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2012年 07月 02日

フロイト博物館

本日はいかにもマットウなウィーン旅行記っぽく、フロイト博物館に行ったときの話を書くぞ。

19世紀末ウィーンは様々な分野でめったヤタラに天才を輩出したことで知られる。
なぜこの時期のこの街に特異的にワサッと天才が集中したのかは興味深い問題で、
近代西洋史のセンセイにとっちゃ格好の研究テーマみたいだ。

絵画(クリムトやシーレとか)、音楽(マーラーとか)、建築(オットー・ワーグナーとか)
哲学(ヴィトゲンシュタインとか)、文学(ホフマンスタールやシュニッツラーとか)等々の
キラ星の如き天才たちと並び、世紀末ウィーンを代表する知の巨人の一人として
フロイトの名前は必ず挙がる。その後の20世紀精神医学はもちろんのこと、文学や芸術等々の
諸分野に与えたフロイトの影響の深刻さはまったくスゴかったらしい。

実はイ課長は高校生のとき、よくわかりもしないのにフロイトの「夢判断」上下巻を
無理して読んだのだ(笑)。背伸びしたがる高校生にとっては難しい本だったけど、それでも
あれは印象に残る読書体験だった。だからイ課長にとってはウィーンの天才たちの中でも
ジーグムント・フロイトの名は親近感があって、フロイト博物館にもちょっと行ってみたかった。

フロイト博物館はベルクガッセっていうところにある。市電で行った。
しかし何番の市電で行ったのか、降りた停留所名が「ベルクガッセ」だったかどうかも
忘れてしまったよ、すまぬ(笑)。

博物館内部はそれほどスゴいものが展示してあるわけじゃない。
ここの値打ちは(リスト記念館なんかもそうだったけど)フロイトが住んでた当時の
たたずまいを極力そのまま再現しようとしていることにあるんだろうな。

扉にはこんな風に、当時のままの表札?や診療所案内?みたいなものが貼られてる。
こういう、どうってことない展示が逆にムードを高めてくれる。
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中はいくつかの部屋に分かれてて、ここはおそらく「待合室」だったと思われる。
ここも当時のままの調度が置かれているに違いない。
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これは…患者を寝かせて、いろいろ話をさせた診療台かな?
しかしこれだと硬くて痛いよねぇ。この上にクッションでも並べてたんだろうか?
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うーむ…帽子や旅行カバンがこんな風に無造作に置かれているというところも
実にムード満点だ。暗い室内だったから手ブレ写真で申し訳ない。
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イ課長が個人的に面白かったのは、おそらくフロイトの「夢判断」が発表された後に
作られた、一種の「夢映画」なんだよね。もちろん白黒サイレント映画なんだけど、
「寝巻のまま空を飛んだ」なんていう夢が当時レベルの特撮を駆使して作成されてて
なかなか面白かった。もっとも、この「夢映画」を上映してた部屋(このモニタがそう)で
いつまでもこの映画を眺めてる入場者はイ課長しかいなかったが…(笑)。
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ちなみに、ウィーン時代のフロイトにはマーラーも診てもらってる。おそらくマーラーが
若き妻アルマとの仲に不安を感じたかナニかで情緒不安定になったんだろう、きっと(笑)。
その時、フロイトは「アナタ(つまりマーラー)は妻に母親を、奥様は夫であるアナタに父親を
期待し、求めている」みたいな診断を下していろいろアドバイスしたらしい。

はるか昔に「夢判断」を読んだイ課長にとってはなかなか感慨深いフロイト博物館訪問。
しかしフロイトに何の興味もない人にとっちゃ大して面白くない場所であることも確かだ。
イ課長としても「人によっては面白いよ、行ってみては?」としか言えませぬ(笑)。






by tohoiwanya | 2012-07-02 17:43 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(6)
Commented by piyomaru at 2012-07-02 23:24 x
イ課長さん、こんばんは。昨日ウィーン、ブダペスト、プラハの旅行から戻ってきました。少し雨に降られましたが、そこそこのお天気でとても楽しかったです。そうそう、ブダペストのくさり橋ではうちのもやっぱり怖がっていました。冗談かと思いましたが、「理屈じゃないねん。君にはわからへんねん。」といって、できるだけ車道側を歩いていて可笑しかったです(笑)。
Commented by マダムKenwan at 2012-07-03 08:19 x
多分、D番で行ったのではないですか?
シュリックガッセってところで降りると近いでしょう。
もしくは、ショッテントアから37、38、40、41、42番で
一つ目からでも近いです。

「夢判断」は、私も読みましたが
難しくてチンプンカンプンでした(笑)
Commented by げんまいちゃ at 2012-07-03 09:32 x
行きました、ここ。どうやって行ったとのかは全く覚えていません。ガイドブックを見直しても、U-Bahnの駅しか載ってないので停車場は判りません。
初版本とかがたくさんあったのが印象的でした。彼はナチスに追われていった人ですよね、確か? その割に当時の姿そのままに保存されているところがすごいと思いました。帽子とか、杖とか、鞄とか、全部置いていったんだろうか、移動に必要なものなのに…と当時不思議に思いましたが。
あと、ウィーン大学の回廊みたいなところにある彼の胸像と一緒に記念撮影もしました。「夢分析」は自慢じゃないですが、読んだことないです。ちなみに、このとき同時にクラフト=エビングの胸像前でも写真を撮っているところからも、私の興味の偏り具合が判るというものではありませんか。
Commented by tohoiwanya at 2012-07-03 11:39
>ブダペストのくさり橋ではうちのもやっぱり怖がっていました

piyomaruさん:
お帰りなさい。ご無事でお戻りで何よりです。
くさり橋、こわがってましたか(笑)。あの橋はそんなに高いところにあるわけじゃないけど
何か高所恐怖症の人間のコワさの琴線?をワシづかみにするような
たぐいまれな橋なんですよ、きっと(笑)。

しかしいいなぁ~。私は出張で行った10月のプラハしか知らないけど、
6月のプラハは一段と美しいでしょうねぇ。
観光名所はどこも相当混んでなかったですか?
Commented by tohoiwanya at 2012-07-03 11:49
>もしくは、ショッテントアから37、38、40、41、42番で

マダムKenwanさん:
今となっては記憶もオボロなんですが、ショッテントーアで乗り換えたような
気がするんでよねぇ。
まったく初めていく場所で、市電の中ではホテルでもらった市内地図を見ながら
「何番目の停留所…この次か?」なんて考えながら乗ってた。
でも降りた停留所からフロイト博物館まではごく近かったですね。

あまり来館者もいないんじゃないかと思ってたら意外に混んでてびっくり。
団体客もいました。世界には「精神分析ヲタク」「夢判断ヲタク」が多いんだろうか?
Commented by tohoiwanya at 2012-07-03 11:54
>彼はナチスに追われていった人ですよね、確か? 

げんまいちゃさん:
フロイトはユダヤ系だったようで、結局ロンドンに亡命して、そこで亡くなった。
だからロンドンにも別の「フロイト博物館」があるらしいんですけど、
でもフロイトといやぁ、やっぱウィーンでなきゃ…ねぇ?

>クラフト=エビングの胸像前でも写真を撮っている

「エビングってナニ書いた人だっけ?」って確認しちゃいましたよ(笑)。
あの偉大な著作を書いた人だったんだーーー。いやぁ~…げんまいちゃさん、
アナタの志向は確かに偏ってます(笑)。それもかなりヤバい方向に(笑)。
 


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