2013年 10月 09日
クラクフから乗った列車は真っ平らな田園地帯の中をひた走る。 そもそもポーランドっていう国の名前が「平原の国」っていうくらいで、山地が少ない国なんだよ。 何もない平原ばかりだったのが、線路沿いに倉庫みたいな建物が目に入りだす。 少しずつ都市の外縁部に入ってきたな、っていう気がするね。 だんだん集合住宅なんかも見え始める。もう都市近郊といえる風景になってきた。 お、ワルシャワナントカって駅に停まった。 ってことはもうワルシャワ中央駅までもうあとひと駅か、せいぜいふた駅だろう。 というわけで、2012年6月6日水曜日、イ課長はクラクフから懐かしいワルシャワに戻ってきた。 到着して最初の1泊しただけの街だけど、懐かしい。どうも外国ではちょっとでも滞在経験のある 街に戻ってきたり、再訪したりするとやけに懐かしがるのがイ課長の特徴みたいで、初の海外旅行で 行ったN.Y.からフィラデルフィア日帰り観光に行った時も、帰りの電車の窓から再びN.Y.を見て 異様に懐かしく感じたもんだった。その数日前に生まれて初めてN.Y.に来たくせに(笑)。 前にも書いたように、ワルシャワって街は第二次大戦でカンペキに破壊されつくしちゃったから、 クラクフみたいな「古都」という風情はない。社会主義時代の雰囲気を色濃く残すガッチリした建物と、 その後の経済発展による新しいピカピカの建物とが混じり合った大都市って感じかな。 イ課長としては、どうしても「ピカピカ系」より昔の建物の方に興味をひかれる。 社会主義時代の建物だなっていうのは、すぐわかる。建物外観に柔らかさみたいな要素が皆無で、 ガチッとして重厚で、せいぜい6〜7階建てくらいの低層の建物が多い。 これもそう。ソ連支配当時は何かの官庁があった重要な建物だったらしいけど、今はオフィスビルか? 四角形が強調された重厚なデザインで、面白みはないけど、イ課長としてはキライじゃない。 ヘンな言い方だけど、建物としての「キャラが立ってる」という感じで、これはこれで立派だと思うんだよ。 イ課長がこれまで行ったことがある東欧の街っていうと、プラハとブダペストだ。 どちらも(特にプラハは)昔の建物がけっこう保存されてて、中世から続く東欧の街っていう歴史の香りが 濃厚に感じられるけど、戦争でペチャンコにされたワルシャワにはそういうのはない。 しかも、古い建物の壁面にこんな巨大落書きがあったりするからね。 ハンマーと鎌のマークがあるから、社会主義体制を風刺した絵なんだろうな。 こんな落書きもあった。 JEWISH PRIDE(ユダヤ人の誇り)なんて文字を見ると、かつて市内の中心に巨大ゲットーがあった ワルシャワに来たんだなぁと実感したもんだった。 新しい建物はモダンではあるけど「東欧ならでは」とか「ワルシャワらしさ」なんてものが皆無だから キレイでも面白くはない。これはワルシャワ中央駅そばにあるショッピングモール。ここはなんといっても 入口のグネグネした曲面が目立つ。 中はこんな感じ。実はこの写真を撮った直後、写真右下に写ってる警備員がイ課長のところに来て 「写真はあかんで」と言ったので、「さよか」と言って素直にカメラをしまった。 ワルシャワに戻ってきた水曜日は、それでもまだ旧ゲシュタポ本部とかのダークスポットを 見学したんだけど、幸いなことにそれらはもう書き終わってるので(笑)、次回は 「ワルシャワといやぁ、やっぱコレだろ」という建築物について書こうと思う。
by tohoiwanya
| 2013-10-09 00:06
| 2012.06 東欧・北欧旅行
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Comments(8)
なんぢゃこのくねくね。
雨が降ったら、ゲリラ豪雨状態で水が溜まりそう。 雨水溜めるにはよさそう。 イ課長さんは、いつも面白い建物を見つけらますね。
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ワルシャワ→クラクフの国鉄eチケットでは大変お世話になりました。
お陰様で8月末~9月初めの旅行は概ね順調に過ごすことが出来ました。 今回の旅行では予備知識があったため、ダークゾーンもなんとか持ちこたえることが出来ました。 ずっとイ課長さまの旅行記も読ませていただいていますが、プワショフは、昔訪れたブーヘンヴァルト(ドイツ)を思い出し、辛くなりました。 私も拙い旅行記をブログに載せました。お時間とご興味がありましたらご笑覧ください。
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tohoiwanya at 2013-10-11 00:25
>雨が降ったら、ゲリラ豪雨状態で水が溜まりそう
Bきゅうさん: グネグネはしてるけど、おそらく水が溜まるほどのクボミはなくて、うまい具合に 雨水は手前に流れるようになってるんだと思うけど、ゲリラ豪雨になったりすると この建物は日光の竜頭ノ滝みたいになるんじゃないかという気が・・(笑)。
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tohoiwanya at 2013-10-11 00:41
>ダークゾーンもなんとか持ちこたえることが出来ました
カブメイさん: おおープワショフ行かれたんですか。あそこはホントに何も保存されてないんだけど、 それだけに「モノ」じゃなく「記憶」だけが漂ってるって感じで、けっこう重いですよねぇ。 お疲れ様でした(笑)。しかし無事戻られたようで何よりです。 旅行記、あとで読みに行きますね。
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カプメイ
at 2013-10-11 00:48
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すみません。書き方が悪かったです。
イ課長さまのプワショフを読んで、自分が行ったブーフェンヴァルトを思い出したのです。 やはりアクセスが悪くて迷い、森を歩くはめになったり、同じようなモニュメントがあったりで、なんかもう囚人の気持ちがそのまま乗り移るような感じだったのです。そのまま遭難するかと思ったのでした。 失礼しました。。。<(_ _)>
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tohoiwanya at 2013-10-11 01:49
>イ課長さまのプワショフを読んで、自分が行ったブーフェンヴァルトを思い出したのです
カプメイさん: いやいやこちらこそ失礼しました。よく見ずに「カブメイさん」と書いてレス書いてましたが カプメイさんですね。もう老人で目が悪くなってきたもんで・・(言い訳タラタラ)。 さっき、旅行記を拝見してきたところです。 「プワショフ、ないなぁ?」と思ったんですが、そういうことだったんですね。 私はドイツ国内の収容所はダッハウしか行ったことないんですけど、 ブーフェンヴァルトかぁ・・一度行ってみたいなぁ。
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ちわわん
at 2013-10-25 12:56
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そっぴんぐせんたーで写真アウトてなんでだろう???
しかし確かにセンター内で写真とってる人はみたいことないなー。
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tohoiwanya at 2013-10-27 01:14
>そっぴんぐせんたーで写真アウトてなんでだろう???
ちわわんさん: 以前パリの百貨店の中でもキレイな売場の写真を撮ったら、 店員が寄ってきて「撮らないで」ってフランス語で言われた。 フランス語わからないけど、顔でわかった(笑)。 しかし、個々の売場とか商品はともかく、ショッピングセンター全体の広々した内部なら 他に国でよく撮ってるけど、何も言われたことないよ。やっぱ東側は厳しいのかな? |
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