2013年 07月 23日
唐突だが、ポーランドネタの合間にトイレの話を書かせていただく。 いや実はさ、トイレのあるモノに関して、1年がかりで考え続けている疑問がイ課長にはあるのだ。 コトの起こりは去年の6月、乗り継ぎで降り立ったヘルシンキ、バンター空港のトイレだ。 このトイレでイ課長は見慣れないモノを見つけた。洗面台のワキにある小型シャワーみたいな、コレだ。 ![]() 何だろうなぁ?と思った。でもわからなかった。 まさか空港のトイレで裸になってシャワーを浴びたり、髪を洗ったりするヤツがいるとは考えられないから、 トイレや床を掃除するためのシャワーかなぁ?しかし、この時点ではよくわからなかったというのが正直なところで、 こんなトイレ併設のシャワーなんて、欧州の他の国のトイレでも見た記憶ないんだよ。 ![]() さて、この発見から4ヶ月後、イ課長は思ってもみなかったインド出張というものに行くハメになった。 ご存知のようにインドのトイレには紙というものがなく、“不浄の手”左手で、桶とかに汲んだ水を使って洗う。 もちろんホテルのトイレには紙があったけど、ホテル以外のトイレにもあるとは限らない。 実際、デリーのある会社で借りたトイレはトイレットペーパーホルダーがなかった。 窓のところに一応トイレットペーパーが置かれてるから、紙を使おうと思えば使えないことはないんだろうが。 しかしそれ以上に問題なのは、このトイレが「インド式手動水洗い」を前提にしているとしても、水をためる桶もなきゃ 桶に水をそそぐ蛇口もないってことだ。紙を使わないインド式なら、そういうものがあるんじゃないの? ここでイ課長の関心は横にあるシャワーの方に向けられた。 ![]() うーむ、これは4ヶ月前にヘルシンキの空港で見かけた、あのシャワーと同じものと見受けられる。 インド式“手動ウォシュレット”に必要なはずの手桶水がなく、その代わりにシャワーがあるということは・・だよ? 「これを使って洗え」ということだよな?コレを後ろ手に持って、自分の尻に向けて放水して洗う。 手桶水も、桶に水をためるための蛇口もない以上、このシャワーを「尻洗浄用」に使うのだと考えざるを得ん。 この時、イ課長はかなり感心した。 なるほど。経済発展著しいインドでは「手で洗う」といっても、もう昔みたいに手桶の水で洗うなんてプリミティヴな 方法はスタれ、放水シャワーが普及しているわけだ。これなら手も汚れないしね。 しかしだ。シャワーを尻に向けて放水するって技術的にはものすごく難しくないか? 何しろ放水目標は自分の尻だ。見えない。ちょっと目標精度が狂えば背中に放水して服を濡らしちゃったり、 尻から跳ね返った水が飛び散って足元のズボンを濡らしたり、床をビショビショにしたりといった惨事をひきおこすのは 間違いない。いくら「インド飲み」が出来るインド人とはいえ、この放水シャワーを使って、衣服も壁も床も濡らさずに 自らの尻を洗うなんて芸当ができるのか?? しかしインドではこの放水シャワーをけっこうあちこちで見かけたのも事実なのだ。 デリーで泊まったヒルトンにもトイレットペーパーに加えて、こんなシャワーがあったからね、ほら。 トイレわきの放水シャワーは、いわば“可動式”ウォシュレットなのだろうという推測がますます強固なものになる。 しかし一度も使わなかった。さっき言ったように、初心者がこれ使えばトイレはビショビショだろかうから。 ![]() このナゾは続くのだ。インド出張から8ヵ月後。イ課長は先日のベトナム・タイ旅行に行った。 すると、ベトナムのトイレにもあの見慣れた放水シャワーが置かれているではないか。ベトナムにもあったの?! 調べてみると、ベトナムも地方なんかだと「手桶水による手洗浄」という方式がけっこうあるようで、それを 近代技術で近代化すると放水シャワーになるんだと考えられる。なーるほど、ベトナムにもあったとは。 ホーチミンのホテルにあったのはこれ。インドと同じような感じだよね。 ![]() ためしに“放水”してみた。うおーーー!すげー高圧放水。予想以上の水圧だ。洗浄効果はさぞ高いだろう。 だがこれだけ高圧だと、的をはずした時の水の飛散もまたスゴいはず・・つうか、的に当たろうが当たるまいが 狭いトイレでこんな高圧放水を使えばそこらじゅう水が飛び散るのは避けられないんじゃないのか? トイレをびしょびしょにするわけにいかないから、この高圧シャワーはホーチミンでも使うことはなかった。 ![]() ホーチミンの次に泊まったホイアンのホテル。ここでも当然のように高圧シャワーが置かれている。 ところが、ここの場合、トイレとシャワー室が兼用だったんだよね。こういうの、スペインの安ホテルで経験あるよ。 (右の銀色が身体用シャワー、写真左端の白いやつが尻用シャワー) ![]() トイレ自体がシャワー室なわけだから、シャワーを浴びれば必然的にトイレの床はビショビショ。こういう所なら 高圧放水シャワーによるウォシュレット実験ができそうだ。もし床が水びたしになっても、そのまま身体用の シャワーを浴びれば同じことだもんな。 で、ホイアンを出発するという日の朝、その実験に着手した。やりそこなっても服を濡らさないように、また、 そのまま身体のシャワーに移行できるように、実験は全裸で行う必要があったわけだが・・・(笑)。 うううむ、しかしまた長くなってしまったな。 こんなネタを続き物にするつもりは毛頭なかったが、書くべきことはまだけっこう残っている。 すまん。許せ。続きは次回だ。ホイアンのホテルでの実験結果もその時にご報告するっす。
by tohoiwanya
| 2013-07-23 00:10
| 出張・旅行あれこれ
|
Comments(6)
![]()
アフリカのトイレにはモスリムのイスティンジャー用のシャワーがついてるところもあります。
私はクリスチャンなので使ったことないですが。
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>アフリカのトイレにはモスリムのイスティンジャー用のシャワーがついてるところも
Mayさん: 「イスティンジャー」って何なのか、検索して調べちまったぜ。 ムスリムの間ではそういう習慣があるんだ。ってことは、イスラム教徒比率がわりと高い インドのシャワーはイスティンジャー用とも考えられるな。でもベトナムは違うよなぁ。 しかしそう考えるとウォシュレットの潜在的海外市場(つまり水で洗うことが当たり前の国)は インド・ベトナムはもちろん、中東からアフリカ諸国にまで膨大にあるわけだ。 この事実をTOTOの人たちは知っているのだろうか?
ベトナム ハノイに住んでいます。
アジア圏では普通にありますね。 シンガポールにもカンボジアにもありました。 高圧なのでおしりには怖くてあんまり使いませんが 掃除に使うと便利です。 靴の裏なんてとってもきれいになっちゃいます(笑) TOTOさんはもちろんご存じです。 うちのはTOTO製です。
わしの行くK国付近でも、おっしゃるように、そういう機能上、おトイレがよく、びしゃびしゃになっている。御トイレおばさんが、そのあとモップで拭いていたりする(とへいえ、乾わくわけではない)。でも、北欧の場合はどうなんでしょう。日本でも、水をたくさん流せないところにはああいうのがついてますよね(←これは飛び散ったブツを流すためと言われた)。それの目的もあるのかも。
>アジア圏では普通にありますね
ふーみんさん: 初めまして。コメントありがとうございます。 しかし、アジアで普通にありました?私が泊まったホテルに関して言うと、 シンガポールもタイもなかったんですよ。一方ベトナムのホテルは設置率100%。 東南アジアに限ってもかなり設置率には差があるって印象が強いんです。 しかし、あの高圧放水を尻に向けるのはやっぱりオッカナいんですね(笑)。 ホイアンの実験の時は私もちょっとビビッた(笑)。慣れない旅行者は尻を洗浄しようなんて “大望”は捨てて、靴掃除に使うのがいいかもしれません(笑)。
>おトイレがよく、びしゃびしゃになっている
Bきゅうさん: ほほ〜、そうですか。私の場合、高圧シャワーが置かれたホテルのトイレでも 床が濡れてたケースってホイアンのホテルだけなんですよ。 これは「たまたまそうだった」っていうだけの話で、やっぱりアレを使おうとすれば トイレの床は水びたしになるっていうのは避けられない運命なのか・・・。 それはそうと、日本にも高圧シャワーありますか?見たことないなぁ〜?? |
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