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2012年 11月 19日
エジプト美術展示コーナーを目指し、再び早足で歩き始めるイ課長。 恐縮だが、ここでまたまたNHKの「ルーブル美術館」の話をしなければならない。 イ課長とトホ妻はあの番組の影響を受けすぎるくらい受けてるからしょうがないのだ。 あの番組の第1回目がエジプト美術の回で、デボラ・カーと、ナントカって俳優 (…と書く予定だったが、みゅげさんが教えてくれた。レイモン・ジェローム)が案内役を 務めたんだけど、あの回だけは、もう一人の重要な案内役がいた。 それが「書記座像」と呼ばれるエジプト彫刻の傑作で、書記座像の声を務めていたのは 今は亡き名優・宇野重吉。寺尾聡のお父っつぁんだ。デボラ・カーとレイモン・ジェロームが 書記座像と会話しながら話を進めるという、あの回の構成は非常に印象的なもので、 あれを見れば「宇野重吉が語りを務めた、あの書記座像」は忘れられない。 それがあるんだよ!この建物のエジプト美術展示ゾーンのどこかにある! み、見る!這ってでも見る!見せろ!どこにあるんだ書記座像!(←ややヤバい状態) ちゃんと館内案内図に「ここ」って書いてあって、それを見ながら歩いてるんだけど、 それでもなかなかたどり着かない。ルーブル広すぎます。 あった!ありました書記座像!うわーーーー。 ![]() さっきも言ったようにルーブルの案内図にも「ここ」って書いてあるくらいだから、 これはルーブルのエジプト美術コレクションの中でも逸品中の逸品。 でも、イ課長はエジプト美術の神髄に触れたという純粋な感動よりも、どちらかというと 「宇野重吉が声を出してたあの像の実物を…」という、かなりNHKに毒された感動に 浸ったのは事実だ(笑)。いいだろッ!こういう思い入れはね、人それぞれなのッ! それにしてもこのエジプト美術展示コーナーの陳列品の質・量はものすごい。 フランスはナポレオン時代にエジプト遠征してるから、エジプトの古代文物もゴッソリ 持ち帰ったんだろう。そのくせ、最も重要なロゼッタ・ストーンだけはイギリスにとられちゃって ルーブルじゃなく、大英博物館にあるってところが笑えるが。 ![]() ルーブル美術館に入ってから、この書記座像を見るまでが…どのくらいだったかなぁ? 1時間か1時間半くらい経過してたんだと思う。残り時間はそうたくさんはない。でも、 個人的にどうしても見たかった「サモトラケのニケ」と「書記座像」とご対面すれば、 あとは少し気持ちを落ち着かせて絵を鑑賞いたしましょうか。ふう… というわけで、また長い廊下を通ってさっきのフランス絵画があったあたりに戻る。 さっきは新古典主義・ロマン派を見たから、今度はこっちに行ってみようか… ほほ〜、この辺はフランス絵画でもロマン派より少し前の時代、ロココとかバロックとかが 展示されてるみたいだ。当時を代表する人気肖像画家・ナティエの絵があるよ。 ちなみに、トホ妻はいつもこの画家のことを「おしろいのナティエ」と呼んでバカにしてる。 ま、イ課長も特に尊敬はしてないが(笑)。 ![]() おおお、プッサンの「我アルカディアにもありき」だ。こっちの方はやや尊敬に値する。 ![]() へーー、意外に小さい絵だったんだねぇ。画集でどんなに絵のディテールを研究しても 「絵の大きさ」だけは実物を見ないとわからない。でも、「絵の大きさ」って要素は 見た時の印象に相当影響するよね。 きゃーーー。シャンパーニュの「1662年の奉納画」だ。 実はこれ、個人的に好きな絵なんだよ。そうかー、これもルーブルにあったんだ。 ![]() この、椅子に座ってる方の修道女は実はシャンパーニュ自身の娘なのだ。難病だったのが 左の方の修道女さまの祈りによって奇跡的に治ったっていうんで、パパであるシャンパーニュが 感激して絵を描き、奉納したというわけだ。 先日文化勲章をもらった高階秀爾さんがこの絵を解説したのを読んだことがあるけど、 あれがまた名文だったんだよなぁ。 うへ。フォンテーヌブロー派の一番有名な、女が女のビーチクつまんでる絵を見て フランスのガキどもが美術の勉強してるよ。エッチな絵を教材にするんだなー(笑)。 ま、個人的にフォンテーヌブロー派はどうでもいいから、足早に通り過ぎる。 ![]() うわーーー、ジョルジュ・ラ・トゥールの「マグダラのマリア」があるじゃないか。 これはどうでもよくない。ラ・トゥール得意のロウソクを使った明暗効果が際立つ名作だ。 同じラ・トゥールの「いかさま師たち」もあるよ。うう…も、もうダメぽ。 ![]() ![]() この辺から、イ課長は3時間一本勝負の戦い方を変えることにした…せざるを得なかった。 一種の悟りを開いたと言ってもいい。 はじめから十分予想されたこととはいえ、いざルーブル美術館の中に入ると、ひたすら 「あの絵が!」「うわ!あっちにはあの絵が!」って具合に、異常なまでの名作出現頻度に ただただ驚いては目移り、驚いては目移りっていうのを繰り返すばかり。とてもじゃないが 絵をじっくり鑑賞する精神状態になれない。何て恐ろしい美術館なんだルーブルって! だからさ、ね?もう鑑賞しようとあせるのはやめようよ。 どっちみち3時間で全部鑑賞なんてできっこないんだし、ムリなことは素直にあきらめる。 今回は「慣れる」ことに主眼を置こう。ルーブルってのはこういう恐ろしいトコだってことを 3時間かけてカラダに覚えこませるのだ。この経験がきっと次回に生きるはず。 …と、悟りを開いてはみたものの…だ。 次回があるかどうか、わかんねぇじゃんよ(笑)。 うう…やっぱり見たいものは、今日この機会に見ておきたい。館内案内図を開き、 再びルーブルの深部に向けてセッカチに歩き始めるイ課長なのであった。 「その4」まできて、まだ終わらないこのシリーズ(笑)、一体いつまで続くんだ…?
by tohoiwanya
| 2012-11-19 00:01
| 2011.11欧州出張
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Comments(6)
私はあの乳首の絵が昔から大好きで、ルーブルに行くたびにご挨拶して帰ります。
あれは子供心にもインパクトのある絵で忘れられないんですよねぇ。 エジプトゾーン、書記坐像も好きです。
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>私はあの乳首の絵が昔から大好きで
hanatomoさん: ハナトモさんとこのクイズがわかんなくて悩んでるんですけど…(笑)。 あの絵、ポーズは確かに非常に印象的でインパクトがあるんだけど、 二人の女の顔がまたえらく不健康そうなんですよねー。 非常に有名な絵だけに、フォンテーヌブロー派っていうだけで、あの不健康そうな女の顔が 浮かんできて、どうもダメなんです、私。
乳首の絵・・・・で終わらせられそうなので『ガブリエル・レストレとその妹』という題だと、調べました♪
この絵と『いかさま師たち』というのが、ふたつとも福島のトリックアート美術館にあったのを思い出しました。 偶然にも、本でも4冊目が“ルネサンスの波動”で、これらの絵が入ってます。 私はビデオを繰り返し観たわけではなく、この番組の本(番組で紹介されなかったのも入ってるようです)を眺めたクチです。 でも、宇野重吉さんの声は今もはっきり覚えています・・・。 音楽、エンニオ・モリコーネなんですね!!
>音楽、エンニオ・モリコーネなんですね!!
みゅげさん: モリコーネなんですよ~。あの番組、音楽はメチャクチャいいんです。 音楽も案内役もみんな豪華で、二度と作れない番組といえるでしょうな。 もっとも、日本代表の案内役がねぇ…(笑)。特にルネサンスの回がひどい。 「ジネブラの肖像」についてひとしきり話をした後、中村敦夫がジネブラはやがて 政争に巻き込まれただかナンだかで殺されるんだって話すと、島田陽子が 「…いたましい うんめいですね…」っていうんだけど、何度見てもその箇所にくると 私とトホ妻は笑っちゃう。あまりにカマトトっぽくて…(笑)。
Bきゅう、エジプトは見なかったきがします。
立ち棺の整列は、壮観ですねえ。地震きたら困るぞ。
>立ち棺の整列は、壮観ですねえ
Bきゅうさん: ルーブルのエジプトコレクション、もうなんだかスゴいっす。 あのカンオケがまさにそうだけど、ああたくさん置かれると、鑑賞するガワも 焦点の絞りようがなくて、ただもう「すげぇー」と言うしかない(笑)。 しかし、エジプト人があれ見たら「返却しろこのやろう」と素朴に思うだろうなぁ、やっぱ。 |
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