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2011年 06月 30日

カフェ・モーツァルト

さて、今日はカフェ・モーツァルトの話。
もちろん台湾からまたウィーンの話に戻ったんです。ついてきて下さい。前にも書いたけど、
こういうの、読む方は大変かもしれないけど、書く方だって大変なのだ(笑)。

ウィーンはパリと並んで「カフェ文化」がものすごく発達した街といえる。
カフェはそこかしこにあり、「この店はかつて有名な誰ソレが常連だった」なんていう
歴史と由緒ある名店もいっぱいある。

その中でまずはカフェ・モーツァルト。
非常に有名なカフェだから、名前は聞いたことがあるっていう人も多いかもしれない。
バブル期に日本の三越が買収したことがあったはずだ。

この店の場合「あの誰ソレが常連で…」という意味で有名ってのとはちょっと違う。
何といってもここは映画史に残る名作「第三の男」に名前が使われたことで知られる。

実際にこの店で「第三の男」のロケが行われたわけではなく、別の場所にテラス形式の
カフェのセットを作り、カフェ・モーツァルトの場面はそこで撮影された。
だから純粋な意味での「ロケ地探訪」とは言えないんだけど、映画ヲタク・イ課長としては
とりあえず行ってみたじゃんよー、あのカフェ・モーツァルトに。

映画「第三の男」では主人公の三文小説家ホリー・マーチンスが戦後まもないウィーンに行き、
そこで「明日の○時、カフェ・モーツァルトでお会いしましょう。私は目印にあなたの本を持ってます…」と
ナゾの伝言をうけとり、翌日、そこでナゾの男・クルツ男爵と会う。

監督のキャロル・リードがこの場面をカフェ・モーツァルトにしたことに、おそらく
それほど深い意味はなかったんだと思う。とにかく店の名前としてこれ以上「ウィーンらしさ」を
感じさせるカフェはないもんね。モーツァルト。

実際には、この映画撮影当時(たぶん1948年か1949年頃)のカフェ・モーツァルトは
第二次大戦で破壊された状態だったっていうから、ロケどころじゃなかったんだろうな。
映画撮影用のカフェのセットは旧市街の、ノイアー・マルクトのあたりに作ったらしい。
カフェ・モーツァルト_f0189467_095026.jpg

実際のカフェ・モーツァルトは国立歌劇場の裏、ホテル・ザッハーの横ッチョにある。
到着翌日の朝からウィーン旧市街を貪欲に歩き回って、ちょいと歩き疲れたイ課長&トホ妻、
せっかくだからこの店で一休みすることにしたのである。ちなみに、これまた有名な
ホテル・ザッハーのカフェはこんな感じで現在工事中(でも営業はしてるらしい)。
カフェ・モーツァルトはこのすぐ裏。
カフェ・モーツァルト_f0189467_0105016.jpg

この日は天気がよくて、客のほとんどは外のテラス席に座っていた。
でもイ課長とトホ妻は内装を見たかったから、あえて誰もいない室内席に座った。
カフェ・モーツァルト_f0189467_0113062.jpg

うーむ…華麗なシャンデリアに落ち着いた調度。実に居心地がよろしい。
イ課長はパリのカフェでは外のテラス席ばっかり、ウィーンでは室内席ばっかり利用したから
正確な比較は難しいけど、ウィーンのカフェの内装ってココに限らず、大体どこも
「洒落た感じ」というよりは「落ち着いて、重厚な高級感」みたいなものを追求してるように思う。
カフェ・モーツァルト_f0189467_0121644.jpg

この店でトホ妻はアイスクリームを、イ課長はビールを頼んだ。
ウィーンはすっかり初夏で、日差しは強いが湿度は低いからノドが乾く。
ビール(大)くらいはすぐ飲み干せてしまうのである。
明るい日差しと雑踏から逃れて、しばしの静けさとともにグラスを傾ける。
カフェ・モーツァルト_f0189467_0123623.jpg

ウィーンのカフェ・モーツァルト。
さっきも言ったように、実際に映画の撮影に使われた店舗そのものではない。
ウィーンの有名カフェ訪問という意味では重要な経験だけど、
「第三の男」に出てきたアソコに行ったんだよ!いう観点から見ると、だいぶ弱い。

もっとも、「第三の男」をめぐる旅としては、これは言うなれば序の口(笑)。
おいおい、もう少し本格的?なネタもご紹介していきます。




by tohoiwanya | 2011-06-30 00:17 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)


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