2009年 11月 13日

モンパルナス墓地 -その3-

パリの3大有名墓地の中で、モンパルナス墓地に行ってみようと思ったのは、
単にシャルトルから帰ってくる列車が着くモンパルナス駅から近い、それだけの理由だった。

ちょっとネットで探したら、この墓地にジーン・セバーグやサルトルのお墓があることを
紹介した記事はすぐに見つかった。実際にお墓を見た人の写真入りブログも多い。
他にどんな人のお墓があるんだろ?と思ってあちこち捜してたら、パリ三大墓地の有名人お墓の
地図付きガイドみたいなサイトを発見した(あったんだよ、そういうのが)。

ナニ語だかよくわからない(フランス語じゃないと思う)このサイトで、映画関係者のお墓が
他にもあるんじゃないか?と思って、生前の職業で検索してみた。
「そんなに有名じゃないけど、かつて見た俳優サンのお墓が!」なんて発見を期待したわけだ。
確かに捜すと何人か出てきた。でも知らない名前の人ばっかりだなぁ…と思って見ていたら、
タイヘンな人の名前を発見した。

     

     Demy, Jacques   filmmaker

     
     え? これは …??


     …ジャック・ドゥミーのこと…??

ジャック・ドゥミーだ…間違いない。フィルムメーカーっつうから映画監督だろ。

彼のお墓がある!
え?ジャック・ドゥミーって誰かって?ジャック・ドゥミーってこのブログに散々書いた
シェルブールの雨傘を撮った監督なんだよ!

これは運命的な巡り合わせだったと言っていい。こんな偶然があるなんて…。
モンパルナス墓地を紹介したどんな日本語サイトにも、ジャック・ドゥミーのお墓なんて
書かれたものは一つもなかった。まぁそうだよな。フランソワ・トリュフォーみたいな
超有名映画監督ってわけじゃないんだから。

たまたまマニアックなお墓サイト?を発見し、フと検索してみて彼のお墓を見つけるなんて…。
このことを知ったときから、モンパルナス墓地でジャック・ドゥミーのお墓参りをすることは
イ課長にとって非常に重要なミッションになった。

生まれて初めてフランスに来て、あの映画のロケ地、シェルブールに行ったのが5月19日。
その二日後にパリ・モンパルナス墓地であの映画を撮った監督のお墓参り。
こんなことが出来るなんて、想像もしなかったよ。

ジャック・ドゥミーのお墓も探すのにちょいと手間取ったけど、やがて見つけた。
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巨大なマツボックリがたくさん置いてある。このお墓だけがこう。
彼とマツボックリって、何か関係があるんだろうか?

ジャック・ドゥミーの奥さんは、やはり女性映画監督として有名なアニエス・ヴァルダだ。
ドゥミーが亡くなった後、奥さんは愛する夫の子供時代を描いた「ジャック・ドゥミの少年期」
という映画も作っている(見てないんだけどさ)。

写真じゃツタの葉で見えづらいけど、墓石の一番手前のところにはすでにVARDAという
彼女の名前が刻まれてる。彼女は死んだら夫の隣に眠ろうと、もう決めているんだね。
その時は、このジャック・ドゥミーの名前の下にも彼女の名前が彫られるんだろう。
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モンパルナス墓地の静かな時間が流れていく。
じーーーーーっと彼のお墓の前にたたずんで、しばらくの間、その時間の流れに身を任せた。

映画史に大きな足跡を残した大監督というわけじゃないかもしれない。
しかし、彼はイ課長が最も愛する映画を撮ってくれた監督なのだ。
残念ながら、イ課長は供えるお花も何も持ってこなかった。
でも、ジャック・ドゥミーのお墓参りに来られたアカシとして、今こそパリの風習にならって
メトロの切符を彼のお墓の上に置こう。
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ジャック・ドゥミーのお墓のことを紹介した日本語の記事なんてお目にかかったこともない。
それなのに、今自分はこうしてここにいる。ここに来られた。運命を感じたよ。
ここにお墓参りに来た日本人なんて、これまでにいたんだろうか?

モンパルナス墓地は5時(だったか、6時だったか)になると閉まるんだね。
手に持った鐘を鳴らしながら、管理人が墓地を巡回して閉園を知らせている。
静かな夕暮れの墓地に、カラーン カラーン という音が響く。
出口の門のところにも鐘があって、係員が鳴らしてる。物寂しい音だね。
何となく、この静かな墓地にもっといたかったけど、イ課長も帰らなきゃ。
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今回の旅行では、あの映画に対するイ課長の想いに対して、全てが味方してくれた気がする。
映画の神様がこの時ばかりはイ課長に微笑んでくれたのかも。

ああ…フランスに来られてよかった。
シェルブールに行けてよかった。
そして、ジャック・ドゥミーのお墓参りができてよかった。

どうもありがとう。イ課長に味方してくれた全ての状況に御礼を言った。
そして、もちろん、あの映画を撮ってくれたジャック・ドゥミーにも。
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by tohoiwanya | 2009-11-13 00:02 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(4)
Commented by みゅげ at 2012-06-09 16:46 x
ちょっとパリの旅を読み返して、あら、こういうのもあったのね・・・・ということで、コメントします♪(これって、気づいてもらえるのかしら??)

先日、『パリで逢いましょう』というテレビの番組で、ジャック・ドゥミの奥さんと娘さんが出てました。
あ、それだけですが・・・・。

シェルブールの雨傘や雨の訪問者などがあるから、フランスは私にとって特別な国・・・。
Commented by tohoiwanya at 2012-06-11 15:03
>あら、こういうのもあったのね・・・・ということで、コメントします♪

みゅげさん:
ちゃんと気づいてます(笑)。
「パリで逢いましょう」なんて、ずいぶん古めかしい番組名だけど、
現在放映されてる番組なんですか?観たことないなぁ~。

アニエス・ヴァルダも、もう相当オバアさんになったはずだけど、お元気とは喜ばしい。
娘さんももう中年くらいの年齢じゃなかったですか?

いやぁ、ジャック・ドゥミーのお墓参りできたのは嬉しかったですねぇ…。
お墓の周囲に生えてるツル系植物(ツタ?)の葉っぱを1枚、記念に持ち帰って、
今でも引き出しの中に入ってます。枯れてるけど(笑)。
Commented by みゅげ at 2012-06-11 18:55 x
http://www.bs4.jp/meet_in_paris/

上記の番組ですが、面白いですよ♪

A・ヴァルダ、とっても派手~~~~~なおばあさんって感じでしたが、お元気そうでした。
そうですね、娘さんは中年。
お父さんに、顔の輪郭が似てると思いました♪
Commented by tohoiwanya at 2012-06-12 00:37
>A・ヴァルダ、とっても派手~~~~~なおばあさんって感じでしたが

ほう…BS日テレとな。地上波ですらロクに見ないイ課長だから
BSの民放となると、マッタク知らないですねぇ。

アニエス・ヴァルダ、今いくつくらいなんだろう?
もう80歳くらいにはなってるんでしょうなぁ。
亭主は「まぁゆっくりしてから来い」って感じで待ってるだろうから
現世では派手ババァになってブイブイいわせてるのかな(笑)。


 


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