2013年 05月 20日

ムッソリーニの遺産 -ミラノ中央駅-

やっぱさ、6月の旅行に行く前に、せめて昨年3月出張のネタくらいは在庫一掃しとかないと、さすがにヤバい。
「常に1年前のことばかり書いてるイ課長ブログ」という汚名をそそぐためにも、とにかく昨年3月出張ネタくらいは
完結させてから出かけよう(ちょっと不安だが・・・)。

ミラノではドゥオモに行った話を書いたけど、もう一つ見ておきたい建築物があった。それがミラノ中央駅だ。
イ課長が釣り銭窃盗団の被害に遭ったメトロの地下駅じゃなく、長距離列車が出る地上駅の方の話。
このミラノ中央駅っていうのがね、また建物がドえらいことで有名なんだよ。

今ある駅舎の建築は第一次大戦前からスタートしたらしいんだけど、まぁ何せイタリア人のやることだから(笑)
遅々として進まず、そうしてるうちに設計はだんだん変更され、しまいにはムッソリーニが政権をとって、
イタリアの威厳を誇示しようっていうんでさらに変更が加えられ、何やらスゴい駅になっちまったらしい。

ミラノで泊まったホテルは中央駅のすぐそばだったし、空港バスが着くのも中央駅。
だから、あの焼き野菜を食った夜に外観だけは見たんだけど、翌日、もう少し詳細に見学してみた。
昼間見る外観ってこんな感じ。何だかすごいねぇ~。神殿風といえば言えるけど、ギリシャ神殿みたいに
多少なりともエレガントな印象なんて皆無で、ひたすら男性的重厚さを追求した外観って感じだよね。
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このペガサスも何というか・・・羽のある馬の美しさを表現するっていうよりも、重厚なデザインコンセプトに
あわせて、やけに重厚なペガサスになってる。ちょっと埴輪のウマみたい。
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外観の重厚さ圧倒され、今度は中に入ってみる。
うっひゃーーーーーーーーーーー。すっげー天井の高さ。すごいねこりゃ。
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調べてみたら、この駅、一番高いトコの天井高が72mで、これは当時としては新記録だったんだと。
あのアミアン大聖堂が天井高43mだから、アレの1.5倍よりもずっと高いことになる。たまげたねこりゃ。
イタリアの威信を示すために「とにかくスゲェ建物を作れ」っていうんで、ムッソリーニが
設計者のケツを叩いたんじゃないか?
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ただ、ここまでの書きっぷりでも察せられるように、イ課長はミラノ中央駅を確かに「すんげぇ」とは思ったけど
美しいとか素晴らしいと賛嘆する気持ちはあんまりなかったんだよね。
まぁ要するに、「スゴい建物」であればいいのだ、っていう感じの建物だから、これが別に駅でなくても、美術館でも
劇場でも良かったんじゃないかっていう感じ。駅舎としての機能美が感じられない、とでも言えばいいか。

まぁここまで来たんだ。列車の発着ホームまで行ってみよう。

うひょーーーー。これまた何やらすごい。実に立派なカマボコドームだ。
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ここで写真を撮った時はあまり気付かなかったけど、今改めてこのドームを見ると、ここには鉄道駅としての
機能美があると思う。正面駅舎の、コケオドシ的重厚デザインとはだいぶ感じが違う。

特にイ課長が感心するのは、半円ドームの途中のところに、横向きのカマボコ型の窓をズラリと並べたところだ。
こういうのは英国やフランスの駅であまり見た記憶がないなぁ。

このドームと、たとえばこのロンドンのキングス・クロス駅のみすぼらしいドームを見比べれば一目瞭然(笑)。
ミラノ中央駅の、この発着ホームを覆うカマボコドームはすごくエレガントで、美しいと思うよ。
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結局のところ、ミラノ中央駅って、「美しいカマボコアーチ」と「大げさな駅舎」を無理矢理くっつけたって感じで、
あの巨大で重厚で神殿じみた駅舎が、駅としてのトータルな美しさ、別の言い方をすれば「駅の機能美」という点では
むしろマイナスになってるような気がするんだよなぁ。

まぁね。
ミラノ中央駅に対する評価が何となく低いのには、別の心理的要因があることは認めねばならない。
この時って、イ課長が中央駅の地下鉄駅で釣り銭窃盗団の被害にあった直後だったのだ。
カッコ悪いのも顧みず、盗賊対策のためにバッグをナナメがけにして、駅構内を歩いたさ。
ハッキリ言って「盗賊の街の駅なんて、どうせロクなもんじゃねぇ!」っていう偏見がウズ巻いていたな。

大建築家のフランク・ロイド・ライトはミラノ中央駅のことを「世界で最も美しい鉄道駅」と言ったらしい。
これはすごいホメ言葉だけど、イ課長としては全面的に賛成はいたしかねる。イ課長として確実に言えることは、
ライトは中央駅で盗賊の被害に遭わなかったに違いないっていうことだ(笑)。


 
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by tohoiwanya | 2013-05-20 00:22 | 2012.03 欧州出張 | Comments(0)


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