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2014年 03月 09日

アグラ城というところ その2

さて、アグラ城の奥の方に進んでみよう。
・・といっても、アグラ城は全体が一般公開されてるわけじゃないらしくて、とりあえず「公開エリアの中では
奥の方」ということになるわけだが。

この辺は前回書いた建築ヲタク皇帝、シャー・ジャハーンが増築したそうで、白大理石をふんだんに使って
繊細・優美な装飾をほどこした居室が広がる。地が白だから装飾もカラー化してる。
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ただ、この美しい居室にはシャー・ジャハーンの哀しいエピソードが残されている。
優雅な装飾の一つ一つに彼の悲しいため息がしみ込んでると表現しても、そう大げさではないのだ。
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このシャー・ジャハーンって人、奥さんであるムムターズ・マハルのことがとにかく好きで好きで好きで好きで
しょうがなかったみたいなんだよね。骨の髄まで「ムムターズ・マハル LOVE」な亭主だったらしい。
ムムターズ・マハル、絵を見ると細眉のヤンキー風美人だ(画像は例によってWikipediaから拝借)。
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ところがそれほど愛していたムムターズ・マハルがまだ30代の若さで死んじゃう。
彼女は死の床から「私が死んだら、どうか立派なお墓を作ってくださいね」と亭主に頼んだ。
何せ惚れて惚れぬいた女房の遺言。それでなくたって建築道楽好きのシャー・ジャハーン。そりゃあもう
ものすごい墓を作るのは目に見えてる(笑)。そして出来上がったのがタージ・マハルというわけだ。
要するに、タージ・マハルって平たく言えば「死んだ女房のお墓」なんだよ。
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さて、話はもうちょっと続く。
愛する妻に先立たれたシャー・ジャハーンもやがて年をとり、次の皇帝に誰を指名するかとなった。
父親としては長男に継がせたかったようなんだけど、自分と折合いの悪い三男が「オレがなるったらなる!」と
争いを起こし、しまいには兄を殺し父親をアグラ城に幽閉し、自分が次の皇帝になっちまった。

シャー・ジャハーンが幽閉されて晩年を送った場所っていうのが、この白大理石の部屋らしいんだよね。
この部屋からはさえぎるものもなくタージ・マハルが遠望できる。これが切ない。

愛する妻に若くして先立たれ、息子同士の後継者争いの果てに自分は幽閉の身。
年老いたシャー・ジャハーンに出来ることは、ここから亡き妻の壮大な墓、すなわちタージ・マハルを眺めて
哀切の思いをかみしめることだけだったのである・・と、まぁこういう話が残ってるわけ。

下の写真、イ課長の姿をシャー・ジャハーンに強制脳内変換して、彼の哀しみを感じてほしい。
え?ムリですかそうですか。これ、例の「専用ガイドという名の専属カメラマン」がイ課長のデジカメを使って
撮った写真の中の一枚なのである。
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とにかく彼がイ課長のデジカメ持って「そこに立て」「ココでこういうポーズをとれ」等々、注文が多い。
一人旅なのに自分が写った記念写真がいっぱい残っていいっ人もいるだろうけど、
イ課長自身が撮りたいモノがあっても、カメラは彼が持ってるから撮れねーじゃんよー(笑)。
しょうがない、専属カメラマン撮影、見苦しいモデルの写真をもう一枚載せておくか。
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こんな場所もあった。これ、ある種のプラネタリウムみたいに部屋に埋め込まれたガラス(宝石?)が
暗い中でもキラキラ光る場所だそうで、これも専属カメラマンが網のハマッた窓のスキマから撮ってくれた。
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やがて広~いテラスに出る。ここは気持ちのいい場所だったねぇ。視界の広がりがすばらしい。
ここに立って、ヤムナー川の流れの向こうに見えるタージ・マハルのシルエットは幻想的だったよ。
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入口で見た赤砂岩の巨大な門なんかに比べると、このシャー・ジャハーン幽閉の間(イ課長命名)とか
テラスのあたりはだいぶ感じが違う。繊細優美な装飾を見てると、ついアルハンブラ宮殿を思い出す。
ちなみに、あるサイトには「世界で最も有名なイスラム建築がインドのタージ・マハルであるとすれば、
2番目に有名なのがスペインのアルハンブラ宮殿であろう」って書いてあったな。
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確かにアルハンブラ宮殿の内部の美しさは筆舌に尽くし難い。まさに別世界にいる心地を味わえる。
しかし建物の外観、そのフォルムやその色、配置バランスの美しさといった点になると、これはもう
タージ・マハルに勝るものなしと、そういうことになるんだろうな。

さーて。
アグラ城をざーっと1時間ほど見学したから、次はいよいよ・・はぁはぁ・・いよいよだぞ・・

世界中の旅行者を魅惑し続ける極美の世界遺産・・・年間400万人が訪れるインド最大の観光スポット・・
世界にその名を知られたタージ・マハル・・・とうとうオレも・・・はぁはぁ

さぁいくぞ。イ課長がオマエを征服してやるぞ。待ってろよタージ・マハル。



by tohoiwanya | 2014-03-09 00:29 | 2012.10 インド出張 | Comments(4)
Commented by piki at 2014-03-10 08:50 x
ここ、半端ない感じですね! すごい、とかいいようがないので、
本物をみたら、ほんとだと思います。

でも、ここに車でに、インドの混沌とした、道をこなくていは
いけないんですね。 

西洋の歴史でも、権力戦争に負けた皇族(王子とかお姫様とか)が、閉じ込められている話よく聞きます。 
権力争いじゃないけど、今日のニュースでは、サウジアラビアで、王女3人が閉じ込められていて、亡命を希望してるとか。

報復をおくれて、本人もまわりの家族もすべて殺しちゃう北朝鮮。

歴史は繰り返される?
Commented by tohoiwanya at 2014-03-10 12:49
>権力戦争に負けた皇族(王子とかお姫様とか)が、閉じ込められている話

ぴきさん:
まぁこれはどこの国の王室でも聞く話ですけど、ちょっと読んだところだと
ムガール帝国はまさに「皇位継承のたびに殺し合い」っていう感じで、
幽閉されたシャー・ジャハーン自身も自分が皇帝になる時は父親を幽閉しただか、
殺しただかしたはずで、その父親もまた自分が皇帝になる時に・・・っていう感じみたい。
まさに「因果はめぐるムガール帝国」という感じ。
しかしアグラ城の建物は素晴らしかった。
Commented by Bきゅう at 2014-03-10 21:29 x
イ課長さん、足が長いっす。ポーズ、決まってまんな。
ところで、建物は臭くはないんですか(すんません、へんなことを聞いて)。どうしても、暑い地域の遺跡類は臭い気がして、足が遠のくのでございまする。
Commented by tohoiwanya at 2014-03-11 00:21
>ところで、建物は臭くはないんですか

Bきゅうさん:
えええ?別に臭くなかったですよ?暑いところの遺跡って臭いの??
アグラ城もタージ・マハルも臭いは気がつかなかったなぁ?
暑いところの遺跡っていうと、去年タイでアユタヤの遺跡にも行ったけど、臭いは気がつかなかった・・。

逆にちょっと興味ある。どんな臭いなんです??
 


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