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2012年 02月 20日

ハリー・ライムが立っていたあのドア

映画ヲタクが行く、ウィーン「第三の男」ロケ地めぐり。久々の登場。
今回は大変だよ。映画ヲタクとしてはこのネタを書くと思うだけで心は高ぶる(笑)。

映画「第三の男」で有名なシーンは数え上げたらキリがないんだけど、その中でも
最も有名な、ソコだけでもあの映画を不滅たらしめるような決定的に有名なシーン。
それこそが「ハリー・ライム登場シーン」に他ならない。

ホロ酔い加減のジョセフ・コットンがアリダ・ヴァリのアパートを出てウィーンの暗い坂道を
歩いてると、ネコの鳴き声に気付く。暗いドアのカゲに男が立ってて、その足元に
1匹のネコがまとわりついてる。足元しか見えないけど、誰かがいるのは間違いない。
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警察が自分を尾行していると思い込んだジョセフ・コットンが酔いに任せてわめく。
「お前、そんなんで尾行してるつもりか?ほら出てきやがれってんだーー!!」

寝静まった夜のウィーンに響く酔っ払いの高声。
近くのアパートのおばさんがジョセフ・コットンに文句を言って部屋の灯りをつける。
ドアの陰にいた男の顔がその明かりで照らされる。男の顔を見て驚愕するジョセフ・コットン。
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ああ…もうね、映画史においてこのハリー・ライム登場シーンがどれだけの価値を持ってるか
イ課長の乏しい筆力ではとても説明できない。まさに名画中の名画「第三の男」における
名シーン中の名シーン。親友に見つかるのを予想していたかのようにオーソン・ウェルズが
不敵にニヤリと笑う、このワンショットだけでもオーソン・ウェルズの名は映画史に永久に残る。
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世界中の映画ヲタクに「映画史で最も鮮烈な人物登場シーン」というアンケートをとれば、
21世紀のコンニチでもこのシーンを挙げる人が多いだろう。イ課長もその一人だ。
観た者に強烈な印象を残す、この登場シーンについては、演じたオーソン・ウェルズ自身も
「あれこそまさに千両役者の登場場面だろ?」みたいなこと言って、鼻高々だったらしい(笑)。

一応、興味のある方のために、You Tubeで見られるそのシーンを。

いやぁ~…アップになったオーソン・ウェルズに重なって流れるあの音楽。たまらんね。
これぞ映画。映画とはこれ。皆さん、今これを語っているのがイ課長であることに
感謝しましょう。これがもし淀川長治さんだったらあと1時間は話が止まらないよ?(笑)

あのハリー・ライム登場シーンの場所に自分が行く。
ハリー・ライムと同じドアに自分が立つ…うううう…(←キテる)。
映画ヲタクにとっては嬉しい体験だ。ぜひ行ってみたかった。

その体験が可能になったのは、以前にご紹介したこのサイトのおかげだ。本当にありがとう。
このサイトを知らなければ、あのロケ場所がどこだったか知るスベはなかっただろう。

有名すぎるこのシーンが撮影されたのは、ウィーンのメルカー・バスタイというところ。
このメルカー・バスタイの「バスタイ」って、日本語では「稜堡」と訳されるみたい。
だから、この坂道はおそらく人工的に作られたものなんだろうな。
要するに軍事用に作った高台というか、土手というか…ここに砲台とか置いたらしい。

リンク大通りをフォルクス・ガルテンから北に向かって歩くと、右にブルク劇場があり、
それを通り過ぎるとランツマンっていう有名(らしい)カフェがある。
問題のロケ場所はそのカフェ・ランツマンを右に入った路地の奥の坂道らしいなのだ。
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ほら、道の奥に坂道みたいなのが見えるでしょ?どうもあの辺ぽい。
ちょっとドキドキしてくる…。
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これだ。この坂道。
うわあああ素晴らしい。道がフタマタになってるところの建物、その奥の建物…キレイには
なってるけど、こうやって比較しても映画と全然変わっとらんやん。
奥にウィーン大学の屋根がちょっと見えるところも、何もかも変わってないよーー!

そしてこのドアだ。ハリー・ライムが立っていたこのドア。それはここだ。
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いやもう感激だよ。ここだ。間違いなくここ。
映画史上最高のシーンのひとつが撮られた、あのドアにイ課長は今いるのだ。
え?ドアの前に立たなかったのかって?もちろん立って記念写真も撮ったよ。
しかしそれは恥ずかしいから掲載禁止(笑)。

「オーソン・ウェルズはここにいた」「ジョセフ・コットンはこの辺に立ってた」とか何とか、
イ課長とトホ妻がこのドアの前でやけに熱心に記念写真を何枚も撮ってるから
道ゆく外国人観光客が「ここって有名な建物なのか?」と思っちゃったみたいで、
何人かは、明らかによくわからないまま、イ課長たちにつられてドアの写真を撮っていた。

たぶん彼らは自分の国に戻って、ウィーン旅行中の写真を見て
「なんでこんなつまんねぇドアの写真、撮ったのかなーー?」と思ってるはずだ。
このドアはねぇ、映画史的には大変なイワクインネンのあるドアなんだよキミたち!!
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メルカー・バスタイに来る観光客のほとんどは、近くのベートーヴェンの博物館(があるらしい)が
お目当てのはずで、映画「第三の男」でハリー・ライムが立ってたドアが見たいなんて
不健全?な目的でここに来て騒いでる観光客はイ課長とトホ妻だけのようだったよ(笑)。




by tohoiwanya | 2012-02-20 00:15 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(4)
Commented by みゅげ at 2012-02-20 16:20 x
もう本当によくわかりますっ!!!
コタンの通りを見つけた時は(その節はどうも~(笑))、テンションあがりました!
ここ?ここ?このへんから見て、このへんから描いたのかしら?・・・などと、写真バチバチ撮ってる私達を不思議そうに見てるご近所さん(たぶん)がいましたもの・・・。

で、私、映画好きなんて言いながら『第三の男』観てません・・・。
いつか観たいと思いながら数十年(笑)

『アメリ』のカフェや、『ラストタンゴ・イン・パリ』のビラケム橋など、興奮する場所が、やはり誰しもあるようで・・・。
Commented by マダムKenwan at 2012-02-20 16:53 x
いやね、ベートーヴェンの方は知っていたのですが(入ったこともあります)、
こんなに近くに、そういう場所があるとは知りませんでしたよ。
うちの近くには、ほら、「第三の男博物館」もあるんですよ。
あそこも行かれました?
私は、前を通ることはあるのですが、まだ、入ったことないです。

それにしても、すごボロアパートをきれいにして使っていますよね〜
Commented by tohoiwanya at 2012-02-21 00:03
>興奮する場所が、やはり誰しもあるようで・・・

みゅげさん:
ここは興奮しました(笑)。
凱旋門とかエッフェル塔みたいに、もともと有名な場所っていうんじゃなくて、
「ソレと知ってなければ100%見過ごしてしまうような場所」であるからよけいに興奮した。
オペラ座前とかの“名所”じゃなく、ウィーンのどこにでもありそうな裏町で
あの場面を撮った監督キャロル・リードの慧眼に感服です。

道行く外人観光客は「あの東洋人、なんであんなドアで記念写真撮ってんだ?」と
不思議に思ってたのは間違いないですが…(笑)。
 
Commented by tohoiwanya at 2012-02-21 00:14
>「第三の男博物館」もあるんですよ

マダムKenwanさん:
それねぇ、ホテルからも遠くなかったし、時間があったらちょっと行きたいな、と思ってたんですけど
どうしても映画ヲタクの関心は博物館より実際のロケ地の方に向いちゃうみたいで(笑)、
結局行かなかったんです。

ご存知かもしれませんけど「第三の男」のクライマックス・シーンはウィーンの
地下下水道の中。この地下下水道を見学するツアーっていうのもあるんですよね。
博物館より、私としては下水道ツアーの方にひかれたんですけど、それも
時間の都合で今回は見送りました。あーウィーンはもう一度行きたいなぁ。
まだまだ行きたいところがいっぱいありますよ。
 


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