2010年 02月 14日

海外出張者に対する禁句

海外出張予定のある社員が、会社で必ず聞かされるセリフがある。
たとえばその出張の行き先がドイツだったとしよう。周囲のヒトは口をそろえてこう言う。

「ドイツに出張なんて、いいなぁ~~」

まぁね、そう言いたくなる気持ちもわかる。
飛行機代も現地のホテル代も通訳代もすべて会社のカネでガイコクにいける。いいなぁー。
そりゃ、仕事もするんだろうけど、多少は現地で観光する時間もあるんでしょ?いいなぁー。

行き先がテロ多発地域とか、衛生状態すら危ぶまれる開発途上国なら話も違うだろうけど、
ドイツならキレイそうだし、楽しそうだし、いいなぁーー   …と思いたくなる気持ちはわかる。
おそらく、海外出張いいなぁーと言う人の多くは、海外旅行した経験のある人のはずで、
自分の楽しかった海外旅行の思い出を重ね合わせてそう言ってるんじゃないかと思う。

たしかに海外出張に行けば日本で食えないモノを食い、日本ではできない体験もたくさんする。
そういう経験はぜんぶ貴重な思い出になるし、こうやってブログのネタにもなる(笑)。
もちろん、現地で観光する時間もあるよ。観光のチャンスができれば当然大喜びで観光する。

しかしね、やっぱ海外出張と海外旅行とは根本的に違うモノだよ。
去年、久しぶりに「出張じゃない旅行」でパリに行って、つくづくそう思った。
同じ一人旅でも、もう全然違う。「自由であるか、ないか」という、この差はあまりにも大きい。
ひたすら緊張を強いられる仕事中の時間と、ひたすら孤独でわびしい仕事以外の時間。
基本的にはこのどっちかしかないからね、イ課長の海外出張なんて。

今日はそんな話をしよう。
いや、たまたま去年11月のドイツ・ベルギー出張の写真を見てたらその話をしたくなったのだ(笑)。

11月18日火曜はドイツでの仕事の二日目だった。
この日に撮った写真は極端なほど少ない。撮るヒマがなかったからだ。

フランクフルト中央駅で通訳さんと待ち合わせしたのが朝の8時。
その後、現地の某機関のS氏が運転する車で2時間アウトバーンを通ってハイデルベルクへ。
ハイデルベルクだよ?美しい街だ。観光客も多い。
しかし、イ課長は観光どころじゃない。すぐに現地の会社の会議室でミーティングが始まる。
ミーティングは全部ドイツ語だ。当たり前だ。通訳さんだけが頼りの緊張した時間が続く。

昼食は行った先の会社の社員食堂でごちそうになった。
しかし相変わらず会話は全部ドイツ語だ(笑)。こっちはリラックスどころの騒ぎじゃないぜ。

ようやく午後になってミーティングが終わり、ハイデルベルクの人たちと握手をしてサヨナラ。
…といっても、S氏の車でまた2時間。車の中はドイツ語がうずまく(笑)。
通訳さんという話相手がいるけど、とてもじゃないが「ホッとする」という状況ではない。

S氏の車で、夕方の訪問先の前まで送ってもらった。4時ちょっと前だったかな。
ここでようやくS氏たちや通訳さんと別れて一人になってホッとする瞬間がくる。
しかし、まだ仕事はある。次の訪問先で会う相手は日本人だから、言語上の問題はなくなるけど
まだまだリラックスはできん。

2件目のミーティングが終わったのが5時半。
タクシーを呼んでもらって、最寄りの駅に着いた頃はもう6時。
やっとドイツ二日目の仕事が終わった。今朝8時に通訳さんと待ち合わせして6時に仕事終了。
もうイ課長、クタクタだぜ。早くホテルに帰ってバッタリと横になりたい。

11月のウスラ寒いドイツ、フランクフルト近郊のひなびた駅の夜6時。一人で電車を待つ。
外国の真っ暗なホームのベンチで一人背中を丸める出張サラリマン。まさにわびしさの極北だ(笑)。
することもないから、この日はじめてカメラを取り出す。といったって、撮るものなんてないよなぁ。
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ああ…この駅舎は2008年のドイツ出張のときも写真に撮ったっけ。
あの時は明るい昼間だったけど、こうして暗い夜に反対側から見ると、ますますショボい駅にみえるよ。
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長い貨物列車が何本も騒々しい音をたてて行き交う。でもフランクフルト行きの電車はなかなか来ない。
ああ…そういえば、今日は昼間ハイデルベルクに行ったんだっけ…遠い昔のことに思えるぜ(笑)。
ハイデルベルクの写真なんて、1枚も撮ることができなかった。
それにしても疲れたよウ…腹へったよウ…寒いよウ…。ドイツの小さな駅で寒さにふるえながら
孤独な日本人出張者のわびしい時間だけが過ぎていく…



さぁ、これでもアナタはまだ「ドイツ出張、いいなぁーーー」と思いますか?(笑)
 


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by tohoiwanya | 2010-02-14 22:55 | 2009.11 欧州出張 | Comments(0)


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