2011年 06月 22日

分離派館(ゼセッション) :その2

さて、それでは分離派館の続きということで、近寄って細部を見てみよう。

まず真っ先に目につくのは正面入口上部にある3人の……ナニかと思うよねぇ、コレ。
一応、3人のメデューサということらしい。髪の毛がヘビで、その姿をジカに見た者は
石になっちまうっていう、ギリシャ神話に出てくるあのメデューサね。
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ちょっと調べたら、もともとメデューサってゴルゴン三姉妹の一番下の妹の名前なんだと。
女神アテナの怒りにふれたメデユーサは髪の毛がヘビでできた醜い姿に変えられ、トバッチリで
二人の姉も含めて3人姉妹全員「ヘビ髪女」に変えられちまったということらしい。

三姉妹は上からそれぞれステンノー、エウリュアレ、メデューサっていう名前だったっていうから
入口のこの3人を「3人のメデューサ」と書くのは正確じゃないんだな。あくまでも
「ゴルゴン三姉妹」と書くべきで、メデューサはこの3人のうちの1人にすぎないことになる。
うーむ、勉強になるのう。しかしこの3人のドレがメデューサかときかれると…(笑)

ゴルゴン三姉妹の下には茶色い扉がある。扉自体にも凝った装飾がなされているけど、
扉の両側にくっついてる、さかさまになったトカゲが生々しくてやけに目立つ。
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さらに入口の左右に置かれた巨大な植木鉢(…なのかな?)。
この植木鉢も4匹のカメが支えてる。重くて大変だろうなぁ。
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建物の側面をみると…ほほー、こっちでは三匹のフクロウさんたちがヒソヒソ話。
正面のゴルゴン三姉妹や逆さトカゲ、カメなんかがリアルな造形だったのに対し、
このフクロウはかなり様式化・デザイン化された意匠になってるね。
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フクロウだけじゃなく、建物側面は非常に多様な装飾がなされている。
曲線のなぐり書きみたいのから、幾何学模様風、植物模様風など、いろいろ混じってて、
この辺を見てると、意図的にいろんなタイプの装飾を混在させてるように思える。
植物模様も何の花だかわからないようなデザインで、アップで見ると花っていうより
「5人の宇宙人」みたいに見える(笑)。
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といった具合に、分離派館ってよく見ると非常に多種多様な装飾がそこかしこにある。
ただ、イ課長が一番感心するのは、これだけいろんな装飾がくっついていながら、
分離派館の全体的イメージは例の「金のキャベツ」以外は「白い、シンプルな建物」という
印象を(錯覚を、と言っていいのかもしれんが)与えるところなんだよね。

分離派館って、遠目からみるとほぼ真っ白の、単純な方形の組み合わせで構成された建物だ。
建物自体は色も形もごくシンプルにして、てっぺんの「金のキャベツ」を目立たせている
…と、いう風に見えるわけ。建物は「金のキャベツを置く台」といわんばかり。

ところがこの“キャベツ台”を近くから見ると凝った装飾がなされて、むしろ金のキャベツより
建物の方が面白いくらいだ。しかも近くに立てば位置的に金のキャベツは視界には入りづらいから
見る人は白い壁面に施されたいろんな装飾をじっくりと眺めることになる。
見る距離によって見えるものが違い、印象も違う。設計者オルブリッヒの計算だろうか。
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ウィーン分離派館。周囲のビルに比べるとグッと小さい建物だ。
しかしその存在感は抜群で、今や完全にウィーン名所のひとつ。
地下鉄のカールスプラッツ駅からもこんな風に「ゼセッション方面出口」がある。
毎日何度もこの階段を昇ったり降りたりしたことが、今となっては懐かしいね。



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by tohoiwanya | 2011-06-22 23:43 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(2)
Commented by kaz at 2011-06-25 14:22 x
なんか、むちゃくちゃ楽しんできたご様子ではあ~りませんか。
亀さんのリアルさもすごいし、宇宙人?同じ建物内にマッチングしているのも確かにすごいです。いいなぁ・・今の所、どうやっても5日間以上連続して休みがとれる仕事環境ではないので、一週間休みがとれて旅ができることが羨ましいです。いろんな上司がいて苦労されたとしても(笑)
Commented by tohoiwanya at 2011-06-27 09:03
>むちゃくちゃ楽しんできたご様子ではあ~りませんか

kazさん:
否定しません。むちゃくちゃ楽しんできました。もっとも、そのぶん
体もめちゃくちゃ疲労しましたけどね(笑)。
私の仕事の場合、年度末までは死ぬほど忙しいけど、新年度明け~夏までは
ヒマであるというのが大体はっきりしてるから、その時期なら一週間の休みも
とりやすいという面はありますな、確かに。上司があまりにアホバカだから
私に対して「休みとるな」なんて言えないってこともわかってるし(笑)。
 


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