人気ブログランキング |
2012年 11月 11日

大須演芸場に行ってきた

木〜金と名古屋に出張してきた。
日程的には何の問題もなく木曜に日帰りできるはずだったんだけど、働くのがキライな
イ課長としては金曜に休みをとり、自費で名古屋に一泊してきたのだ。

名古屋って、観光という面では特に観るべきものがない街だ。
しかし今回はぜひ行ってみたい場所があった。それは大須演芸場というところだ。

大須演芸場。別名「奇跡の寄席」。
とにかく客の少なさで有名で、過去何度も閉鎖の危機に直面しながら奇跡的に延命し、
現在に至っている。一度はとうとう八方ふさがりで競売にかけられたんだけど、何と
支援者が落札してくれて生き延びたらしい。とにかく存続してること自体が奇跡なのである。

今は亡き、古今亭志ん朝が大須演芸場閉鎖の危機と知って「なんでもやるよ」と申し出て
90年代にここで毎年独演会をやり、その日だけは立ち見も出る超満員にさせた、なんていう
美しいエピソードがたくさんあることでも知られている。残ってるうちに見ておきたいではないか。

金曜日の名古屋。伏見のホテルをチェックアウトして、ぶらぶら大須まで歩く。
はい、一応大須観音にもお参りしましょうかね。
思えば、去年の3月ここにお参りしたときはちょうど震災の1週間前だったんだよなぁ。
大須演芸場に行ってきた_f0189467_0131965.jpg

大須演芸場は観音様から歩いてすぐ。
道端の案内図で確認すると…おおお、ここでもすでに「奇跡の寄席」扱いだ(笑)。
いまや「奇跡の寄席」は大須演芸場の枕詞になってるね完全に。
大須演芸場に行ってきた_f0189467_0133887.jpg

おっといよいよ近づいてきました。出演者の看板も出てます。
この字体、この色使いがもうすでにタダならぬ雰囲気で、イ課長の緊張?も高まります。
大須演芸場に行ってきた_f0189467_014445.jpg

おお〜これか、大須演芸場。
サビレた感じの建物だろうとは思っていたが、想像通りにサビレている。
イ課長が子供の頃に怪獣映画を見に行った、昭和の時代の名画座を思い出すなぁ。
大須演芸場と書かれた5個の提灯の周辺は塗装もハゲハゲで、「奇跡感」が濃厚に漂う(笑)。
大須演芸場に行ってきた_f0189467_0142377.jpg

「切符」と書かれた窓口はふさがってる。仕方ないから中に入って、おばあさんに
「チケット欲しいんですけど」と聞くと、「チケット、いろいろあるんですけど?」といって
前売り中の興行のチラシを指差す。
「あ、ソレじゃなく、今日の公演の…」   「あー、じゃ、そこでお金払って」というわけで
シラガのおじいさんに1500円払った。通常公演に切符は特にないようだ(笑)。

後で考えたら、あのシラガのおじいさんが大須演芸場の席亭(まぁ劇場ないし興行主)で、
おばあさんがその席亭夫人だったはずだ。何と畏れ多いことであろうか。
(大須演芸場には席亭のご夫婦以外に従業員はいないらしい)

しかし客席に入ったイ課長は我が目を疑った。お客がワンワン入ってるじゃん。
実はこれ、一宮市の一人暮らしのお年寄りたちを集めたバスツアーのお客さんだそうで
出演者たちも「こんなにお客が入るのはお正月以来」と言うくらいの大入りなのだ。
「大須演芸場らしさ」を期待した身としては、意外な状況にビックリだぜ。
大須演芸場に行ってきた_f0189467_0162017.jpg

開演は12時で、2時間で1回めの公演が終わり、ほぼ間髪を入れず2回めの公演に突入。
出演者の持ち時間はキッチリ20分、それで6人出演するわけだ。2回目の公演もさっきと同じ
6人が出演し、4時に終わる。席の入れ替えはない。イ課長は通して4時間見た。

いやーー。面白かったよ。
何が面白いって、一宮市のお年寄りたちは1回目公演だけでドドッと帰ったから、2回目は
イッキに「ふだんの大須演芸場」になって客が激減する。大須演芸場の「奇跡の寄席」らしさは
やっぱり客が少なくなってからにある(芸人さんの交替中に急いで撮ったからピンボケでごめんよ)。
大須演芸場に行ってきた_f0189467_0171219.jpg

2階席も若干あるようだけど、1階席の座席数は136(8×17列)のはずだ。
2回目公演が始まった時点で客の数はイ課長を入れて13人。これが多少入れ替わりつつ、
9人、6人と減っていき、最後の落語のときは4人(!)になった。4/136=3%の入りだ。

そういう少ない客を相手にした芸人さんたちのプロ根性にも感心したが、数えるほどの客と
芸人さんとの間の、寂寞とした空間の中で生じる、表現しようのない一体感?がまた
何ともいえない。東京の寄席じゃ味わえん雰囲気だなー(行ったことないけどさ)。

艶歌シャンソニエ、ひと:みちゃん(ちなみに、男性である)
ジャグリング、あおき三朝・うたこご両人(腕は大したもんだよ)
三味線漫談、かつら竜鶴さん(もう84歳を過ぎてらっしゃる!)
美人歌手、桜ゆみさん(オジサマファンの追っかけもいるようだった)
江戸曲独楽、柳家三亀司さん(手の皮がムケないか心配)
上方落語、桂珍念さん(4人の客を相手の熱演、すばらしかった)

11月9日に大須演芸場に出演された以上6名(組)の芸人の方々、お疲れ様でした。

4時に2回目の公演が終わると、出口で「ありがとーございましたーー」と声がかかる。
演芸場の関係者かと思えば、あらま、出演者の方々自ら挨拶して下さるとは恐縮。
羽織袴姿で曲独楽の芸を披露してくれた柳家三亀司さんがジャンパー姿で、普通のオッサンに
戻っててオカシかったね。

いや〜面白かったよ大須演芸場。また名古屋出張する機会があったら行ってみたいなぁ。
その時まで残っててくれるかなぁ〜?

by tohoiwanya | 2012-11-11 00:19 | 国内出張・旅行 | Comments(4)
Commented by fiveyellow at 2013-11-23 11:24 x
大須演芸場は、20年前に志ん朝の恒例独演会たしか3日間行きました。超満員で二階の席畳席つめ放題で聴き、さすが脂ノリノリ落語でした。今はCDで聴いてます、名古屋は転勤にくっついて過ごした3年でした気取らない街。ひつまぶし、味噌煮込みうどん、味噌かつ、きしめん、小倉トースト、喫茶店の珈琲のおまけの等々。

Commented by tohoiwanya at 2013-11-23 22:17
>志ん朝の恒例独演会たしか3日間行きました

fiveyellowさん:
ええーーー?!行ったんですか?それはもう実にうらやましい&ねたましい。
大須演芸場の独演会はまとめてCDが出てますよねぇ。高いから買ってないんですが(笑)。
いやーしかしそれはホントにうらやましい。

今回、トホ妻の浜松見舞いのついでに、名古屋にまわって久しぶりに大須演芸場に
行こうかと思ってたんですけど、オヤジの死去のバタバタでそれもかなわず。
また機会があれば行ってみたいです。
Commented by fiveyellow at 2013-11-24 19:35 x
志ん朝の大須演芸場の独演会は私は行ったのは、1日です送信しまして文面の誤りきずきました。偽装表示です謹んで訂正します。志ん朝には長生きして、欲しかった残念無念。20年前のことですからね。抜け雀も好きです。イ課長様?
Commented by tohoiwanya at 2013-11-25 00:47
>志ん朝には長生きして、欲しかった残念無念

fiveyellowさん:
実は今日、ネットのニュースで大須演芸場が来年1月末で閉館って知りました。
ううう、そうなるともう一度なんとか行っておきたいけど、どうしよう・・

志ん朝師匠はまさに「平成の名人」になることが約束されていた人だけに
あの人を失ったことはホントに残念です。どのネタもみんないいんだけど、
私は個人的に「明烏」とか、あと「粗忽の使者」なんかも大好きで、通勤中に
iPodでしょっちゅう聞いてます。


<< 夜のルーブル3時間一本勝負 -...      3つのルサルカ その2 >>