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2012年 02月 22日

ウィーンでメリー・ウィドウを観よう

ウィーン国立歌劇場で「サロメ」を観たのは2011年6月6日月曜日。
その二日後、6月8日水曜日にイ課長とトホ妻は、こんどはウィーン・フォルクスオパーに
オペレッタを観にいった。演目は「メリー・ウィドウ」だ。
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オペラとオペレッタの厳密な定義の違いはイ課長もよくは知らない。
確かなことは、オペラが多くの場合「悲恋」「死」「運命」「悲劇」…等々の重厚な物語を
題材にしているのに対し、オペレッタは「喜歌劇」という日本語訳からもわかるように、
お話はめっぽうお軽いノリの恋愛喜劇と相場が決まってる。他愛のない恋愛喜劇に
歌と踊りが満載のエンタテイメント性が徹底してて、これが楽しいんだワさ。

25年前くらいになるかなぁ?まだ結婚前、フォルクスオパー来日公演で、NHKホールの
「メリー・ウィドウ」を初めて観た時の、あの楽しさは生涯忘れられるもんじゃない。
あの時は、第三幕のフレンチ・カンカンの場面があまりに楽しくて、観客が何度も何度も
アンコールをおねだりしたんだよ。

何度もカンカンを踊ってくたびれたヴァランシエンヌ役のメラニー・ホリデーが笑いながら
「もう勘弁してよ〜」って哀願する。
しかしダニロ役のセラフィンは無慈悲に「もういっぺんアンコールだー!それ!」って観客を煽動。
喜んだ観客がますます手拍子を鳴らしてアンコールをおねだりすると、何と指揮者が
踊りの準備も出来てないのに前奏を鳴らし始めるから、舞台上のダンサーたちは右往左往。
それを見た舞台の歌手たちも観客も大笑い…てな状態で、あの時はあまりに楽しすぎて
いつまでたってもフレンチ・カンカンから先に話が進まなかった(笑)。

おかげで本来のストーリーとは全然関係ない舞台になっちゃったように見えて、実はその状況こそ
まさに舞台設定どおり、「パリ・マキシムでの陽気なバカ騒ぎ」に見事になってるじゃん!
しかもそのバカ騒ぎには歌手やオケだけじゃなく、観客までもが参加してる!

あんな経験、後にも先にもあの時だけで、若きイ課長は本当に心底感動した。
オペラとは別種の、オペレッタならではの感動ってあるんだよ、しかもものすごく(笑)。

そのメリー・ウィドウだよ。しかも本場ウィーンのフォルクスオパー劇場で、だよ。
これ観ずしてどうする!…というわけで「サロメ」同様、チケットは何ヶ月も前に日本で
ネット予約し、ウィーン到着早々に実券と引き換えておいたのだ。
万難を排して準備したから当日の夜は余裕ブッこきってもんだぜ。ふふん♪
(上がサロメのチケット、下がメリー・ウィドウのチケットね)
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ところが、この日は以前に書いた、午後にドシャ降りの夕立があった日だったんだよ。
雨はやんだけど、いざイ課長&トホ妻がフォルクスオパーに向かおうとして、市電の
ショッテントーア駅に着いた頃には、ふたたびヤバげな空模様になってきた。
うう…ちょっと待って雨。我々が劇場の中に入るまで降りだすのは待ってくれアメ。
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これがフォルクスオパー劇場の前。市電や地下鉄(高架)がガンガン走ってる近くに建ってて、
劇場の中にいても気をつけてると電車の通る音が聞こえたりする(笑)。
なんとか雨が降らずにいてくれたのは幸いだった(この後、土砂降りになった)。
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このメリー・ウィドウ。期待の新演出だそうで、旅行中にポスターを何度も見かけた。
メリー・ウィドウって、ドイツ語ではDie Lustige Witweっていうんだな。
発音が難しい。「ディー ルスティゲ ヴィットヴェ」。陽気な未亡人って意味だ。
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劇場の中はこんな感じ。実はここには20年前の新婚旅行の時にも来てるはずで、
「微笑みの国」を見たはずなんだけど、ハッキリ言ってあの時は疲労困憊してて、
休憩中+上演中の90%は爆睡してた(笑)。ほとんど「初めて来た」に等しいよね。
ちなみに席は赤絨緞の個室だよコシツ!プラハ以来じゃないかな?個室って。
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オペラ座に比べると小ぶりで、その分「ひとつの空間をみんなで共有してる」感じが強まる。
おそらく今日来ている観客の半分以上は我々と同様「メリー・ウィドウは何度も見て、
内容も曲もよく知ってる」っていう人じゃないかと思う。まぁ歌舞伎なんかでもそうだけど、
イイ作品は何度見てもいいのだ。しかも新演出。期待は高まる。

実は今年の5月にフォルクスオパーはまた来日するみたいで、イ課長たちがウィーンで見た
新演出のメリー・ウィドウも演目として持ってくるらしい。
その来日公演の招聘元サイトにあった写真で舞台を想像していただきたい。
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今回の新演出。曲の順番を入れ替えたり、幕の切れ目を通常とは別のところに置いたりして、
超定番演目メリー・ウィドウに新しい試みをいろいろ取り込んでる。
有名な「女・女・女の歌」を幕の切れ目に持ってきて、次の幕は、ついさっきまで
「女・女・女の歌」を歌ってたヤロウどもが超泥酔状態で全員舞台にブッ倒れてるところから
始めるなんていう趣向はけっこう笑えた。

召使いであるニエグシュの登場シーンも大ウケだったなぁ。
舞台に自転車に乗って出てくるんだけど、何と雨ガッパを着て自転車コイでたんだよ。
土砂降りがあり、雨に濡れて来た客もたくさんいる日の公演だからフザケたわけだろうけど、
こういう意外なおフザケが満ちてるところがオペレッタならではの楽しみ。
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公演が終わったのは9時半くらいだったかなぁ?幸いにして雨はやんでくれていた。
劇場から出てきた観客はみんな「あーーー楽しかった」って幸せそうな顔をしてる。
もちろんイ課長とトホ妻の顔もそうだったと思うよ。あー楽しかったなぁ。




by tohoiwanya | 2012-02-22 00:15 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)


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