2011年 06月 20日

分離派館(ゼセッション)

ひと昔前だったら、ウィーン必見の観光名所といえば、

「バロック」「ハプスブルグ家」

…といったあたりのキーワードで括ることが出来ただろう。
王宮、シェーンブルン宮殿等々で豪華絢爛バロック建築、豪華絢爛バロック内部装飾、
豪華絢爛バロック家具調度をたっぷり見て、美術史美術館でも豪華絢爛バロック絵画をたっぷり…と、
まぁそういう感じがウィーン観光の王道なわけで、それは今も基本的には変わってないだろうと思う。
要するに建物ならこんな感じというわけだ(笑)。これは王宮ね。
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しかし最近10~15年くらいかなぁ。ウィーンの、特に建築に関しての関心の集まり方には
ちょっと変化がみられるような気がする。豪華絢爛なバロック建築っていうだけじゃなく

「世紀末」
「ユーゲント・シュティール」
「ウィーン分離派」

といったあたりのキーワードに関係するモノの人気が急速に高まってるように思える。

19世紀末から20世紀初頭にかけて、アール・ヌーボーの流れを汲んだ新しい美術潮流が
ドイツやウィーンでは「ユーゲント・シュティール(青春様式)」として花開き、
そういう志向を持った芸術家たちは、従来の古典主義美術とは違うという意味をこめて
自分たちを「分離派」と呼んだり、呼ばれたりした。

有名なところだと画家・クリムトがウィーン分離派の重要メンバーだ。しかし最近は
ウィーン世紀末芸術っていうと絵画より建築に注目が集まってる(んじゃないかなぁ?)。

20年前のガイドブックでウィーンの分離派の建築に触れたものなんて少なかったんじゃない?
(トホ妻が30年前に初めてヨーロッパに来た頃のガイドブックには分離派のブの字もなかったんだと)
しかし、今じゃウィーンのガイドブックでオットー・ワーグナーのカールス・プラッツ駅舎とか
マジョリカ・ハウスに言及してないものなんて、まずないだろう。

20年前、新婚旅行で初めてウィーンを訪れた当時のイ課長はまだ愚かな若僧で(笑)、
ユーゲント・シュティールや分離派なんて全然知らなかった(トホ妻は当時から知ってたが)。

しかし20年の歳月の間にイ課長も少しは成長し、人々の好みも(たぶん)変わった。
ウィーン分離派の建築物を紹介した書籍なんかも近年はずいぶん増えたと思うよ。
ウィーン世紀末芸術や分離派といった芸術潮流についての、イ課長の知識も20年前よりは増えた。
前回はロクに見なかった、ユーゲント・シュティールの建築物。こんどウィーンに行く機会があれば
じっくり見たいなぁ、と思う程度にはなっていたわけだ。

実際、ユーゲント・シュティールの建物を見るためにウィーンに行くって人は今や珍しくないはずだ。
分離派の建築家として代表的なオットー・ワーグナーやなんかが設計した建物の数々は
今やウィーンの重要な観光スポットといっていいし、そういうところで熱心に写真を撮ってる人も
よく見かけた。建築科の学生っぽい、若い人が多かったね。
まぁイ課長の場合、若くないし建築の知識もゼロだが、ミーハー的にではあっても
ウィーン分離派のいろんな建物は見たい。

というわけで(なんて長い前置きだ!)、今回の旅行ではウィーン分離派にゆかりの
建築物をイ課長はいくつか実際に見てくることが出来た。順々にご紹介していこう。

とりあえずナニからいこうか。
その名もずばりゼセッション(分離、という意味)という名称をもった建物、分離派館から
いってみるか。この有名な建物は泊まったホテルから徒歩2分くらいの近さで、ウィーン滞在中、
毎日何度もこの建物の前を通ってカールス・プラッツの駅まで通ったもんだった。
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大御所オットー・ワーグナーの弟子、オルブリッヒっていう人が設計した建物で、
規模は小さいけど、その特異な外観や装飾が与えるインパクトは今も色あせていない。
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何といっても特徴的なのは建物上にある黄金の半球で、これ、実は月桂樹の葉っぱを模した
ものなんだって。ウィーン市民たちからは「金のキャベツ」という愛称を与えられており、
イ課長の目には金の脳、もしくはモンブラン(ケーキのね)に見えるが。
夜はこんな感じでライトアップされる。光り輝く巨大モンブラン。食べたい?(笑)
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しかし、この分離派館。単に金の脳が乗っかってるっつうだけじゃなく、
細部の意匠がまた凝りに凝ってて非常に見ものなのだ… が…。

…長くなったから、分離派館、次回に続きます。すんません。




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by tohoiwanya | 2011-06-20 22:29 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)


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