2012年 06月 18日

カイザーバード水門監視所

さて、久しぶりに去年のウィーン旅行ネタに戻るぞ。

あの旅行ではカールスプラッツ駅舎だの、マジョリカハウスだの、郵便貯金局だの、
ウィーン世紀末建築をいくつか見学したわけだけど、最後にもう1箇所行ったところがある。
それはカイザーバード水門監視所という建物なのだ。

ウィーンの街はドナウ川に沿ったところに位置してるんだけど、太いドナウ川から
少し細い運河が市内にひきこまれてる。水門監視所っていうからには、この運河に
昔あった水門に付属した建物ということになる(現在は水門はない)。

郵便貯金局マジョリカハウスほどメジャーじゃないけど、これも世紀末ウィーンを
代表する大建築家オットー・ワーグナーの作品。ちょっと見てみたかったんだよ。
「水門監視所」なんて、建築デザイン性における“自由度”が高いシロモノとは思えない。
住居やオフィスビルと違って、デザインやら芸術性やらを注ぎこむ余地なんてあんまり
なさそうじゃん?そんな建物をオットー・ワーグナーがどう作ったのか、興味があった。

水門監視所は市電のショッテンリンクという駅からほど近い場所にある。
道路をわたって運河に降りると建物はすぐに見つかった。おおおー、あれか。
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実質的に地下鉄への入口機能しかないカールス・プラッツ駅舎よりは大きいけど、
建物としては小ぶりなものと言っていいだろう。ハデな装飾があるわけでもないし、
こうして少しワイドで見ても、気にしてなければ見逃しちゃいそうな建物だ。
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もう少し近くから見よう。ふーむ…まぁ確かに味もソッケもない建物といえなくもない。
「芸術は必要にのみ従う」というポリシーを持つオットー・ワーグナーさんの考え方からすりゃ
水門監視所という建物の性格からして女人柱だのタイル模様だののデコラティヴな装飾は
「必要ない」ということになるはずだよね。
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なんたって「監視所」だ。最も必要な機能は「見る」ことだ。
だからなのか、監視用の窓(なのかな?)がこうして張り出してるところなんかは
機能を強調してるともいえるよね。イ課長はこの部分を見て、「船のブリッジみたいだなぁ…」と
思ったりしたよ。
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しかし、だよ。
水門監視所という、装飾の必要のない建物といえどもだよ。
やはりオットー・ワーグナーさんとしては、ナニもない真っ白な建物にするのは
「さすがにちょっと…」っていう気があったんじゃないかって気がするんだよ。
それじゃいくら何でも味気なさすぎる。

そこで、うんと控えめながらも彼がこの建物に込めたちょっとしたデザイン性みたいなものが
この波模様じゃないかって気がするんだよな。
水門監視所にこんな波模様が必要なわけでは全然ない。全然ないが、しかしナニもない
ノッペラボウにするのもナンだから、こんな模様でも…というわけだ。
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この波模様は水門監視所という、水にまつわる建物だっていうことを表してるんだろうけど、
そこにまぁ何と言うか、設計者の「遊びゴコロ」というか、「装飾欲」の発露みたいなものが
あるんじゃないか…なーんて、建築素人のイ課長は勝手に考えるわけヨ。

しっかし、ドナウ運河のこの辺りのラクガキのスゴさにもたまげたね。
これもまたある意味「装飾欲の発露」と言えなくもないだろうが。まぁスゴい。
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観光客の多いエリアはどこもキレイに磨きあげてるウィーンだけど、ガイジン観光客どころか
地元の人だってあまり来ないような(人通りはホントに少なかった)、ドナウ運河までは
ウィーン市当局の掃除の手もまわりきらないようなのでありました(笑)。



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by tohoiwanya | 2012-06-18 00:03 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(8)
Commented by piyomaru at 2012-06-18 13:44 x
旅行、おつかれさまでした。おかえりなさい。足は良くなられましたか?今回の旅行も面白い話がたくさんありそうで楽しみです。
私もいよいよ今週ウィーンに出発です。今は荷造りの真っ最中。ウィーンは気温の日較差が大きいようですが、昨年行かれた際、昼と夜はそれぞれどんな服装をされていましたか。よければアドバイスください。m(_ _)m
Commented by みゅげ at 2012-06-18 17:01 x
いや~~~!!!すごい好きな建物だわ!!!
まず色がいい!!!
紺、青、白、グレー、わずかな色合いなのに美しいわ♪
シンプルでセンスがいい!!!
こんなにそぎ落としながら美しさを表せるなんて、さすがオットーさん!!



・・・・ああ・・・・この日記、もう少し早く頂きたかった(絶対に行った・・・)(笑)
Commented by tohoiwanya at 2012-06-18 17:54
>昼と夜はそれぞれどんな服装をされていましたか

piyomaruさん:
えーとですね…古い記事を探させて申し訳ないんですが、
今年1月14日の記事を見ていただけます?ブダペストに行った時に私が
思考停止状態でタバコ吸ってる時の写真があります。
あれが「昼間のカッコ」の典型的な姿でした(笑)。
Tシャツの上に温度調整用にもう1枚、薄手のシャツって感じですかね。
夜も基本的には同じカッコでしたけど、音楽会行く時はもう少しフォーマルに
しないとまずいので、麻のジャケットの下に黒い丸首半袖シャツ着ました。ボトムスはチノパン。

…こんなんでご参考になるのかなぁ?(笑)

ぜひ楽しんできて、戻られたらお話聞かせてください。
Commented by tohoiwanya at 2012-06-18 18:05
>この日記、もう少し早く頂きたかった(絶対に行った・・・)

みゅげさん:
おお、この建物がそんなにストライクゾーンだったとは(笑)。

カールスプラッツ駅舎とかマジョリカハウスでは写真撮ってる人もいたけど、
ドナウ運河のこの辺はホント、訪れる者もいない場所っていう感じでしたね~。
女性が1人でこの建物を観に行くのは心細いかな?ってくらい、
昼間でも人気の少ない場所でしたよ。
まぁウィーンはそういう点では治安がいいから不安はないですけどね。

ほーーら…アナタはまたウィーンに行きたくなってき~た、なってき~た♪
 
Commented by piyomaru at 2012-06-18 23:10 x
ありがとうございます。最低気温が14度とかだったので夜の寒さが心配でしたが、そこまで寒くはないみたいで安心しました!
音楽会も服装も参考になりました。どうもありがとうございます。楽しんできます!
Commented by tohoiwanya at 2012-06-19 10:55
>そこまで寒くはないみたいで安心しました

piyomaruさん:
私なんかはけっこう暑がりなので、夜の涼しさは全然気にならなかったですね。
寒さに弱い人でも、薄手のカーディガン1枚持ってれば大丈夫じゃないかな?

むしろウィーンでは急な夕立の方がオッカナいってイメージがある(笑)。
一週間の滞在で、急な雷雨に2回遭遇しましたからね。
市街地ならどこかで雨宿りすればいいんだけど、逃げ場?のないところに
行くときはお気をつけください。
Commented by みゅげ at 2012-06-21 13:25 x
写真をありがとうございました。

しかし、パソコンに弱いものですから、壁紙にしたら写真がすごく小さくなり、9×9のちいさな81枚のになってしまいました・・・・。

ところがところが!!!この81枚の小さな写真はまるで模様のようになり(ちなみに3枚目の写真)、とってもきれい!!
ワンピースでも作りたくなるような涼しげな壁紙・・・・、夏はこれでいくわ!♪
Commented by tohoiwanya at 2012-06-22 00:48
>9×9のちいさな81枚のになってしまいました・・・・

みゅげさん:
ちょっ…そりゃまた一体どういう操作したのアータ(笑)。
しかし白を基調に2つの明度の違うブルーというのは模様化?すると
確かに涼しいかもしれない。
周囲の建物が写ってるのがちょっとジャマだけど、これを上手くトリミングして
水門監視所だけの画像にして、白いTシャツにプリントしたりすると
売れるかもですよ(笑)。


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