2014年 05月 09日

ホイアン・人情夜話

現在手持ちの「ブログネタ在庫状況」をざっと考えてみると・・・

①昨年2月欧州出張ネタ。これはまだけっこう残ってる。
②昨年6月のベトナム・タイ旅行ネタ。これはたーーーっぷりある。
③昨年12月のバンコク旅行ネタ。これもかなりあるけど滞在自体が短かったから数としては②よりずっと少ない。

「行った順」で消化するなら①②③と書いていけばいいんだが、そうすると途中から東南アジアネタばかりになる。
変化をつけるために順序を変え、東南アジアネタ書きつつ、途中時々欧州ネタをはさむって形でいこうと思う。
え?どうでもいい?さいざんすか。

というわけで、ベトナムの話を書こう。とにかくベトナムは楽しかったからさぁ。

以前、ベトナムじゃモノを買う(食う)たびに「この店は正直か、ボッタクリか?」と考えなきゃならない、と書いた。
それは実際その通りで、同じものを買うにしても店によって言い値がぜんぜん違う。
そんな国で買い物したりメシを食ったりするのは本来であれば疲れる。ストレスになる。ところがベトナムだと
店や食堂で現地の人と接するのが楽しくてしょうがないんだよ。ぼったくり確率がけっこう高いのに、だ。

ボッタクリ店と正直店が混在した状況での買い物や食事が楽しい理由の一つは、その貨幣価値の差だろう。
たとえば1万ドンぼったくられたとしても、日本円にすりゃ50円。50円ならまぁいいかという気になる。

理由の二つ目はベトナム人店員の「客の顔を覚える能力が高い」ということだ。
これに関してはこれまで行ったどの国と比べても高いと言わざるを得ない。理由は不明だが(客が少ないから・・・か?)。
昨日行った店に翌日行くと確実に覚えてる。そんな店で「あらアンタまた来たね」「昨日と同じのにする?」なんて
ニコニコ接してもらえりゃ、こっちだって嬉しくなるってもんだ。生まれて初めて来た街なのに、
買い物したりメシ食ったりしてるだけで街に顔見知りが増えていくんだよ。
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ボッタクリ確率の低くない国で、しかも「貨幣価値の差が大きい」と「顔を覚えられる」という条件下で買い物すると、
どういう具合に楽しいか?イ課長がベトナムでもっとも頻繁に買った商品である缶ビールを例に説明しよう。

ベトナムで最初に買った缶ビールはサイゴンの路上だった。
以前に「美女図鑑」にも載せた、このかわいいお嬢さんから買ったのだ。
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このお嬢さんも一度ビールを買ったイ課長のことを覚えててくれたって前に書いたよね。ちなみに値段は1本1.5万ドン。
日本円で約75円だ。3本買って5万ドン札を渡すとお釣りはない。本来なら5000ドンのお釣りなんだけど、
5000ドンって日本円にすれば25円。1本あたりなら8円の違いだ。こんな具合だから1000ドン単位の取引に関しちゃ
売る方も買う方もお互いルーズになる(笑)。

ただ、多少なりとも余分にお金を払ってると、写真を撮らせてくれない?なんてことが頼みやすくなるんだよね。
撮影料25円で撮らせてもらうと考えると、異常に安い撮影料だ(笑)。

こんな調子でベトナムではお店の人の写真をいっぱい撮らせてもらった。楽しかったなぁ。

たとえばこの人。これはハノイでビールを買った店のおっちゃんだが、1本あたり1.2万ドンしかとらない。
おそらくこれは標準小売価格そのもののはずで、コンビニで買うよりも安い。なんと正直な店主であろうか。
(サングラスかけた外見からだと、とてもそう見えないってところがオカシい(笑))
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そこでイ課長はこの店を「正直堂」と命名した。ハノイ滞在中は何度も正直堂でビールを買ったもんだ。
おっちゃんの方もイ課長のことをすぐ覚えて「今日もサイゴンビール3本かい?」なんて聞いてくる。
街に顔見知りができると街歩きも楽しくなるよねぇ。

もちろん、正直堂の店主みたいな人ばっかりじゃない。ベトナムにはブラック店主だって多い。
正直堂が閉まっちゃった後にビールを買いたくなって、暗い路上のオバサンから買ったら2本で4万ドンときた。
1本2万ドン?高いなー。正直堂なら1.2万ドン/本だぜ?これはもう明らかなぼったくり価格だ。
もっとも、ぼったくられた差額は1本あたり8000ドン、40円・・・まぁ、いいか・・・。

こういう「ぼったくってる時」のベトナム人の顔を観察するのがまた面白いんだワ。
やっぱりやましい気持があるのか、イ課長と目を合わせず、不機嫌そうに言うケースが多い。
サッと金だけ払って、サッと消えてもらいたいと思ってる様子が強く伝わってくる(笑)。

ベトナムで一番高い缶ビールを買わされたのはホイアンだった。
昼間歩き回って汗ダクになったから夕方まで少しホテルで休もうと思い、路上のビール売りのお姉さんから
3本買った。すると値段は8万ドンというではないか。

はちまんどん?!こりゃすごいボッタクリだ。大体3本で8万ドンって、割り切れねぇじゃねぇか(笑)。
思わず「えいてぃさうざんど??」って聞き直し、「じゃいらないよ、他の店で買う」って言おうかな、と一瞬思った。
しかし暑いなか、他の店を探すのもメンドウだし、まぁ例によって上乗せ価格分は撮影料と思うことにして
写真を撮らせてもらった。
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「ノットビューティフル・・(美人じゃない・・)」なんて照れながらも写真を撮らせてくれた。
ノンラー(例のベトコン帽子ね)をかぶった、ごく素朴な田舎育ちのお姉ちゃんっていう感じで、悪い人には
ぜんぜん見えないんだけどなぁ・・。まぁこれがベトナムということか。

夜になった。ホイアンの街はちょうど満月のお祭り。イ課長もカメラを持って夜の街をあちこち歩き回る。
この夜のホイアンの美しさは本当に忘れられない。地元の人と観光客とですごい賑わいだったよ。
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「さっきビール買ったの、この辺だったよな・・」と思って歩いてたら、あのぼったくり姉ちゃんがいた。
一瞬目があった。しかし次の瞬間ハッと思ってイ課長は目をそらして気づかなかったフリをした。


ぼったくり姉ちゃん、赤ん坊を抱いてたんだよね。
若く見えたからまったく考えてなかったけど、じつはもうお母さんだったんだ。

おそらく彼女も「あ、昼間のお客さんだ」と思ったに違いないけど、この時ばかりは知らない人でいたかった。
きっと暮らしは裕福ではないんだろう。昼間は乳飲み子を誰かに預け、炎天下の路上で冷えた飲物を売って
一生懸命稼いでいるお母さん。そんな彼女と「さっきぼったくられた客」として気まずく再会したくなかった。

彼女にはビール代をぼったくられた。それは間違いない。3本で、日本円にして約180円くらい多くとられた。
でも、ぼったくられたその180円が彼女とその赤ん坊のためになるならむしろ良かったじゃん、と思えてきた。

気づかないフリをしたまま、雑踏に混じって赤ん坊を抱いた彼女の前を通り過ぎた。
川沿いの道。フと空を見上げると、ホイアンの満月祭りの夜を飾る月がこの上なく美しい。
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「あー・・・彼女からビール買ってよかったなぁ・・・」


しみじみそう思った。
あの時「ほかの店で買う」なんて言わなくてほんとに良かった。
ぼったくられたけど、満ち足りた気分だった。こういうのもあまり経験がない。

「ベトナムって、いいよなぁ・・・」 

こうしてますますベトナムが好きになっていくイ課長なのでありました。


 
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by tohoiwanya | 2014-05-09 00:20 | 2013.06 ベトナム・タイ旅行 | Comments(8)
Commented by yasuko at 2014-05-09 10:32 x
今日1日、いい気分でいられそうです。
Commented by tohoiwanya at 2014-05-09 17:18
>今日1日、いい気分でいられそうです

yasukoさん:
コメントありがとうございます。
こんなブログを読んで、多少なりともいい気分になってもらえれば望外の喜びです。
私なんかはベトナム滞在中のほとんどの時間がいい気分だったように思えます(笑)。
 
Commented by マダムKenwan at 2014-05-09 17:55 x
最後の写真、綺麗ですね〜
随分物価も暮らしぶりも違うようですから
180円、きっと家計が大分助かりましたね。
Commented by hanatomo31 at 2014-05-10 00:33
ぼったくられたけど、満ち足りた気分だった。

なかなかそんな風に思うことなさそうなので、この話を聞いただけで
ベトナム行きたくなりました。
でも、やっぱりそう思えたのはイ課長さんが善き人だからですね。
Commented by tohoiwanya at 2014-05-10 11:14
>180円、きっと家計が大分助かりましたね

マダムKenwanさん:
多少は助かったと思います。
仮にボッタクリ価格で缶ビール1本2.5万ドン、1日に36本=3ダース売れたとして
売上90万ドン・・・4500円。まぁ物価が安いから親子で何とかなるのかな?
当然ダンナさんもいるはずで、彼も働いていれば何とかなるか・・って、
別に私が心配してもしょうがないんですが(笑)。
でも、あの暑い中、路上の店で一日客待ちして過ごすのは大変だ。
Commented by tohoiwanya at 2014-05-10 11:29
>この話を聞いただけでベトナム行きたくなりました

ハナトモさん:
ベトナム、いいですよ~。シンガポールからなら近いし、ぜひどうぞ。

ベトナムってシンガポールに比べたら段違いに1人あたりGDP低いし、
タイやマレーシアと比べてもぐっと低い。そういう意味じゃホントにまだ貧しい。
でもなーんか、イイんですよ。日本の戦後高度経済成長を知ってる世代には
親和感があるのかもしれない。私も高度経済成長の末期に子供時代をすごしたから
「肌があう」っていう感じがするのかもしれないなぁ。
Commented by Bきゅう at 2014-05-11 00:40 x
わしも、物価の低い国へ行ったときは、多少、ぼられてもしかたないと思っておりますう。きっと、彼らにとって、外人カンコーキャクというのは、日本の物価に換算したら、ポケットに5百万円とか、一千万円持って歩いているヤカラなのであって、多少、外人価格を請求して許されると思うのですう。
Commented by tohoiwanya at 2014-05-12 00:23
>多少、ぼられてもしかたないと思っておりますう

Bきゅうさん:
まぁそうですよねぇ。
貧しいながらも一生懸命家族のためにかせいでるんだよなぁと考えると、
まぁ少しくらいはいいか、という気になる。それに、ベトナムの人って、昔の
バンコクやマニラにあったような人品骨柄の卑しさみたいなものがあまりない。
「まじめにぼったくってる」って感じで(笑)、ますます許せちゃいます。
 


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