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2013年 09月 02日

クラクフ、ゲットー英雄広場

雨のクラクフ・ダークな旅。
カジミェシュ地区の次に向かったのは、ビスワ川をわたったところの市電の停留所。
この停留所はリポヴァ通りにある「シンドラーのホーロー工場」の最寄駅なのだ。

シンドラーの工場はここから歩いていけるし、ちゃんと見学時刻も申し込んである。
でもまだたっぷり時間はあることだし、まず停留所に面したゲットー英雄広場を見学しようではないか。

ここも第二次大戦におけるユダヤ人の悲惨な運命を象徴する場所のひとつといえる。
もっとも、ただ見ただけじゃ「いかにも悲惨」という印象は全然ない。
椅子だけがいくつもいくつも置かれてて、モダンアートの展示広場か何かにすら見える。
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前回見たカジミェシュ地区に古くから住んでいたユダヤ人たち、まずビスワ川の対岸にある
このあたりのユダヤ人ゲットーに強制移住させられた。そしてさらに、ここも強制退去させられて
強制収容所に強制的に送られるわけだ。すべてに「強制」の文字がつく。

だから「シンドラーのリスト」のゲットー強制退去の場面がカジミェシュ地区で撮影されたってことは、
実は「ゲットー退去の場面を、ゲットーに行く前に住んでた地区」で撮ったっていうことになる。
ユダヤ人ゲットーらしき面影を残す建物は、今やこの辺にはほとんど残ってないらしい。
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ユダヤ人たちは強制収容所に送られる際にこの広場に一時集められた。
強制収容所送りになる前、一ヶ所に集められて待たされるっていうと、ワルシャワを舞台にした映画の
「戦場のピアニスト」が思い出されるけど、あれと同じようなことがクラクフの、この広場でもあったわけだ。

さて、この広場に来れば誰もが思うことだが、この椅子はナンなのだろう?
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調べたところでは、この椅子って、古い記録映画にまつわるものらしい。
カジミェシュ地区からゲットーにユダヤ人たちが強制移住させられた時のフィルムってのが残ってて、
中でも子供たちが学校の自分の椅子を頭に乗せてゾロゾロと歩いている場面は可哀想になる。
この映像が有名になったもんで、ユダヤ人の悲惨な運命を象徴するものとして椅子が置かれたらしい。

その動画がないかとYouTubeを探したら、ちゃんとあるよ。
下の動画の、2分04秒あたりに、椅子を運ぶ子供たちの可哀想な姿がちょっと写ってる。
ここに写ってる子供たちのうち、無事に戦後まで生き延びた子が一人でもいるんだろうか・・・?
  
      

ちなみに、後で気付いたけど、この古い記録映像の2分44秒あたりから、イ課長がたまたま撮った
この橋の当時の姿も写ってるね。映像を見てて「あ、この橋はもしかして」と思ったけど、間違いない。
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昔からのユダヤ人街だったカジミェシュ地区からゲットーに強制移住。
そこからさらに強制退去させられ、働けるものはプワショフの強制収容所へ(ここは労働収容所だった)。
労働力価値のない者はそのままアウシュビッツへ(ご存知のように、ここは絶滅収容所)送られた。

そんなユダヤ人のダークな歴史が凝縮されたクラクフのゲットー英雄広場。
雨で椅子の上には水たまりができ、そこに降る雨粒の波紋が広がる。
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この椅子を濡らすのはクラクフに降る雨か・・殺されていったユダヤ人たちの涙か・・
なーんて感傷的なフレーズが頭をよぎったりするのである。何せ天気がダークだからさ(笑)。
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しかし、いかにフードつきコートとはいえ、冷たい雨にぬれ続けて、さすがに寒くなってきたよ。
シンドラーの工場の見学予約時刻(たしか11時にしたと思う)まで、まだけっこうあって、結局、
それまで屋根のついた市電の停車場で雨宿りせざるを得なかったイ課長なのでありました。
 

 

by tohoiwanya | 2013-09-02 15:25 | 2012.06 東欧・北欧旅行 | Comments(2)
Commented by Bきゅう at 2013-09-03 02:27 x
業務連絡:イ課長さんの御トイレ記事が、ぷりさんのところで絶賛。
ぷりさんのURLを引用しておきますう。
Commented by tohoiwanya at 2013-09-03 11:51
Bきゅうさん:
業務連絡ありがとうございます。拝見してきました。
Bきゅうさんのところから、たまたまウチにいらした方みたいですね。
あんなクダラない記事を引用していただけるとは。
わざわざ全裸になって実験した甲斐があるというものです(笑)。
 


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