2013年 08月 29日
ポーランドネタを消化する中、本日は軽いインドネタをはさもう。 小型オート三輪のタクシーってアジアではよく見かける交通機関で、有名なのはタイのトゥクトゥク。 これがインドネシアではバジャイ、インドではオートリクシャーって呼び名になるけど、モノはほぼ同じ。 トゥクトゥクの語源がエンジン音なのに対し、リクシャーの語源はマジで日本語の「力車」らしい。 こういう“個人営業交通機関”って、タクシーみたいにメーターがないから、乗車前にドライバーと 「ドコソコまでいくらで頼むよ」みたいな価格交渉せにゃならん。これが面倒。しかもガイジン相手だと 向こうは5倍くらいフッカケてくるのは珍しくないようで、それを英語で値切らにゃならん。 まぁ昔はバンコクやマニラの四輪タクシーだって、こんな感じなのが多かったけどね。 インドで一度だけ、そのオートリクシャーに乗ることができた。 例のチャンドニー・チョーク小冒険から地下鉄で帰ってきて、駅からホテルまで乗ったのだ。 行きは歩いたけど、帰りもまた20分歩くのダルいし、一度オートリクシャーに乗ってみたかった。 インドの街中ならそこらじゅうで見かけるオートリクシャー、競争相手が多いだけあって、 過当競争も激しいようだ。イ課長もこの時、それを体験することになる。 地下鉄のMarviya Nagarの駅を降りて、エスカレーターをのぼって地上出口。 地下鉄駅周辺にリクシャーが何台か停まってるのは行きに確認してたから、つかまえるのは 難しくないだろうと思ってたけど、価格交渉は自信がないなー。まぁそんなに長い距離じゃないし、 多少ボラれるのはしょうがないか・・・ ・・・なんてノンビリ考えてはいられないのだ。 出口を出ると、たちまち6~7人くらいのリクシャワーラー(要するに運転手)にワッと取り囲まれる。 フォーティ! フォーティ! フォーティ!フォーティ! フィフティ! フォーティ!! フォーティフォーティ!! サーティ! フォーティ!! ちょ、ちょっと待っちくり。すごいことになった。 リクシャワーラーたち、この駅を降りるガイジンなら、どうせ行き先はホテルやショッピングセンターのある アソコだろうと決めてかかって(それは実際その通りだったのだが)運賃連呼。まさにイ課長の奪い合い。 価格交渉もヘチマもない。魚河岸でセリにかけられたマグロのような気分だ(笑)。 一人、「サーティ(30)」って言ったような気がしたから、声の方に向かって「サーティ?」って確認したら 「サーティ、サーティ!イェイ!」って、元気よくイ課長の腕をつかみ、他の競合同業者たちの間を縫うように 自分のリクシャーに連れていく。「ほーらオレ様は客を見つけたぜ、ざまぁみろ、どんなもんでぃ!」って感じで 鼻高々、喜色満面で連れていくんだよ。彼が良いリクシャワーラーか、悪徳業者か考える時間なんてないけど 一番安い料金を提示したのは確かだ。こうなった以上、彼のリクシャーに乗ってみようではないか。 オートリクシャーに乗って眺めるデリーの街。いやーインドに来ちまったなぁという気分が盛り上がる。 車体はえらくボロく、しかもよく揺れる。このクサリは何のためにあるのか?さっぱりわからない。 これはひょっとするとメーターの“残骸”か? しかしインド広しといえども、メーター制のオートリクシャーなんてないはず。何のための装置なのか これまたよくわからない。しかしどうせ作動してないようだから、考えてもしょうがない(笑)。 行きは歩いて20分の距離。乗車時間はせいぜい5〜6分ってとこだったかな? 「ヒルトン」って言ったら、ちゃんとホテルの近くまで乗せてくれた。 彼が主張した料金は30ルピー。ぴったりのお金がなかったから50ルピー札を出したら、 ちゃんと20ルピーのお釣りをくれた。「お釣りがないよ」とか言われるかと思ったけど料金トラブルなし。 インドの悪徳リクシャーの話はヤマほどあるみたいだけど、意外に正直かつ良心的だ。 というわけで、インド出張で唯一のオートリクシャー体験は過当競争のおかげもあってか、 実に安く済んだのでありました。30ルピーつうたら(当時の相場で)45円くらい。こりゃ安いよ。 翌日、通訳さんにこの話をしたら、「イカチョさん、それ、ボラレてないよ」と請け合ってくれた。 悪い評判も多いインドのオートリクシャーだけど、かくのごとく過当競争の激しい業界みたいだから、 インドに不慣れなガイジンでも、意外に“地元料金”で乗れちゃうこともあるかもよ?
by tohoiwanya
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| 2012.10 インド出張
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