2013年 07月 03日
さて、東南アジアから無事帰国したことだし、去年のポーランドネタ消化に再着手・・・といきたいけど、 まぁせっかく記憶もナマナマしいところだし、今日はベトナムネタでいこう。 ベトナムの女性の民族衣装といえばアオザイ。これはどなたもご存知。 しかし、アオザイを着た人を近くから見たことがあるかといわれれば、そんなにないわけで、 イ課長も今回、初めてアオザイを着た女性を近くから観察する機会に恵まれた。 もっとも、アオザイ姿の女性をホーチミンやハノイの街で普通に目にすることは極めて少ない。 目にするのは土産物屋やホテルで働いてるとか、イベントに参加するとか、「着る理由」がある人で 日本女性が普通に和服を着ることはまずないけど、和風旅館の従業員なら毎日着るような感じ。 ガイジン旅行者としては、旅館の従業員の和服姿でも「オウ、キモーノ」と思うのと同じで、 イ課長も土産物屋従業員のアオザイ姿なんか見ると、「おお、アオザイ」と思って写真に撮りたくなる。 アオザイを着たベトナム女性って、やっぱりすごくきれいで、エレガントで、セクシーで、美しいんだよ。 最初に驚いたのは、アオザイの左右にある深〜いスリットが、もう本当に深くて、脇腹あたりまであるから 実際に脇腹部分の素肌が見えちゃうってことだ。こんなにスリットが深いんだ、アオザイって。 これを見て思い出したのは、インドのサリーが背中〜脇腹のあたりが露出した衣装だってこと。 どっちも暑い国なわけで、通気をよくして涼しくしようと思えば、背中とか脇腹とか、体の中央部分を 少し露出した方がいいということなのかもしれない。 アオザイがセクシーな理由のもう一つは、トップスの生地がすごく薄手であることが多いんだよね。 だからけっこう下着がシッカリ透けてる。これもまた暑い国なんだから、薄手の生地になるのは必然的な 成り行きではあるけど、薄手のアオザイを着る女性は下着が透けることも計算に入れて着用してるはずだ。 ただ、アオザイを実際に見てさらに驚いたのは、このトップスが実はものすごくボディコンシャスで、 女性の体のラインを強調するように作られているということだ。このへんはチャイナドレスと同じで、 上半身のカーブが美しく見えるようになっている。 下の女性はホーチミンのホテルのフロントにいたチャーミングなメガネ美人だけど、この人も実は けっこうグラマーで、だからボディコンシャスなアオザイ姿がとてもよく似合う。 ベトナムでは欧米人観光客もすごく多かったけど、欧米人女性の間ではベトナム旅行中に シルクで自分用のアオザイをオーダーする人も多い(と、ガイドブックに書いてあった)。 確かに、グラマーな欧米人なら、かえってアオザイは似合うのかもしれない。 もちろん、ズン胴の人とか、赤貧乳の人っていうのもベトナムにはいるわけで、そういう人って アオザイがあまり似合わないか、少なくとも「有利な体型」ではないと思うんだけど、あんまり そういう実例を見た記憶がないのでよくわからない(笑)。 しかし、アオザイに関して最大の驚きは「椅子に座る時」だ。 さっき言ったように、深〜〜いスリットがあるから、トップスは前身頃と、後ろ身頃がダラーンと分かれてる。 しかも、丈は超ロングスカート並みに長いわけだから、そのまま座ろうとすると、後ろ身頃が椅子から 長大にはみだすことになる(上から3番目の写真でも、後ろ身頃がお尻のうしろに余っているのがわかる)。 燕尾服を着た男性は椅子に座るとき、尻尾?をパッと手で跳ね上げて座ることが多いはずで、 アオザイも椅子に座る時は後ろ身頃を何らかの形で処理する必要がある。 ただ、燕尾服のように左右に分かれないから、処理するといってもどうするのか? (一番上の写真だと、後ろ身頃を椅子の手すりのところにひっかけてるよね) バンコクに移動するハノイの空港のレストランで、その様子を見る機会があった。 アオザイを着たウェイトレスの女性が、控え室みたいなところでスッと椅子に座った。 おお何と!彼女は長〜い後ろ身頃をヒョイと手で持ち上げて、自分の前に持ってくるではないか。 なるほど、こうやって処理しているわけか。これを見ると、スリットの深さが改めてよくわかる。 (おお、と思いながら写真を撮ってるイ課長のマヌケ面が鏡に写ってるよ、バカダネー)。 沢木耕太郎は自著のなかで「ベトナムは美人が多いというけど、別にそんなことはなくて、 みんなアオザイに騙されるのだ」って書いている。確かにスタイルのいい人がアオザイを着ると (特に男性には)美人度が何割増しかになって見えるかもしれない、というのは否定はしない。 でもね、アオザイを着てなくてもベトナムは美人が多かったと個人的には思うけどね、イ課長は。
by tohoiwanya
| 2013-07-03 00:44
| 2013.06 東南アジア旅行
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Comments(21)
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hanatomo31 at 2013-07-03 12:03
隠し撮りばっかりじゃないですか-。(笑)
確かにホテルのメガネの女の子は小柄そうに見えるけれど、グラマーですね。よくお似合いです。 アオザイの生地は伸縮性が結構あるのかしら? あんなにピチっとしていて伸びない生地だったら、私絶対に腕が動かないです。 着てみたいです。ベトナム行ったら私もあつらえよう。
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みゅげ
at 2013-07-03 13:36
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うーん、胸はあるけどズンドウ、お腹ポッコリの私には無理だわ(^_^;)
最近これならいいなぁと思ったのは、モロッコで男性が着てるフードのついたバサッとした『ジュラバ』という服です。 モロッコでこれ着て歩いてみたい・・・。
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tohoiwanya at 2013-07-04 00:42
>アオザイの生地は伸縮性が結構あるのかしら?
ハナトモさん: どうなんだろうなぁ〜?でも、あれだけピッタリしてると、確かに多少は伸縮性がないと 上半身はちょっと動かしづらいかもしれないですよねぇ。 実は今回の旅行で、ハノイとバンコクで1枚ずつTシャツを買った。両方ともXLサイズ。 バンコクで買った方はXLだけあって、サイズ的にゆったりしてるんだけど ハノイで買った方はXLなのに、イ課長にはやや小さくて袖グリなんかも細い。 ベトナムって全体的に「ぴったりめ」に服を作るのかも。
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tohoiwanya at 2013-07-04 00:49
>モロッコで男性が着てるフードのついたバサッとした『ジュラバ』という服
みゅげさん: 中近東とか北アフリカあたりの、イスラム系暑い国の服っていいですよね(男性用は)。 もし、いつか中近東を旅することがあったら、アラビアのロレンスみたいな服装を 土産物屋で買ってしまいそうでこわい(笑)。 それに比べると、アオザイとかチャイナドレスとか、東〜東南アジアの方は 女性用の服が魅力的ですな。男性用はこれといって見るべきものが感じられない(笑)。
インドのパンジャービーとチャイナドレスを足して2で割ったような感じですね。それにしても、そんなに気になるものなのかーと、そっちに感心。
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tohoiwanya at 2013-07-05 00:38
>インドのパンジャービーとチャイナドレスを足して2で割ったような感じ
Bきゅうさん: あーー確かに、現地じゃあんまり考えなかったけど、そう言われてみると パンジャビスーツとちょっと似てますな。あちらはボトムスがけっこうスリムですよね。 アオザイ、気になりますよー。インドのサリーとかパンジャビスーツより 目撃頻度がずっと低いから、たまに見ると「おっ」と思っちゃう。
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nassi
at 2014-10-10 13:10
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イ課長様、初めまして!洒脱な表現と見どころ、目の付け所の面白さで最近立ち寄っております、とうとう本日ご尊顔も仰ぐ栄誉に!
アオザイは2012年夏にホーチミンに寄った際空港の前にある近代的な百貨店で娘に買い求めてきました。買った後でアオザイには既婚者と未婚者用にデザインが違うという事を言われました。未婚者は「スタンドカラー」既婚者は「マルエリ」だとの事ですが実態はどーなんでしょう。買った当時独身だった娘も今は既婚者・・・時々遊び半分で着ています。
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tohoiwanya at 2014-10-10 16:11
>未婚者は「スタンドカラー」既婚者は「マルエリ」だとの事ですが
nassiさん: 初めまして。コメントありがとうございます。上の写真のマヌケ面は一日も早く 記憶の中から消去することをお勧めします(笑)。 ご指摘のアオザイのエリ問題、興味があったんで、こないだのホーチミンで撮った写真を 確認したんですけど、たぶん独身(一人は絶対にそう)という女性でも マル襟のアオザイ着る例はあるみたいですね。一例は土産物売場の女性店員さんで、 もう一例は夜のバイクツアーの女性ガイドさん。いずれ記事でご紹介します。 おそらく、未婚か既婚かでデザインが違うっていうのもそんなに厳密なものでは ないんじゃないかって気がします。あるいは昔はキッチリ決まってたけど、最近じゃ その辺の区分けもだいぶ曖昧になってきた、とか。
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nassi
at 2014-10-11 11:15
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イ課長様、早速のレスポンスありがとうございます。キッチリ決まっていたことも時代とともにファジーになっていくのは世の常かもしれません。
ホーチミンの喧騒と活気、混沌さに圧倒されましたが、実はこの時「雲助タクシー」に両替したばかりのン百万ドンをカツアゲされたんです。 空港からの車中は良い雰囲気で街中まで来ましたがビンタン市場で停車すると表示の金額からは程遠い金額を請求、拒んでも大声で財布の中から全部の「ドン」を抜いていきました。途方に暮れて近くのホテルで日本人スタッフに頼んで宿泊者以外はダメと言う原則を曲げてもらい最低限の両替をしてもらいました。そのタクシーは確か「VINASUN?」だったか?この会社は安心だよと聞いて乗車したんですがね!不当に取られたら車の写真を撮ると良いとスタッフから聞きました。 来週シンガポールに行きます。三度目ですが国籍がごった煮のようで飽きません。
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tohoiwanya at 2014-10-12 19:19
>両替したばかりのン百万ドンをカツアゲされたんです
nassiさん: ええええーー?!それはまた大変な目に・・。 ビナサンタクシーは大手のマトモなタクシーだって、私も何かで読みましたけど そんなこともあるんですねぇ。 タンソニャット空港の、普通のタクシー乗り場から乗ったんですよね? ビナサンに似せた白タクってわけでもないんだろうなぁ・・ううむ。 こないだカンボジアの遺跡ツアーで一緒になったカップルも女性の方がホーチミンで 首に下げてたデジカメをひったくられたって言ってたし、やっぱり女性は狙われやすいのかな?
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nassi
at 2014-10-13 13:09
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いつもレスポンスありがとうございます、何だか普通に会話しているみたいですね。お気づきのように空港前では無くて空港を背にすると「CANON」のネオンサインのあるデカい綺麗な百貨店がありますね・・・そこの乗り場からの失態です。ビナサンは4回利用しましたがそのうちの1回でした。もめたときに財布の中身が見えたんですねキット。
国内感覚で札入れをガバーット開けた私にも落ち度があったかも? シェルブールの雨傘紀行文は面白いです、串焼き屋で飲みつつ描写のこまやかさに感心しながらプリントした全頁を楽しみました。
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tohoiwanya at 2014-10-14 10:28
>ビナサンは4回利用しましたがそのうちの1回でした
nassiさん: 私は今回二度目のホーチミンで、前回と同じように空港からタクシー乗ったんですが、 運転手が空港ナントカでいくらって何度も言う。でも何度聞き返しても聞き取れない(笑)。 結局、乗ってる途中でお金を少し払い、降りる時にメーター料金を精算した。 金額的には前回乗った時より少し多いくらいで、異常な金額じゃなかったんだけど、 結局あれはナンだったんだか、未だにさっぱりわからない・・・。 シェルブールに行ったのはもう5年前の話になっちゃいました。 でも、あれはもう一生の思い出です。
初めまして。アオザイに興味が出てきて調べていたらたどりつきました。私はスタイルとかは良くないですがかわいいと思ったのでいつかは着てみたいです。
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tohoiwanya at 2018-03-03 00:23
>かわいいと思ったのでいつかは着てみたいです
ユウさん: コメントありがとうございます。 アオザイ、いいですよー。ちょっとしたパーティか何かにこれ着たら たちまちアナタはヒロイン(笑)。日本人がインドのサリーを着ると、さすがに 違和感あるけど、チャイナドレスやアオザイなら全然オッケーだと思います。 ぜひ着てみて下さい。
返信ありがとうございます。
ヒロインになれるかは自信ないですが 体のラインが強調されて下着が透けるようなので それを注目されてみたいですね。 日本だと下着が透けるのはマナー違反に なってしまっているので残念です。
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tohoiwanya at 2018-03-04 12:25
年中夏みたいな国だから下着が透けるのは
当たり前と言うのは羨ましいですね。 可愛い下着を着けてるからマナー違反になららいように 見てもらいたいとよく思うのでアオザイで きれいに見てもらって普段着でも透けを見てもらえる ようにしたいです。
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tohoiwanya at 2018-03-08 17:38
>年中夏みたいな国だから下着が透けるのは当たり前
ユウさん: 実は私、モウレツな汗っかき。 もし私が今の体質のままベトナムで女に生まれていたら、おそらく アオザイ着れない。透けるとかナンとかってレベルじゃなく、汗で上半身びしゃびしゃに なっちゃうのは確実で、大変みっともない。
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淑香
at 2019-09-18 21:16
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こんにちは。いつも楽しく拝読しております。
各地に滞在され体感された記事で非常に興味深いです。 さて、アオザイ。独特の透明感が美しいですよね。 >もちろん、ズン胴の人とか、赤貧乳の人っていうのもベトナムにはいるわけで、そういう人ってアオザイがあまり似合わないか、少なくとも「有利な体型」ではないと思うんだけど 良い点にお気づき!ベトナムの皆さんは日本人と同系のアジア体系で、体つきが薄いんですよね、ボンキュボンの人は実は少ないです。 ではあの魅惑のアオザイ姿はどうなんだ?!と申しますと、「補正下着」という強力な武器が女性にはあります☆ ご存知でしょうか。補正下着。強制的にウエストくびれをメイキング。余ったお肉は胸に追いやってグラマラスバストをメイキング。まさにミラクルな代物です。女性の救世主、男性にとってはとんだインチキアイテムでしょうか。 ベトナムは補正下着の着用習慣が浸透していて、アオザイの仮縫いのときには必ず着用、一番美しいサイズ感で縫製するのです。フィット感にこだわる。影の努力を怠らない。この辺の感覚は、旧宗主国フランスの服飾文化の影響を色濃く感じます。 チャイナドレスも同様で、モダン都市上海の女性は戦前から補正下着(上海では入手できた。)を活用し体形維持に関心を持ってきた歴史があるそうです。 アオザイは、お土産品はともかく、ベトナムの方があつらえるときは必ずオーダーメイドだそうです。 採寸時にサイズを測定するポイントも、洋服に比べて相当多いそうですよ。その結果、あの美しいラインが生まれるのですね。 他にも、20代で作ったアオザイを4、50代でも問題なく着用できるよう体形維持に努めるとか、アオザイとボディメイキングの話題は多く聞いています。 イ課長様のご記憶に、あまり天然体形の人が残っていないのはこのような事情からではないかしらん、と思い当たりまして。 長々と失礼しました。たくさんの記事、楽しみに読ませていただきますね。
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tohoiwanya at 2019-09-19 14:13
>「補正下着」という強力な武器が女性にはあります☆
淑香さん: コメントありがとうございます。 補正下着は確かにマッタク考えてもいなかった。仮縫いの時も補正してやるんだ!! つまり、出来上がりのアオザイは「実体型」ではなく「補正体型」に フィットするようになってるんですねぇ。それはびっくり。 薄手の、下着が透けるようなアオザイだと補正下着もモロ透けて カッコ悪いでしょうけど、ある程度厚手で中身が透けない生地だったら問題ないですもんねぇ。 うーむ・・日本だと「化粧落としてスッピン見たらウヒャ!」って話はよくあるけど ベトナムでは「アオザイ脱いだらウヒャ!」ってことがあり得るわけですなぁ・・こわい(笑)。 |
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