2014年 11月 12日

タイ王制と政情安定について

トツゼン何てお堅い標題であろうか。まるで卒論のようだ(笑)。

Facebookにタイの友人が増えたおかげで、タイのニュースや写真を見る機会が増えた。
記事はタイ語だからさっぱり読めないけど、写真を眺めていろいろ想像するのは面白い。

先日、ある人がタイの(おそらく)ニュースサイトに載ってたプミポン国王の最近の写真をシェアしてた。
それを見たイ課長はちょっとショックを受けた。あのプミポン国王、こんなに弱りきってしまったか・・

1927年生まれっつうから、昨年86で死んだウチのオヤジと同年だ。プミポン国王はことし87歳。
力なく車椅子に乗ってるその写真を見ると、どうしても衰弱したオヤジを思い出してしまう。
在位68年(!)つうから、大半のタイ人はプミポン国王以外の王様なんて知らないわけだよ。

このプミポン国王夫妻、タイ国民からとにっかく絶大に支持され、絶大に敬愛されている。
街を歩いてるとプミポン国王とシリキット王妃の顔はあちこちで見かける。公的施設の名称やら
地下鉄の駅名になってたりもする。お札だってこの通り。
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名君として名高く、大学名にもなってるチュラロンコーン王以外でここまで敬愛されたタイ国王って
たぶんいないはずで、元々はお兄さんの事故死(自殺説・他殺説もあり)で転がり込んだ王位だったんだけど、
彼は自らの行動でタイ王室の権威をイッキに高め、尊敬を集めた。立派な人なのは疑いない。
(下は結婚した時の写真だと思う。若い頃のシリキット王妃かわいいね。写真はWikipedia)。
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タイで政治的混乱やらクーデターやらが起き(実際これはよく起きる)、混乱が続くと最後には
プミポン国王が登場し、ツルの一声でたちまち収束。

こういうパターンって過去に何度もあったけど、こういう政変収束スタイルを確立したのって、実は
プミポン国王自身であって、それまでのタイ国王でそんなことした人、いないらしい。要するに現在の
タイ国民の、タイ王室に対するたいへんな崇敬の念は文字通り彼が「一代で築き上げたもの」なのだ。
こうなるともう彼に代わり得る人はいない。トシとろうが衰弱しようがプミポン国王じゃないとダメ。
タイではまさに唯一無二の絶対的権威、スーパーカリスマなのである。
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5月の軍事クーデターの時もプミポン国王、体は相当弱ってたみたいだけど、そこはスーパーカリスマ。
彼がちょっとでも関与すれば「王様の絶対的権威」という“最終兵器”は有効なのだ。だから収まった。
逆に言うとタイの政治家も国民も「最後は国王が収めてくれる」ことが半ば当たり前になっちゃってる。

しかしなんと言っても12月には87歳になるというご高齢。現国王に多くを期待するのは酷ってもんだろ。

一応皇太子はいる。しかし結婚・離婚を繰返したりして、どうも評判はイマイチらしい。
むしろ娘、皇太子の妹の方が国民的人気が高いらしいんだけど、独身のままもう50代。跡継ぎがいない。
兄の皇太子は結婚・離婚を繰返しただけあって跡継ぎはいるけど人気が・・妹の方は人気があるけど
跡継ぎが・・というわけで後継者問題も波乱含みなのである。

皇太子が次の王様になったとしても、彼に父親ほどのカリスマを期待するのは、これまた酷だ。
プミポン国王という絶対的権威を失ったタイが、“消し手”のないまま、ひたすら政治的混乱の炎が
ボウボウ燃え続ける国になるリスクはけっこうあると思う。彼が次の国王を指名せずに逝去しちゃうと
結局政治家たちが決めることになるらしいけど、そのこと自体、政治的混乱間違いなしって気がするしねぇ。
次の国王を決めるなんて大事な決定を下せるのは現国王自身しかいないのだ。
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実は9月にベトナム・カンボジアと回ってタイに入る予定を組んだとき、イ課長が懸念したのは
初夏に起きた軍事クーデターの影響なんかではなく、プミポン国王の健康だった。なにせご高齢。
もし、もしもだよ?イ課長がバンコクに入った日に国王逝去・・なんてことになったら・・・

あれだけ敬愛されている国王だ。タイ中が何日も深い悲しみに沈むのは間違いない。
役所や学校は当然休み。商店やデパートも休みだろうし、レストランやマッサージ屋も休むんじゃないか?
そんな悲しみにうち沈むバンコクで何すりゃいいのさ?

楽しみにしてたタイ旅行、行ってみたら国中がお通夜状態・・・って、これは誰だって避けたい。
服喪ムードで人通りの少ないバンコクを見るのも貴重な経験だけど、やっぱ一人のガイジン旅行者としては
賑やかな通りを歩き、おいしいタイめしを食い、のんびりマッサージしてもらえるバンコクの方が嬉しい。

しかし、いずれ遠くない将来、そういう事態は来る。
一時的にタイが服喪一色になるのは仕方ない。昭和天皇の時の日本よりずーーっと悲嘆ムードは深刻だと思うよ。
でもイ課長が心配なのはむしろ喪が明けた後のタイだ。ツルの一声のヌシがいなくなったタイがどうなるのか?
デモやクーデターが頻発する「危ない国」にはなってほしくはないのだが・・。

本日の記事、タイの法規だと部分的には不敬罪にあたるのかもしれない。
(国王が死ぬ話とか、皇太子の評判イマイチとか書いてるわけだからね。タイだったら不敬罪だと思う)

タイ当局の方がもしこの記事を読んでたら、イ課長をタイ入国禁止人物リストに載せないで下さい。
 

 

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by tohoiwanya | 2014-11-12 00:04 | 2014.09 東南アジア旅行 | Comments(0)


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