2012年 11月 16日

夜のルーブル3時間一本勝負 その3

「その3」まで来たけど、3時間一本勝負はまだ始まったばかり。
今日はスピードあげて、いっぱい絵をご紹介するぞ。でないと、いつまでたっても終わらん。

ニケの次にイ課長が行こうとしていたところ。それは古代エジプト美術ゾーンだ。
NHKの「ルーブル美術館」ファンとして、ぜひ見たいものがあった。

エジプト美術ゾーンはギリシャ美術のエリアからけっこう離れたところにある。
だいぶ歩くなぁ…時間が惜しい。さっそく早足で歩き始めたら、横に大きな展示室があったんで、
ナニゲにチラリと視線をそっちに向けた。これがマズかった。

うわぁ!ダビッドの「ホラティウス兄弟の誓い」だ!うああ…い、いかん…見たい…
エジプト美術直行計画もどこへやら、フラフラと展示室の中に引き寄せられてしまうではないか。
早くも迷走を始めるイ課長なのである。
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ここはフランス新古典主義~ロマン主義を中心にした展示コーナーなんだね。
ダビッドはもちろん、ドラクロワ、アングルあたりの巨匠たちの作品がテンコ盛り。
自国の画家の世界的名作をギッシリ詰め込んでるわけだから、ルーブルとしても
ご自慢の展示コーナーの一つといえるだろう。

ルーブル+新古典主義+ダビッドとくれば、極めつけはやっぱこの「ナポレオンの戴冠式」だよなー。
確か中学生の時の美術の教科書にこの絵が載ってたっけ。写真が手ブレで申し訳ない。
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うわ、こっちは「レカミエ夫人の肖像」だ。左にあるダビッドの自画像も有名だよね。
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うわぁぁ、こっちにゃアングルの「グランド・オダリスク」が平然とかかってるゥ!
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ぎゃーー!ジェリコーの「メデュース号の筏」だ…本物だ、あああどうしたらいいんだ。
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20代の頃、イ課長は鎌倉の神奈川県立美術館で開催された「ジェリコー展」をなぜか
観にいってるんだよ~。あの時はこの絵のレプリカしか展示されてなくてさぁ、
「ホンモノはどんなんだろうなぁ~?」と思いを馳せたもんだったが、あれから数十年の時を経て
ついに本物を見ることができたんだよ~感激だよ~…うううう…(←泣いてる)

…と思ったら、あああ!こっちはドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」だ、も、もう許して…
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展示室のどこに視線を向けても、美術史を飾る名画たちが次々目に飛び込んでくる。
“それ一枚”が来日しただけで、日本で特別展が開催できちゃうような名作の数々が
すごい密度で、ズラズラ並んでるんだから、途中で引き返せっこないよ。
「うわ、あっちにアレが!」と思いながらどんどん展示室の奥に引き込まれちまう。

さっきエジプト美術コーナーに向かってた通路がドコだったのか、もうわからなく
なりつつあるではないか。夜のルーブル3時間一本勝負、早くもイ課長の敗色濃厚(笑)。

…と思う間もなく、イ課長はいつの間にかイタリア絵画展示室に踏み込んでいた。
なぜそれがわかったかといえば、モナリザの前の人だかりで気づいたのだ。
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うーむ…モナリザねぇ。
これが名作であることは確かだけど、「好きな絵か?」といわれるとなぁ…
特に好きってわけでもないんだよね、実は。軽くご挨拶だけして通り過ぎる。

イタリア絵画室で興味があったのは、むしろ「カナの婚礼」の方だ。
ヴェロネーゼって人が描いた作品なんだけどさ。
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新約聖書にあるキリストの奇跡とやらを、やたら大げさに描いた絵で、ハッキリ言って
芸術性はモナリザと比較にならないが、絵のデカさも逆の意味で比較にならない。
その面積66㎡、2DKのアパートってところか。とにかく大きいことで有名な絵なんだよ。
でもね、印刷でイヤってほど目にするモナリザより、こういう絵の実物を見られることが
イ課長は嬉しかったなぁ、これこそ「ルーブルに来ないと見られない絵」だもんね。

ところで写真でお気づきだと思うけど、夜のルーブル、すいてるでしょ?
混んだルーブルを知らないイ課長が言うのもヘンだけど、すいてるよ、明らかに。
モナリザ前の人だかりでもこの程度なんだから。
みなさん、ルーブルに行くんだったら水曜夜がお勧めですよーー。

ああいかん!そんなこと言ってる場合じゃないだろ!
エジプト美術ゾーンに行こうとしてたんじゃなかったのかイ課長!ばかもの!

自分自身をひっぺがすようにして、むりやりイタリア絵画展示室を後にし、
再度エジプト美術コーナーに早足で向かうイ課長なのであった。
3時間一本勝負。過酷な戦いはまだまだ続くのである。いやはや…

  
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by tohoiwanya | 2012-11-16 00:23 | 2011.11 欧州出張 | Comments(8)
Commented by マダムKenwan at 2012-11-16 08:04 x
パリもルーブルも行ってないんです。
大変楽しく拝見しています。
ルノワールが絶賛したフェルメールの「レースを編む少女(?)」観たいです。
あとラファエロの「聖母子」も。。

ジェリコーの「メデューサ号の筏」、
私も何だかこの展覧会は記憶にあるような気がして
といって神奈川県立美術館までは出かけていないし
よぉ〜く思い出してみると

新聞の日曜版かなにかで特集を組んでいて
その解説とかを読んで
まじまじと見たんじゃなかった、かな。。

死にかけている人の顔とか
妙にリアルに思い出せるのが怖いです。
Commented by みゅげ at 2012-11-16 08:53 x
古代エジプト美術ゾーン!!どれどれ・・・と、本を手元に持ってきて「ふむふむ、案内役はレイモン・ジェロームとデボラ・カーだったのね・・・・」と頷きながら、イ課長さんのブログを読み始めたら・・・・まだたどり着いてませんでした(笑)
Commented by tohoiwanya at 2012-11-16 17:33
>フェルメールの「レースを編む少女(?)」観たいです

マダムKenwanさん:
ルーブルのフェルメール、「天文学者」はちゃんとあったんだけど、
少女の方は「貸し出し中」でした、確か。

ラファエロの聖母子って、どうも私にはよくわからなくて、
ウィーン美術史美術館でもラファエロの聖母子を見た記憶があるし、
どっか他の美術館でも見た記憶がある。しかもどれも構図もほぼ同じで
ドレがドレなのかよくわからない。そのうちのどれかは「美しき女庭師」って
題名がついてるらしいんだけど、どうもよくわからない…。
 

Commented by tohoiwanya at 2012-11-16 17:37
>案内役はレイモン・ジェロームとデボラ・カーだったのね・・・

みゅげさん:
あーーーーー、レイモン・ジェロームって人だったか。
次回の記事、「デボラ・カーと、何とかって俳優が案内役・・・」って
書かざるを得まいと思ってたけど、思い出させてくれてありがとうございます。

次回こそ、ちゃんとエジプトコーナーに行きますから、必ず(笑)。
 
Commented by マダムKenwan at 2012-11-17 00:05 x
その「美しき女庭師」は、
ルーブルが持っているんですよ。

ウィーンのは、「田園の聖母」とか「ベルヴェデーレの聖母」と呼ばれていて、
これもホントに美しい、最近ご無沙汰しているけれど、前に立つと立ち去り難くなります。

Commented by tohoiwanya at 2012-11-18 02:33
>「美しき女庭師」は、ルーブルが持っているんですよ

マダムKenwanさん:
あ、そうなんですか?確かにイタリア絵画展示室にラファエロの聖母子の絵あって、
「あ、ウィーンのと同じようなのがルーブルにもあるワ」と思ったんですけど、
アレが美しき女庭師だったんだ。

田園風景の中でマリアが赤い服を着て、下にキリストと洗礼者ヨハネと
二人の赤ん坊がいるっていう構図ですよね?最低でもウィーンとルーブル、
他でも見た記憶があるから、私の中では「ラファエロの聖母子」は
ヨーロッパ中の美術館にあるんじゃないかという疑念がある(笑)。
 
Commented by みゆ at 2012-11-19 00:34 x
イ課長さん、こんばんは。
パリにも行ってみたいと思いながら、まだ実行できずにいます。
水曜日の夜はルーブルが遅くまで開いてるとは、イイですねぇ!
若かりし頃に美術の教科書で見た絵が目白押しで、私もめっちゃ行きたくなりました。
「カナの婚礼」は66平米もあるとは!!
それなのに、窮屈に感じないルーブルの広さってすごい・・・。。。
Commented by tohoiwanya at 2012-11-19 02:15
>パリにも行ってみたいと思いながら、まだ実行できずにいます

みゆさん:
ドイツ旅行の写真、アップされたんですね。改めてゆっくり拝見させていただきます。

水曜夜のルーブルはおすすめですよ。昼間より絶対すいてる。
ただ、仮に6時に入ったとして閉館ギリギリまでいたとしても4時間しかない。
全体的に見るのは不可能で、自分の見たいものだけ見るしかない。

もっとも、それがうまくいくかどうかはわかりません。
私も当初はそのつもりだったんだから…(笑)。
 


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