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2012年 11月 07日

3つのルサルカ その2

さて、三つめの「ルサルカ」。

それはルフトハンザ機内で「売春ルサルカ」を見たわずか二日後の話。
仕事でブリュッセルに滞在したイ課長は、ブリュッセルが誇るオペラ劇場として名高い
モネ劇場でまたまた「ルサルカ」を観たのである。

これはブリュッセル滞在中のオペラ上演日程を調べて、日本にいる間に予約した。
だから、ルフトハンザで観た二つめのルサルカが“たまたま”だったのに対して
モネ劇場で観た三つめのルサルカは出発前から計画されたものだったのである。
料金は44ユーロ。4400~4500円ってとこか。日本に比べりゃすごく安いワ。
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外国のオペラ劇場にオペラを観に行く時って、ワクワクする。
モネ劇場に入るのは生まれて初めてだから尚更だ。中の様子を見たいから少し早めに劇場へ。
ギリシャ神殿みたいな、典型的な新古典様式の建物で、いかにも歴史を感じさせる。
ちなみに「モネ劇場」の「モネ」って、英語のマネーのことみたいで、元々ここには
造幣局があったからそういう名前がついたらしい。

うひょーーー。中はさすがに豪華だ。
豪華絢爛な赤絨毯に豪華絢爛なシャンデリア。さすがはブリュッセル随一のオペラハウス。
ヨーロッパ来てオペラ観るなら、こういう空間で観たいよねぇ。
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おまけによくわからずに取ったイ課長の席はボックス席だ。ボックス席でオペラ鑑賞なんて
日本じゃできない経験だから嬉しくなる。そういや、2007年にプラハで「ルサルカ」観たときも
ボックス席だったっけなぁ。
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さて、この豪華なモネ劇場のボックス席で観た三つめの「ルサルカ」。
プラハの演出は極めてオーソドックス、ルフトの機内で観た演出は極めて斬新。
モネ劇場はその中間くらいかなぁ?と漠然と予想していたのだが…。

なんのなんの。モネ劇場の「ルサルカ」もまた極めて斬新な演出だった。
舞台設定は明らかに現代のブリュッセルで、湖のニンフたちはボディコンを着て
バーのカウンターで歌いまくり、肝心のルサルカもシルバーの衣装で広告塔の上で
「月に寄せる歌」を歌うっていうんだから恐れ入る。

しかしまぁ、こういうのは舞台設定を目新しいものに変えたっていうだけのことで、
それはそれでいい。モネ劇場の「ルサルカ」の問題は、例の「とんでもマクベス」と一緒で
演出家が思いつくことを次々と盛り込んだ結果、舞台の上ではいろいろ派手なことが
行われるあまり、観客が歌や演奏に集中できないということだ。

たしかに派手さという点では見事に派手な演出で、道具立てもいろんな趣向満載。
第2幕の最後じゃ劇場中がキラキラの紙吹雪に包まれてタマゲた。歌謡ショーか?これは(笑)。
ボックス席も平土間も、そこらじゅうにもキンキラ紙ふぶきがまき散らされたまま
第3幕に突入だ。モネ劇場の掃除スタッフは明日大変だろうなぁ~。
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第3幕の最後ではとうとう湖のヌシ役が王子様役を殺した罪?で逮捕されるというスゴい展開。
観てるガワも「何がどうなった?」って感じで登場人物の動きや関係性を追うのに忙しいよ。
ブリュッセルのルサルカもかなーり「ぶっとびバージョン」だったと言えるだろう。

こうして、三つめの「ルサルカ」鑑賞経験はぶっとびながらも無事終わったのである。
モネ劇場にかかる月を観ながら家路…じゃなく、ホテル路についたというわけだ。
仕事的にはともかく、オペラ的にはなかなか充実した出張だったよな(笑)。
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それにしても、プラハで観た「ルサルカ」を皮切りに、数年後にルフト機内でも「ルサルカ」、
そしてさらに二日後にはブリュッセルでまたもや「ルサルカ」。
「カルメン」や「椿姫」みたいにポピュラーじゃない「ルサルカ」を3つの異なるプロダクションで、
しかもそのうち二つは海外の実演で観た日本人って少ないんじゃないかなぁ。

しかも、3つのルサルカのうちオーソドックスだったのはプラハのやつだけで、
ルフトの機内とモネ劇場のルサルカはどっちも相当「とんでもビックリ系」だからねぇ。
そういう意味ではさらに珍しい経験といえるだろう。

このように、今年3月の欧州出張でイ課長は「ルサルカ」のビックリ演出を続けざまに見た。
いわば「強いクスリ」を続けざまに服用しちゃったようなもんで、今後どこかで
オーソドックスな「ルサルカ」を見ても「演出にもっと刺激が欲しいぜ、けっ」なんて
思うようになっちゃうんじゃないかと、ちょいとばかり自分が怖いのである(笑)。

 

by tohoiwanya | 2012-11-07 00:14 | 2012.03 欧州出張 | Comments(6)
Commented by Bきゅう at 2012-11-07 03:03 x
メッセージが遅れないので、業務連絡です:わしのブログの最新記事は、誤解されるおそれがあるので、削除しました。せっかく、カキコいただいのですが、それも一緒に消えることとなってしまいました。もちろん、バイト代など出ないお手伝いでしたよ。
Commented by Mimi at 2012-11-07 06:57 x
オペラの歴史の長さが、そういった大胆な新解釈や演出を許しているのでしょうかねえ。
面白いですね。
歌舞伎の古典演目では、そこまでの大胆な変更は無いような気がします。
ところで、水の精が人間になると声を失うのって、アンデルセンの人魚姫とも同じなんですね。
ヨーロッパの民話ではよくある設定なのかしら?
Commented by tohoiwanya at 2012-11-07 12:57
>バイト代など出ないお手伝いでしたよ

Bきゅうさん:
あーやっぱりそうなんだ。ってことは缶ビールだけが報酬ってことか。
私の場合、それで充分だけど(笑)。

削除はお気になさらず。いろいろ微妙ですからね。
でも、これからも時々ああいう番外編書いて下さいよ。
 
Commented by tohoiwanya at 2012-11-07 13:07
>歌舞伎の古典演目では、そこまでの大胆な変更は無いような気がします

Mimiさん:
歌舞伎はないでしょうねぇ。クラシックバレエでもマシュー・ボーンみたいな
例外はあるけど、大体はお約束のモッコリタイツの王子様とお約束の
白いヒラヒラ衣装のお姫様がお約束の振り付けで踊るってのが多いはず。
そういう点、オペラは「今回はどんな演出かな?」っていう想像余地があって
それはそれで面白い(ガッカリした場合の失望も大きいけど)。

「人間になったら声を失う」っていうのはたぶんよくある設定なんでしょうな。
人魚姫もオンディーヌもルサルカも同じってことは、水中でエラ呼吸してた生物は
陸の上ではしゃべれないってことかな?(笑)
Commented by 良太 at 2012-11-10 21:13 x
こんばんは、ごぶさたしております。良太です。
覚えていらっしゃいますでしょうか?
私はなんとか元気でやっております。
iwanya様はいかがですか?
実は、こちらのブログ、最初のころから読んでいたのですが
コメントしないでおりました。
ドヴォルザーク大好きでありながら、ルサルカはまだ観たことも聴いたこともなく
恥ずかしい限りです。
また、ドヴォルザークをいろいろと研究してみたくなりました。

最近というかここ5年間ぐらいシベリウスばかり聴いております。
iwanya様もよろしかったらシベリウスワールドへ、どうでしょうか??笑
Commented by tohoiwanya at 2012-11-11 11:08
>覚えていらっしゃいますでしょうか?

良太さん:
思わず帝国掲示板の管理画面で過去ログを確認してしまいました(笑)。
2007年以来だと思います。お久しぶりですねー。お元気そうで何よりです。

シベリウス、いいじゃないですか。
今年の6月の東欧・北欧旅行のとき、ヘルシンキに2泊したんですけど、
ヘルシンキ空港で飛行機待ってる間はひたすら交響曲2番とか、vl協奏曲とか
悲しいワルツとか、そんなのばっかりiPodで聞いて「フィンランド気分」に
浸ってましたよ(笑)。
 


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