2011年 01月 11日
ロンドンネタが続いたから、今日は台湾ネタ。 実は2006年に最初に台湾に行った時、イ課長はヒジョーに不思議なことに気づいた。 おそらく台湾に行った日本人で同じことに気づいた人は多いだろう。 昨年の台湾旅行でもふたたびソレを見たけど、まったくもって、依然として不思議だ。 ナニが不思議かっていうと、台湾では台湾語の表記の中に、なぜか日本語の「の」の字が 普及しているということなんだよ。 ひらがなの「の」。「私のブログ」みたいに助詞として使う、あの「の」。 たとえばホラ、これなんて日本の風呂屋を撮った写真かと思っちゃうよ。雲の湯だもんね。 台湾でこんなにデカデカと日本語の「の」が書かれてると、日本人の方が逆に驚いちまう。 食い物屋の看板にもホラ。好吃の涼麺…おそらく冷麺の一種なんだと思うけど 日本語の助詞が使われてるにもかかわらず、日本人には何だかよくわからない(笑)。 日本人向け看板として「の」が使われてるわけじゃないからね。 こんなのもある。台湾のコンビニで買ったヨーグルトだ。植物の優ときたもんだ。 とにかくこんな感じで、台湾の街を歩いてると店の看板とか商品名とか広告とかで 「の」の字をよく目にするんだよ。繰り返すけど、日本人向けの看板や広告じゃなくて、 台湾人が、台湾人に伝えるために台湾語で書いた台湾語表記の中に ひらがな、すなわち外国の文字が混じってる。ココにイ課長の大いなる驚きがある。 この“「の」の字問題”は2006年に初めて見たときから、すご〜く不思議で、 とりあえずイ課長の仮説というのを考えた。台湾風に書けば「伊課長的仮説」?(笑) イ課長の仮説としては、台湾語(というか中国語ぜんぶ)が表意文字で出来てて、 表音文字がない、っていうことが影響してるんじゃないかって気がする。 インターネット全盛のコンニチ、表意文字だけの言語体系って不便だと思うんだよねぇ。 台湾のコンピュータ、下の写真に見るように、漢字のヘンとツクリがキーボードに なってるから驚く。ひらがな、もしくはローマ字という表音文字で入力後に漢字変換するのが 当たり前の日本人にとって、ヘンとツクリで「直接漢字入力」なんて想像を絶した言語世界だ。 (写真が不鮮明でゴメンよ。ホテルのレストランにあった従業員用パソコンを盗み撮りしたのだ(笑))。 台湾語(中国語)には表音文字がない→しかしあった方が便利→だから外国語の表音文字を 部分的に使おう→それなら表音文字+漢字を使う日本語の表音文字使おうか→で、何となく 表音文字としてひらがなを援用する習慣がいつの間にか浸透したと… …そういうことじゃないかと思うんだけどなぁ?これがイ課長の仮説なのだ。 台湾の年配の方には戦中に日本語教育を受けた人も多くて、日本語がなじみやすかったっていう 事情も無視できない要素かもしれない。 「の」を使ってても、台湾語の文脈で使われてるから「植物の優」とか「好吃の涼麺」みたいに 日本語的感覚で見るとミョーな「の」の使い方なんだよね。そこがまたオカシい。 これは2006年に撮った写真だけど、健康の油切ってナニさ?実にミョーだ。 このお茶を飲むと油ギッた身体になってしまうのか?(笑)…と、こんな風に ミョーな使われ方をするくらい「の」が台湾語に浸透してるってことに逆に感動する。 しかし、ひらがなは他にもいっぱいあるし、ひらがな一文字の助詞にしたって 「と」「へ」「に」等々いっぱいある。その中でなぜ「の」だけが普及したんだ? これは依然としてナゾだ。実に不思議だ。字の形が覚えやすいのかなぁ? …うん、字の形っていう要素はあるかもしれない。 「の」には濁点もつかないし、カタカナで似た文字もないから、シンガポールで見た 「リフしクソロジー」みたいな間違いも発生しづらいはずだ。 実際、イ課長が見た台湾の日本語にもこういう誤植があったからね。 これ、泊まったホテルの朝食券で、途中まではほぼ完全に正しく書いてるんだけど… 惜しいなーー。最後のとこで間違っちゃったっていうんだガら実に惜しい(笑)。 でも「か」と「ガ」の区別は外国人には難しいはずだ。これを責めるのは酷ってもんだろ。 しかし、中にはいくら何でもこれは…という日本語もあった。 昨年、台湾で見たうち一番スゴかったのは、ホテルの入浴剤に書かれてた日本語で、 あまりのヒドさに感動して写真に撮った。 わははははははは!…ここまでワケわかんないと笑うしかない。 いきなり「寒いです」とささやきかけてくる、そのセンスにまず脱帽だ。 さらに「温泉の兩で」って…「雨」じゃなく「両」の旧字体「兩」だ。「温泉の両」?? しかも最後は「剤を入浴すれ」ときたもんだ。入浴すれ?剤を?どうスレというのだ? …と、まぁこんな調子で、アジアン日本語の誤植がネタの宝庫なのはすでにおなじみ。 でもその中で、台湾の「の」だけは誤植や誤訳じゃなく、日本語の文字が完全に 現地語表記の一部として溶け込みつつあるという点で非常にユニークだと思うのだ。 なぜ「の」が台湾で普及したのか。ご存知の人はイ課長にご教示すれ。
by tohoiwanya
| 2011-01-11 00:05
| 2010.08 台湾旅行
|
Comments(10)
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Miko
at 2011-01-11 22:59
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Singapore行ってきました!蒸し暑かったです。雨季で、突然大雨が降ったり、しとしと降っていたり。傘が手放せませんでした。
China townとNewtonのホーカーに行きました。残念ながら、私が選んだホッケンミーとサテーはあまりおいしくありませんでした...。 フードコートで食べたチキンライスはおいしかったです。変わった味の香辛料が使われていました。 観光はマリーナベイサンズのスカイガーデン、セントーサ島に行きました。結構見るところがあり、又行きたいです。
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hanatomo31 at 2011-01-12 01:19
こんばんは。
「ご教示すれ」とのことですので、私の仮説をぜひ!! ズバリ私の仮説は「ちょっとカッコいいからだよ」っていう奴です。 若い世代の台湾人(に限らないけれど)の間では、日本文化ってポップカルチャーも伝統も何でもかんでも「かっこいい!」らしいので、とりあえず 「なんちゃって日本風」にしているのではないでしょーか? 日本も「なんちゃって英語表記」が未だにパッケージなどにあるし!と思うのです。どうでしょう?
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tohoiwanya at 2011-01-12 15:57
>Singapore行ってきました!蒸し暑かったです
Mikoさん: 無事お帰りで何よりです。この時期もやっぱりシンガポールは暑かったですか(笑)。 マリーナベイ・サンズ行かれたんですか!世界で最も高いところにあるプールとかカジノとか スゴい建物ですよねー。イ課長が行った頃はまだ工事中で「ヘン形のビルだなぁ」と思ってたんですが…。 観光客が減少傾向らしいシンガポール、観光起爆剤となるかなー。
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tohoiwanya at 2011-01-12 15:57
>「なんちゃって日本風」にしているのではないでしょーか?
hanatomoさん: そういう要素は確かにあると思う。ただねー、どうしてもそれだけじゃないような 気がするんですよ、イ課長には。 たとえば日本にあるフランス料理店のメニューで、日本語の料理名の下にフランス語が グニョグニョと書かれてるなんていうのは、おっしゃる通り「その方が本場っぽくてカッコいいから」で、 あんなものいちいち読む日本人はいない。要するにカッコよく見せる飾り文字みたいなもの。 しかし台湾の「の」の字問題は、今の例で言うとフランス料理店の日本語メニューに 突然「ムニエル de 舌ビラメ」っていう表記が混じってるような印象を受けちゃうんですよ。 カッコよく見せるってだけじゃなく、ホントに現地語の一部に混じってるような感じ。
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通りすがり
at 2011-01-13 18:59
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台湾で使われる中国語には、表音文字がちゃんとあります。
同じキーボードの右上(英語の横)が表音文字です。 小学生の一年ではまだ、この表音文字が漢字の変わりに出てきます。 「の」が使われる背景は、お洒落説が比較的正解に近いです。 もともとは日本製を良いものとする習慣なので、パッケージに日本語を使う商習慣は今でもよく見かけます。 その中で一番定着した日本語の文が「の」です。 意味が中国語の「的」のまったく同じであることから、 全てのといっても過言で無いくらいの台湾の人が意味を理解しています。今では「的」と書くより「の」の方が書きやすかったりで、日常生活の中でも良く見かけます。 その次は、「おいしい」や「かわいい」でしょうか。 これらは、「の」ほど使われませんが、完全に台湾の現地語に溶け込んでいます。 ぜひ街中でも探してみてください。
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tohoiwanya at 2011-01-14 00:00
通りすがりさん:
コメントありがとうございました。 いやしかし驚きました。台湾って表音文字あったんですか?! ドコを見ても繁体字の漢字ワールドで表音文字ってないんだと思い込んでましたが、あったんだ! もっとあのキーボードをじっくり観察してくれば良かった(笑)。 「の」についてのお話もなるほどなーという感じですね。 カッコいいとか、日本文化に対する親近感みたいな要素はあるだろうなと思ったけど 「書きやすい」っていうのはあまり考えなかった。確かに「的」より「の」の方が早く書けますもんねぇ(笑)。 いやぁ〜勉強になるなぁ。ご教示ありがとうございます。 通りすがりさんはひょっとして台湾にお住まいですか? これからも台湾旅行ネタはいろいろ書きますし、イ課長のアホな疑問をブログに書くこともあるでしょうから、 通りすがりなんておっしゃらず、今後もいろいろ教えて下さい。
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くまきち
at 2011-01-20 14:07
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こんにちはー!
わたしが聞いた話ですが、『の』の字は丸くてかわいいから人気なんだそうです。 漢字ではこういうかわいいのってありませんもんね。 これを読んでいたらまた台湾に行きたくなりました。 6月には行く予定なんですけど、ちょこっと行って来ようこうかなー。
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tohoiwanya at 2011-01-20 18:13
>丸くてかわいいから人気なんだそうです
くまきちさん: 丸くてかわいいから人気って、ほとんどキティちゃんみたいな字ですな、「の」は(笑)。 台湾ではキティちゃんとか、日本製キャラクターも人気あるんですよね、実際。 しかし、ちょこっと行って来ようかなって…6月には行くんでしょう?6月の前にちょこっとってこと? いいなぁ~…イ課長もまた雉肉飯食いにちょこっと行きたいッ。
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うもふ
at 2017-06-17 17:23
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単に「的」の略字として使っているだけでしょう。
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tohoiwanya at 2017-06-17 20:16
>単に「的」の略字として使っているだけでしょう
うもふさん: それはおっしゃる通りでしょう。 しかし「的」の略字になぜ外国語である日本の文字を使うのかというのが この記事における疑問と驚きの中核。「単に書きやすいから」? |
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