2012年 11月 25日

夜のルーブル3時間一本勝負 その6

さぁ、今日で最後だぞルーブル。何がナンでも今日終わらせる。
一つのネタで「その6」まで行ったのはシェルブールの町に行ったとき以来だな(笑)。
「最終回大放出」ってことで、今までご紹介してない作品をガバッと載せちゃおう。

とにかくもうルーブルって恐ろしいところでさ、「疲れてきたなぁ…」と思いながら
ダルい足を引きずって歩いてるのに、ソコここにぎゃあ!と言いたくなる絵が次々現れて、
そのたびに、疲れきったイ課長の体内でアドレナリンが強制分泌させられる。
こんなトコに半日いたら死ぬ(笑)。

たとえばフラッと入ってみた展示室…ぎゃあ!ゴヤだ!
これはえーと…ナニ夫人の肖像画だったっけ?細面の、ちょっと病弱そうなモデルだ。
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おおおおお!こっちにゃレンブラントの自画像が!。
この頭巾みたいなのをかぶった老境の自画像は世界自画像史上に残る傑作として名高い。
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目を転じれば、同じレンブラントの名作「バテシバ」もある!これもルーブルにあんのかよ。
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この絵、バテシバの裸婦像自体はちょっとオナカもたるんでて、美の極致という感じでは
全然ないんだけど、その分やけにリアルで、「オレの女になれ」という王様からの召喚状を
受け取った女の、諦めとも放心ともつかぬ表情もまたやけにリアル。何ともいえない絵だ。
レンブラント屈指の名作の一つと言っていい。

いつの間にか、ドイツ・フランドル絵画の展示エリアに入り込んだみたいだ。
ほら、フェルメールの天文学者もあるし。
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もう残り時間も少なくなって…いやそれ以上に、この頃にはイ課長はとにかく疲れてた。
すごく早起きして昼間はリールまで往復してきた後なんだぜ?そのうえ、ルーブルでは
イヤッてほど大量のアドレナリンを強制分泌させられて、ホルモンバランスも崩れるし(笑)。

「あとはザッと見て帰るか」とは思うんだけど、それでもやっぱり
「この先にはどんな絵がかかってるんだ?」と考えるとヨタヨタ歩いていってしまう。

うわーーー若きデューラーの自画像があるじゃん。これも有名だよなぁ。
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またまたNHKの「ルーブル美術館」の話で申し訳ないが、あの番組の北方ルネサンスの回でも
当然この自画像は取り上げられてる。ナレーションは大女優・奈良岡朋子さんだよ。

この絵のアップ画面、バックにあの奈良岡さんの声で「自分がやがてドイツ最高の画家と
呼ばれるようになるとは、彼はこの時思ってもいなかった…」みたいなことを言うんだよね~。

…てな具合に、「ああ、あの絵がここに」っていう驚きと感激は尽きることがないんだけど、
その中でもイ課長が最高にビックリした絵を最後にご紹介しよう。
「ひえーーーッ!これもルーブルにあったの?!」ていう嬉しい驚きナンバーワンだった絵、
それはこれだ。
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真ん中に女性の肖像画がある。描いたのは巨匠ハンス・ホルバイン。
モデルは目もくらむような美女…というほどじゃないけど、まぁ清楚で大人しそうで、
上品な貴族のお嬢さんっぽく見えるよね?まぁ実際それはその通りなんだけど…

だいぶ前に書いた、この記事をご記憶の方はいるだろうか?
もしお読みでない方がいたら、記事の前半をザッと読んでいただきたい。
この中でヘンリーが肖像画を見て美人だと思い込んだ「お妃4号」のことを書いてるでしょ?

これこそまさにその肖像画なんだよ!彼女はドイツの貴族の娘だったはずだ。
見合い写真代わりにホルバインが描き、ヘンリー8世が見て「おお、いいねいいね♪」と
欲情した(笑)アン・オブ・クレーブズの肖像画、それがコレだ。

大画家・ホルバインだけに、実物より相当カワイく描いたんだろうなぁ。この絵のせいで
縁談をセッティングしたヘンリー8世の重臣は首をチョン切られたっていうんだから、
まさに「歴史を動かした絵」といえる。てっきり英国のどこかにあるんだと思ってたけど、
ルーブルにあったとはなぁ~…いや驚いた…と同時に、嬉しかった。

ふう・・・まぁこんな感じでルーブルとの長い長い3時間一本勝負は終わったわけですよ。
この勝負、率直に言ってイ課長は完膚なきまでにヤラレたと言っていい。
ルーブルをやっつけようと思ったら半年くらいパリに移住しないと無理っすね。

10時閉館ギリギリまで見ようと思えば見ることは出来た。
でもさぁ、さっきも言ったようにこの日は早起きだったし、翌日はもっと早起きして
ド・ゴール空港に行かにゃならん。そろそろホテルに帰らないとな。
ルーブルも22時近くにもなるとホントに人が少ない。ちょっとセーヌ川の方に歩いてみた。

うーーむ…ルーブルとの戦いに敗れ、ボロボロになったイ課長を、魅惑的なまでに美しい
パリの夜景が慰めてくれるってもんだぜ。ちっくしょう…やってくれるよな、パリ。
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ルーブル、オマエをたっぷり堪能させてもらった…というには程遠い。
さらーっと表面をなでた程度の鑑賞だったのに、アドレナリンだけは強制分泌させられすぎて、
もう一滴も残ってないよルーブル。世界に名だたるオマエのスゴさには参ったぜ。
でも、もし許されるなら、いつかもう一度オマエとじっくり戦ってみたいと思うよ、イ課長は。
 
  
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by tohoiwanya | 2012-11-25 22:33 | 2011.11 欧州出張 | Comments(2)
Commented by みゆ at 2012-11-26 23:27 x
レンブラントのこの自画像もルーブルだったんですね。。。
いつか直接見てみたいものです!!
ルーブルでオーディオガイドでも借りたら、いくら日にちがあっても足りなさそうですね^^;

先の記事であったルーベンスの空間の取り方の絶妙さですが・・・。
ドレスデンアルテマイスターでルーベンスが描いた酔ったヘラクレスと、弟子が同じ構図で描いたヘラクレスが同室に展示してあり、見比べたのですが、同じ構図でも空白の間合い、肌の艶など、どんなに模写してもしきれないものを感じ、非常に面白い展示でしたヨ。^^
Commented by tohoiwanya at 2012-11-27 11:25
>弟子が同じ構図で描いたヘラクレスが同室に展示

みゆさん:
あ、それ面白いですね。展示された弟子はイヤだろうけど(笑)。

おそらく「マリー・ド・メディシスの生涯」にしても、マリー以外にゴチャゴチャいる人物の
大部分はルーベンスの指示に基づいて工房の弟子が描いたはずで、
「量産」という観点からは効率的なんだろうけど、絵として見るとねぇ…

とはいえ、あの時代の大画家の多くは弟子がいて、それはレンブラントも同様。
レンブラントの真作か、弟子との合作か、純粋な弟子の作品か、なんてことで
未だにモメてる絵が多いみたいです。


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