見たっていうのは、今や40代以上が中心だろうなぁ。
イ課長ですら、初公開からはずーっと後に名画座で観たんだから。

ミクシと一部重複するけど、映画ヲタクの旅シリーズ「男と女」編、さぁいくぞ。
まずはパリのサン・ラザール駅から。

到着翌日の日曜日、ヴィル・ダヴレーへの電車に乗るためにサン・ラザール駅に行った。
つまり「シベールの日曜日」ロケ地めぐりに行くために「男と女」のロケ地を通る、
というわけだ。何て効率的なんだろう(笑)。

サン・ラザール駅は「男の女」の、あの忘れ難いラストシーンが撮影された場所なのである。
海辺の街・ドゥーヴィルで別れたアヌーク・エーメとジャン・ルイ・トランティニャンは
それぞれ車と鉄道で別々にパリに帰ってくる。鉄道の終着駅がサン・ラザール駅なのだ。
で、まぁ何というか、二人の中にいろいろ心の葛藤があってさ、トランティニャンはもう一度
アヌーク・エーメに会うため、白のムスタングで小雪降るサン・ラザール駅前に乗りつけるんだよ。
この辺からの、映画のロマンチックなムードの高まりときたら、もうたとえようもない。
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男はコートを持って駅正面の長い階段を駆け上がり、彼女の乗る列車をホームで待ち構える。
列車が停まり、乗客たちが降りてくる。その中に、さっきドゥーヴィルで苦い別れをしたばかりの
アヌーク・エーメがいる。彼女の方も彼を発見し…あああ、ああ(←イ課長ややヤバい)
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「男と女」なんて知らないから静止画と言葉で説明されたってわかんねぇよという方、
あるいは、懐かしいからまたラストシーンを観たいという方はYou Tubeのこれ見てちょ。

初めてサン・ラザール駅に行くとき、イ課長はけっこうドキドキしてたよーー。
「男と女」のラストシーンのあの駅を…あの階段を…ホームを…みみみ見られる!(←かなりヤバい)
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ところがどうよ。
サン・ラザール駅正面は何やら工事してて、塀で囲われてるときた。がーーん!
ちっくそう…何で工事なんかしちゃうかなーフランス人!一気に悪化するイ課長の対仏感情(笑)。
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ジャン・ルイ・トランティニャンと同じように正面階段を駆け上がろうと思ってたんだけど、
とても無理だ。近寄ることすら出来ん。あーあ…
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白いムスタングが停まった広場もココのはずなんだが、工事用の塀でふさがってる。あーあ…
駅に入ろうとすると、工事現場ワキの利用者用通路を通らなきゃいけないんだけど、
ここも工事で壁がはがされてたり、ハダカ電球がぶら下がってたりで、とてもじゃないが
映画の面影どころの騒ぎじゃない。情緒ゼロ。ったくもうー!

しかし幸いなことに駅構内は昔ながらのたたずまいが色濃く残っていた。
サン・ラザール駅といえばモネの絵でも有名なんだけど、屋根の形とかそのままだ。
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下の写真はイ課長推定による「ジャン・ルイ・トランティニャンが待ってたホーム」。
屋根の形とかからみても、この辺じゃないかと思うんだけどなぁ…。
いやー、なんかもう、ムショーに嬉しかったよ。
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「男と女」に関して、サン・ラザール駅ではもう一つ、忘れ難い経験をした。

5月19日、映画のアヌーク・エーメと同じようにイ課長はドゥーヴィルから電車に乗ってパリに戻った。
夜9時でもまだ昼間みたいに明るい初夏のフランス。ノルマンディーの平原を列車に揺られ続けて、
やっと夜らしく暗くなった10時過ぎ、サン・ラザール駅に着いた。
うわ、これって、アヌーク・エーメ側の視点での「男と女」のラストシーン追体験そのものじゃん!

列車が着く。映画と同じように、乗客たちがぞろぞろと降りて、サン・ラザール駅の暗いホームを歩く。
その中に混じってイ課長も歩く。ラストシーンでアヌーク・エーメが歩いたのと同じように、だ。
信じられないような、夢みてるような気分だった。

だが、ホームで誰もイ課長を待っててはくれなかったのは当然なのである(笑)。

映画ヲタク旅行記「男と女」編。次回はドゥーヴィルの街をご紹介しまっす。




by tohoiwanya | 2009-07-13 00:06 | 2009.05パリ旅行 | Comments(6)
Commented by みゅげ at 2010-02-06 19:42 x
『男と女』、大好きなのに(モネも・・・)、サン・ラザール駅には行ったことがなく、再来月滞在するアパルトマンから歩いて数分・・・というだけで、興奮しております(笑)

一昨年、アヌーク・エメのだんなさん役のピエール・バルーのボサノバ公演で、バルーが気軽に一緒に写真に入ってくれました。
素敵なおじいさまになっていて、『男と女』からずいぶん月日が流れたのだと思いました・・・。
Commented by tohoiwanya at 2010-02-07 09:36
聞いた話だと、ピエール・バルーの奥さんは日本人の女性らしいですね。

サン・ラザール駅は外観といい、ホームの感じといい、いかにも歴史あるパリの駅っていう風情が残ってて、
もうあそこを歩いてるだけでジャン・ルイ・トランティニャンになった気になれる(笑)。

みゅげさんが行かれる頃には正面玄関の工事が終わっててくれるといいんだけど、
フランス人のやることだから、どうかなー?(笑)
Commented by みゅげ at 2010-02-09 08:28 x
えーと、mixiやってらっしゃるのでしょうか?
もし良かったらHNを教えて頂けませんでしょうか?
あるいは、私のHNで探して頂ければ私も旅日記書いてますので、よろしければお訪ねください♪♪
Commented by tohoiwanya at 2010-02-09 11:32 x
あれ?あれーー? 実はいま、「みゅげ」でmixiを検索してみたのですが、
複数いるみゅげさんの日記で旅日記らしきものを発見できなかったのです。
捜し方が悪いのかな??

私のmixiのハンドルネームは「イワーニャ」です。
プロフィール画像はムンクの「叫び」風のバカな絵。
 
Commented by みゅげ at 2021-04-24 19:24 x
「男と女、人生最良の日々」という2019年の映画を観ましたか?
「男と女」から52年後の設定です。

最後の方に、車で走る回想シーンらしきものが出てくるのですが、サント・トリニテ教会からずっとモンマルトル方面に。
あれ?サン・ラザール駅に向かうのでは?と思いながら観てたら、かつて滞在したアパルトマンの前の道を走って行くではありませんか!
本当に驚きました。そして本当に懐かしくなりました。

録画して、何度もそのシーンを観ています(笑)
Commented by tohoiwanya at 2021-04-24 22:39
>「男と女、人生最良の日々」という2019年の映画を観ましたか?

みゅげさん:
見てないんですよ。
たしかトランティニャンが認知症になりかかりっていう設定じゃ
なかったでしたっけ?なんかそれを知っただけで悲しくなって(笑)、見てない。
今調べたらアヌーク・エーメは今年89歳、トランティニャンは91歳・・。
お元気に長生きしていただきたいです・・・。


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