2012年 07月 27日

ルーアン大聖堂に入ろう

モネが描いたルーアン大聖堂の連作シリーズ。

建物にあたる光の(色の)変化を捉えることに対するモネの、ほとんど妄執ともいえる
執着を示した連作として名高いけど、全部で何枚あるのかイ課長は知らなかった。
まぁたぶん十数枚とか、そんな感じだろうと思っていたのだが…。

実は33枚もあるんだと!これにはちょっと驚いた。
ひたすら同じ場所・同じ構図でルーアン大聖堂が朝、昼、夕方と変化していくサマを
33枚描くってスゴすぎる。やはり妄執だよ(笑)。ネットで拾ってきた画像を3枚だけ
ご覧に入れよう。ことごとく、この構図だ。
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この絵で見るルーアン大聖堂、一番特徴的だと思うのは、大きなバラ窓(絵ではほとんど
黒い洞窟みたいに見えるが)の前にくっついてる、二等辺三角形のデッパリだよね。
この三角形の中に「フランボワイヤン式=火焔式」を象徴する、炎が燃え上がるような
技巧的な装飾が施されている。バラ窓の前にこんな装飾が高く出っ張ってる教会って
他のゴシック聖堂じゃ見た記憶がなくて、ルーアン大聖堂の大きな特徴と言っていいんだろう。

さっそくモネが見たのと同じような角度で…あれ?…あれ?…あれ?
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おかしいな?例の三角形のデッパリがないぞ。
モネの絵はこの角度からじゃなくて、別の窓を描いたもんだったのか?

いやしかしもう一度見比べてほしい。どう見たってこの位置から描いてるよな。
あのバラ窓の前に三角形のデッパリが絶対あるはずなのに、ない。えええ~?
この辺から、フランスで何度か味わった経験のある悪い予感が急速に広がり始めた。
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かーーーッ!やっぱりそうだよ。修復かナニかであの三角形部分だけはずしてやがる!
三角形の装飾をとっぱずした言い訳らしき看板があるよ。言い訳すんな、ばかたれ。
何でイ課長が来るのに修復なんてするかなーー!フランス人のばか!
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さっきも言ったように、バラ窓の前の、このタテ長三角の華麗な装飾こそが、この大聖堂の
最も特徴的な部分。モネの連作の画像を見るとわかるように、彼は明らかのこの
「暗いバラ窓の前にある三角形の装飾に光が当たる」という部分を中心的なポイントに据えて
大聖堂を描いてる。そこを…あろうことか…現在ハズしてますだぁ?…くっ…てめぇ…。

いや、そりゃね?いいよ?修復は必要だよ。
しかし、正面ファサードの一番重要な装飾だけモギ取っちゃうっていうのは
いかがなもんだ?木造建築なら「一度はずして、また組み立て直す」ってことも
できるんだろうけど、石造建築の飾りの部分だけ取っちゃうなんてこと出来るのかい?
まさか根元をノコギリでギコギコやってハズしたんじゃねぇだろうな?
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2009年にランス大聖堂に行った時もよゥ、一番有名な「微笑みの天使」像ンとこだけ
修復で隠してやがったしよゥ、今回はルーアン大聖堂でこれかい。まったくもう~…。
フランスでこういう失望を味わった時の常として、イ課長の対仏感情は急速に悪化する(笑)。

まぁしゃあない。
イ課長だってそれほど狭量なオトコではない。大人なのだ。
三角形装飾取り外し事件?のことは胸の内に収めて、とにかく中を鑑賞するとしよう。
…といいたかったところなのだが…。

うーむ…いわば「大聖堂の顔」が修復でハズされちゃってたのにショックをうけて、
聖堂に入るまでのことをこんなに長く書いちまったじゃねぇか(笑)。
このまま続けて書くと長くなるから、大聖堂の内部鑑賞は次回更新にまわすことにする。

え?ハナシ引っ張るなって?これはね、イ課長がワルいんじゃないの。
何もかもフランス人が悪いのだ(笑)。



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by tohoiwanya | 2012-07-27 23:45 | 2011.11 欧州出張 | Comments(2)
Commented by 加代子 at 2012-07-28 18:11 x
モネの絵は見た事がありますが
ルーアンのとは失念していました。
装飾が凄い外壁ですね。
遠路遥々訪ねて行ったのに 改造中だと
本当にガックリきますよね。
イ課長さんの気落ちも分かります。
Commented by tohoiwanya at 2012-07-29 01:25
>ルーアンのとは失念していました

加代子さん:
土曜日の日帰り観光地の候補、パリから近い街としてルーアンを発見したとき、
実は私もすぐにはモネの絵と結びつけられなかった。
ルーアンってどんな街だ?と調べて、この連作がルーアンの大聖堂だったことを
思い出したクチです(笑)。

こういう古い教会建築だから、修復中っていうリスクはあるのはわかってるんだけど
いざそういう事態に直面すると人間なんて勝手だから「オレがせっかく来たのに
修復とはナニゴトか!」っていう気持ちになっちゃいますな(笑)。



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