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2013年 07月 31日

アウシュビッツへの険しい道

アウシュビッツ訪問に関しては、イ課長は用意周到に日本にいるうちに日帰りツアーを申し込んだ。
「アウシュビッツ日帰り、ホテル送迎つき」っていうやつだ。もっとも、イ課長の宿泊ホテルはマイナーな
安ホテルだったので、ツアーバスは迎えに来てくれない。で、ここで待てと指定されたピックアップ地点が
Hotel Andels(ホテル・アンデルス)。ピックアップ指定時刻は朝の8:35だ。

少し早めに、8:20頃からそのホテルの前で待った。周囲にはイ課長一人しかいない。
このピックアップ場所で待ってるのが一人だとしたら、大きなバスじゃなく、小さな車で迎えに来て、
バスのいるところまで連れてってくれるのかなぁ?なんて思いながら待っていた。

ほどなく、道をはさんで反対側のホテルの前に大型バスが停まり、ゾロゾロと観光客が乗り込むのが見えた。
位置関係としてはこうなる。イ課長が待ってろと言われたHotel Andelsが左の建物で、通りの向こうにある
3つの建物の真ん中、白い外壁のHotel Warszawskiの前に大型バスが停まったというわけだ。
「まさかあれじゃないよな?」と思った。あれはどう見てもHotel Warszawskiに泊まってる客のためのバスだ。
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こういう時、一人旅は不便だ。
もし誰か一緒だったら、一人を待たせてもう一人が道を渡ってそのバスのところまで行って、
「ボクの乗るバスはこれじゃないですよね?」と確認することもできただろう。しかし一人しかいないんだから、
向こうに行ってる間に迎えの車が来たら困る。Hotel Andelsがピックアップ場所である以上、
道の反対の、違うホテルの前にいるバスを気にしてもしょうがないのだ。待とう。

ところが、やっぱりそのバスが実はイ課長の乗るべきバスだったということなのだよ。とんでもねぇ話だろ?
あとで日本側のツアー申込窓口に文句言ったら「行き違いがあったようで申し訳なかった」って返事があったけど、
行き違いもナニも、最初からHotel Warszawskiで待てと指定すべきところを、反対側の、違うホテルを
ピックアップ場所として指定したのは(おそらく)現地ツアー催行会社側のミス。それ以外の何物でもない。

反対側に停まっていたバスが8:35ピッタリに動き出したのを見て、イ課長は急速に悪い予感がした。
8:35に出発したということは・・やっぱアレに乗らなきゃいけなかったのか?そんなバカな。確認しなくちゃ。

バウチャーに書いてあった現地のツアー会社に急いで電話をした。
イ課長の乗るべきバスはアレだったのか?それとも、これから来るのか?確認は急を要する。

電話口に女性が出た。
イ課長は必死になって、英語で「私はホテル・アンデルスの前で待っている。しかしバスが来ない」と伝える。
これで、電話口の女性がポーランド語しか理解しない人だったら、アウトだ。

別の女性が電話口に出てきた。ここでちょっとした奇跡が起きた。
その女性がなぜか日本語の上手な人だったんよ。日本語を話せるポーランド人なんて、ものっすごく
少ないはずなのに、その超低確率に当たったわけだ。日本語の上手なその彼女は言った。

「あー でも まだ そのツアーに ごうりゅうできる かのうせいが ございます。タクシーにのって
 くじまでにヒルトンまでいってください」
「9時ですか?それまでにヒルトンですね?(その時の時刻が8時40分頃だったと思う)」
「はいそうです。そこが さいごの しゅうごうばしょです」
「わ、わかりました」

幸い、Hotel Andelsの前にタクシーがいたから、すぐ飛び乗って「ヒルトン!」と告げる。
クラクフのヒルトンがどこにあるのか、こっちは全然知らない。しかし残された時間は20分弱。
ドライバーに「トゥエンティミニッツで着くだろうか?」と聞いたら、自信あり気に「大丈夫」と言うけど、
ポーランド最優先訪問地だったアウシュビッツに行けなくなるという恐怖でこっちは気が気じゃない。

ヒルトンは街のやや南西、ビスワ川に面したところにあった。そこに着いたのが8時58分頃。
ヒルトンの駐車場前に、何台かバスが停まってる。よし、あれだ。間に合いそうだ。早く行かなきゃ。
正確なタクシー料金は忘れたけど、たぶん15ズロチくらい(400円程度)だったはずで、イ課長は
20ズロチ札を渡し、「お釣りはいいよ」と言ってタクシーを急いで降りた、いや、降りようとした。

ところがそのドライバー氏、イ課長が言ったことが聞こえなかったのか、お釣りの小銭をキチンと
勘定して渡そうとする。こういうところも「ポーランド人みんなイイ人だった」というイ課長の印象形成に
寄与してる。しかし今はとにかく時間がない。お釣りをもらい「ジンクェ!」と礼を言って、バスまで走る。

バスの入口にいた女性係員にバウチャーを見せたら、「こっちのバスに乗れ」というから乗る。
このヒルトン前の駐車場、あちこちのホテルからひろってきた旅行者を最終的にここに集めて
改めて各ツアー別のバスに振り分ける場所みたいだ(下の写真が、その係員の女性)。
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バスに乗ると、中は欧米人観光客(年寄りが多かった)でけっこう埋まっている。
イ課長は一番前の座席に座ったけど、しばらくの間は置いてけぼりを食らったショックと、
何とかそれをリカバーできたようだという安堵感で、ほとんど放心状態だったね(笑)。

なぜか日本語が上手な女性がポーランドのツアー会社にいて、その人が的確な指示をくれたこと。
道路がさほど渋滞しておらず、タクシーでバスに追いつけたこと。特に前者は異常な幸運というべきで、
もしこんな幸運にめぐまれていなければ・・・

あーもう、今こうして書いていても恐ろしい。
みなさん、海外オプショナルツアー大手のAlan 1 netでアウシュビッツ見学ツアーを申し込む場合、
ピックアップ場所に関してはよーーーく注意してください。アナタが指定されたピックアップ場所は
バスの停まる場所とは違うかもしれない。もしイ課長がバカ正直に、指定されたHotel Andelsの前で
あの後も迎えを待ち続けていたら、とうとうアウシュビッツに行けなかったことになる。冗談じゃねぇぜホント。
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まぁとにかくバスはアウシュビッツに向かって走り始めた。やれやれ。
ツアー出発の時点で、すでに精神的にはドッと疲れちまったけど、この後、アウシュビッツに行けば
もっとハゲしい精神的疲労を味わうのは間違いない。うーむ、イ課長、耐えられるだろか。


 

by tohoiwanya | 2013-07-31 00:03 | 2012.06 東欧・北欧旅行 | Comments(8)
Commented by シトリン at 2013-07-31 05:56 x
初コメです
イ課長のブログいつも楽しく拝見させていただいております
ついにアウシュビッツ
いったいどんな思いで見学されたのか
今後が待ち遠しいです
Commented by tohoiwanya at 2013-07-31 10:29
>いったいどんな思いで見学されたのか

シトリンさん:
初めまして。コメントありがとうございます。
アウシュビッツに行ったことは本当に重~い体験でしたけど、
ものすごく貴重な体験でもありましたね。これからいっぱい書きますから
覚悟してください(笑)。

ただ、ポーランド旅行のネタが収容所だのゲシュタポ本部だの、ダークなネタだらけで
ポーランドに対してはちょっと申し訳ない気分。キレイな国で、人々は親切で、
すてきな観光地もたくさんある(んだと思う)のに・・・。
Commented by marco at 2013-07-31 17:41 x
ありゃぁ、ですね。。。でもこういう事がないと旅は面白くないのだ(^^)。はは。
それにその会社、文句言えば返金してくれますよ~。行けなかった場合ですけどね。。。

Hotel Andelsの間でのぼーーーーーーっと待ってて「あれぇ~、、、日にち間違えちゃったかなぁ~?」ってやる子もいますから~(他の国のもちろん他のツアーで友人がやった、こういう人に・・・ワタシもナリタイ・・・)。

Commented by はな at 2013-07-31 21:27 x
こんなにヒヤヒヤものだったんですね。想像してたのよりも
よりドキドキです。日本語の話せる女性スタッフは、本当に
奇跡のようですね。

ちなみに私の入ったバスツアーの客層には、アメリカか
どこの国からか分かりませんが、英語を話す、大学生くらいの、
タンクトップに半パンにビーサンみたいな恰好した大勢の男女の
集団がいましたよ。なんかチャラチャラした感じの若者たちも、
アウシュビッツに行くんだなあ~なんてちょっと意外でした。
行きのバスの中で、マクド食べたりコーラ飲んだり騒いでましたが、
さすがに見学中はみんな静かで真剣な顔つきでした^^;
Commented by tohoiwanya at 2013-08-01 13:36
>でもこういう事がないと旅は面白くないのだ

marcoさん:
まぁ今回の場合、最終的にはアウシュビッツに行けたから
「あん時はダメかと思った」とか「奇跡が起きた」なんて書いていられるけど
これがもしホントに行けなかったら悔しくてそれどころじゃないかも(笑)。

これ以来、現地オプショナルツアーの「ピックアップ」っていうのには
異常に神経質になったと思いますよ、私。もっとも後に行ったタージマハル日帰りとか
タイのアユタヤ遺跡ツアーなんかの迎えは何の問題もなく来ましたけどね。
 
Commented by tohoiwanya at 2013-08-01 13:51
>日本語の話せる女性スタッフは、本当に奇跡のようですね

はなさん:
バスに置いてけぼり食らって、ただでさえパニクりながら電話してるのに、
そこにいきなり日本語のできる女性がでてきたから、驚いてアタマが混乱してますますパニクった(笑)。
普段だったら「うわぁ、日本語お上手ですね、どこで勉強されたんですか?」程度の
ことは言えるはずなんだけど、この時は状況が状況だけに、それどころじゃなかった。

実はアウシュビッツからクラクフ市内に戻ってきたとき、もう一度この旅行会社に電話して、
できればあの日本語の上手なお嬢さんに「おかげさまで行ってこれました、ありがとう」って
御礼を言いたかったんだけど、なぜかその時は電話がつながらなかったんですよ。
そう考えると、あの朝にちゃんと電話がつながったのも“奇跡”だったのかも(笑)。
Commented by irmachan at 2013-09-21 11:14 x
はじめまして!
私は今年の夏、初めてのポーランド旅行でアウシュビッツに行ったんですが、事前にイ課長様のブログを読んでいたお陰で本当に助かりましたので遅くなりましたが御礼を申し上げたく、コメントしました。

日本語ツアーが生憎満席だったので私は英語が片言レベルなんですが、イ課長様と同じツアー会社の英語ツアーを申し込みました。
不安だらけだったのですが、こちらのブログで予習ができていたので助かりました!(特に最初のピックアップについて・・・私もHotel Andelsでした。)

列車のチケットの取り方もすごくわかりやすく解説されていて、こちらも重宝しましたので今後友人がポーランドに行くときはこちらのブログをおすすめしようと思います。

ポーランド旅行の他のレポートもすべて興味深く拝読させていただき、勉強になりました!
これからも一読者として楽しませていただきたいと思います♪
Commented by tohoiwanya at 2013-09-21 17:52
>イ課長様のブログを読んでいたお陰で本当に助かりました

irmachanさん:
初めまして。コメントありがとうございます。
Hotel Andelsピックアップで大丈夫でしたか?バスが反対側の車線に来てくれたとは
思えないから、道路をわたって向こう側にいる送迎バスに乗ったんですか?
とにかく、ご無事にアウシュビッツ・ツアーに行けたんでしたら、何よりです。

ポーランドはとにかく情報が少なくて、私も行く前はけっこう苦労しただけに、
自分のブログではなるべく「これから行く人たち」の役に立つような情報を
書こうと思ってたんですけど、お役に立ったのなら嬉しいです。
ポーランド、すごく良かったでしょう?チャンスがあれば私もまた行きたいくらいですよ。
 


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